わたしの足跡

わたしの足跡

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March 26, 2005
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テーマ: 生き方上手(689)
カテゴリ: 徳不孤・友情



この友人は現在、フランス中を公演でまわっている最中なのですが、別件でソロで依頼された旨、開き時間で創作し、今日がその公演の日でした。

今回のインド洋TUNAMIに考える事があり創作したそうです。

コンテンポラリーです。

私は残念ながらコンテンポラリーを好みません。ところがどういう訳か彼の舞踊は好きなのです。

今日も感動を与えてくれました。コミカルに演じた部分で観客が笑う中、私はその直後に涙が流れはじめました。
舞踏を観て、涙するのは初めてでした。

彼の舞踊はいつも身体の線とその動きの美しさ、繊細でありながら力強さを感じます。

ところが、今日の舞台は違っていました。

美しさ、繊細さは同じでした。そして勿論力強さも感じました。
しかし、年齢を経たからこそ表現出来る哀愁みたいなものを感じました。
(彼は50代かと思います。)

彼は私より少々早くパリに来ました。

私がパリに来た時の年齢はすでに学生として滞在するには遅すぎる年齢でしたから、すぐに労働許可書を取りたかったのです。ところが、御存知の通り海外で労働許可書というのはそれなりの理由がないととれません。
この不可能に近い状況の中で、同じ時期に取った3人が、私と以前この日記に紹介しましたシャンソン歌手、そして今日のこのダンサーです。

そして取った後の大変さも3人同じように味わいました。

このダンサーの友人は、日本では先生と呼ばれる素晴らしいダンサーです。
しかし海外で始める時は一からのスタートです。
彼の才能はフランスでも徐々に認められていくようになりますが、外国人のコンテンポラリーのダンサーが生活していくだけの収入を得る事はかなり難しい事です。

彼は全く関係ないアルバイトで生計をたてながらダンスを続けています。

それでも生計は別です。

ある日、ダンスのお稽古から帰宅途中、彼は意味不明の病気になりました。
一瞬にして自分が何処にいるのか?自宅が何処なのか?わからなくなったそうです。

すぐに入院となったわけですが、それほど連絡を取り合っていない私は退院してから電話をもらいました。
久しぶりに会った彼は別人のようになっていました。



それから彼のダンスは変わっていったのでしょう。

今日の踊りは、その彼の集大成みたいなものを感じました。

終わった後、彼は『歳とったでしょう?』とすぐに柔らかく静かな声で言ってきました。
私は『とても良い歳をね』と答えました。

そして私の涙目を見ながら、優しさ一杯の笑みを浮かべ『有り難う』ともの静かにまるでまだ舞台の延長かのように言っていました。

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私も微力ながら『つぐみちゃん探し』に協力させて頂きます。
お母様のプログ→http://blog.livedoor.jp/haneda2/










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Last updated  March 26, 2005 10:34:51 AM
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