第7官界彷徨

第7官界彷徨

韓国歴史ドラマ


善徳女王
主演:イスンジェ(新羅真興王役)・イムホ(新羅真智王役)・チョミンギ/ペクチョンミン[子役](新羅真平王役)・ユンユンソ/パクスジン(新羅真平王の皇后役)・シング(ウルチェ役:真平王忠臣)・チョンホビン(ムンノ役:新羅真平王配下)・ソヨンヒ(ソファ役:新羅真平王の侍女)・ユスンホ(キムチュンチュ:新羅武烈王)・コヒョンジョン(ミシル役)・アンギルガン(チルスク役:ミシル配下)・イヨウォン/ナムチヒョン[子役](善徳女王役)・オムテウン/イヒョヌ[子役](キムユシン将軍役)・パクイェジン/シンセギョン[子役](チョンミョン王女役:善徳女王の双子の姉)・ソン・オクスク(ソリ役:神官)

百済の刺客に襲われる新羅真興王。そこへ、ミシルが助けに…。
プッカン山に登り、新羅を見る…プッカン山の頂上に向かう新羅真興王。
全てが俺の新羅だ。お前達の功績だ。お前達が新しい時代、新しい新羅を成し遂げたのだ。今後の新羅はお前達の物だ。お前達がいるから、不可能なことを成し遂げられたのだとミシル達配下の前で語る新羅真興王だった。

ミシルを殺せ。ミシルは俺の遺言(ペクチョン王子を王にする)を守らないだろう。俺が生きている間は、新羅の宝だが、俺がいなくなったら、ミシルは新羅の毒になると…と配下ソルウォンランにミシルの暗殺を命じる新羅真興王だが…、ソルウォンランは、既に、ミシルの配下に…。

ペクチョン王子(後の新羅真平王)に、お前が次の王だ…と虎を殺したナイフを渡す新羅真興王。
亡くなる新羅真興王。亡くなった王の前で、もう、ミシルの時代です…と叫ぶミシル。
一方、プッカン山で祈祷するムンノに、新羅真興王の声が…。
ムンノ…、北斗七星の星七つが、八つにならない限り、ミシルに対抗できる物は天下にいない。ミシルに対抗できる者がいるならば、北斗七星が八つになる日に来るだろう…と。

遺言(ペクチョン王子を王にという遺言)は変えられます。私を皇后にするなら…とクムリュン王子(後の新羅真智王)を誘惑するミシルであった。真智王として、新羅王に即位するクムリュン王子。

時は過ぎ去り…、自分を無視し始めた真智王を切り捨てる決意をするミシル。
一方、ペクチョン王子の夫人が子供を身ごもり、新羅真興王から授かったナイフを、夫人と子供を守ってくれるだろうと渡すペクチョン王子(後の新羅真平王)であった。

ミシル皇后を脅し、前王の遺言を無き物とした…と、忠臣の前で、ペクチョン王子が次の王であるという新羅真興王の遺言を発表するミシルであった。第1話終り

6月13日
吉備真備の伝記より
日本から見た当時の朝鮮半島の国々の様子について。
=任那の日本府を滅ぼしたものは結局百済ではなくして新羅であった。(欽明天皇23年、562年)。次第に新羅は我が国を蔑視するようになる。我が国はしかし、大陸から輸入した「中国」意識を持して新羅を「蕃国」として待遇した。

 大化の改新の3年、新羅は金春秋(トンマンの姉の息子?)を人質として遣わした。
 半島に対して改新政府の採ったのは、明瞭な強硬外交政策であった。
 白雉3年、当時の新羅は大宗武烈王(金春秋)の在位中であった。春秋は我が国,及び唐に質となって共に礼遇された人であり、謀臣にはキムユシンがあった。

