亜矢羽ノ国

043+サイズの合わない指輪



些細なことで頭にきて。

お互いに指輪を外し。

棚の奥へとしまい込んだ。



いつもならすぐに取り出して仲直りをしていた。



けど。

もうそうは行かない。

貴方は私の目の前から消えてしまった。


そのことが悲しくて。

どうして仲直りできなかったんだって悔しくて。

その事を忘れたくて。

食べているうちは忘れれる事に気付いて。

いつでも何かを口にしていた。


だから。

もう。貴方にもらった指輪は小さくて入らない。

ここまでくれば忘れられると思ったけど。

全然忘れられない。


入らなくなった指輪をみて惨めになるばかりで…。

一緒に居た頃はこんなに大切だなんて思ってなかった…。


もう。

遅いよね。


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