【亞】の玉手箱2

【亞】の玉手箱2

積極的に陰の力を用いよう

【積極的に陰の力を用いよう】

乾為天(けんいてん)を学ぶと、
「陽が強すぎる時は陰の力が必要なのだな」とわかります。

それだけに、「では陰に対しては陽の力が必要だ」と、
停滞して塞がった時には、
積極的にものごとを推進してバランスをとる、
中和させることが大切だと思いがちです。

しかし、坤為地(こんいち)の卦を読んでみると、
陰の時代は陰の力をさらに強めなさい。
従いなさい、受け容れなさい、
耐えて度量を育てなさい、と教えていました。

ということは、ものごとが通じない時に
打破しようとアクションを起こす、
つまり陽を用いて単にバランスをとるのは、
決して適切な対処ではないということです。

なにか行動を起こすことで多少、気は休まるかもしれませんが、
それでは根本の解決にはならず、無駄なエネルギーを消耗するだけです。

めざましく成長していく陽の時代がなぜやってくるのかというと、
陰の時代を経ることで、膨大な力が蓄えられ、その結果、
自然に陽を生じさせるからだと易経は教えています。

陰が窮まれば陽に転じます。
陰の時代から陽の時代への一番の近道は、
積極的に陰の力を用いることで、陰を窮めていくことなのです。

        『超訳・易経』 第四章より

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超訳・易経  自分らしく生きるためのヒント』
 増刷(3刷)感謝!

三省堂書店名古屋高島屋店の、新書・ビジネス書2部門において
平成24年5月27日、ベストセラー1位に。

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