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『この国の冷たさの正体』をはじめ、 和田さんが今年になって出した本は40冊ほど。 その中には、再出版のものもあるのかもしれませんが、 それにしても、この数は尋常ではありません。 本著は1ページ当たり40字×14行で、190ページまで。 あっという間に読み終えてしまいました。 これで、定価900円+税。 どうでしょう? *** つまり、そのときは「相手のせい」と思っても、 時間が経って落ち着いてくるとどっちのせいだかわからなくなってきます。 「相手も悪いけど、わたしも悪かった」と思えるようになってくるのです。 これは、曖昧な決着を受け入れる余裕ができたということです。(p.37)最後の行の「曖昧な決着を受け入れる」というところが、とても心に残りました。 ●沈黙で間を作ること。 ●「……と思う」で自分の考え方を提示すること。 ●「それだけかな」でいろいろな可能性に気づかせること。 どれも相手の感情的な思い込みをやわらかく解きほぐす話し方ですが、 こういった話し方で言葉のやり取りがスローダウンします。(p.71)話し方で示されているのは、こういった事柄です。「なぜ黙っているんだ!」と勝手に怒り出す相手は、もう放っておくしかないんだそうです。そこが知りたかったのですか…… 言うまでもないことですが、 異論を唱えようが反論しようが 部下は上司の指示に最終的には従うしかありません。 なので、上司はいかに部下が納得できる指示を出せるかが大事なのであって、 従わせるだけなら形式的には簡単なのです。(p.138)「形式的には」です。そこから部下がどう動くかは、部下自身が決めることですから。
2016.11.27
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2011年、三菱自動車と日産は軽自動車開発のため 共同出資会社を設立し、2013年には販売を開始した。 開発期間を経て量産体制に入る直前には、燃費目標達成度を走行試験で確認。 そして、その開発を2016年からは日産が引き継ぐことが決まった。 そこで、日産が三菱自動車が開発した車両の走行抵抗値を調べてみると、 国交省に提出した書類に記載されている数値と隔たりがあることが判明。 こうして、三菱自動車による燃費不正が明らかになった。 その後、日産は三菱自動車と資本提携を結ぶことになる。 ***「第1章 不正のメカニズム」では、今回の不正に至った根源を探る。5回にも及んだ燃費目標切り上げに見られる、無理な要求の横行。有言・無言の圧力で「出来ない」と言えないため生じた、不正を許す風土。その結果、経営陣と現場の間には深い溝が。「第2章 日産、電光石火の救済」では、三菱重工・三菱商事・三菱東京UFJ銀行の3社の救済逡巡と、敢えて火中の栗を拾おうとする日産ゴーン社長の思惑が描かれる。そこには、自動車産業の構造変化と業界再編の問題が絡む。「第3章 瞑想と凋落の20年」は、「日経ビジネス」の記事で、三菱自動車の20年を追う。米子会社でのセクハラ訴訟・総会屋への利益供与事件後の1998年から、トラック事故やリコール隠しを経た2014年まで。「第4章 なぜ変われなかったのか」は、「日経ビジネス」等に掲載された歴代トップのインタビュー記事。2001年の中村裕一氏から、2006年と2014年の益子修氏を経て、2015年の相川哲郎氏まで。 ***「第1章」や「第2章」は、まだまだリアルタイムの事象なので、起こった出来事を表面的になぞることに終始し、突っ込みは甘い印象。もうしばらく時を経て、色々なことが分かってくれば、もっと興味深い内容のものが出来そうな気がする。「第3章」と「第4章」は、過去の記事を再掲したもの。当時の空気感がリアルに伝わって来るというメリットはあるものの、過去の資料を読み進めているだけという感じは否めない。今後、現在の視点から記述した書物が出てくるのを待ちたい。それでも、三菱自動車の盛衰や迷走ぶりは、本著から十分に読み取れる。パジェロやアイ・ミーブを生み出した独創的な企業なのに、益子氏の長期政権で、再建は前進しているかに見えたのに、今回の事件……とても残念である。
2016.11.27