 吉備真備の太宰府在任中の重大な仕事は、征新羅計画である。 
 斉明天皇6年(660年)百済が陥落し、助けを求められて「征新羅軍」が起こされた。
 日本、百済、高句麗と唐、新羅の連合軍は半島において戦闘を続け、白村江の大敗によって、わが百済救援、新羅討伐は失敗に帰し、百済に続いて高句麗も滅亡し、半島は新羅の統一時代となる。
 天智天皇の半島放棄はかくして行われたのである。

 (そののち)
 天武、聖武と時代が変わり、恵美押勝が新羅征伐を計画するも、本人の失脚によって雲散霧消となる。=

 ☆吉備真備は、まだまだ長生きをして大仏建立をするのですが。
 この先生の新羅の論は、のちの学者さんによって修正されているかと思えますが、善徳女王の舞台が日本のこの時代だったと思うと、興味津々です。
 今、善徳女王は、吹き替え版が木金土のBSフジ、遅れてノーカット字幕版がCSフジテレビ2で日曜日の午後9時から放映中です。
 先週の吹き替え版では、私の好きなミシル(美室)と、赤ん坊の頃に捨てたミシルの息子ピダムの再会がありました。二人とも残酷な人間だと思われているのです。ピダムが「人を殺すと申し訳なくてつい笑ってしまうのだ」と言うとミシルが「そういう時は、口の端をちょっと上げて笑えばいいのよ」と答えます。
 未だに名乗りは上げない残酷母子ですが、2人とも魅力的でしびれます!
 でも、前はミシルがきれいだな~と思って見ていましたが、王女の装いをしたトンマンと並ぶと、トンマンの方がきれいです。
 トンマンの若さ、両親とも王室の血、夢、そんなこんなで、ミシルはちょっと押され気味です。

6月14日
 さて、善徳女王のヒロイントンマンは、双子が生まれると王室が滅びるという予言のために、生まれてすぐに砂漠の国へ追いやられ育ちますが、ミシルの放った追っ手を逃れて、新羅へやってきます。

 自分が誰かを知る為に、男の姿になって花郎の養成施設に入り、そこで伽?人のキムユシンの配下になって成長します。
 長じて、トンマンが王女と分かったとき、伽?の人々は、ユシンがトンマンと結婚して新羅の王となり、虐げられた伽?人を救ってくれるよう期待します。
 しかし、ユシンさまは、自分が王となれば、王室に混乱が起き、伽?人への弾圧も強まるだろう、多くの伽?人がむだに命を奪われる事のないように伽?人を守るため、自分は自分を捨てて(ほんとはトンマンが好き!)一生を王室の臣下として新羅に捧げるのだ!と固く決意します。

 この3国の歴史は、関係する各国で微妙に違っています。そのあたりを、蓮池薫さんの「韓国歴史ドラマの舞台と今」より。

 高句麗が国の主な部分を占めている北朝鮮は
「百済と新羅は,高句麗より遅く建国されただけでなく、政治、軍事、文化、経済などのあらゆる面で立ち遅れており、当然高句麗に従うべき国だったと描写。
 新羅が唐と手を結んで百済や高句麗を滅ぼしたことについては、
 新羅の統治者たちは領土を広げようとする野望を実現するために、唐の侵略勢力を引き入れる罪悪的な行為を敢行した。
 645年、新羅の金春秋は唐を訪ね、とうてい許すことのできない「秘密協約」を結んだ。その内容は新羅と唐が連合して高句麗、百済を滅亡させたあと、大同江(平壌のある場所)の北側は唐が管轄し、その南は新羅が所有するというものだった。

 北の歴史教科書では高句麗を統一を主導した強大国,新羅は背信の国、百済は高句麗のルーツを持つ国として、明白に色分け。
 それほどまでに強大だった高句麗がどうして滅亡したかという点では
 「階級制」を強調する立場から、高句麗の支配層の内部紛争を原因として挙げている。

