部屋とYシャツとわらG

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2007年 秋~年末 その1


吟雪 「バンドマンの語り場(10463)」 [ 1年以上前をふりかえっての日記 ]
 初めて中学校で講師を始めた22歳の頃、陸の孤島と呼ばれるほど交通の便の悪い地域で仕事がスタートし、そこで4年間お世話になった。ちょうど、夜はバンドの練習かライブハウス出演かスタジオのアルバイト…という忙しかったけど充実していたあの時期のあの日々は、この地域で「午前のカタギの時間」を過ごしていた日々でもある。

 電車やバスを乗り継いでいったり、原付で行ったり、車で行ったり…時期によって通勤手段はいろいろだったが、どの方法でもとても不便だった。そんなことから人気がない市だったのか(荒れてたりのせいかも)、ベテランの先生がほとんどいなくて、3学年の担任教諭が全員20代で、そのうちの二人は新規採用!というような驚くべき若さの学校であった。

 ベテランのように感じていた生活指導主任は26歳だし、重鎮のようなおじさんも今思えば当時は30代後半だったようだ。

 そんな若い学校だったせいもあって、駆け出し講師でしかも「教員採用試験さえ受験していない」ような教育に燃えていない私でさえ、何かにつけて仲間に入れてもらい、飲み会にもよく参加していた。

 当時は、校内で飲酒が可能だったので、クイっと飲んでから帰るような日もあった。確か、テスト前の部活動がない期間、職員がバドミントン大会とか卓球大会とかで汗を流して、そのまま飲み会…なんて時があった。

 「いただきもの」の日本酒がいつも校内にキープされていた。その酒造がたぶん学区にあり、先代社長かそのお子さんが卒業生なのか、何かにつけて「いただけた」のであろう。

 今思えばその日本酒はおいしかった。

 『吟雪(ぎんせつ)』というお酒。小さな酒造で、おいしい酒を造っていた。その後見る機会があれば買ってみたかったが、そこはやはり取扱店が少なかったようで目にすること自体がなくなっていた。

 そして20年近い歳月のうちに、最近目にしたのは新聞の地域版…蔵を閉めるというニュースであった。

 女性社長の奮闘むなしく収益上がらず…余力のあるうちに蔵を閉める…ことになったらしい。

 そう言われると、もう一度あの味を…と思うのが酒飲みの性…しかし、世間の人も同じらしく(笑)、楽天ショップではすでに見つからなかった。

 酒造のオンライン販売も8月中で終了。販売店はもともと少ないし、たぶん小売りも難しいだろう…とあきらめたところで、ヤフーショッピングでたまたま見つけた!

渡辺酒造 吟雪

 本当はもっと寝かせる予定だったものを早めに出荷という特別醸造だったため、通常の製品とルートが違ったようで、他の人の目に余り触れなかったようだ。

 「やったー」と思いながら、1800ml(1升瓶)約4000円を購入。

 買ったあとで、「そういえば日頃、家で日本酒を飲むような機会はないし、晩酌する相手がいなかった…」と気がつくのであった。5人家族の我が家で酒を飲むのは私一人であった…。

 これでしばらくはちびちびやれる…けど、胃の2次検診の結果より先にお酒が届きますように(笑)。

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2007/09/13
気持ちのいい人 「自分らしい生き方・お仕事(65534)」 [ 最近のことの日記 ]
 S中での出来事をネタにすると、たいていあまりのひどさに驚いたり、文句が大半なのだが、そんなに 『悪の巣窟』そのもの(笑)ではないので、もちろんなかなか気持ちのいいヤツもいる。

 ましてや、まわりが気が利かない…という時には、妙にすばらしく感じたりする。

 授業中、いつ見ても目が合うような真剣さで説明を聞いているSさん1号と2号はそれぞれリアクションがよい。うなずいたり、へえーっという顔をしたり、振り返って発言者の記録をとる時にまちがえてつけてしまいそうになるくらい、無言で語っている。

