亜矢羽ノ国

029+錆びたフェンス




高いわけじゃない。

足をかける場所がないわけでもない。


それでも越えることができない。


ここから先へ入ってはいけないと。

本能が言っている。


見た目はただの草原なのに。

不気味に錆びた鉄が入るなと警告してくる。


昔何があったのか知らない。

多分。

誰も知らないのだろうと思う。


しかし。

誰も入ろうとはしない。

越えようとはしない。


そこには何か。

恐ろしいものが眠っているかのように。


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