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はすみとしこさんのイラスト&コラム集。 表紙には「ホワイトプロパガンダ漫画家」との肩書が。 発行所は青林堂。 『日之丸街宣女子』や『余命三年時事日記』なんかも青林堂。 「難民」だけじゃなく、 「在日」や「慰安婦」「シーシェパード」「平和デモ」等々について、 ちょっと引っかかるところを、イラストと文章で表現している。 「朝鮮進駐軍」や「バッカスおばさん」とかも載っている。「ちょっと引っかかるんだけど、あんまり大きな声では言えないし……」ということが、残念ながら、今の時代この世の中にも多々ある。うっかり地雷を踏んでしまうと、それは即、大炎上に繋がり、世間から、バッシングの嵐に見舞われること間違いなし。なので、心に引っかかったことを、引っかかったままにしておかず、こうして表現することは、とても勇気ある行動で価値あることだと思う。ただ、カスタマーレビューを見ると、そのあまりにもの高評価ぶりに、ただならぬ不自然さを覚えるのも確かなんだけど。
2016.11.26
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住宅販売会社勤務・星野雅彦、昭和34年生まれの36歳。 旅行代理店、大手レストランチェーン店マネージャーを経て、現職。 入社して5年目になるが、セールスの仕事も思うようにいかない。 係長というポジションにも、思うところがある。 いつものように休憩すべく、公園の少し奥まった場所にあるベンチへ行くと、 そこには、大きな犬を連れた老紳士がいた。 星野は、その老紳士と会話するうちに、彼が大蔵建設の会長だと気付くが、 以後、その経験やノウハウを教授してもらうことになる。 ***『仕事は楽しいかね?』等々、多数見られる定型の自己啓発本。若手がベテランに教えを請い、成長していくというお話。20年も前の時代を描いたお話だが、現在でも十分通用する内容。例えば、次の個所は「なるほど!」と大きく頷いてしまう。 組織が人に目標を与える時のポイントは、 ●会社の目標と個人の目標の接点を見つけて共有するまぁ、言うは易く行うは難しではあるけれど、それでも、頭の隅にはいつも置いておかねばならないことだろう。そして、私が本著で最も感銘を受けたのは次の箇所。部下を持つ者は、肝に銘じておかねばならない名言である。 星野さん、部下にゴールを与えるということは、 そこに向かう道のりを経て、部下を育てるということです。 部下をどれだけ成長させることができたか、そこに上司の価値があります。 そして、そこに属する人の成長の総和が、企業の成長です。 部下を成長させられない上司は、会社を伸ばすことができない上司です。 これでは、上司が存在する意味がありません。 星野さん、あなたを大きく超える後輩をたくさん育ててください。 それが社会貢献であり、次の世代へのバトンになります。
2016.11.26
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5月には本屋さんに並んでいたものを、 半年経った今頃になって、やっと読みました。 読み進めていくうちに「あれっ?もしかして……」と思っていたら、 やっぱり……終わってしまいました。 ちゃんと、裏表紙には「ついに完結!」と書いてあるのに、 それすら気付かないまま読み始めたので、 結構驚いて、オロオロしてしまいました。 でも、良いタイミングでのエンディングだと思います。 ***第1話は、別居中の両親のペアウォッチに込められた謎と、恋人に隠し子がいるのではないかと悩んでいる明里の友人・和歌子のお話。和歌子は幼い頃、両親のペアウォッチの修理を、秀司の祖父に依頼したことがあった。そして、その時のように、両親の関係をまた修復してもらおうと、飯田時計店を訪れる。第2話は、かつて大判焼きで有名だった安西商店をめぐるお話。そこに店を復活させたいと望む馬部が、子どもの頃、神社の森に埋めたタイムカプセル。その謎が、安西商店を営んでいた夫婦の秘密を明らかにしていくことに。そして第3話は、秀司の母が修理を依頼してきた鉄道時計のお話。独立時計師となるべくスイスに来ないかとオファーを受けた秀司は、明里との関係を維持するために、どうすべきか迷いに迷っていた。そして、二人は新しい未来に向かって歩を進めていくことになる。 ***今回の表紙は、前巻に比べると、普通に受け入れられました。でも、やっぱり今年話題になった、あのゲス男を連想してしまうのは私だけ?
