週刊ARTemis~アルテミス~

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「実録!初個展は蜜の味?」第1話~第4話

「実録!初個展は蜜の味?」第1章「AとA’の出会い」

登場人物:A … A’が目をつけたひとりの表現者
     A’… かけだしのアートコーディネーター、ひたすら
         直観を信じる、感覚派。

第1話・・・はじまりは春・・・

あれは今年4月のはじめ頃。桜の花も満開で、やけに世間が
うかれてる・・・そんな頃でございました。
楽天で日記を書き始めたばかりの私は、神さまのめぐり
あわせか・・・ひとりの女性のサイトの扉をノックしたのでござ
います。

これが運命の出会いというものなのか?

「いい、いいわ。この人、どんな人なの。何をしている人なの。
何が好きなの?」とまるで恋に落ちた瞬間のような感覚が私を
襲ったのです。

迷わず掲示板に書きこみを・・・。
「企画展などやりませんか?」とただこれだけをしたためたの
でございます。

・・・そしてまるで恋文の返事をまちわびるように日々が
過ぎて行くのでありました。

☆Aの独白
この書きこみを読んだ時、私は突然のこのメッセージに正直な所、不安になりました。
今までに企画展などやった事もなかったので知識もありませんし、全く知らない方からの書き込み。
本気で言ってくださっているのかも謎でしたし、第一 自分にそんな自信はなかったから。
『騙されたりしたらどうしよう・・・だけど、もしこのメッセージが素直な気持ちなら 単純に嬉しい。
企画展をやるやらないは別としても、嬉しいと思う気持ちは伝えたい。』
そんな風に思いながら、お返事を書くことにしたのです。

そして、とうとう届いたAからの返事は
「自分の創作物というか、吐き出したモノに反応していただけて、 とても嬉しかったです。どうもありがとう。」

この表現に、A’はいちいち感動しまくったのでありました。

間髪おかずA'が送ったMAILは
「私はきっと、あなたの親御さんくらいの年齢です。
心配しないでください…うんぬん」

Aを安心させるためのMAILは何故だかもっとも怪しまれるに
違いない表現になっていたのでした。

☆Aの独白
このMAILを読んだとき、私は、丁寧な方だなあと単純に感激していました(笑) 
メールや日記の文章だけでなく、サイトのもつ雰囲気やBBSで見られる他の方との接し方等
色々な場面で『独特の空気を持った素敵な方だなあ』という印象を受けていたのでもっと知ってみたいという想いが少しずつ高まっていきました。


そして、なんどか尺取虫のようなMAIL交換が続いたあと
やっとのことでご対面の日程が決まったのでございます。

次回:・・・待ち合わせはいつも雨降り・・・へ続く。




第2話・・・待ち合わせはいつも雨降り」・・・

さて、待ち合わせの日時と場所は決まってしまいました。
一体どんなご対面になるのか・・・心躍らないわけは
ございません。

ただひとつ心配が・・・実はA'にはジンクスがございます。
それは、はじめてお目にかかる方との待ち合わせ、ことさら
楽しみにしているご対面にはまるで嬉し涙のような「雨」が
降るのでございます。

そして、今回もそのジンクスは破られず・・・その日も朝から
雨でございました。

初対面の方ゆえ何か「目印」をと思い、一方的に
「赤いバッグを持っています」と伝えるA'

これはひとえに「赤」が目立つ色であることと、
A'自身の印象が「赤」に近いから・・・
ということでもございます。

<Aの独白>
私は、「雨の日」が好きです。
それは、気持をなんとなく落ち着かせてくれる気がするから。
A'の元に向かうまでの、私の地に足のついていない
フワフワとした心地は傘に落ちる雨の音を聞きながら 
次第に平常心へと変わっていきました。
『赤いバッグを目印に・・・』 これで頭がいっぱいだった私は、
その目印に何かを感じるという事をすっかり忘れてしまっていました。
今思えば、余裕のなさが恥ずかしい(苦笑)


ボイストレーニングを終え、待ち合わせの時間に
ちょっぴり遅れてあらわれたAは
楚々とした白い花のような女性なのでありました。

はるかに想像を上回るその存在感と表現者としての感性を感じさせる
その雰囲気にA'は自分の直観をことさらほめたくなるのでした。

喫茶店のテーブルをはさみながら、淡々と話しをするA'。
それに輪をかけて淡々と語るA・・・時は静かに流れてゆくので
ございます・・・。


<Aの独白>
胸がいっぱいだったせいか、何を話したかは、具体的に覚えていなかったり
します。
「赤」が元気を与えてくれるカラーだと教えていただいたこと
一番印象に残っているのはそのお話かな・・・。ごめんなさい。
ただただ・・・HP同様、独特の空気を持っている方だなあ・・・
などと そんなことばかり考えていました。
話は少し戻りますが、目印の『赤いバッグ』。
A’の印象が赤に近いというのは分かる気がします。
なぜなら、私はその赤いバッグを見つけなくても すぐにA'が分かったから。
『物』である目印は、確信への後づけにしか過ぎませんでした。
私は急速に、A'の空気に引き込まれていった気がします。


