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紫色の月光
第四話「宿敵、再び」
<???>
頭の中に声が響く。まるで夜を切裂き、大きな渦の中に閉じ込められているかのような暗黒の空間の中にそれはいた。
『俺の能力は生まれ変わった。コアを二つ取り込む事によって、時空すらも超越する力を手に入れたのだ。これで全時空は俺のものになる』
その強大な姿は今でも目に焼きついている。持てる力をぶつけても全く通用せず、液体金属で構成されているその身体の前に物理攻撃は一切通用しない。
だが、それでも快斗は力強く言い放った。
『舞台はそろそろ幕を閉じる。――――どっちが負けるのかは分らないがな』
決して負け惜しみではないその自信。ちゃんとした勝算が彼にはあった。
そしてその結果、最後に散っていくその姿を見たのは他ならぬ快斗であった。
『今にして思えば、お前も連邦の支配欲に巻き込まれた被害者、か。………もしも、輪廻っていうのがあるのなら、今度はもうちょっと別の形で会おうな』
次の瞬間、彼が乗る漆黒の機体が友の支えの受けて最強の敵――――ジーンΧを倒したのだ。
だが、何だろう。この感覚は。
今の快斗の頭の中には一つの疑惑があった。
――――ジーンΧは生きているのでは?
○
<海上都市 列車内>
がたん、ごとん、と揺れる列車内で快斗は目覚めた。どうやら日頃の疲れで寝てしまっていたらしい。そしてその疲労の原因の作っている女性は、彼の右肩を枕代わりにしてすやすやと気持ちよく眠っていた。
「……ジーンΧ、か」
夢の中の出来事を思い出してみる。
あの強大すぎる悪魔を倒したのは他ならぬ自分だ。なのに何故そんな事を思ってしまうんだろうか。
(ジーンΧが生きている? ……何言ってるんだ俺)
あの時、ジーンΧは確かに細胞すら残らず消滅したはずだ。いかに再生可能な液体金属とはいえ、消滅したのだから再生のしようがない。
「………………」
快斗はさり気無く外の景色を見る。
(キレーだなぁ)
丁度夕日が海上都市を美しく赤く照らしている。その光景を見た彼は思わずそれに一瞬心を奪われてしまった。
(………こんな事を思える日が、後どれくらいあるだろう)
彼は自問する。しかし答えは返ってくることはない。何故なら自分でもわからないからだ。
しかしこれだけは分る。
こう思える事はとても幸せな事なんだ、と。
○
<R・J社 支社>
海上都市にあるR・J社の支社。其処に快斗はちょっとした用事があった。
「神鷹さん。今日は此処に泊まるんですか?」
「ああ、お前だけな」
この場に来た理由に頷きかけたリディアだったが、一瞬思考がフリーズした。そして数秒もしない内に口から言葉を発しまくる。
「な、何で神鷹さんも泊まらないんですか!? 私一人は心細いと言うか、信用できて頼りに出来る人は神鷹さんだけなんですからお願いですから一緒にいてください! せめて夜のトイレのときくらいは――――」
「五月蝿い! ちっとは黙ってろ!」
快斗はキツイ目と叫び声でこれを制する。しかしリディアは今にも泣き出してしまいそうだ。甘える対象と言うのが今までこの男だけだったのが原因だろう。精神的に幼い彼女には彼と長い間離れる事が信じられない事であり、一番嫌な事であるのだ。
「心配するな、ここは知人が経営している。悪い奴はいないさ――――――多分」
「多分って何ですかちょっと!?」
そこでリディアの不安ゲージは一気に容量オーバーになってしまったようだ。しかしそんな時。何処からか分けのわからない形をした生命体が二人に近づいてきた。
「ちょっと快斗さん。多分って何スか多分って。此処は変な人は多いけど、それなりに平和な所ッス」
「五月蝿い謎の生命体。千切りにされたくなかったら大人しくコイツを預かってろ」
快斗が軽く携えている2本の刀をちらつかせてみせると、謎の生命体は心なしか顔色が真っ青になった―――――気がした。
