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タイトルを見て「話し方」について書かれた本かと思ったら、 読んでみると「クレーム対応」について書かれた本だった。 まぁ、タイトルには「クレーム対応のプロが教える」と前置きがあるから、 タイトル通りと言えば、確かにその通りなのだが……。 帯に書かれているように、本著の著者は『となりのクレーマーの』関根さん。 関根さんは、『ぼくが最後のクレーマー』の著者でもある。 そして、今回本著を読んだ後、私の中に残った印象は、 『ぼくが最後のクレーマー』を読んだときのものに非常に近かった。特に、4章の「このひと言で相手の気持ちは変わった! ロールプレイで学ぶ実践会話」は、「学校編」と「スーパーの電話苦情編」の二つの例が示されているのだが、「本当にこうなるか……」と、私は思わず首を捻ってしまった。著者が全体を通して述べようとしていることは至極真っ当なだけに、残念だった。
2012.10.20
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どうでもいい人には、どうでもいいことだけど、 気になる人には、本当に気になること。 それが、通勤電車で座ること。 そこでの睡眠時間確保が貴重なものとなっている場合は、なおさら。 ただ、そこで座れるかどうかは、本当に条件次第である。 電車に乗り込む時間帯、そして、どの駅から電車に乗り込むのか。 いくら本著のようまものを読んだところで、 既に立錐の余地もない超満員の電車の乗り込むのなら、座ることは至難の業。乗り込む前にまだ空席が残っている場合は、いかにしてそこに誰よりも早く辿り着くかが問題。本著の1両目(本著では1章とは言わず1両と表現している)には、乗り込む前(つまり、ホームで並んで待っているとき)の、2両目には、いざ乗り込む瞬間からのテクニックが披露されている。逆に、乗り込む時点で既に空席が残っていない場合には、もう少し経てば、下車のため席を立ちそうな乗客の前に辿り着き、好機を窺うことになる。そのためのテクニックは、3両目と4両目に披露されているが、「みんな、同じようなことやってるんだ」と、変に納得させられた。以降、快適に座るテクニックやマナーについて述べられているのだが、ここも、なかなか興味深い話題が並んでいる。ただ、「おわりに」にも書かれているように、通勤電車に何か一つでも楽しみを見出せれば、座れるか座れないかなんて、どうでもいいことにしてしまえるのだろうけど。
2012.10.20
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今回のお話しは白鳥圭輔の独壇場、まさに彼が主役だった。 これまでのシリーズでは、田口が一人で結構頑張った後、 かなり時を経てから、火喰い鳥が徐に登場、ということが多かったが、 今回は、前巻のかなり早めから登場し、精力的かつ派手に動き回っている。 そして、何から何まで、あらゆる作業を一手に引き受け、 最期の美味しいところも、全て総取り状態でエンディング。 今回は、まさに白鳥と田口に、ホームズとワトソンの役割を演じさせ、 本格ミステリー小説としての形態を、見事に完成させている。この白鳥圭輔というキャラクター、映画では阿部さんが演じて、なかなかカッコイイのだが、小説のほうでは、決して見栄えは良ろしくないという設定。そんな彼が活躍するところが、このシリーズの魅力の一つでもある。
2012.10.20
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『極北クレイマー(下)』以来、久しぶりに海堂さんの作品を読んだ。 今回のお話しも「桜宮サーガ」を形成し、田口・白鳥コンビが活躍するものだが、 主に文庫版で海堂作品を読む私は、1年半近くその世界から遠のいており、 読書中、名前だけではどんなキャラだったか思い出せない人物がかなりいた。 しかも「桜宮サーガ」の各作品は、出版順と描き出される年代とが一致せず、 さらに単行本の文庫版での書き直しもあって、交錯した状況を呈しており、 今回も、『マドンナ・ヴェルデ』『ナニワ・モンスター』『極北ラプソディ』等、 私の未読作品と関連していると思われる部分も結構見られ、少々戸惑った。さて、この上巻は、全体として『イノセント・ゲリラの祝祭』と似た雰囲気が漂っている。司法と医療との間の論戦が主軸となっており、かなり専門的な言葉、論理が飛び交うため、少々難解で、何度も読み返す必要に迫られる。それでもなお、彦根や白鳥の繰り出す言葉には、強く惹きつけられる。さらに『イノセント・ゲリラ』と違って、本作品はミステリー的色彩もかなり強い。なかでも、「警察庁のキラー・ラビット」宇佐見壮一の動きが、甚だ怪しい。下巻では、MRI担当技術者・友野の死因も解明されていくことになるのだろうが、それらも踏まえて、私が気になった台詞を3つ、ここに掲載しておく。 「ベレッタ、二二口径タイプですのう。改造すれば実弾発射できるぜよ」(p.146) 「ま、ペースメーカーの誤動作なんて、かわいいもんさ。 うかつに五ガウスライン内に足を踏み入れると、 金属製のペンとかものすごい勢いでマシンに吸着される。強力な磁石だからな。 吸着事故では掃除機や酸素ボンベまですっ飛んでいくんだぜ」(p.213) 「ここだと下の部屋の声が丸聞こえだな。知ってたか、島津?」(p.261)そして、これは今回の事件には全く絡まないと思うが、気になった台詞。 「さっきすれ違ったあの女性、妊娠してたわね」(p.225)
2012.10.07
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南雲慎平太は、稀に見る非凡な打者。 しかし、その所属する仙醍キングスが、あまりにも弱小球団であったため、 個人タイトル争いに加わっても、一度もそれを手にすることが出来なかった。 それでも、彼は引退までキングスに在籍し、引退後しばらくして監督となった。 その南雲も、5年連続最下位の責任をとって、監督の座を退くことになる。 そして、監督最後の公式戦も、九回表で15対1と大劣勢。 その時、相手球団打者が放った打球が、キングスベンチに飛び込む。 それを避けようとした南雲は転倒、ベンチに頭をぶつけ、それが原因で亡くなる。このお話の主人公は、山田王求(やまだおうく)。仙醍キングスの熱烈なファンである山田亮、桐子夫妻の長男。王求が生まれたのは、南雲が逝去した日。王求は、やがて仙醍キングスの主軸として、驚異の成績を残す大打者に成長する。しかし、このお話しは、決してサクセス・ストーリーではない。王求が打者として残した成績とは真逆に、彼の人生は順風満帆とは程遠い。三人の魔女の影につきまとわれ、彼からは常にある種の悲壮感、暗闇が漂う。そんな王求も、突然人生最期の日を迎え、キングのバトンは新たな命に引き継がれた。 ***このお話の中で、印象に残ったところ 試合は終わるまで終わらない。 笑ってしまうが、力強い気持になる。 こうも言い換えられる。人は死ぬまでは不死身だ。(p.185) 旅行に行く日の天候が、晴れなのか雨なのかはコントロールできない。 どうにもならないことを鬱々と悩み、天気予報に一喜一憂するくらいであれば、 どんな天気であっても受け入れて、雨が降れば傘を差し、晴れたら薄着をしていこう、 と構えているほうがよほどいい。(p.226)
2012.10.07
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