雑記

こいうた-2003.9.4「恋歌」第54回号より




誰にも言えずにいた恋する気持ちを、歌にしてひとつひとつ詠ってみると、
少しずつ自分のやるせない気持ちも紐解けていくようでした。
誰かに出会う時は、胸にときめきがあり、新しい光を感じます。
日本人の恋は命の働きのように感じます。
空間すら変えてしまう出会い・・・こい。
光の柱が立つところを目指し旅立つ。
そこが男と女の出会う場所。
そんな古くからの日本人の「こい」の感覚は
今、身の内深く眠っているのでしょうか?

いとしい人を乞う。
胸の中で声が響く・・・・「来い」と、力強く。
貴方が呼んでくれたように、私も呼び掛けていたのでしょうか。
身の内を解放してくれる貴方に。
私は、貴方との出会いの時に虹を見ると、奇跡の時を待ちました。
はたして、空には鮮やかな虹を見、子供の頃観た幻を現実としました。
何年も身の内深く秘め、誰にも語らずに生きて来たことを
貴方は一瞬のうちに解り、
乞うても、乞うても、生身の身体で会えるとは、到底思えなかった私の乞いは
貴方に辿り着いたのです。
「たったひとりわかってくれる人がいたら、人は生きていける」と貴方は言った・・・。
この「こい」は生きる力となりました。

貴方に出会い、生き始めた私はやがて恋いをしました。
それはとても悲しい恋となりました。
一瞬にして宇宙空間に大きな光を放った出会いでありながら・・・・・。
そうして私はこいうたを綴りはじめたのです。
それは私が彼に恋した証となりました。
私は生身の体で恋をしました。
女の体で恋をしました。
ただ溶け合って、ひとつになりたかった・・・。
日本人のこいは生身であり、聖なる空間とひとつであった・・・と考えるのです。
だからこそ、ひとつひとつ言葉を紡いで、うたうのです。
女として生きるこいうたを・・・・。


-天の羽衣-


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