しかし次の瞬間、謎の生命体の社員は何かを思い出したように我に帰る。
「あ、そういえば快斗さんの知り合いが来てるッスよ」
「何? どんな奴だ?」
「確か、身長が高めで、赤い髪で、やたらと力が強い人ッス。名前は……柳さんとか言ってたッス」
すると、快斗は神速のスピードで謎の生命体を掴む。それも恐ろしい力で、だ。
「今何処にいる?」
そして鬼よりも恐ろしい形相で彼は言う。普段はクールな印象をもつ彼だが、今だけは死神に見える。
「あ、痛いッス! あんたら揃って引っ張らないで欲しいッス! 今、柳さんはサルファーと訓練してるッス!」
「何、サルファーと?」
「そうッス! と言うか痛いからいい加減離して、プリーズ!」
最早謎の生命体は涙目になっている。それだけ痛かったんだろう。何と哀れな。
「OK,ならコイツを預かっててくれや」
そう言うと、彼は何事も無かったかのように謎の生命体を離した。そして一旦リディアの方に顔を向け、
「おーし、暇な時はソイツを引っ張って遊んでろ。よく伸びるぞ」
「ちょっとぉ!? 何勝手に人を遊び道具に認定してるッスか!?」
慌てながら社員は快斗に叫ぶ。しかし、悲しい事にそれは本人の耳には届かなかったようだ。彼は社員の言葉を無視して突き進んでいく。
尚、人なのか、と突っ込んでくれる親切な人はいない。
「ちょっとぉ! 話し聞いてるッスかあんた!?」
どう見ても聞いていない。確立で言うなら100%を通り越して120%だ。
そしてそんな時、謎の生命体で快斗曰く、よく伸びる社員は何処からか引っ張られた。
「あ、本当に伸びます」
そして楽しそうな目をして引っ張っているのは他ならぬリディアである。
「ちょっとお嬢ちゃん! 勘弁して欲しいッス!!」
しかし、無情にもそれは精神的に幼すぎるリディアに届く事は無かった。
○
<訓練室>
此処は何処にでもあるトレーニングルーム。ただ、この場所にちょっとした不思議な光景が広がっていた。機動兵器が剣で素振りをしているのである。
「174! 175! 176! 177!」
その機動兵器は皆からサルファーと呼ばれている。騎士道を貫く変わったヴァリスであり、語尾に『ある』をつけるのが妙に印象深い。
「ふん! ふん! ふん!」
そしてその隣でバーベルを持ち上げて汗を流している男がいた。彼の名前は柳・栄治。逞しい筋肉が目立つ上半身が剥き出し状態なのが妙に暑苦しい。
「……………」
そして、そんな暑苦しい空間の中に快斗はやって来た。そして思う。
(このストレンジゾーンは一体?)
真顔で思う辺りがこの男らしいと言えばこの男らしい。
しかし、そんな彼の存在に栄治が気付いた。
「おお、馬鹿快斗! 久しぶり!」
「……お前は今まで何してたんだ?」
何となく予想はついたが、それでも敢えて聞いてみた。
「トレーニングに大冒険」
「………働いてないのかお前」
その疑問に彼は迷うことなく答えてくれた。
「働いたら負けかなって思ってる! ほら、俺ってばチマチマしたの嫌いだしよ」
「阿呆」
その時、快斗は思った。やっぱこの男は馬鹿だ、と。
「で、お前はこれからどうするつもりなんだ?」
快斗は栄治に問うた。紫伝はあのまま女装してレストランで働くらしいが、この筋肉馬鹿のフリーターは一体何をして生活していくつもりなんだろうか。
「はっ! 何も考えてねーな!」
「自信満々で言うな馬鹿!」
快斗の鉄拳が栄治の脳天に直撃する。その鉄をも軽くへこませる凶悪な一撃を受けた栄治は頭を抑えて倒れこむ。
「痛えええええ!! 何しやがる馬鹿野郎!」
「うるせー! 俺や紫伝が一生懸命働きながら今を生きてるってのに何だお前のその態度! 謝れ! 今を一生懸命生きようとしている皆さんに謝れ!」
なんか自分でも何を言ってるのかよくわからなくなってきた。ただ、それでもこんな奴がいたら世の中で働きたくても働けない皆様に申し訳ないと思ったのは真実である。
「あのー、快斗殿。ちょっと」
