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今巻は、ワノ国のお話の続き。 と言うか、しばらく「世界会議」のお話は、なさそう。 ゴチャゴチャこんがらがったところがホボないので、 いつもに比べて、スイスイと読み進めることが出来ました。 ***ワノ国に向かう途中、他の仲間とは離れ離れになったルフィ。辿り着いたのは、ワノ国の九里。そこで出会った九の一を目指す少女・お玉と、その師匠・天狗山飛撤から、ワノ国の窮乏について知らされる。お玉は、ルフィになけなしの食事を与え、自らは空腹を押さえるため、カイドウの工場排水で汚染された川の水を飲んでいた。そのために、具合が悪くなってしまったお玉。ルフィはそんなお玉を救うべく、彼女を連れて町に出かける。その途上で出会ったゾロと共に、バジル・ホーキンスと対峙することになったルフィ。が、ここは、お玉の容体が悪化したため一旦逃走し、「おこぼれ町」に向かう。お玉は、お鶴が営む茶屋で薬草を煎じてもらい、おしるこをご馳走になって、元気に。そして、その茶屋の看板娘・お菊に出会う。そこに現れたバットマン、ガゼルマンにお玉が誘拐されてしまう。今度は、お玉救出のため、ルフィ・ゾロ・お菊の三人で役人街「博羅町」へと向かう。ルフィは、途中、お菊に言い寄るワノ国大相撲の横綱・浦島を吹き飛ばすと、百獣海賊団・ホールデムからお玉を奪い返し、ついでに村人たちへの食料も調達する。そして、次にルフィ・ゾロ・お菊の三人が向かったのは、おでん城跡地。そこで、ロー、サンジ、ナミ、チョッパー、ブルック、キャロットに再会。さらに、再会した錦えもん、モモの助から、彼らが20年前のワノ国から、時を超えてやって来たことを知らされる。そして、ワノ国を治めていたモモの助の父・おでんが、20年前、光月家転覆を目論むオロチによって、罪人として亡きものとされたこと、二週間後の”火祭りの夜”に、カイドウの住む「鬼ヶ島」に討ち入りに向かうこと、そこは百獣海賊団の本拠地で、オロチの将軍行列が参拝に出かける場所だということも。
2018.12.31
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ケーキを口にしたビッグ・マムは、元の姿に。 そして、サニー号はワダツミの口の中。 執拗に迫る追っ手をタイヨウの海賊団とジンベエが食い止め、 ルフィーたちは、何とか「四皇」のナワバリから脱出に成功したのだった。 話は一転、世界会議に。 それは、世界政府に加盟する170か国のうち、 代表50か国の王達が4年に一度、バングア城で行う大会議。 その会場となる聖地マリージョアには、懐かしい面々の姿があった。しらほし、ヴィオラ、レベッカ、ビビ、ドルトン、Dr.くれはに、CPO。海軍本部の藤虎や、天竜人に宣戦布告すべく革命軍のサボたちも。城内「社交の広場」でしらほしを襲った災難は、10年前にリュウグウ王国に漂着した天竜人ドンキホーテ・ミョスガルドが解決。その頃、城内「権力の間」では、世界政府最高権力・五老星にシャンクスが面会。5番目の「海の皇帝」と呼ばれるようになったルフィについて何事か進言?そして、城内「花の部屋」のイム。その口から発せられる「歴史より消すべき”灯”」の名は?一方、ワノ国。フランキー、ウソップ、ロビン、ゾロが和装で久々の登場。しかし、ゾロがそこで騒動を引き起こして……そして、ルフィたちは、ワノ国を目指す。 ***巻90の発行日は、2018年9月9日。読むのが、ずいぶん遅くなってしまいました。そのため、手元には既に巻91が。早速、これから読み始めます。
2018.12.31
