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あすなろ日記
べるぜバブ小説『花見』
「綺麗だ。男鹿。」
闇に舞い散る桜の花びらを見ながら、古市が言った。
「そぉかぁ?それより、もう食べようぜぇ。」
桜の木の下で弁当を並べながら、男鹿は言った。
「夜桜を楽しむ風雅な心がお前には無いのか?」
古市は呆れたように言うと、レジャーシートに腰を下ろした。
「そんな事言ったってよぅ、もう10時だぜぇ。腹減ったぁ。
お前の母ちゃんが作ってくれた弁当うまそうだな。」
男鹿は玉子焼きに箸を突き刺して、パクッと食べた。
「ダァー!!」
ベル坊も玉子焼きが欲しいのか弁当に手を伸ばしたが、
「コラコラ、おめぇはダメだ。こっちで我慢しろ。」
と言って、男鹿はミルクを放り投げた。ベル坊は哺乳瓶を
自分で持って美味しそうに飲み始めた。
春休みの思い出作りに河川敷で夜桜を見ようと古市に
誘われて、ベル坊を連れて男鹿は花見にやって来たのだが、
夕食をカップラーメン一つで軽く済ませただけの男鹿は花より
団子といった感じで、おにぎり片手にご馳走を頬張っていた。
辺りには誰もいない二人だけの否、ベル坊を入れて3人
だけの花見だった。春の風は心地よく、夜風に舞う桜は
サラサラと川の水面に浮かんで流されていく。遠くに見える
街の明かりと疎らに立っている街灯だけが桜を照らしていた。
「古市、食べないのか?」
黙って桜を眺めていた古市に男鹿が聞いた。
「ああ。俺の分も食べていいよ。」
「本当か?サンキュー。」
男鹿は嬉しそうに二人分の弁当を一人で平らげた。
「美味かったか?」
満腹になって、食った食ったとお腹をさすっている男鹿に
古市が聞いた。
「ああ。美味かったよ。でも、俺一人で食ってホントに
よかったのか?古市は腹減らないのか?」
「うん。デザート喰うから。男鹿、喰っていい?」
古市は持って来た紙袋から生クリームのスプレー缶を取り出した。
「男鹿、あ~んって口開けて、舌出して。」
「えっ?こうか?」
男鹿は言われるままに口を開けて、長い舌を伸ばした。
古市はスプレー缶をプシューっと押して男鹿の舌先に
生クリームを乗せると、舌ですくって食べた。
「甘い。」
古市はニコッと笑って、唇を重ね、舌を絡ませた。男鹿の
口の中で溶ける生クリームを味わいながら、古市は男鹿の服を
脱がせていく。桜の木の下で、男鹿を押し倒し、古市は再び
スプレー缶を手に取り、男鹿の身体に生クリームを飾りつけた。
「ひゃっ。冷たい。アハハハ・・・」
男鹿が笑うのを古市は咎めた。
「デザートは喋っちゃダメだ。じっとして。黙ってて。」
まるでケーキのように胸や下腹に生クリームをデコレーション
された男鹿にベル坊が真っ先に飛びついた。ぺロぺロと甘い
生クリームを舐めるベル坊に男鹿はくすぐったいと笑っていたが、
やがて、胸に吸い付かれると、甘い吐息を洩らし始めた。
「おっぱい吸われて感じてんの?」
古市は嘲るように男鹿に言った。
「ちっ、違う。」
「違わないね。ホラ、見て。ここはもうこんなになってる。」
生クリームに埋もれた草むらに大きくそそり立つものを
ピンッと指で弾いて、古市は言った。
「男鹿は淫乱だな。」
