わたしの足跡

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April 2, 2005
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テーマ: 生き方上手(689)

余命の期限を宣告された友人のところへディナーに招待され行って参りました。

その期限はもうそこまで来てしまいました。

しかし不思議な事に最近私は、奇跡が起こるような気がしてなりません。

彼は毎日を本当に楽しんでいます。

彼のところのディナーはいつものことながら、準備が余りされていません。

到着した友人達が順番にキッチンに入り、準備された食材で勝手に創っていきます。

我々が到着した時には、ある夫婦が食前酒の為のおつまみを創っていました。

次々に人が集まり、ある程度揃ったところで、彼がブルターニュから取って来た新鮮なあわびを集まった男性達で調理始めました。

同時にベランダでは、大きな子豚が一匹、火の中に入りました。


子豚がある程度、奇麗に焼きあがったところで、子豚のお腹の中にお米を入れ、次はオーブンの中へ・・・

12人のディナーでしたが、最後まで美味しく楽しく戴きました。

12人の中にセネガル(アフリカ)出身の男性がいました。

彼はイスラム教で本来は豚は食べてはいけません。

この男性はいつも皆を笑わせる役に回るのですが、今回もイスラム教の本人が豚を食べる事も笑い話しにしながら、楽しませてくれました。

そしてセネガルの子供時代の話しを面白おかしく話してくれましたが、実際の内容は本当に悲しいものでした。

彼は外交官でエリートコースを来た人なのですが、子供の頃、学校でフランス人(白人)を道でみたら、頭をさげながらフランス語できちんと挨拶をする事、食事の席では絶対に同じテーブルにつかない事などを教えられたそうです。

そして彼がフランスに来た時に、数日間アパートの中で食事をしたといいます。
理由は、近くのレストランやカフェを除くと必ず白人がいるので、入ってはいけないと思ったそうです。
そういう内容を笑い話しにして聞かせてくれましたが、学校で差別を教えるという環境を知らされました。

ちょっと悲しい話しとは思いながら、皆大笑いさせてもらいました。


最後まで癌と戦うと言っていた彼の言葉は変わっていました。
勿論、ディナーの席では我々は普通に今まで通りに楽しく過しますので、彼の病気の事はあえて話しません。

彼の親友と少し彼の様子について話す時間がありました。
彼は、最近は死が近くにある事を認識しながら毎日を贈り物だと言いながら精一杯楽しんでいるという事でした。

そして又テーブルの席で、皆に私の家で行ったディナーについて楽しそうに語っていました。

毎回、聞かされます。有難い事です。
最近の疲れからディナーに皆さんを招待する事は出来ないでしましたが、近いうちに同じようなディナーで招待しようと決心しました。

彼と一緒に暮らしている息子さんは彼の病気発覚後、医学部へ編入したそうです。













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Last updated  April 2, 2005 11:01:54 PM
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Re:楽しい晩餐(04/02)  
dream-boat  さん
『死が近くにある事を認識しながら毎日を贈り物だと言いながら精一杯楽しんでいる』ということ、その立場になって初めて語れる思いでしょうね。

一面、死を意識して結果として今現在を精一杯行き抜こうとする心はとても美しく、たくましいものですね。

生と死を意識することで、生きることを大切にする方向でのエネルギーを使って行きたいものです。

彼が一日でも多く人生を楽しめることをお祈りしています。
(April 3, 2005 08:48:32 AM)

Re[1]:楽しい晩餐(04/02)  
雪之嬢2005  さん
dream-boatさん
この場合の彼の立場というのは、想像の範囲で理解しようとしても到底理解出来ないものだと思っています。
彼の一言一言を気をつけながら聞き、少しでも彼の気持ちを理解するように務めようと思っています。

そして何よりも一緒に楽しみたいと思います。

彼の精一杯生きようとする姿はdream-boatさんがおっしゃるように美しく、又たくましいものですし、我々の生き方のお手本になるところがあります。

私も彼が一日でも長く、楽しい人生を過せる事を祈らずにはいられません。
(April 3, 2005 12:32:24 PM)

Re:楽しい晩餐(04/02)  
同じ時を、同じように楽しいと思える仲間がいる事。
とっても素敵な事だと思います。

彼の過ごしているは、時間という言葉では表す事が出来ない…空間…なのでしょうか。
時間という区切りの中にあるのではなく、未来永劫その空間は続くような気がします。

雪之嬢さんのお話を聞いているとそんな思いにかられました。

いつもどこかに確実に存在する。
そう思ってくれる仲間がいる。
そんな風に…

何も知らなくて、コメントをしてごめんなさい。
でもニコニコと微笑んでいるお姿が、
遠い遠い私の目にも浮かんでくるようです。
(April 9, 2005 09:35:26 AM)

Re[1]:楽しい晩餐(04/02)  
雪之嬢2005  さん
フランネルmomさん
>彼の過ごしているは、時間という言葉では表す事が出来ない…空間…なのでしょうか。

フランネルさんの言葉を読みながら確かにそうかもしれない事を考えました。

>時間という区切りの中にあるのではなく、未来永劫その空間は続くような気がします。

本当にそうであって欲しいものです。
彼には彼が感じる特別の空間、時間があるのでしょうね。
そしてその中に一緒に入れる喜びを感じます。
そして又彼もずうっと一緒にいて欲しいと思います。

>何も知らなくて、コメントをしてごめんなさい。

いいえ。有り難うございます。とても素敵な感覚で伝わってきました。
(April 9, 2005 10:42:05 AM)

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