 女子ヤンキーのIさんも、友人と話して注意される場面もある一方で、真剣な時は目を大きくして集中するので、見つめられるとクラッと来る(笑)。

 男子大物ヤンキーのY君も、以前はどんなにこちらがきれても屁とも思ってなかった?かのようだが、しつこく絡んだり、関係ない場面でよく声をかけた成果か、今日は初めてノートをとっていた。まあこのあたりは気持ちいいというより、ギャップの大きさから来る「びっくり」の喜びだが…。

 駐車場から車で学校を出る時、校門はいつも閉めてあるので、いちいち乗り降りして開け閉めしなければならない。以前、車に乗る前に門を開けておいて、1分くらいして車でそこに行くと「閉まっている」という時があって、これは私の姿を見た誰かが絶対いたずらしたものと思われる(笑)。

 なので、最近は車のまま突っ込んでいって、その場で門を開けるのだが、この時に気を利かせて開けてくれる生徒が意外と多い。特に教えていない3年生ヤンキーあたりも、門の前にたむろっている時などに開けたり閉めたりしてくれる。

 今日は、再登校して外から走ってきたテニス部男子のH君が、急いでいるのに「ハッ」と気がついたように止まって、「バーン」と門を開いてからまた走り出した。

 こういう面が育っていくことに期待!

 ちなみに全体的な雰囲気としては、大変に厚かましい。

 この数日、夏休みの宿題の地理レポートを集めていたのだが、後で処理しやすいように、授業のはじめに出席番号順に名前を呼んで集めた。

 そしてその後、1時間普通に授業…。

 そして、授業が終わった時に、「宿題、できました!」とうれしそうに出すヤツが各クラスとも必ずいるのであった。

 その時の私の授業時間中に隠れて内職して仕上げた…と自分で言っているようなものなのだが…たいていの場合、あまりにもうれしそうで充実した顔をしている(笑)ので、普通に受け取ってしまっている。

 せめて、次の時間まで出すのを待つ…とか、知恵(悪知恵?)を使うことができないもんかなあ。

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2007/09/18
プリンス 「自分らしい生き方・お仕事(65534)」 [ 最近のことの日記 ]
 今日はSの療育の日で、夕方、病院の駐車場に早く着きすぎたので、車を止めてしばしゆったりしていた。

 その間、Sは車内自由行動。私の上に乗ったり、後部座席と前部座席を使ってのブリッジ?などのびのび過ごしていた。

 私は、シートを倒してしばし仮眠…。

 といっても、また市教委や校長との面談が来週入っていたり(何かSの就学相談のことでケチをつけて来るに違いない)、再来年度の仕事をどうしようか、年齢的に教諭復帰最後のチャンスなら試験受けようかな…でも、じいさんかばあさんが倒れたらすぐまたやめるようだな…とか意外にいろいろと悩み考えることが多く、少し気持ちが弱気になっている時に、プリンスの曲がラジオから聞こえてきた。

 プリンスって、いつの間にかへんてこな記号がアーティスト名になっていたけど、元に戻ったのかどうかは知らない。が、どうせワープロであんなマークは出ないから、ここでは「プリンス」とさせていただく。王室の人ではなくて、あのワイルドで下品?な謎のアーティスト、プリンスだ。

 彼が現役の頃(いや、今も現役なのだろうが全盛期という意味で)、そんなに私の心に響かなかった。みんなが、なぜいいって言うのかよくわからなかった。

 今日、耳に入ってきた曲は『パープルレイン』 

 「あれ、こんなにいい曲だったのか…」なんて思いながら聴いているうちに、気持ちはそのころにタイムスリップ。

 妙に奥行きのある、ライブ会場を思わせるような音の広がり。

 うまいんだか下手なんだかわからない、少したどたどしいギターソロ…自分が今ライブハウスのリハーサル現場にいるような錯覚をおこした。おっさんなのに何か心がキュンとなった。

 ちょうど胸の上にSが乗っかっていたこともあるが…。

 「ああ、バンドやっていたあのころから考えると、ずいぶん時が流れて、ずいぶん遠くに来たもんだな…。今のいろいろな悩みなんて20代の当時は考えられなかった…」なんて考えながら曲を聴いていると、思わず落涙しそうになった。


