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2025.09.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
【赤い自転車】

 これは昔々、60年近く前の記憶です。

 父、母、そして私3人で、旧国鉄の官舎の六畳一間に暮らしていました。

 今から思うと信じられない狭さです。でも、父母との3人暮らし、楽しかった記憶しかありません。

 父は、私が10歳の時に、45歳の若さで逝ってしまいました。

 第二次世界大戦中に罹患した、肺結核が原因で亡くなりました。

 私の記憶の中には、咳をする父の姿が残っています。

 痰を吐き出す姿。そして、毎回
私に言っていた、今日は白いから大丈夫。今日は黄色だから、ちょっと危ないかな。今日は赤いから危ない。一緒に遊べないよ。今なら、白黄赤の意味は分かります。でも、その当時、赤でなかったら大丈夫だと、私は思っていました。

 父のゼーゼーする呼吸音も微かに覚えています。苦しかったのだと思います。しかし、あまりに幼い私には、父を労る考えは微塵もなかったはずです。

 そんな狭い官舎での生活の中、幼い私の中に、はっきり残された記憶があります。

 それは赤い自転車。

 クリスマスプレゼントの赤い自転車。

 朝、目覚めたら、布団の横に、赤い自転車が置いてありました。

 それは紛れもなく、父母からの、クリスマスプレゼントでした。

 補助輪のついた赤い自転車。しっかり覚えています。嬉しかった。父母からのプレゼントなのか、サンタさんからのプレゼントなのか、今になっては、どう思っていたのかは覚えていません。ただただ嬉しかった。

 補助輪のついた赤い自転車を、ブンブン乗り回し、かなり早い段階で補助輪は外したように思います。

 父と一緒に、近くのグラウンドで補助輪を外し自転車の練習を始めました。

 小さな自転車を支えてくれたのは父。

 私は、離さないで、持っていてと叫んでいたと思います。

 父は息を弾ませ、自転車を支えてくれていました。胸を患った父には、大変だったと思います。今なら分かります。しかし、幼かった私には、そんな優しさはなく、父に支えてもらうのが当たり前だと思っていました。

 父のお陰で、かなり早い段階で、補助輪なしで自転車に乗れるようになりました。

 ペダルを漕いで漕いで、スピードが上がったタイミングで、父が手を離し、私は、いつの間にか、自転車に乗れるようになっていました。

 自転車の背後から聞こえる、父の荒い息づかいは、微かだけれど覚えています。

 後から母に聞きました。赤い自転車は、父が働いていた、国鉄バス停留所の物置に隠してあったそうです。

 上手い場所に隠したものだと思います。

 何故か、その物置は開けてはいけないと父から言われていたから。

 父母からのクリスマスプレゼントの記憶は、赤い自転車しかありません。それだけ嬉しかったのだと思います。

 父ちゃん。母ちゃん。赤い自転車。アッコは嬉しかったよ。ありがとう。忘れない。

 おしまい。





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Last updated  2025.09.12 19:03:07
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