 韓国では、長い間三国時代の中心国家を新羅とし、新羅による三国統一を政治的な意味をこめて強調してきた。そのことで、朝鮮半島の南半分に位置した韓国政府の正統性と、南北統一における韓国の主導的地位を内外に印象づけようとした。
 1992年まで、韓国の歴史学者が高句麗の遺跡にアクセスする可能性もなかった。
 90年代後半、韓国に北朝鮮との融和政策を進める政府が誕生して、高句麗の再評価が進み、新羅の三国統一を評価するだけだった見解が大きく変化した。批判すべき点として
1/新羅による三国統一の過程は、侵略者と結託して同族国家を滅亡させ、かつての高句麗の広大な領域を放棄したという、悲劇的な側面を有している。
2/朝鮮半島北部と中国東北部地域を失ってしまったことにより、新羅による三国統一の意義がなくなった。

 一方、従来通りの歴史的意義も述べられている。
 新羅の三国統一により朝鮮半島に平和が訪れ、人々が戦争の苦しみから開放された点、三国の間に存在した異質な点がなくなり、そこに住む人たちが同族意識を持ち、一つの民族が形成されていく重要な契機になった点など。

 最近の韓国の歴史書では、高句麗と随、唐との戦争で活躍した武将の名が、北朝鮮の歴史書ではないかと思うほど大きく扱っているものがある。
 歴史的に高句麗ほど民族的自負心を高めてくれる国はなかったという考え方が、韓国にも広がりつつあるのだ。

☆という、蓮池薫さんの分析でした。中国という大国がそばにひかえていて、島国の日本とは違うドラマチックな歴史が、朝鮮半島にはあるのですね。
 さて、トンマンは自分が王になる資格として、民に「夢」を与えられる王になろうとしています。それは広い国土で豊かに暮らせる希望。トンマンのことですから、ゆめゆめ侵略や搾取などはせず、善政を布いてくれると信じています!

6月19日
 ところで、韓国歴史ドラマ「善徳女王」に、今週、いよいよ三国統一を果たす「金春秋(キムチュンチュ)」が登場しました。善徳女王トンマンの双子の姉の子どもです。
 花郎のトップを決めるピジェの日に、春秋が都を目指してやってきます。先にその身柄はミシル(美室)たちに押さえられているように見え、トンマンの両親の王様も王妃も気が気ではありません。ミシルは余裕。
 それが、到着の日になってもなかなか着きません。

 彼は馬に乗れないし、輿に乗ると酔ってしまうと言って休んでばかり。
 ミシル陣営では春秋は馬にも乗れない弱虫だとあきれます。
 しかし、春秋は早朝宿を出て一人ピジェの会場に姿を現すのです。なかなかの好青年。

 史実では、春秋は、大化の改新後の日本や唐に人質のようになって滞在し、のちに唐と手を結んで百済と高句麗を滅ぼして三国の統一をするのです。

 ネットで調べてみましたら、この金春秋の政権を取るパターンは、日本書紀に日本の天皇の名をあてはめてそっくり書かれてあるのだそうです。
 トンマン(善徳女王)の在位期間が、皇極天皇と全く同じで、次がトンマンの従妹が王になり、これは、大化の改新ののち、中大兄皇子が、皇極天皇を立て、斉明、次に本人が天智天皇になったのとかぶるんだそうです。

 日本書紀は、この新羅の歴史をそっくりいただいてあるらしいのだそうです。
 何がほんとで何が尊いのかわかりません。

 ともあれ、善徳女王は、生真面目が軍服を着ているようなユシンさまと、シャイで孤独な高貴な捨て子のピダムが、トンマンをすごく好きだという点で、すごくいいのです。
 そうそう、史実では、ユシンさまの妹が金春秋の妃となるのだそうです。