 曲が終わると、現実に戻って、いつの間にか脱いだSの靴下をはかせて、療育センターに出かけた。

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2007/09/22
マラソン テレビ版 「障害児と生きる日常(39217)」 [ 最近のことの日記 ]
 もう2日前になるが、嵐の二宮君が主演で、韓国映画『マラソン』の日本リメイク版が放送された。

 韓国映画の方を劇場で見たときに、主演の青年があまりにSMAPの草なぎ君に似ていたのが印象的だったのだが、それだけに「僕の生きる道」で草なぎ君が自閉症のある青年を演じた時には違和感が全くなかった。

 で、今回の「マラソン」のテレビ版、少し前まで「山田太郎」として見てしまったこともあるだけに、二宮君じゃあ、自閉症って思えないよ…と見る前は思っていたのだが、俳優ってのはすごいというか、あっというまに「自閉症のお兄さん」として見ることができた。

 自閉症児への目が肥えている(笑)私がそう思うのだから、相当なものだ。視線の動きとか手の動きとか…なんていうか、ただ真似すりゃいいと言う感じじゃなくて、何か「自閉症への理解と愛情を感じる」そっくりさであった。

 そして、そういう人気俳優(アイドル?)が出ることによって、普通だったら見ないようなタイプの人が番組を見てくれて、自閉症理解への第一歩をしるしたかもしれないと思うと、とても良い企画ドラマだったと思う。


 ただし…たぶん韓国版を見ている人には少し物足りなかったかもしれない。母親とかそれぞれの存在がもっと強烈で、傷つき方も戦い方ももっと激しいというか…なるほど韓国文化の中で自閉症児の保護者はこう戦うのか…と考えさせられたし。

 ただ、テレビであること、日本であること…いろいろ考えるとこのリメイク版が先に流れたことは良かったのかもしれない。全体的にソフトな感じがあって、その方が「初めて自閉症を知る人」に好印象になる気がした。二宮君だとよりかわいく思われそうだし。

 会話は通じない、かみつきが激しく、パニックでは大暴れ、でもマラソンは走る…なんてタイプの方ではストーリーが展開できないだろうし(笑)、二宮君が演じたタイプの子は「ああ、いるいる」という観も少しあった。


 少しでも自閉症への関心や理解が進むとありがたいが、「ちゃんと山登りさせていますか?」 「マラソンに挑戦させないんですか?」と勘違いのお奨めを受けないようにしたいものだ(笑)。


 ちなみに韓国映画の「マラソン」を見たのは、一昨年?の平日、吉祥寺バウスシアターまで出かけてのこと。昔、ヒッピーイベントみたいなライブにバンドで出たことがある会場(その時、会場はガラム?の香りで充満。不法なあやしい煙草を吸っていた人もいたはず)なのだが、シネコンと違い、ポリシーを持ってマニアックな映画も単館上映するような映画館。

 逆に言うとそこでくらいしかやっていなかった…。韓国で大ヒットという話だったのだが、平日とはいえ、その昔ながらの大きな会場でその映画を見ていたのは…その日、なんと10人弱だった…。

 だからやっぱり、二宮君ありがとう! あなたは、すごい二等兵です。

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2007/09/26
有名校? [ 1年以上前をふりかえっての日記 ]
 自分が以前勤務していた学校が、ある不祥事でまたまた有名(ローカル版だが)になってしまった。

 これくらいの情報なら、全国にたくさんあるだろうから匿名性は保てるかと思うが、まあ、とにかくその一部の教職員による事件で学校名が出たり、市の教育委員会が出てきて謝罪したりしていると、なんだか悲しくなってくる。

 強制されてないけど(笑)、自分に愛校心が結構育っていたんだなあ…と思った。

 そこは短い期間しかいられなかったし、いる間、順風満帆ってわけではなかったけれど、「俺って、中学の先生、結構天職だな」と思わせてくれた職場だった。

 生徒会の自治で学校を立て直す前までは、「夜の校庭でタムロする卒業生や在校生たちが言うことを聞かなくて、怖くなった警官が拳銃を発砲!」(まさかこれは全国唯一か?)なんてことも20年前くらいにはあったらしい。