2016.11.26
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もう、本当に、とっても、これでもかと言うほど ベタベタに甘ぁ~いお話。 読んでいて『植物図鑑』を連想してしまいました。 どちらも、ほんわかラブラブの良いカップル。 こちらは男性が主人公、あちらは女性が主人公だけれど、 お相手が突然に目の前に現れたところや、 どこかしら謎めいているところがよく似ています。 そして、お相手が突然姿を消してしまう展開も。でも、エンディングは全く別物。読後の作品に対する印象に、大きな差ができてしまいました。終盤まで、せっかく気持ちよく読み進めていたのに……最後の最後で肩透かしを食ったようで、私としてはニャンとも残念。もちろん、そのタイトルを私がよく知っていたぐらいなので、随分と売れた作品に違いありません(販売戦略の妙?)。だからこそ、映画化もされ、さらに売り上げが伸びたのでしょう。でも、まぁ、この結末で良しとする人も数多くおられるのは間違いないニャー。
2016.11.23
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『ナイチンゲールの沈黙』、『モルフェウスの領域』に続くお話であり、 『医学のたまご』に先立つお話。 アツシを知っていれば、もちろん感情移入しやすいし、 日比野涼子を知っていれば、細部の理解は深まる。 しかし、全くの白紙状態でも、ひょっとするとそれほど支障ないかも。 お話の大半は、高校生たちの日常を描いた鉄板の学園もので、 ラノベを読む感覚で、普通に読めてしまう。 筒井さんのはぶっ飛んでたけど。でも、それなら海堂さんの書いたものを、わざわざ読まなくてもいい。ハルヒや「はがない」を読んでれば事足りる。まぁ、これらには『ひかりの剣 』的要素はないけれど、ヒロインのツンデレ度なら、十分堪能できる。なぜ、こんな風に言いたくなってしまうのかというと、このお話の肝になるはずの、アツシと西野の対決のシーンがあまりにも不完全燃焼だから。一体何が言いたかったのか?自分の読解力の低さに驚かされた。
2016.11.19
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『真夜中のパン屋さん』の大沼さんによる一冊。 第9回坊ちゃん文学賞大賞を受賞したデビュー作「ゆくとしくるとし」と、 「僕らのパレード」「空ちゃんの幸せな食卓」の3つの作品集。 「僕らのパレード」が一番長く、「空ちゃん…」が一番短い。 まず最初は、「空ちゃんの幸せな食卓」。 うたが中2・空が小2の時、母親が交通事故で亡くなってしまう。 それまで別居していた父親の家に引っ越すことになった姉妹は、 そこで父親の新しい嫁・モコチンに出会う。ところが父親は無期限逃避の旅に出てしまい、血の繋がりのない若い母親と娘たちだけの生活が始まる。姉のうたは、モコチンを母親とは認めず、家を出ていくが……最後はちゃんと大沼さんらしく収まります。続いては、「ゆくとしくるとし」。受賞した作品を、大幅に改稿したもの。大学生トリコが一年ぶりに実家に帰ると、そこにはオカマのミカさんがいた。助産師の母の手伝うために同居し、家事全般もやっているらしい。最初は及び腰だったトリコだが、ミカさんの女子力に次第に惹かれていく。自分の学生生活の実態を知られ、母との本当の関係を告白し、道で倒れ込んでいた女性の出産に立ち会い、母の自分への思いを知らされ……これも、最後は本当に大沼さんらしい収まり方。そして最後が「僕らのパレード」。一番ボリュームがある作品だけあって、読みごたえも一番。サムが小学校に入学する日、姉のセピアは突然言葉を発しなくなる。一家は環境を変えるため、新しい父の実家・岐阜の田舎に引っ越す。サムは、パン屋のアヤエの弟子となって修業に励む日々。アヤエは方向音痴で、家と自分を糸でつながないと外出できない。そんなアヤエのため、サムは大冒険を敢行するのだが……最後は、4番目の父・よんちゃんの衝撃の事実が明らかに。大沼さんの作品は、デビュー当時からほんわりとやわらかで、とっても優しいものでした。
2016.11.19