二人の会話は淡々と空気にとけこむように進み、
そしてやっと「個展開催」という核心へと向かってゆくのでございました。


追記:A'の「楚々とした白い花のような女性」という表現に
Aは「ほめすぎで切ない」という感想を送ってきました。
こういう表現ができることにも、A'は感激するのでございます


次回・・・「問題は何をどう表現するかに違いない」に続く



第3話・・・問題は何をどう表現するかに違いない・・・

隣の席から流れてくるたばこの煙・・・普段なら気になる
たばこも今はちょうどよいスパイスのように、まったりとした
会話の中に紛れ込んでくるようでございました。

AとA'はあれこれと現在の自分の状況などを語りつつ
ポツポツと「個展」というキーワードに向けての助走を
はじめたのでございます。

A’の経験から申しますと「個展」という言葉に、最初から
はっきりと反応を示し、前のめりに話しを聞いてくださる
かたは、限りなくゼロに近いのです。
大多数の方は「そんなことできない」「大体何をすれば
いいのか」と困惑されます。

特にA'は「ずっと絵を描く活動をしている」とか「写真を
とりつづけている」とか表現する方法をすでにキャッチ
している方へのアプローチは少なく、「この人は誰にも
真似のできない、何かを表現できるはずだ。」という
直観を信じてアプローチをかけるという方法を続けて
きました。

今回は「断られては困る!」・・・と正直感じていたのです。
これは、A’にしてはとてもめずらしいこと。
そこで、Aのサイトから感じた「不思議な空気感」を場所
を変えて表現すること。
ソフトな切り口で、
「わたしにもできそう」だと思ってもらえるように
話を進めることにしたのです。

<Aの独白>
・・・写真と言葉のコラボレーションでの表現 ・・・
それなら・・・という気持ちになりました。
私は、写真よりも言葉や文章に力をいれてきていたし
写真は、携帯のカメラやデジカメやトイカメラでちょっとしたものを撮るくらい。

『作品』だなんて やったことがなかったので。。。



おぼろげながらもイメージを交換しつつ、カヨワイながらも
肯定への姿勢を見せ始めたA。

そして、さらに追い討ちをかけるように
「日程をきめちゃおうか」 というA’の発言に、
とまどいながらも笑顔をみせるAなのでありました。

次回「テーマをさがそう!」につづく・・・



第1章「はじまりは春」
第4話「テーマをさがそう!
・・・と、その前に日程を決めましょう・・・」

さて、いよいよ個展の日程を決めてしまうところまで話をすすめた
A'ではありましたが・・・
何事も日程を決めるということは、ある意味で「賭け」のような一面を
もっているものでございます。

とくに一日限りのイベントなどは、会場のあき状況などによって
あれこれと思い悩んだあげく、屋外イベントは天候に、屋内イベント
でも、集客への影響はかなり大きなものです。

慶事や仏事は、良い日・悪い日が決められていることもあり
大方それに則って行えば、大きな問題もないのですけれど・・・。

個展の期間は6日間。週末を1回はさむ形です。
開催される季節によって、その作品たちの季節感も大事に
なってくる。・・・とA'は常々考えております。

そして、一番大事なのは開催までの期間、時間的な余裕。
作家によって、あまり時間がありすぎるとだらける、とか
1年は余裕がほしいなど、そのタイプはバラバラです。

さて、Aはどうなのでしょうか?

<Aの独白>
初めての個展。写真という表現方法にもまだ戸惑いがあり、
私は時間をかけて自分と向き合うところから始めたかったので
まずは余裕がほしいと考えました。

私の頭のなかには 寧ろそれしかなかった(笑)
私は焦ると頭の方が活発になってしまい、著しく感覚が鈍ってしまうのです。


あれこれと話しは続くのですが、
この時点で会場を抑えてあるのは9月か10月か11月の第2週。
いわゆる3択の状態だったのです。

そして、Aが選んだのは11月。
私はAと11月がいい意味で"まっちぃんぐ"すると思えました。

2月と11月は一年の中で、ちょっと微妙な位置付けだと
A’は思っています。
この繊細さが妙にAと色合いが似ている・・・と。

日程における「賭け」はもしかしたら、
この時点で勝負がついたな・・・
という実感があったA'なのでした。

次回いよいよ「テーマをさがそう!」に続く・・・







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