古市はためらいもなく男鹿を口に含み、アイスキャンディーを
頬張る子供のように味わいながら、美味しそうに舐めた。
「あ、ああ。」
男鹿は胸と下腹を同時に吸われて、とうとう耐え切れず、
声を出した。古市は男鹿を舐めながら、指2本で生クリームを
すくって尻になすりつけた。指を入れ、くちゅくちゅと音をたてて
動かすと、男鹿は自ら腰を浮かして、悦んだ。前と後ろの
同時攻撃に男鹿は弱かった。しかも、ベル坊に胸を吸われて、
トリプル攻撃を受けている。男鹿の理性は吹っ飛んだ。
「あ、いい。もっと・・・あ、もう、イキそう。早く古市のくれよ。」
「もう欲しくなったのか?でも、今日は俺のよりもっと
いいものをやるよ。」
古市はそう言うと、ベル坊のおしゃぶりを手に取り、生クリームを
たっぷりとつけて、尻の中に押し込んだ。指を使って、かなり
奥のほうまで押し込めると、古市は
「どうだぁ?男鹿。おしゃぶりは気持ちいいか?」
と言って、ニヤッと笑った。
「あ、ヘンなモン入れんなよぉ。あ、古市、早く取れ。あ、ああ~」
男鹿は腰をモゾモゾさせながら、潤んだ瞳で訴えた。
おしゃぶりを入れられて、感じている男鹿に古市は
「自分で出してごらん。もちろん、手を使わずに。」
と言った。そして、両手で足を掴んで大きく開かせた。
「やだよ。そんなの。今りきんだら、何か他のまで出てきそうだ。」
「じゃぁ、ベル坊に取ってもらえよ。」
「えっ?!」
さっきまで一心不乱に胸を吸っていたベル坊がおしゃぶりを
盗られたと思って、不機嫌そうにじっーと見ていた。
「ダアーッ!!」
ベル坊がおしゃぶりを取り返そうと、男鹿に手を伸ばした。
「やっ、やめろっ!」
男鹿は嫌がったが、ベル坊は拳を男鹿の中に挿入した。
「あっ、あぁ~ああっ!!」
身体の中に拳を沈められて、男鹿は絶叫した。しかし、
ベル坊はそんな男鹿にはおかまいなしで手首まで拳を沈めて、
おしゃぶりを取り戻そうとしていた。だが、狭い穴の中で
おしゃぶりを掴むのは赤ん坊には難しいのか、どんどん奥へと
おしゃぶりが入っていってしまう。いつしか腕の中ほどまで
拳を沈められて、そのうち、肘まで入れられたらどうしようと
男鹿は恐怖した。古市は男鹿の両足を掴んだまま、
押さえつけて、興奮したようにその光景を見つめていた。
痛みに耐えている時の男鹿の苦悶を浮かべた表情は
笑顔よりも素敵だった。ベル坊はなかなかおしゃぶりが
つかめなくて、癇癪を起こしそうになったが、古市に
「手をパーにして、指を開いて、おしゃぶりを掴んでごらん。」
と言われて、ハッと気がついたように、直腸の中で手を開き、
おしゃぶりを掴んで引きずり出した。
「ダァー!」
ベル坊はおしゃぶりを握りしめた手を掲げて、勝利のポーズを
とった。
「よくやった。ベル坊。」
古市がベル坊を褒めると、男鹿は
「よくやったじゃねぇぞ。俺は脱腸するかと思ったぜ。」
と、気だるそうに言った。ボタボタとこぼれる生クリームに
血が少しだけ混じっていた。古市は赤くなった程度でさほど
切れてもいない男鹿の状態を確かめると、こう言った。
「赤いローズが咲くかと思ったのに~残念。」
「何だと!コラァ!!」
「ごめん。ごめん。でも、赤ん坊の腕ってコーラの瓶よりも
小さいから大丈夫かと思って・・・実際、大丈夫だったろ?
