熱い男おいらの極私的備忘録

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なかなか良いことを言っているような気がしたのでメモ。

第43回国家公務員合同初任研修 麻生内閣総理大臣訓示

平成21年4月8日(水)11:10
国立オリンピック記念青少年総合センター


 諸君。国家公務員への採用、おめでとう。

 厳しい選別、試験を通過し、選ばれたことを、是非誇りにしてもらいたい。あわせて、「国家と国民のために尽くす」という崇高な理念を選んだことを、いつまでも忘れないでいてほしい。昨今、行政や公務員に対しては厳しい批判があります。その中でも、君たちは、あえて国家公務員の道を選んだ。その志に対して、心から敬意を表します。ありがとう。

 つい最近まで、日本の官僚は世界で一番優秀と言われていました。なのに、一転して批判をされる対象となりました。公務員の質が落ちたのか。私は違うと思います。公務員は変わってはいません。変わっていないからこそ批判されるようになったということであります。

 明治以来、日本と日本国民の目標は「豊かになること」だった。「殖産興業」、「経済発展」。その際に、公務員は、その先導役としてその役割を果たしてきました。産業振興、公共事業、教育、社会保障。その結果として、今や日本は、世界でトップクラスの水準になりました。それは、君たちの先輩が、寝食を忘れ努力してくれたお陰です。

 ではなぜ、その公務員が批判されるようになったのか。それは、目標を達成したからです。豊かな社会を実現したのに、なお以前のような行政を続けているから。社会が変わったのに、公務員の方が変わっていない。



 次に、国内だけでなく、国際的な視野が必要になりました。日本は、世界でも大きな地位を占めるようになりました。したがって、それだけの貢献が世界から求められるようにもなりました。金を出すだけでなく、人も出す、知恵も出さなければなりません。

 しかしながら、日本にも、公務員にも、その自覚は足りないのではないですか。

 日本にも優秀な人がいる。公務員にも当然います。公務員は、国内に閉じこもり、また、自分の省や局の中に、課の中に閉じこもっているだけでは駄目なのです。

 行政の役割や公務員の役割が小さくなったのではありません。経済について、市場に任せておいただけでは駄目なことは、今回のサブプライムローンの問題ではっきりしました。そして、景気対策のためには財政出動が必要です。また、医療、介護、年金、子育て、格差問題など、安心できる社会をつくること。これも行政の役割です。私の内閣と、君たちに求められていることは大きいのです。

 国民やマスコミが公務員批判を繰り返しています。「公務員バッシング」という言葉があります。しかし私は、その立場に全く与しません。公務員は、この内閣の従業員でもあります。私は、公務員の優秀さを疑ったことはありません。もし問題があるとするならば、その公務員を使いこなせない政治家に問題があると言い続けてきました。

 もちろん、公務員にも考えてもらわなければならないことがいっぱいあります。私は、研修の初日に当たって、君たちに3つのことを求めたいと思います。

 1つ、配属されたら、その分野の専門家になってもらいたい。社会保障、教育、経済、金融、外交、防衛など。あなたが選んだ分野での第一人者になることを、これは是非目指してもらいたい。そのためには、役所で今までの仕事のやり方を学ぶことは必要。しかし、それだけでは十分ではありません。役所に閉じこもらず、外に飛び出すこと。現場や関係者の意見を聴くこと。かつ、最新の情報を得ること。そして、それぞれの分野で本当に求められているのは何かを、是非自分の目でつかんでもらいたい。

 2つ目は、未来と、世界を見てもらいたい。日本も世界も、今、ものすごいスピードで変化しています。1年前に、今の経済状況を予想した人はいません。20年前に、インターネットなどITの普及を正確に予想した人もいません。30年前、ソビエト連邦がなくなることを予想した人がいましたか。40年前、アメリカの自動車業界が傾き日本の車の方が売れるということを予想した人はいません。10年後、20年後の日本と世界がどうなっているか正確に予想できる人などいないのです。これは20世紀から教えてもらった、人間に対する大きな教訓だと思います。10年後、20年後のことを正確に予想できることはない。これが、20世紀が我々に教えた教訓の1つです。だからこそ、未来と世界を予想しながら、考えなければならない。専門家になるためにも、幅広い知識が必要です。

 3つ目、是非国民に分かる言葉でしゃべること。君たちの顧客は国民です。その国民が分かる言葉で説明してほしい。そして、公務員という「身分」に安住しては駄目です。それは国民が許さないし、私も認めません。公務員という「職業」を果たしてほしい。公務員は身分ではない、職業としてその職務を果たしてほしいと思います。それは、国民が求める商品、売れる商品。すなわち、国民が求める政策を考え、実行せしめることです。

 国民は、政府に大きな期待を持っている。そして、君たちは期待をされている。君たちが、「立派な職業人」になることを期待して、私の訓示とします。頑張れ。






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最終更新日  2010.08.29 21:24:08


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