 でもそういうところからこつこつと立て直していった、「自由と責任」を考える校風が好きだった。学校が作ったルールはほんの少ししかなくて、後は生徒が話し合って決めた自治的な内容。自分たちが決めたスローガン的なものと照らし合わせて「今目の前にあることが正しいのかどうか考える」という、民主主義的な手法が広く使われて、教員も頭ごなしにしからずに…という方法が代々受け継がれてきていた。

 最初見た時は、休み時間にジャージ姿でゴロゴロ横になって雑誌を読んでいるのにはびっくりした(このあたりはセーフ)が、授業時間になると完璧にけじめがあった。のちのちはゲーム機が線でつながっているまま(ゲームボーイをつないで友人と対戦中…ギリギリセーフ)教室移動する人までいたが、これも授業のチャイムが鳴ると見事に片づけるといった感じ。

 ただ、私がいた頃はもうその方法にもほころびが見え始めていて、「生徒の意見を教師・校長が話し合いの場にのせて検討する自分たちの学校が特別であるし、その自由度も半端じゃない」ということに誇りや責任を持てなくなった世代(生徒がルールを決めてから10年以上の時間がたったせいか、そういう世代だからなのかは不明)には指導が難しくなってきていた。

 ルールを変えるためにがんばるのではなく、勝手にルールを破る者が出てきて、その身勝手さへの指導が年々難しくなってきていたのだ。

 政治家の言う「普通の国家」じゃないけれど、「普通の学校」にもどろうという動きがそのころ来た校長あたりから始まり、そしてその方針と合わない教諭はどんどん転勤し、今は知ってる人もほとんどいないし、もう自慢することはなくなったし、校舎も変わったりして、自分と関係ない…と思っていたけど、こうして「よくないこと」で報道されるとちょっと悲しいのであった。


 そういえば在勤中の私の研究授業で、ある公共お役所と組んで一緒に授業をしてその内容を市に陳情する…みたいなことをやった時に、その研究会の働きかけで、某公共放送テレビと某左寄り大手新聞(うちがとっている)が取材に来た。研究会(他校の先生)の人は少しでも大きく取り上げてもらおうと動くのだが、当の私は取材に非協力的(笑)で、「こんなネタよりも、うちの学校の自治的な生徒会活動の流れを取材したらドキュメント1本制作できますよ」と担当者まで紹介したのだが、まったく興味を示してくれなかった…。

 そんなマス・メディアも、今回はハゲタカのように周辺をカギ回っているようで、やはり学校で起こることは、いいことよりも悪いことの方が格好のネタなのだなあと思った。

 まあ、その方が「みんなの知りたいこと」というニーズに合うのだろうし…。

 ちなみに、その事件当事者の方と面識のない私も、知り合い何人かにメールを出して様子を聞いてしまったので、同じ野次馬根性を持つ人の一人です…。

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2007/10/03
泣けた 「ひとり言・・?(65535)」 [ 最近のことの日記 ]
 久しぶりに止めどなく涙が流れた。

 感動……はしていない。自分でも知らないうちに痛みのあまりにあふれる涙。

 この春にも同じようなことが
あったが、今回も歯の痛みが(正確には右上奥の歯茎が腫れての痛み)激しすぎて、夜中にベッドに横になりながらも熟睡できずに、夢にうなされながら涙が流れまくっているのだ。

 それでもそれなりに寝てしまう自分の睡眠パワーもすごい(笑)が。

 夕方からすでに痛みが激しく、痛み止めが2錠しかなかったので、1錠は夕方5時に飲んだ。11時に寝る頃に切れた。それで、寝ている間はアイスノンや湿布(思いっきり顔に貼る)でしのぐしかなかったのだ。最後の1錠は翌日の仕事のために朝飲もうと思っていたから。

 ところがあまりの激痛に、涙ぐっしょり、汗びっしょり。明け方に体温を測ったところ、なんと38.0度! 