そこで、今まで二人のやり取りを見ていたサルファーが話し掛けてきた。
「実は近所の漁師が今度漁に出るのであるが……丁度人手が足りないようなので栄治殿に手伝ってもらうというのはどうであるか?」
「お、いいなそれ。コイツなら片手で鯨を捕獲出来そうだし」
「ちょっと待てテメェラ! 何勝手に決めてやがる!」
栄治は必死になって反論するが、生憎もう二人の中では決定事項であった。人権と言う物があるのか確認した方がいいかもしれない。
「うし、ならそれまでコイツ頼むわ」
そういうと快斗はくるり、と回れ右する。
「なんだ馬鹿快斗。もう行くのか?」
「ああ。ちょっと友人と待ち合わせしていてな……お前とは違って俺には付き合いってモンがあるし」
「ウルセー!」
そういうと栄治はバーベルを軽々と持ち上げて快斗に投げつける。しかし快斗は後ろを向いたままこれを軽々と回避。
「は! 当てれるモンなら当てて見やがれ」
快斗の発言を聞いたサルファーは思った。
この男、挑発が上手い、と。
○
<***商店街>
商店街は今日も賑やか。何せ、そろそろ晩御飯の食材を買う時間帯だ。
そんな時間帯の商店街に一機のヴァリスがいた。AIは女性登録されている彼女の名は夜夢。現在はHUMである。因みに、服装は何故かメイド服だ。
「ええと、お買い物は済ませましたね」
メモ帳を見ながら買った物をチェックする彼女。項目の一つに何故か『ライトセイバー』とか分けのわからない物が書いてあったが、それは敢えて無視しておいた。
しかしそんな時、彼女の視界にある光景が映し出された。
「ヘーイ彼女! 俺様とお茶でもどう?」
其処には、見るからに軽そうな赤髪の少年が道行く女性をナンパしている光景があった。その少年の特徴としては、右目の下にまるで道化師のメイクの様に黒のスペードのマークがあることである。
ただ、やっぱり夜夢の目から見て彼は一言で言うならば、
(……軽そう)
見るからにそんな空気が彼から漂っている。しかし、そんな時だ。
ずけずけと赤髪の少年に近づいてくる影の存在があった。それは少年と同世代で、エメラルドグリーンの髪と瞳が印象的で、それでいて赤髪の少年と同じように左目の下に黒のダイヤのマークがある少年であった。一言で言えば美少年である。
「ガレッドぉ~?」
エメラルドの少年は黒いオーラを身体中に吹き出しながら赤髪の少年、ガレッド・バスタードの背後に立つ。
それと同時、確かにガレッドの肩がビクリ、と震えた。そしてガレッドは引きつった顔で背後にいる人物を見る。
「よ、よぉトリガー。パンは買えたか?」
ガレッドは額に汗を浮かばせながらエメラルドの少年、トリガー・マークレイドに問う。しかしトリガーはあっさりと言い放った。
「ああ、買えたよ。君の大好きなチョコクロワッサンもちゃんと買ってきた。さて、君は何してたのかな?」
トリガーの目がぎらり、と光ってガレッドを捉える。
「まぁーさぁーかぁー……行方不明になったリーダー達を探す旅の最中で女の子を問答無用でナンパしてるなんて事は……無いよねぇ?」
ズバリそのとおりだったりする。そしてガレッドは嘘をつけないと言う、何とも哀れな体質の持ち主だった。しかしそれでも彼は女の子が大好きなので、どうしようもない。
「は、はははははは………逃げるが勝ち!」
そういうと、ガレッドが音も無くその場から消え去った。まるで、初めから其処にはいなかったかのようである。
しかし、トリガーは何故か動じもしない。寧ろ呆れた顔をしていた。
ややあってから、彼は回れ右をする。そしてある一点に視線を集中させた。その視線の先にいるのは間違いなく買い物を済ませたばかりの夜夢である。
「―――――――――へ?」
何で私を見るんですか、と言いかけた瞬間。向こうが大声で叫ぶ。
「すみませーん! 貴女の後ろでさり気無くスカートめくりしようとしている大馬鹿者をとっ捕まえてくださいませんかー!?」
