220231

可及的ゆるやかに。

MEA手術当日～翌日。

前日夜１０時に水を飲んだのを最後に，絶飲食。
水を飲めないのが何より辛い。

<５：００　起床>

いつもどおり長男の弁当作り。家族の朝食も作る。
洗濯をして天気がいいので外干し。子どもたちを普通に学校に送り出す。
起床時習慣にしている，水が飲めず，毎日飲まないといけない降圧剤も飲めないので，
血圧が高い感覚。少しふらふら。
一応下半身のみシャワーをして，両手から指輪を外し，出かける準備をする。

<１０：３０　病院到着>

仕事を一日休んでくれたツレの車で病院へ向かう。
夫婦で主治医から説明を聞いて，署名押印しておいた手術の同意書を提出。
手術中，もしものことがあったらと，ツレが待機していてもよいか尋ねると，
看護師「旦那さんは，いていただかなくても良いです。」
待合室で，外来患者と一緒に座っているわけにもいかず，ツレは自分の通う病院へ。

<１０：３５　手術の準備開始>

患者さんが点滴を受けたりする「休養室」にて準備。
パンツ１枚になり，薄手ガウン状の手術着に着替え。脱いだ服を手持ちのバッグへ。
「指輪してないですか？」と訊かれ，外した手を見せる。
血管確保と水分補給に，点滴（ディーンF）装着。
右腕表面の程よい血管になかなか針が入らず，看護婦さん苦心。
点滴の管には分岐が２個付いており，静脈麻酔をそこから入れるとのこと。
休んでいてよいと言われ，ベッドに横になるも，ほの暗い休養室の照明とベッドの寝心地の良さに，即爆睡（思いきりイビキをかいて）。

<１０：５５　起こされトイレへ>

<１１：００　小手術室へ移動>

服や財布の入ったバッグも一緒に点滴を引きながら歩いて移動。
「内診室」と廊下を挟んで「小手術室」があるのにこの日初めて気づく。
ここの先生は，「母体保護法指定医」だから，「そういう手術」もここでするのかな…と思ったが口にはしなかった。

小手術室内はほぼ真四角の部屋。手術台が部屋の対角線上に配置されている。
手術台は，仰向けに寝て，両足をそれぞれ乗せる台があった。
お尻のあたりに巨大なナプキンが敷かれている。横になるときパンツを脱ぎ，手術着を腰までまくり上げて，ナプ上に腰を置く。

ピンク色のタオル地で出来た，ひざまで覆う「足袋（あしぶくろ）」を両足に着ける。
血圧計・心電図を左うでに付ける。
機器テストで，腕が締め付けられると，頭の血管に圧がかかるのがわかる。
出た血圧の数字はやはり高め。降圧剤飲んでないし，緊張もあるのだろう。

看護師さんが，室内の作り付けのたくさんの扉を開け，コンパクトに収納されていた手術用器具を手際よくセットしていく。
器具の出す金属音が，手術の前の緊張を高める。
狭い室内で，大柄な私の足が，彼女らにぶつかってしまい申し訳ない。

「私は麻酔で必ず吐いてしまうので」とお願いし，吐しゃ物を受けるプラスチック製の容器を顔の右側に置いてもらった。
携帯電話もそのそばに置く。

<１１：４５　静脈麻酔準備>

薬は，硫酸なんとか…メガネも外しているので，字が見えない。
「外来の最後の患者さんが終わってからにしよっかー」と看護師さん。

<１１：５０　静脈麻酔開始>

「すぐ眠くなりますからね」と言われるが，ギンギンで眠くない。
高揚しているせいで看護師さんに喋りすぎる私。うるさいだろう。

<１２：０５　手術が始まっていた>

ふと気づいたら，先生が足の間で始めていた。
静脈麻酔のあと，子宮口に局所麻酔を注射しているはずだが，記憶も感覚もない。
先生に「痛い？」と訊かれて，「全然痛くないんですけどー」と言った直後，
意識が完全にダウン。

＜手術中＞

「ウルトラQ」のオープニングのような，宇宙戦艦ヤマトのワープ中のような，ムンクの「叫び」の絵のような…
ひたすらマーブル状の柄が見える。
耳は全然聞こえない。マーブル柄の中に，箱があり，生き物（人？）が見える。

