明日夢みて

モリーの最晩年

２００５年　８月1～７日

８月１日朝。
旅立ちの６日前。

モリーは１６歳になりました。
点滴生活を始めて、約３ヶ月半。

しばらく前から、
トイレがお気に入りの場所になっていたモリーは、
トイレに入るとすぐに熟睡するほど
安心するようです。

８月１日帰宅後。
旅立ちの６日前。

手がむくんできたため、点滴の針が足に移り、
自分で移動することが難しくなってきました。

この日はまだ、お気に入りのトイレにも、
かろうじて自分で入ることが出来たとのことでした。

８月２日朝。
旅立ちの５日前。

ペタンと床の上にうずくまることが多くなりました。
辛うじて移動しながら、
お気に入りのトイレの中へ滑り込みます。

８月２日朝。
旅立ちの５日前。

床の上でキョロキョロするようになりました。
今思えば、この辺りから、
視力を失っていたのでしょう。

８月４日朝。
旅立ちの３日前。

点滴までの時間も、お気に入りのトイレの中で。
安心するようで、すぐにうとうとし始めます。
外は真夏の陽気、トイレ砂の上は、
案外涼しく過ごし易いようです。

口に砂がつかないように、
タオルでガードをしています。

８月４日夜。
旅立ちの３日前。寝る前。

動けなくなっても、日課のひとときは外せません。
寝る前のひとときを、
お腹の上で過ごしました。

お漏らしもしてしまいましたが、
頭もシャンと上げ、満足そうです。

８月５日夕方。
旅立ちの２日前。

点滴に行く車の中で、
呼吸の異変が起こり、
診察後、点滴をお休みをしました。
家に戻って、ゆっくりすることにしました。

この日以来、ときどき訪れるしゃっくりのような
ひきつけのようなピクピクとした発作のせいで、
頭を床に付け、四肢を投げ出し、
寝たきりの状態になりました。

８月６日午前中。
旅立ちの１日前。

寝たきりになったとはいえ、
いつもの日課ははずせないだろうと思い、
お腹の上に乗せてあげました。

半眼だった目をパッチリ開き、
どこにいるのか分かった様子。

８月６日昼間。
旅立ちの１日前。

前日の５日以来、頭が上がらなくなったので、
もう病院へは行かずに、家で過ごすことにしました。

寝たきりになってからは、
世話がしやすいように、トイレからも出てもらい、
バスタオルの上に寝かせています。

腰から下には、ペットシーツを敷いており、
１日２回ちゃんとおしっこが出ます。

８月６日昼間。
旅立ちの１日前。

出来るだけ、添い寝をして、マッサージや、
撫でたり声を掛けたりして励ましています。
気が付いたら、介護人も一緒に
ついうとうととお昼寝をしてしまっていることが多いですが。

この日の午前中に、
点滴の留置針を、自宅で取り外しました。

８月６日夕方。
旅立ちの１日前。

四肢＋しっぽのむくみをとるために、
約６時間置きに、１時間くらいを掛けて、
話しかけながらマッサージをします。

８月６日夜。
旅立ちの１日前の晩は、奥州七夕の初日。

寝たきりのモリーの傍で、
手を握りながら、
撫でたり歌ったりしていました。

体位交換も、約６時間置きです。

８月７日昼間。
旅立ちの当日。

モリーの様子は変わらず、寝たきりのまま。
移動はスケッチブックを担架代わりに使います。

日中は、居間の窓際で過ごします。
前日と同じ、介護人の添い寝付きです。

８月７日昼間。
旅立ちの当日。

カーテンを被せて、背中だけ日向ぼっこ。

気持ち良さそうに目を細めています。
介護人も、高校野球を聞きながら、昼寝モード。

呼びかけると、しっぽをプルプル・ピコピコと
小さく震わせて返事をしてくれます。

８月７日遅い午後。
旅立ちの当日。

体位交換で向きを変えつつ、
マッサージも怠りません。
吐き気のような発作の間隔が、
徐々に狭まってきました。

心なしか、撫でながら声を掛けていると、
あるいは、歌っていると、
短時間で軽く治まるように感じました。

発作の後は、
少し呼吸が不自然に、浅くなりますが、
じきにまた、落ち着いて安定したものに戻ります。