 ちょうどテスト前で試験範囲は終わっているから、補教(自習)も「試験勉強」ということで出しやすいし、これは学校休んで歯医者に行こう…と決めた。そうなると残り1錠もすぐ飲める…と朝6時に飲むと、驚いたことに熱まで下がった。

 飲んだと思ったら、すぐにいびきをかき始めたそうで、妻曰く、「まるで睡眠薬のようだった」とのこと。それだけ痛すぎてあまり寝られなかったってことだ。

 風邪とか体調不良も少しあったのだが、それにしてもこの発熱は歯ぐきの化膿から直接来たものだったのか…と思うと少しびっくりだった。

 歯医者では今、その一番痛んでいる右上を最後にする予定で、下の真ん中、右下奥、左下奥、左上奥、右上奥…とフラップ手術をして歯垢をとり続けて自分の歯を長持ちさせよう…とがんばってくれているのだが、その間にも「もう待てないもんね。絶対に待ってやらないんだもんね(椎名誠風に)」という感じで、勝手に化膿したようだった。

 歯医者さん曰く、「この一番奥の歯はすでに上のあごの骨とは離れているから本来はもう抜歯しかないんだけど、フラップ手術で歯垢をよくとってまた入れとくと年齢によってはまたひっつく人もいるんだよね。」ということで、この歯にはまだなんとかここにいてもらうことにして、腫れたところから膿を出したり、かみ合わせを調節して、延命措置?をしてもらった。

 疲れている時や忙しい時に痛くなることが多いので、「化膿するのはなぜ?」と聞いたところ、「自分の歯なのに、骨から離れているせいか、『異物』とみなして、それを追い出そうとする力が働いてるのではないかと思います。」とのことであった。

 スギ花粉症と同じく、反応しすぎ、排除しすぎ…過剰反応の肉体ってやつか。

 おかしいなあ、精神的には「来るものは拒まず!(特に異性)」なのになあ…。

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2007/10/08
天の瞳 「自分らしい生き方・お仕事(65532)」 [ 最近のことの日記 ]
 ふと思いついたことで大変なことになることもままある。

 先週、ふと、灰谷健次郎氏の『天の瞳』を通して読みたくなった。好きすぎて、出るとすぐ購入していたので(幼年編は新聞連載)、何年間もかけて1回読んだきりだったのだ。

 ところが、これが見つからない。

 ちゃんとした書斎があるわけでもなく、それでいて結構蔵書はある。さらに担任をやらなくなってからは、教室にあった(偏った趣味の)学級文庫の本も倉庫にしまわなくてはいけなかった。

 自閉症関係で学ぶために買った本は整理されているし、マンガもちゃんと保管してあるのだが、社会科関係の本、文庫本、ハードカバー…そういうのがダンボールに入っていたり、本棚に何重にもなって入っていたり…。もうどれがどこにあるか皆目見当がつかない状態。

 『天の瞳』は全8冊。幼年編・少年編・成長編・あるなろ編が各2冊ずつある。

 そして、それはある時は学級文庫に入れ、文庫本でも買ったけど、ハードカバーでも買ってたり、まったくどこにあるかわからず。

 懸命の捜索は、すべてを一度出してみることにつながり、こうなったら灰谷健次郎作のものだけ全部取りだそう…となり、2時間近い大整理となってしまった。

 そして、出てくると読みたくなるのだが、もちろんこれだけの大作、時間がかかる。


 この中間考査(しかも2校とも)で忙しい時に、よふかしをしては読み進め、今、あすなろ編の1途中まで来た。

 通して読んで気がついたこと。実はこの小説は新聞連載されテレビ化されたこともあり、わんぱくだけど物事の道理がわかる幼児、倫太郎を描いた…という印象が強いのだが、通して読んでみると、そのほとんどが倫太郎の中学時代を描いているのだ。

 今の中学校の現実…という照らし合わせ方をするとさすがに時代が大きく違うのだが、自分が中学生の頃…と考えるとピタリと来るような内容だった。

 この続きがもうない…ということが少し悲しい。


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