次の瞬間、夜無は驚きと赤面が入り混じった表情で後ろを見る。そこには確かに先ほどまで向こうにいたはずのガレッドがいた。
「げ! もうバレた!」
全速力で逃げようとするガレッド。
しかし未遂とはいえスカートめくりしようとした罪は大きい。
哀れ、ガレッドは一瞬で夜夢にとっちめられてしまった。
○
<深夜1時 酒場>
店内に流れるジャズが空気として染み込む店内に、快斗はいた。彼は何時ものジージャンに黒ズボンと言う、おしゃれに気を使わない格好である。
そしてその隣の席には一人の男が座っていた。
青髪の長髪に鋭い目つき、黒のロングコートが印象的な男。世間からは怪盗イオと呼ばれているマーティオ・S・ベルセリオンである。
「珍しいじゃないか。お前さんから待ち合わせを持ちかけてくるとはな」
快斗は酒を一口飲むと、マーティオを見る。
「む……まあ確かに」
そもそも会う事事態久しぶりである。この二人は仕事の立場上、偶に敵対する事があるので余り会う機会が無いのだ。
「だが快斗。今回ばかりは厄介な事になったかも知れんぜ?」
「……どー言う事だ?」
快斗が睨むようにしてマーティオに言うと、彼はポケットの中から一枚のカードを取り出した。そのカードはR・J社の社員カードであり、その名前欄には「ライ」と書かれていた。
「………お前、これを何処で?」
「先日、一仕事してたらソイツが現れてな。その時、おちょくりまくってから退散しようかと思ったんだが……どういうわけか閃光弾を放った後、追ってこなくてな」
「………閃光弾程度で完全に怯む奴じゃ無いと思うけどな」
快斗の言葉にマーティオは静かに頷く。
「俺なりにそいつのことを調べさせてもらった。R・J社のヴァリス達の中でもトップクラスの実力らしいな。……だが、そんな奴が何の小細工も無い閃光弾程度で完全に怯むか?」
確かに、言われてみれば不思議だ。精々怯んでも一瞬のはず。しかもマーティオが使う閃光弾は光の威力が抑えられているのだ。
「考えられる可能性があるとしたら……例の行方不明って奴だな」
またか、と快斗は頭を抱える。
これでリオン、イグルに続いてライまでも行方不明になった事になる。
(本社の戦力がた落ちだなこりゃ)
それ以前に問題はこの面子が一体何処に行ってしまったのか、である。もしくは、彼らの身に何があったのか、だ。
「実はな。ビルが炎上した時に監視カメラを回収しておいた」
「は!?」
一体何時の間にそんな事しやがったんだこの男。
しかし次の瞬間。マーティオの顔が恐ろしく真剣な物に変わった。
「いいか、コイツには信じられない映像が入っている。此処で見るには色々とまずいから、後でこっそりと見ておいてくれや」
そういうと、彼はテーブルの上に一本のビデオテープを置いた。
○
<深夜2時 公園>
快斗はブランコに座りながらマーティオから受け取ったビデオの映像を見ている。其処には、マーティオがビルの中でライと対峙している映像があった。
(問題は、この次か)
閃光弾の光がライの目を襲う。それだけで彼は一瞬怯んでしまったが、マーティオはその隙に逃げていった。
しかし、次の瞬間。
(―――――――え?)
信じられない映像を快斗は見た。イグルとリオンが突如として現われ、ライに攻撃をしているのだ。
(――――――!!)
そして、彼は寄生されてしまったライの瞳を見て、思わず震え出してしまった。
次に彼に襲い掛かってくるのは心臓を握りつぶすような勢いでやって来るおぞましい感覚だ。
「――――――嘘だっ!!」
思わず、そんな事を口にしてしまった。
だが、あの目は間違いない。
あの狂気に濁りきった目は確かに、
「―――――ジーンΧ!」
それは確かに、目の前で消し飛んだはずの最強最悪の敵。ジーンΧの目であった。
姿は違うが、決して見間違う事はない。
狂気と殺意が入り混じった、汚くて濁った目だった。
第五話「働こう」
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