2002年07月16日
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つくね、それは鶏肉のすり身をベースに塩、しょうが等で軽く味付けされた、比較的シンプルとも言える鶏兵器である、通常焼き鳥店などに行くとタレで食す事も多いが、凛においてはこれを塩で退治する事が定番となっている、肉の旨みを全面に押し立てた清い態度であると言えよう、シソの葉、すだちと言う装甲を施された眼前のつくねに隊員達は手を伸ばす。そのまま一気に殲滅せんと口に運んだ我々に衝撃の破壊力が襲いかかった「こおおっ!?」隊員の一人が声にならぬ声を上げる、これは熱かったのでは無い、旨かったのだ!

強度の熱量でもって焼き上げたつくねの表面は、艶のあるさっくりとした外装に包まれており、その外装に守られた内部のすり身はほっこりとした旨みと適度かつ鮮新な肉汁を湛えている、さらに外装の更に外側に施された多重防護装甲、シソの葉とすだち汁が絶妙なマッチングでもってそれをサポート、いわば攻守においてほぼ完璧な兵器であり、今まで我々が退けてきたつくね兵器とはレベルがワンランク異なるのだ、例えるならば第二次世界大戦における最高傑作戦車、ドイツ軍謹製重駆逐戦車ヤークトティーガーの攻守能力に比類すべき能力と言えるであろう、次戦にしていきなりの強敵に遭遇した我々は言葉もなく次々と串に手を伸ばし、次々と塩つくねを胃袋に納めて行くのであった、乾杯...いや完敗か、口いっぱいに広がる肉汁を噛みしめながら、隊員達は無言のうちに敗北を悟ったのであった

いきなりの連敗、しかもお通しからの連敗と言う衝撃的な事実、もはや負け戦は必定であろうか?しかしまだ敗北を認める訳にはいかない、粉骨砕身の努力を以って敵を打ち砕くまで我々の戦いは続く、私は次なる強敵の挑戦を退けるべく新たに運ばれた大皿に視線を移した.....絶句、私の様子に気がついた隊員が同じく大皿に顔を向け...そしてそのまま全員が綺麗に固まった、ノルマンディー上陸早々いきなりのティーガー戦車部隊、生き延びたと思ったらエレファント重駆逐戦車大隊に遭遇したアメリカシャーマン戦車部隊の気分と言うのは、果たして今このような物であったのであろうか?それは既に想像するしかないのではあるが、今間違いなく我々は絶望的な戦いに直面していた、眼前にまで運ばれた大皿の上には、まさしくエレファント、重厚な趣きを見せる凛の重戦闘兵器「タン」がずらりと並んでいた、今までに遭遇した事の無い重装甲!!まさに衝撃以外何者でも無い厚みである、少なく見積もって通常のタンの4~5倍はあろう、未知なる恐怖に隊員達は震えた(続く)





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最終更新日  2002年07月16日 18時42分06秒
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