Pre Dynastic

<石器時代>


エジプト最初の人類

科学的な証拠をもとに考えると、最初の人類が発生したのは、約440万年前。
アフリカ大陸のエチオピアだと言われています。
その頃には既に、ナイル川も形成されており、エジプトに人間が現れてもおかしくはありません。
最初の人類(旧人)は、猿人に近い容姿ではありながら、二足歩行をしており、
またその肌色は、白色と黄色の間の色だったとされています。
その後、地球寒冷化を経て、突然変異が起こり、われわれの祖先(新人)が生まれました。
この祖先達は、アフリカ大陸の気候が暑くなるにつれて、
肌の色が黒色化し、髪も、巻毛状に変化しました。
アフリカでも、寒い地域においては、肌の色はそのままだったようです。
旧人、新人の生活した痕跡が、エジプトの各地に残されているところから考えると、
エジプト最初の人類は、旧人だったようです。



石器時代と土器
石器を使い始めた頃の人間は、どこの地域においても、狩猟生活をベースにしていました。
エジプトでもそれは同じことです。そして、人類は、狩猟生活に必要な知恵を身につけ、
計画的に道具を作るようになります。それがいわゆる石器です。
エジプトの石器時代において、ナイフ状のものなど、様々な種類の道具が作られたようです。
石器時代を経て、人々は定住生活をするようになります。
その定住生活の中で、彼らは食料を保存することを考えるようになり、土器を作り始めました。
その土器が、埋葬品として、エジプト各地から発見されています。
ナカダ文化が花開いた、ナカダ地方や、ファイユーム地方から、多く見つかっています。
これらの土器を調査して、フリンダース・ピートリー(考古学の父)が、土器分類を行い、
当時の時代の流れや、土器のつくりなどを纏め上げました。



埋葬の習慣
 後のエジプトにおける歴史の中で、「埋葬」というのは、重要なポイントです。
その習慣の始まりは、まだ王朝が出来る前のことでした。
実際のところは、判らないのですが、色々な学説が持ち上がっていますが、
中でも最も有力とされているのは、来世思想が存在していた、ということ。
副葬品などを、遺体と共に埋葬するということ(しかも、生前に使用していたもの)は、
来世において、死者が利用する為に…という意味が込められていたのでは?ということなのだ。
第一王朝が始まってすぐ、王に従って殉死するという考え方があったところを見ると、
来世思想が、この当時に始まっていたとしても、不思議なことではないのです。
 この時代の埋葬について、もう一つ興味深い点があります。
それは、この当時の埋葬は、遺体の手足を折り曲げて埋葬する、屈葬だったということです。
当時は、ミイラというものは意識して作られていませんでした。
考えられる中で有名な、屈葬の理由は、古代人が、遺体が起き上がらないように
という彼らの恐怖観念からだと言われています。
また、最近では、エジプトで後に大切になった「再生復活」の思想が、この当時からあり、
胎児が母体の中に居る状態の格好を、遺体にさせることで、再生を願ったという説があります。


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