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5年前に『カリスマ 中内功とダイエーの「戦後」(上)』とその下巻を読んだ。 本著の最終章・第7部とエピローグは、その続編である。 なので、264ページまではただページをめくるだけで、 「第7部 終焉と残照」から読み始める。 あれほどの栄華を手に入れた男が、 そのほとんど全てを奪われ、失意のうちに天に召される。 社葬すらしてもらえないという現実は、あまりにも過酷。 それでも、人々は彼を「カリスマ」と言う。今読んでも、見事なドキュメンタリーである。『東電OL殺人事件 』も、『あんぽん 』も良かった。しかし、『あんぽん』を読んだ時には危うさを感じた。「よくこれで、出版できたな」と。孫さんの時は、絶版にもならなかったが、同じ手法で橋下さんを採り上げようとしたら、たちまち噛みつかれてしまった。中内さんとは裁判沙汰になっていたことを、本著を読んで知った。『唐牛伝 敗者の戦後漂流』には、まだ手が伸びない。
2016.11.19
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本著は、1978年6月に刊行されたものであるが、 アメリカで刊行されたのは1940年だがら、もう古典の域である。 『本を読む本』というタイトルを見れば、 本好きなら、引かれるものがあるはず。 しかし、本著は気楽に読み進められるものではない。 結構理屈っぽくて、小難しい。 タイトルの後者の「本」は、この書物自体のことだが、 前者の「本」が、どんな「本」を指し示しているのかが重要なのである。 『本を読む本』は、読むに値する良書を、 知的かつ積極的に読むための規則を述べたものであります。 すべての本がこの本の奨めるような読み方に値するわけではありません。 厳密に申せば、それは名著と言われる本にこそふさわしい読みかたであります。 そのような名著は、 1回だけでなく2回あるいはそれ以上の精読に値するものです。(p.3)これは本著冒頭にある、著者による「日本の読者の皆さんへ」の一文。そう、ここを読んで読者は気を引き締めなければならない。これは、そこらへんにある「普通の本」の読み方を示したものではなく、「名著」と呼ばれる本の読み方を示したものなのだ。 西欧に限っても、これまでに出版された本の数は数百万冊に達する。 だが、その大部分が、読者の技術を磨くのにふさわしい本とは言えない。 誇張に聞こえるかもしれないが、実際、99パーセントまでは そういう本だと言っても過言ではない。 つまり大部分の本は娯楽または情報のための本である。 娯楽や情報もけっこうだが、 ただこの種の書物は、何らかを教えてくれるものではないから、 拾い読みだけで十分である。(p.250)これは、本著の最終節に記された一文。著者はさらに、本当に読書法や人間の生き方を教えてくれるような本は、全部合わせても2、3千冊にも満たないだろうと述べている。そういった、「ごく限られた一部の本」を読む「本」。「初級読書」「点検読書」「分析読書」「シントピカル読書」。それぞれの段階の読書のしかたについて、丁寧に述べられていく。先に述べたように、理屈っぽくて小難しい。本著も、娯楽または情報のための本ではない。
2016.11.19
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電子書籍で読みました。 『いいとこ取り!熟年交際のススメ』を読んだばかりで、 高須さんと西原さんがどういう関係なのかは分かっていました。 なので、どのエピソードも楽しめました。 ただ、開始早々に気になるところが。 「これは、ちょっと……大丈夫なの?」と思いましたが、 「まぁ、トランプさんが大統領になろうかというご時世だからね」と、 自分で自分を納得させようとしましたが、やっぱりちょっと危険。 ばあちゃんの口癖は「お前は、そこらへんの漁師や百姓とは違う」。 幼い僕に、昔の栄耀栄華をよく語った。 こう言ってはなんだけれど、サイバラには栄耀栄華はないからね。 さしずめ、僕とサイバラは、白系ロシア人と農奴みたいなものか。 (中略) この話をすると、サイバラは 「なんてひどいことするんだ。ものすごい差別じゃん!」って怒るけど。 (中略) 愚民どもめ、今に覚えていろ。この(中略)に記されているエピソードが西原さんを怒らせたもの。使われている言葉よりも、描かれている内容や、そこに示される高須さんの姿勢が問題。でも、これがまかり通っていた時代があったことも事実であり、そう思えば、今は良い時代、良い世の中になったと気付かせてくれる記述ではあります。本著を読んだ後、この書籍が発売してすぐに回収されたものであることを知りました。出版社は、高須さんに書き直しを依頼しましたが、高須さんは断ったとのこと。そして、絶版になった本著は、今では古書として高値で取引されています。でも、今回、電子書籍で読むことが出来るようになったのは、なぜ? 何を言ってもよくて、何を言ったらいけないのか。 僕には人の心の機微がよくわからない。 おかしな話だが、殴られて初めて「これは言ったらダメなんだ」と知った。高須さんという人を知るうえで、この記述ほどスッキリ明快に示してくれるものはありません。なるほど、そういうことだったんですね。
