亜州茶亭へようこそ

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ニーハオ北京!国を売った将軍


今日は、その続きをどうぞ。

17世紀。明の最後の皇帝崇禎帝は、農民反乱軍に北京を囲まれ、ここ景山で紫禁城を望みながら自殺しました。

崇禎帝の死後、反乱軍の首領李自成は紫禁城に入場。自ら皇帝に即位すべく準備を開始します。
一方、北京の北方では、満州族の清が着々と勢力を広げ、国を整えつつありました。

呉三桂、という明の若き武将がいます。彼は、対清戦線の備えとして、山海関の守備についていました。そこに、崇禎帝自殺、李自成軍北京入城の報が。
彼は、いったんは李自成軍につくべく、意思を固めます。ところが!

実は、彼には、北京に恋人がいました。一時期北京に戻っていたとき、ある高官の邸で見初めた妓女、陳円円。一目ぼれした呉三桂は彼女を自分の邸に迎えます。

その、北京の邸にいた陳円円が、李自成軍の武将に奪われた、という知らせが!

それを聞いた呉三桂。怒り心頭。そして発した一言。
「山海関を開け!我らは清につく!」

呉三桂の寝返りで清は、たちまち李自成軍を追い払い、新たな北京の主となります。

この行動によって、呉三桂は、女のために(漢民族の)国を、(異民族の)清に売った裏切り者、と、さんざんな悪評を受けることとなってしまいました。

しかし、呉三桂の裏切りは、陳円円のせいばかりとは言えません。
冷静に状況を見れば、ここで清に付いたほうが得策、と判断したのでしょう。彼女のことはきっかけにすぎなかったのです。

とはいえ、恋のために国を売るなんて、ちょっといいじゃない、と思いませんか。


写真は景山公園の門。額に、漢字と並んで、満州文字が書かれています。

2005-11-05 20:44:21


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