そんなに怒んなって。」
古市はクスッと笑って、男鹿にキスをした。甘いキスで
誤魔化そうとした古市に男鹿は
「俺のこと何だと思ってるんだよ。」
と、ふてくされたように言った。すると、古市は一瞬困ったような
顔をしてから、ニコッと笑い、
「愛しているよ。今度は優しくするから、機嫌直せよ。」
と言った。そして、もう一度、男鹿にキスをした。
ベル坊は男鹿の体内から奪い返したおしゃぶりを満足そうに
しゃぶっていた。
「ゲッ!あいつ汚いとか思わないのかよ。」
男鹿がベル坊を見て、呆れたように言うと、古市は
「何で?好きなものに汚いとかないと思うよ。」
と言って、生クリームの味がする男鹿の蕾に顔を埋めた。
ピチャピチャと音を立てて、内壁まで念入りに舐めると、
男鹿は再び古市が欲しくなった。
「あ、あっ、もう、入れ・・・あっ、また、イキそう。」
喘ぐ男鹿に応えるように古市は男鹿の中に挿入した。
「あ、あ、ああ~」
古市は男鹿の両手を掴んで押さえ込むようにキスをした。
そして、腰を動かしながら、
「好きだよ。男鹿。」
と言った。男鹿はぎゅっと古市を締め付け、ほんのりと頬を
桜色に染めていた。古市が激しく腰を動かすと、男鹿は歓喜の
声をあげ、絶頂に達した。古市も男鹿が達すると同時に
中で果て、優しくキスをした。男鹿と離れるのが惜しいのか
いつまでも身体を繋いだままでいる古市に男鹿は
「どけよ。もう終わっただろ。」
と言った。古市が仕方なく身体を離すと、男鹿はティッシュで
身体を拭きながら、こう言った。
「古市はほっとくと、もう一回とか言い出すからな。まったく、
油断も隙もねぇからな。」
まるでつれない男鹿の態度に古市は苦笑した。
「何で2回やらせてくれないんだよ。」
「ベル坊がいるだろ。」
「ベル坊なら寝ちゃってるよ。」
いつの間にかベル坊はスヤスヤと寝息をたてて眠っていた。
桜の花びらが風に舞い、ヒラヒラとベル坊の顔に飛んできた。
男鹿はそっと指で拭うように桜の花びらをとってあげた。
自愛に満ちた目でベル坊を見つめる男鹿に古市は
「ベル坊と俺とどっちが好き?」
と、少し嫉妬したように聞いた。
「ハア?!バッカじゃねぇの?そんなの比べられねぇよ。
ベル坊はただの拾った赤ん坊で古市は俺の親友だ。」
「親友ねぇ。」
『恋人じゃないのかよ』と、古市は心の中で毒づいたが、
言葉には出さなかった。
闇夜に浮かぶ月は雲に隠れて、闇の中で風に舞い散る桜は
死に逝くようで美しい。古市は自分が桜の花びらのようだと
思った。太くて大きな桜の木に年に一度咲く花。綺麗だけれど
命は短い。無力で儚く、散った後は人に踏みつけられて
消えていく。高校を卒業しても男鹿は会ってくれるだろうか?
親友ほど不確かなものはない。強い男鹿にくっついている
だけの自分の存在に時々腹が立つ。親子の関係のほうが
絆が深い気がして、古市はベル坊に嫉妬したのだった。
「もう帰ろうぜ。花見なんかしなくても明日またやらしてやる
からさ。」
「えっ?!」
「俺達、親友だろ?ずっと一緒だ。新学期にクラスが別々に
なったとしても、俺は古市の他に親友は作らねぇ。約束する。
だから、そんな顔するなよ。」
男鹿はニコッと笑って言った。
「男鹿ぁ。」
古市は感動して男鹿に抱きついた。
「コラコラ、ベル坊が起きるだろ。しょうがねぇなぁ。そんなに
もう一回やりたいのか?」
男鹿の少しズレた優しい言葉に古市はプッとふきだして笑った。
古市はもう一回したいわけではなかったが、嬉しそうに
「うん。」
と、返事をして、男鹿を抱いた。
闇に隠れていた月が雲の合間から姿を現して、優しく
二人を照らし始めた。
(完)
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