2010年9月3日
 三国時代の新羅でのお話「善徳女王」は、現在BSフジで3分の2まで進みました。

 歴史の本によれば、これから中小貴族を味方につけた金春秋と金?信が、三国を統一するのです。

 自分が「王」としてふさわしいか悩むトンマン(のちの善徳女王)。あらゆる善政を行った以外に、彼女は誰もが持ち得なかった「希望」を民に与えたい、と決意します。
 希望とはより広い国土での豊かな生活を約束すること。
 帝国主義だけど、昔のことなのでお許しを。

 当時の新羅では、両親ともが王室の出である「ソンゴル」が王位継承権を持っているとされました。今の所「ソンゴル」はトンマンだけなのですが、もう一つ、女性が王になったこともなかったのです。
 貴族会議の席で トンマンは、「女性だから王になれないというのはおかしい」と言います。 
 トンマンの双子の姉の子、春秋は父が王族でなく貴族の出なので言います。「ソンゴルでなければ王位を継げないという野蛮な決まりは無くすべきだ」。と言います。

 その2人の言葉に、ソンゴルでもなく女性のミシルが目覚めます。「自分も王になれる!」

 二人でミシルを目覚めさせてしまった!と気がつくトンマンは、春秋と手を結び、「自分は仲間たちの全てを受け入れる器になろうと思う。もし、器が小さいと思った時は、いつでもその器を破ってくれ」と言います。

 貴族たちの分裂工作をする、金?信、春秋、トンマンたち。
 中小貴族や農民の税を2割に減額する代わりに、高級貴族の税を9割にするという無謀な税制を、貴族会議にかけます。
 これによって、貴族間の分裂を図り、人々に誰のグループが膨大な利をむさぼっているのか分からせようというのです。
 それを知ったミシルは、高級貴族たちに文を回し、周囲の貴族たちには賛成票を投じさせ、一人だけ反対票を入れさせます。賛成が満場一致でなければ成立しないという貴族会議の盲点をついたのです。

 口惜しいトンマンは、その場で切り返します。
「満場一致でなければ成立しないという決まりがおかしい。そのことが、高級貴族たちにいいようにされてきた原因です。これからは多数決にすることを提案します」 

 で、今週は終わりです。
 歴史では、トンマンのあとにもう一人女王が出て、次が三国統一をなしとげた春秋なのですが、もっと詳しく知りたいと思って図書館に行ってみました。
 あまりないんですね。韓国の古代史。
 それに、20年前以上のが多く、民主化された今の韓国の繁栄なんか少しも想像できないような文章が多いです。

 善徳女王もそうですが、テレビや映画の作り手の充実ったらないですね。
 特に歴史ドラマは、いかに国を良くするかが文字通り「王道」で、トンマンも様々な政策を打ち出して「民」の暮らしを良くする(ために横暴貴族なくす)たたかいをしているんです。

 翻って今の日本は???と言いたい時期ですが。言わぬが花。

2010年11月16日
 今週の善徳女王は、80年に及ぶ迫害を受けて来た60万人の伽?の人々を救うため、伽?出身の金?信(キムユシン)を王にして、新羅を伽?の国にしようという計画でした。
 ユシンを信じるトンマンですが、ユシンを国賊と言わねばならない状況に追いつめられます。

 歴史学者には伽?についての二つの謎があるそうです。一つは、三世紀終わり頃から北方文化を持つ墓がそれ以前の墓を破壊しながら出現すること。
 二つ目は、五世紀前半に金海地方から支配者集団が突然いなくなる、ということ。

 善徳女王のこれからのあらすじを見ると、トンマンは伽?の人々の戸籍を全て燃やさせ、次の次の世代にはもう自分たちが伽?の人間だと知る人はいなくなるだろう、と言うみたいです。
 新羅に同化させる方向をとったみたいですが(ドラマだけど)、そうすると伽?の人たちの文化や歴史はどうなるのかな?
 これからドラマは百済との戦いで三韓統一のスタートです。
 ミシルとの戦いではあんなに聡明だったトンマンが、王になったらちょっと政策に迷っています。


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