2016.11.19
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西原さんのマンガは読んだことがありません。 『家族の悪知恵 』を読んだことがあるだけです。 本著は、タイトルに引かれて購入しました。 でも、内容は予想していたものとはかなり違いました。 西原さんが高須さんとこういう関係にあるのを知りませんでした。 ちょっと驚き。 元夫の戦場カメラさんとのことは、何かで読んで知ってましたが、 こういう経緯で、こういうことになってたんですね。ということで、高須さんとのことが色々書いてある本でした。私的な内容で、熟年交際一般について語ったものではありません。文庫本で170ページ余りなので、あっという間に読めます。重たい内容もありますが、軽く笑い飛ばしてしまってます。 日本の男の人って、たいがいが自分の奥さんのことを悪く言うじゃん。 うちの鬼嫁とか、メシマズ妻とかって。 あの習慣、何とかならんかねえ。 どんなに人前での習慣でも、 何年も言われたら腹にドスつっこみたくもなるわ。(p.79)私も、父が人前で母や自分たちのことを悪く言うのを聞いて、とても気分が悪かった。まぁ、当時はそれが習慣だったんだろうけど。なので、私は決して言いません。
2016.11.13
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『探偵の鑑定』の続巻。 そして、いよいよこれが本当の最終巻。 おなじみのキャラクターたちが、 これでもかと言わんばかりに次々に登場しての大団円。 リサイクルショップ・チープグッズ店長・瀬戸内陸とその娘・楓。 万能贋作者・雨森華蓮。 波照間高校の先輩・漢那和希。 特等添乗員α・浅倉絢奈。天才贋作家・コピアこと弧比類巻黎弥とその兄で詐欺師の弧比類巻修。元探偵の探偵・紗崎冷奈、元獅靭会会長の孫娘・蔦暮亜芽里。文科省一般職事務官・水鏡瑞希。嵯峨君は出てきませんでした。警視庁捜査二課・宇賀神博樹警部に牛込警察署知能犯捜査係・葉山翔太警部補、小笠原悠斗の現在の勤務先・グランドウエル総合調査株式会社の佐伯祐司、伊根涼子、土井修三に元勤務先・週刊角川の記者・宮牧拓海に編集長・荻野甲陽らは登場。 ***お話は、ムンクの<叫び>の盗難事件と、奇跡の修復家・植村寛雄との関係を暴き出していくというもの。さらには、コピアと警視庁の関係も明らかに。水鏡推理シリーズとイメージが重なる展開で、これでスムーズに移行完了?莉子も冷奈も、ちゃんと最後を締めくくってもらえて、本当に良かったと思います。絢奈は、また登場の機会がありそうですね。それにしても残念なのは、美由紀。作者自身が、ちゃんとおさめてやってほしい。
2016.11.12
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タイトルに引かれて読書。 しかし、いつもと何だかちょっと違う変な感じ。 読んでも読んでも、文章が頭の中に入って来てくれない。 でも、短文ばかりなので、頑張って無理矢理読み進める。 書籍を扱うことと、書くこととはもちろん別物。 それにしても、表面的な描写ばかりで深まっていかない。 短文にまとめなくてはならないという制約がある故? 心に引っかかるところまで、話が転がっていってくれない……とても残念。 2014年10月、私信のメルマガ『シェラクラブ通信』が50号に達した。 退職後、身辺雑記を綴り、 教え子、友人知人に半ば強制的?に発信していたのだが、 それを再構成したのがこの本である。(p.154)「あとがき」を読んでちょっぴり納得。でも、本著はシリーズもので、結構な数のものが世に出ているという。他もこんな感じなのか?ただ、本著においては、佐賀県武雄市図書館についての記述は興味深いものでした。
2016.11.11
