悪巧み

平成16年1月17日分の日記・続友と呼べる人達(彼らの悪巧み)

計画は綿密に練られていた。目標を果たすためには手段を選ばなければならない百選練磨の兵たち。ターゲットは一人、そう、私である。

登場人物紹介
ボス・・・イギリスで腕を磨いたスナイパー
ポール・・・ただ今イギリスに亡命中
不二子・・・ポールの彼女

決戦決行の二日前-
不二子は二回りくらい違う男性と一緒にやって来た。
店に入るなりその男に気づかれぬよう人差し指を口元へ。。。シークレットのサイン。私はうなずき、不二子らをカウンターの奥の席へと案内
上司か何かだろう・・・。
普段とは違いどこか浮かない表情の不二子が少し気になったが、店内が込み始めそれどころではなくなってきた。
密会のような話を終えると、彼女らはすぐに店を後にした。

作戦決行当日-
時計の針が10時を過ぎたあたりにボスと不二子が連れ立ってやって来た。
私:「いらっしゃいませ。あれ?ポールさんは?」

ボ:「なんかそこで昔の友達と会って話し込んでたみたいだよ。先に行っててだって」
不二子がボスに見えないところで私に目配せをした。
解ってる。内緒ねってことでしょ。

私:「お飲み物は?」

ボ:「ティーチャーズをロックで」
teachers
不二子:「私はこの前飲んだやつ」
この前っていうと、二日前の前だから・・・。なに飲んだっけな?まあ、いいや適当に。イチゴのカクテル。

カラン♪トクトク。コト。

私:「お待たせしました」

ボ:「ありがとう」
しばらくするとボスはレストルームに席を立つ。
チャンス!!

私:「不二子ちゃん。この前の男性と二人で来たこと言わないほうがいいんだよね?」

不:「え~。いや。アハハ」
なぜ笑うんだ?ちゅうか時間がない!早く聞き出さなくてはとあせる私。
私:「いや、だからさーこの前(ガチャ)」
ボスがレストルームからの帰還
ボ:「なんか楽しそうやったね?」

私:「不二子ちゃん口説いてました(汗)」
そうこうしている間にポールが店内へ入ってきた。
私:「いらっしゃいませ」

ポ:「ティーチャーズを」
店内は相変わらず忙しく彼らとなかなか話をする余裕はなかったが耳だけはダンボになっていた。彼らの話題は不倫、援助交際。
不二子は下を向きまるで話しに参加していない。
そうか、そうなのか?不倫か?しょうがない助けなければ!と話題を変えるためにカウンターの前に立つ。
何とか話をそらしたかと思ったが私が離れるやいなやまたもとの話へと切り替わる。
あ~もう!気のきかんやつらや!
ふと、不二子が席を立つ
ボ:「どうしたの?不二子ちゃん?」

不:「う~ん。ちょっと腰が痛くって・・・」
窓の方へ向かい少しうなだれる。
もう、つらいんだったら早くカミングアウトしちゃえばいいのに!


ボ:「ところでさ~二日前に上司の人と来たんでしょ?そのときの話はどうだったの?」

ん?σ( ̄、 ̄*)

ポ:「そうそう。なんか相談するって言ってなかった?」

まて~い!!!!ヾ(`Д´*)ノ彡

不:「アハハ。直の上司がむかつくヤツだったから、そいつの悪事を全部その上の人に暴露してやった!!」

はぁ??不倫は?んじゃさっきの行動や態度は何?

私:「あの~?不二子ちゃん不倫じゃなかったの?」

不:「そんなわけないじゃん」

私:「えっ!でも、さっきまで援交とか不倫とかの話の時辛そうにしてたじゃない?」

不:「ん?あれ?演技!」

私以外大爆笑!!

まんまとだまされました。バーテンダーの心理を読み取った巧みな戦術。完敗でした。ぐうの音もでません。

私:「え!じゃあ途中でボスがトイレに行ったのも?」

ボ:「うん。作戦」

私:「ポールが遅れて来たのも?」

ポ:「うん。作戦」

…(o_ _)o パタッ

こんな彼らはとてもよい友達(ハート)


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: