あすなろ日記

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裏僕小説『星空』


   裏切りは僕の名前を知っている『星空』



 夜空に輝く星のすべてを君にあげるよ。

 君の中の孤独を美しい星で埋めてあげる。

 親に拒絶された君は絶望と不安に押し潰されていた。

 君は誰かに抱きしめてもらいたくて泣いていたね。

 僕が君の苦しみをすべて受けとめてあげるよ。

 君の痛みを僕の体に封じ込めてあげる。

 だから、もう泣かないで。

 僕に笑顔を見せて。

 無邪気に笑う君は星空よりも綺麗だから。



 黄昏館の屋上で愁生と焔椎真は夜空の星を眺めていた。

 「愁生、何ボ~としてるんだよ。」

 「昔のことを思い出してた。昔の焔椎真は可愛かったなって。」

 「今は可愛くないみたいじゃねぇか。」

 「そんなことない。可愛いよ。」

 愁生は焔椎真の顔を両手で包み込むように頬に手をあてた。

 「ずっとそばにいるよ。」

 愁生はそう言って、キスをした。焔椎真は一瞬、照れたような

 顔をしたが、愁生の舌の動きに合わせて舌を絡め合わせた。

 長いキスの後、愁生は

 「何があっても離れないって、約束だよ。」

 と言って、焔椎真の小指に口づけをした。そして、焔椎真の

 人差し指と中指を口に含んだ。ねっとりと舐めまわす舌に

 焔椎真は少し感じたのか、眉間にしわをよせて、こう言った。

 「部屋に戻ろう。」

 「ううん。ここでいい。星が綺麗だから。」

 愁生は焔椎真の背中に腕をまわした。焔椎真は愁生にキス

 をしながら、ズボンの中に手を滑り込ませた。愁生の唾液で

 濡れた指を体内に入れて、ゆっくりと動かす。良い所を探り

 当てて、指先を小刻みに動かして刺激する。愁生の呻きを

 吸い取るように焔椎真は愁生の舌を吸い上げた。

 蕩けるような長いキスに愁生は腰が抜けたように崩れ落ち

 そうになったが、焔椎真は愁生を抱え、更にズボンを下着ごと

 脱がせて、片脚を抱え上げて、挿入した。立ったままの姿勢

 で抱き合いながらの行為に愁生は喘いだ。焔椎真の動きが

 激しくなるにつれて、地についている足までもが宙に浮きそう

 になる。バランスを崩して倒れそうになる愁生に焔椎真は

 「愁生、俺にしがみつけ。」

 と言った。愁生は思い切って脚を焔椎真の腰に絡め、無我

 夢中でしがみついた。焔椎真は両手で愁生の腰と太もも

 を支え、身体の中心で貫きながら、激しく腰を動かした。

 全体重が焔椎真にかかり、愁生はより深く身体を貫かれ、

 悲鳴をあげた。

 「あ、あああ~、焔椎真~、ああ~」

 「愁生。あっ。」

 「ああ~、あ、ああああ~」

 愁生は焔椎真がトクトクと体内に放つのを感じながら達した。

 二人同時に果てた後、焔椎真はゆっくりと愁生を下ろし、

 こう言った。

 「おまえが部屋以外でやろうって言うなんて珍しいな。」

 「そうだっけ?たまにはいいんじゃない?」

 「星なんか眺めてなかったじゃねぇかよ。」

 「見てたよ。ずっとね。キラキラ輝く星みたいに綺麗な

 焔椎真の顔。」

 「うそつけ。からかうなよ。」

 焔椎真は顔を真っ赤にして横を向いた。

 「やっぱり焔椎真は可愛いよ。」

 愁生はクスクスと笑った。

                              (完)




裏切りは僕の名前を知っている小説挿絵 愁生


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