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今巻から新たな展開。 猫猫は医官専属の官女となって、宮廷で務めることになりました。 壬氏、玉葉妃、主上の推薦状と、やり手婆の厳しい監視下での猛勉強により、 官女の資格試験に見事首席合格を果たしたのです。 そして、合格者に対するさらなる課題をクリアして、 最後に残ったのは猫猫と姚(ヤオ)、燕燕(エンエン)の3人。 燕燕は、姚のことを「姚さま」と呼ぶ、お付きの存在。 この3人が一緒に登場するシーンが、とても目立つようになりました(表紙絵も)。そして、今巻のお話の中でキーとなるのは、新たに後宮の中級妃となった、かつての西の特使・砂欧出身の愛凛(アイリーン)、同じく砂欧から、自らの病を診察してもらうためやって来た巫女の二人。愛凛は、かつて巫女見習いとして出仕していた経歴を持っていました。この巫女に秘められた事実を、猫猫たちが解き明かしていくことになりますが、今巻は、壬氏の登場シーンが、これまでに比べると少なめ。それでも、猫猫との関係は、確実に進展していきます。もう、猫猫には逃げ場がありません。 (私が恐れていること) 猫猫は玉葉后の顔を思い出す。 (壬氏さまは知らないだろう) 壬氏の本当の出生の秘密を。(p.286)その時が訪れた時、壬氏と猫猫はどのようにその事態を乗り越えて行くのでしょうか。
2018.12.31
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今年のプロ野球ペナントレースは、 セ・リーグは広島、パ・リーグは西武が制し、 日本シリーズは、パ・リーグ2位のソフトバンクが制した。 いずれも、根本さんがその土台を築いたチームばかりである。 もちろん、根本さんの遺産だけで、今年の結果を掴み取ったわけではない。 広島は、赤ヘル旋風後に長期低迷期を経ての、現在の黄金期であるし、 西武も、今年は久々の優勝である。 常勝チームとして存続し続けているのは、ソフトバンクだけだろう。そのソフトバンク、前身のダイエーの監督を、根本さん以後務めたのは、王貞治さん、秋山幸二さん、工藤公康さんの3人だけである。秋山さんも工藤さんも共に、西武からダイエーへと移籍してきた経歴を持つ。当然、そこには根本さんの意向が大きく働いていたことは疑いようがない。本著には、その工藤さんのものを始め、22の証言が掲載されている。それらの証言から、根本さんの人となりが、鮮やかに浮かび上がって来る。証言するのは、元プロ野球選手や監督、コーチがほとんどだが、そうではない人たちも混ざっている。中でも興味深いのは、瀬戸山隆三さん。1988年より福岡ダイエーホークスに出向後、球団総務課長、球団代表、球団本部長を歴任。2004年からは、千葉ロッテの球団代表、球団社長、取締役顧問を歴任。2012年より、オリックスの執行役員球団本部長補佐、球団本部長、顧問を歴任している。パ・リーグ3球団で要職を務めたという稀有な人物だが、この人物に、根本さんが大きな影響を及ぼしている。こうやって見て行くと、根本さんの教えというのは、プロ野球界の隅々まで大きく広がっていることが分かる。プロ野球選手としては、一流とは言えなかったため、マスコミがスポットを当てて扱うことが、ほとんどない人物だが、その遺したものの大きさでいうと、他の追随を許さぬものがある。プロ野球というものに興味がある方にとっては、必読の書ではなかろうか。
2018.12.30
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カスタマーレビューには、賛否両論それぞれ見受けられますが、 実際にPTA活動に関わることに「なってしまった」という人たちは、 多かれ少なかれ、こんな風に感じたり、思ったり、考えたりしたのでは? あくまでも「なってしまった」という人たちは、ですけれども。 けれど、「なってしまった」という人たちは、少なくないはず。 というか、割合でいうと、そちらの方が遥かに多いのではないかとすら思えます。 だからこそ、この問題は、しっかりと皆で考えるべき問題なのです。 もちろん「不要」の一言で、切って捨てられるような簡単な問題ではありません。 「理想を言えば、委員会を無くす。 それが無理でも、まずは委員会と役員の数を減らして、 各クラスからの役員の強制徴収を廃止する。 皆でやりたいもの、必要なものをボランティアで運営する。 