Welcome  BASALA'S  BLOG

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かくも楽しきゲストたち


シリーズにしていきたいと思います。

【スーパーの男】

きょうの主役は、スーパーの青果部で早朝から汗を流す男性のゲスト。
ヘルシンキ大学で学問を修めたという異色の才人。
なぜにスーパーの青果部に?
と思うけれど、人の人生、人それぞれ。
他人がとやかく言うことも、理解することも不要。

さて、職場のスーパーにての話。

週に一度、お勤めのスーパーではご老人の優待デーがあり、
その日にうちに来店されると、グチがたくさん飛び出します。


​「大根切って〜」

老齢のご婦人が、シルバーカーを押しつつヘルシンキの君の元へ。
一本の大根を手に、
「これ、二つに切って」と。
「二つに切ったのがありますから、そちらをどうぞ」
当たり前のことだけれど、二つに切った大根二つより、
一本丸々の方がお安い。
それは、葉を切る、二つに切る、ラップをかける
という手間がかからないから。
「二つに切ったのは高いやんか。これ(シルバーカー)に
入らへんもん」
「二つに切ったのをどうぞ」
冷たい声で言ったんだろうなと想像。
君の心の声は
『手間かかっとる方が高いに決まっとるやろ。
大根一本食えるのか! どうせ腐らすんやったら、
半分のを買うて帰れババア!』
であります。


​「スルフォラファンどこ?」

80歳をゆうに越えているであろうご婦人が
「スルフォラファンどこ?」と。
スルフォラファンとは、ブロッコリー(特に新芽のスプラウト)
に含まれる、人体の抗酸化作用や解毒作用を高める物質です。
「ブロッコリースプラウトはあちらです」
「スルフォラファンやで」
君の心の声『説明、めんどくさいなぁ』
「スプラウトのことです」
「体にええんやで。あれか?」
「はい」
君の心の声『まだ長生きしたいんかい!』





​「ニラどこ?」​

片手にメモを持った80歳前後の男性。
ご夫人が病気か、用事があって買い物に来られないのか。
「にいちゃん、ニラどこ?」と
その日はニラが特売メニューに入っています。
安くなっているニラを買って来いとご夫人に指示されたのでしょう。
君はそれをわかっていながら、
「こちらです」
と有機野菜のコーナーを指します。
特売メニューのニラと比べると
数倍の価格。
男性は、疑うことなく有機野菜のニラを買い物カゴへ。
きっと君はニヤッと笑ったことでしょう。
果たして、家に帰った男性は、ご夫人からどのように叱られるのか。


こんな感じで、大変サドチックなヘルシンキの君。
職場だけではなく、さまざまな場面で逸話を残す
逸材です。

今後も面白話を入手してご披瀝いたします。



【億を持つ男 その1】

開店当時から足を運んでくださっているお客さんの一人に、
団塊の世代の男性がいる。
現ナマで億単位の資産がある(と私は計算している)。

根拠は、親から相続した土地を売却したということを
数年前に聞いていて、
店の周辺の土地価格の相場から割り出したら、
5億円は下らない。税金やら何やらで多少は目減りしても、
3億円は手にしていると予想したのだ。
しかも、まだ土地を持っていて、
その土地建物を貸している家賃収入と株による配当金で
十二分に生活していけるようだ(本人談)。

しかし、億の男は倹約家というか、
お友達の言葉を借りるなら「細かい」人だ。

私「きょうのお昼は何を召し上がりました?」
億「きょうは水曜やろ。前の100円ローソンが冷凍(食品)の半額セールやったんや。
チャーハン買うて、卵を入れて炒めて食べたで」

何と! 
50円の冷凍チャーハンと卵…合計70円ほどの昼食…。

あるときは、
私「きょうは、◯◯(立ち食いうどん店)で、キツネですか?」
億「なんやのママ、見てたんかぁ?」

見ていない。
単に想像しただけ。
キツネ270円なり。
割と思い切った昼食だと言える。

冬になると、頭のてっぺんに小さなニット帽をちょこんと乗せて外出される。
お脳天がおハゲになっているのを隠すのと、
寒さ対策なのだとか。

私「いい帽子ですね。億さんにぴったり。
Can doのお子様用ですね」
億「ママ、よう知ってるなぁ。そうやで」
私「イメージもサイズも、そんなに億さんにぴったりの帽子、なかなかないでしょうから、色違いとか、素材違いを買いだめしとかないと」
億「そやな。そうするわ」

100円ショップ大好き人間である。

私「億さんは100均愛用者ですね。靴下とか、クロックスも100均ですか?」
億「そうやで。パンツも100均や」
私「クロックスや靴下はともかく、パンツは絹とか、綿の上質なのを履いた方が体にいいですよ」
億「そんなんわからんわ。100均で十分やで、ママ」

いつもこんな感じ。
後日談だが、買いだめしておいた方がいいと進言していたニット帽、
何をためらったのか、
億「ママに言われたように、買いだめしといたらよかった。
もう売ってないねん」
私「売れたらおしまい、の季節商品ですからね。何で買いだめしとかなかったんですか?」
億「まだ使えるのがあるのに、もう一つ買うの、もったいないやろ」

やろ、ではない。
私なら買っておく。
例え来年不要になったとしても(髪がフサフサになったとか、暖冬でニット帽が要らないとか)、所詮100円だし、保管に場所を取るものでもない。最低でも2つは買っておくだろう。
こういう人なのだ。
100円でも逡巡する。
だから、億の金を手にしたのだろう。
(正確には、親から相続した土地を売ったから億を手にしたのだが、実は、それだけの下地がある御仁である。後に明かす)

億の男については、エピソードがわんさかある。

億の男シリーズも追々展開していく。
乞うご期待。


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