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気になっていた一冊をようやく読了。 何が気になっていたのか。 もちろんタイトルの「ホルモー」。 「ホルモー」って一体何? 結論。 京大青竜会、京産大玄武組、立命館白虎隊、龍谷大フェニックス。 この京都にある4つの大学の学生たちが、鬼・式神を駆使して戦闘を繰り広げる。 それが「ホルモー」。と言われても、「鬼・神式」って何?っていうことになるけれど、まぁ、これは説明しだすと話が長くなっちゃうので、興味がわいた方は、読んでみてもいいかもしれませんね。そして、その戦闘の終結の際、敗者思わず叫んでしまう言葉が「ホルモー」。これも、説明し始めると結構時間がかかるので、「このままじゃモヤモヤする」という方は、もう読んじゃいましょうか。お話の中身は、大学生の青春の日々を描いたもの。うだうだした友人とのぐだぐだした日常や、ちょっとだけ緊張感のある先輩やOBとの交流、そして、男女のシーソーゲームにライバルとの葛藤等々、鉄板の構成。巻末の金原さんの「解説」にあるように、「ばかばかしい」けど十分に楽しめる作品です。まぁ、私は先に『プリンセス』を読んでしまいましたが。そうそう、万城目さんの作品は『マドレーヌ』も読んでました。でも、いつも思うのは「あと一押しあれば……」なんですよね。
2016.11.10
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タイトルに興味を持ち、予備知識なしで読書開始。 ダイヤモンド社の発行なので、 『もしドラ』っぽいものなのかな、という感じで。 でも、読み始めると、随分雰囲気が違いました。 まずは、父と娘で交わされるやりとりとはいえ、 その言葉遣いに、ビジネス書では全く考えられない相当な違和感。 これも表紙同様、女子高生ということを前面に押し出すためなのかな? それにしてもこの書物、一体どんな人をターゲットに想定したのでしょう。 だって、「起業の本」とか、よくあるじゃん? それ、起業してない人が、書いてたりするでしょ? ただ理論とかロジックで語ってるだけで。(p.045)でも、彼女が語ってる内容は、結構イイ線いってるかもって、この部分なんかは思ったのですが、その先は、もうひとつパッとしない感じで、後はほぼほぼ、父親である椎木隆太さんの回顧録でした。この内容だったら、娘さんとの対談よりは、パートナーであるフロッグマンさんとのやり取りの方が、話が深まって、良いものが出来上がったのではないかな。まぁ、娘の名前を世に広めるのが出版の目的なんだったら仕方ないけど。 うん。いまだけ切り取れば、それなりに順調だけど、 本当に3年後とか5年後にどうなってるかはわからない。 だから本当にどこを切り取るかによって、 自分が幸せかどうかって変わるんだよ。 人生ってものはわからない……。(p.211)やっぱり、起業っていうのはまさにギャンブルだなと感じました。椎木さんだって、たまたま現状マズマズというだけで、沈みっぱなしだった可能性も、それ以上にあったわけですから。まぁ、宮仕えでも、いつどうなるか分からないのは一緒だけど。
2016.11.09
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ビッグ・マムは夫43人、娘39人、息子46人の129人家族。 彼女の海賊団は本物の家族を中心に構成されている。 サンジの結婚相手・プリンは、シャーロット家の35女。 ルフィーたちにサンジの居場所を教えてくれる。 そこはホールケーキアイランド。 その頃、「食いわずらい」で暴走していたビッグ・マムを 何とか落ち着かせたのが、元・王家七部会のジンベエ。 その後、彼はビッグ・マムに海賊団からの離脱を願い出たのだった。一方、サンジの姿を追うルフィーたちだったが、もう一人のルフィーに出会ったところから不思議な展開。それは、ミラミラの実の鏡人間シャーロット・ブリュレの仕業。キャロットとチョッパーは、鏡の中に捕らえられてしまう。ルフィーとナミは、ビッグ・マムの元夫でローラの父・パウンドから、ビッグ・マムがソルソルの実の能力者で、人の魂を自由にやり取りして、色んなものを擬人化することが出来、それらを操っているということを聞き出す。そこに現れたビッグ・マム海賊団のスイート3将星の一角・クラッカー。戦闘開始後、押され気味だったルフィーだが、クラッカーのサンジをバカにする言葉にキレて、撃破……したかと思いきや、ビスビスの実のビスケット人間の姿を現した。一方、国土を持たない海遊国家・ジェルマ王国。そこを治めるのがヴィンスモーク家。サンジはそこの王子で、父は国王・ヴィンスモーク・ジャッジ。父のノースブルー征服の野望のため、サンジは利用されようとしていた。 ***最後には、サンジの兄・イチジとニジも登場。この兄弟の確執、どうなっていくのか?そして、ビッグ・マムから、人体の巨人化を2週間で成功させよと命じられたシーザーは、これから一体どんな行動に出るのか?お話は、次巻へと続く。
2016.11.06
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