瞬間，子宮の痛みで覚醒！
「あー，やられてるー」と思う。口にいつの間にか酸素マスクが付いていた。
途中でマスクが外され，鼻からの吸引チューブに変えられる。

「鼻から息吸ってー」と看護師さんに言われ，一生懸命深呼吸。
でもなんか息苦しい。
全身にものすごく汗をかいていて，看護師さんが顔や体をタオルで何度も拭いてくれる。

<１４：００ころ>

先生から「終わりましたよー」と声をかけられるが，返事にならない。
頭や体がぐるぐるしている。そろそろ吐き気がきそう。
ものすごく尿意を感じ，看護師さんに告げると導尿してくれる。
麻酔のおかげで，カテーテルを挿入する痛みは全くなく，すっきり大量に排尿。

<１４：３０>

妹と友人に「術後の吐き気なう」と携帯でメールをする。ぐるぐる。

<１５：００>

看護師さん「酸素，外そっか。」と外しにくる。まだぐるぐる。
こんなんで帰れるんだろうか，私。

<１６：００>

ツレとチビが病院に来る。私の姿を見て，チビが固まっている。
ここで思いっきり吐き気が来るが，全く吐しゃ物は出ない。
看護師さん「診察あるんだけど，立てそう？」と来るが，ぐるぐるで，とてもムリ。

<１６：３０>

１８時までの診療時間内に日帰りしなければならないので，
いつまでもこうしてはいられない。

意を決し，体を起こしてみるが，即嘔吐。
嘔吐用プラ容器を持ったまま，トイレで排尿。
腕を見ると，点滴が逆流している。針が外され，診察室へ支えられて歩いていく。
外来の患者さんの間隙を縫って行くが，手術着の前ははだけ気味だし，悲惨な姿。

嘔吐用プラ容器を持ったまま，迫り来る嘔吐と戦っていて，
先生に何を言われているのか，よく分からなかった。

《あとでツレに訊いたところ，手術中に血圧が１６０を超え，降圧剤を注射したり，
呼吸困難になったので酸素マスクを付けたそうだ。
帰宅したらすぐいつもの降圧剤を服用するよう指示された。》

一週間後にまた来院するよう言われ，院内処方の鎮痛剤や抗生剤を受け取る。
ツレに支払いを済ませてもらい，服を着替えて，ぐるぐるのまま車に乗る。
タクシーなんて，とても無理な状態。
すぐ自宅に着いたが，ツレの手をぎっちり握って，ゆっくり歩きながら部屋へ。

<１７：３０>

パジャマに着替えて自分のベッドに寝る。めちゃくちゃ吐き気がする。
両手首から先がしびれていて，携帯の操作ができない。

<２１：００>　勇気を出して，一口水を飲んでみるが，即嘔吐。
<２２：００>　同上
<２３：００>　同上

2010.9.15

<１：００>　一口水を飲んだが，吐かずに済む。

<３：００>　同上。これはいけるか。

<５：００>

携帯のアラームが鳴るが，起きられそうにない。
ツレが起きて，上の子の弁当を作っている気配がする。
今日も仕事を休んでくれるらしい。

<８：００>　熟睡して目覚める

アクエリアスを飲んでみる。
吐かずに済みそうなので，処方された薬を胃薬から順に飲む。
食パンを1/4だけ食べてみる。

<１０：００>　熟睡して目覚める

いけそうな気がして，バナナ1/2本と食パンを1/2食べて，
アクエリアスをコップ１杯飲んでみる。

<１２：００>　熟睡して目覚める

ベッドからリビングに来て見ると，ツレがソファで熟睡中。
傍らのテーブルを見ると，ビールの空き缶。昼酒してやがる。
マンゴーゼリーを1/2食べる。すごくうまい。

<１４：５０>　熟睡して目覚める

チビがそろそろ来るなー，と思い。起き上がる。
ツレの姿がない。車はあるので，近所のパチンコ屋に歩いて行ったらしい。
マンゴーゼリーの残りを食べて，だいぶ元通りになったことを感じる。
吐き気はなくなったが，足元のふらつきあり。ちょっと横になる。

<１８：００>

シャワーしてみる。倒れるといけないので，ささっと済ます。

<１９：００>

子らの夕食に，焼きビーフンを作ってみる。立っているとふらふらする。

<１９：３０>

自分の夕飯は味噌汁とご飯1/2杯だけにしておく。

<２１：００>　就寝

2010.9.16

<５：００>

眠っている間，吐き気なし。
両手のしびれや違和感がようやくなくなる。
弁当や朝食をいつもどおり作る。立っているとくらっとくるので，
休みながら洗濯・かたづけなどする。

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