完全なボランティア制度を目指していますが、 一気に変えるのは難しいでしょうから、 委員数を減らして、ボランティアの比率を上げる段階かなと思っています。 全員が何かしら参加できる形にする、それが理想です。 それで、達成感や一体感があるといいなと」(p.104)これは、東京23区の中心部にある小学校でPTA会長を務めるなつみさんの言葉。3人の子を持ち、自身もフルタイムで働く彼女の意見は、参考になります。 改革チームが目指したのは、 各クラスの役員は連絡係として学級代表の1名のみとし、 委員会はすべて廃止することだった。 組織自体を変えるのだ。 その代わりに本部役員を倍の20人程度に増やし、 イベントごとの統括係とし、そこに一般会員が手伝いという形で加わる。 強制ではなく、できる人ができるイベントにだけ関わる。(p.106)これは、東京23区北部の小学校で、委員会を廃止したPTA会長の環さんの例。委員会を無くすだけでなく、月に1回開催していた「運営委員会」も無くし、広報部も廃止して、PTA行事だけを載せる簡易なものを作ることにしたそうです。が、この変更による混乱で、環さんは頻繁に学校に通うことになってしまいました。 本部役員は学校行事だけでなく、教育委員会主催の研修会や、 地域の会議へ招集されることもあり、大きな負担になっていた。(中略) 学校は「地域とのつながり」を強調するが、 実際には子どもには直接関係ない活動ばかりなのだ。 環さんたちが優先したいのは子どものためになる、 子どもが喜んでくれる活動だった。(p.109)なぜ、こういうことになっているかは、「第5章 PTAはいつ、どこで始まり、なぜ続いているのか」と「第6章 PTAは必要か」を読み進めて行くと、分かってきます。「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第一次答申)」(1996[平成8]年7月)には、次のような文言が見られます。 「家庭・地域社会それぞれについて、子供たちを取り巻く環境が著しく変化し、 家庭や地域社会の教育力の低下が指摘されている今日、 学校と家庭、さらには、地域社会を結ぶ懸け橋としてのPTA活動への期待は、 ますます高いものとなってきている」(p.178)PTAとは何なのか、何をどこまですることが求められているのか、このことを明確にしない限り、議論を前に進めることは難しそうです。
2018.12.30
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さて今巻は、前巻の西都でのお話の続きから始まります。 そして、そこでの用を済ませると、途中で羅半の故郷に立ち寄ってから 花街へと戻って来た猫猫でしたが、今度は薬を仕入れに近所の村へ。 そこで、昔後宮に行ったという元巫女とその孫の話を聞くことに。 一方、里樹妃は月経がまだ来ないため、後宮に入れず足止め状態。 さらに、主上以外の者に恋文を書いた疑いまでかけられ、 寺院に似た塔の3階部分に閉じ込められてしまいました。 そして、その上階には、素貞という娘が……白い仙女と西の女特使。この二人が、今後のお話を動かしていくことになりそうです。 *** 馬閃の母は、壬氏に付きっきりだったため、 幼い馬閃は二つ年上の姉と女中に面倒を見てもらっていた。(中略) その事件から、馬閃は姉や兄とは別々に暮らすようになった。(p.104)高順の「もう一人いる息子」のことは、まだ分かりません。
2018.12.29
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精神科医の夏苅郁子さんが、 統合失調症の母について綴った一冊。 しかしながら、その筆致は、精神科医としての冷静かつ客観的なものではなく、 統合失調症の母を持つ娘のドロドロとした感情が、とめどなく溢れ出たもの。 つまり、本著は、統合失調症の母について記したものではなく、 統合失調症の母を持つ娘の本音を記したものです。母の発病と家族の困惑。入院後も回復はままならず、両親は離婚。そのような状況下、著者は医学部を受験し合格。父親は再婚するも、娘は反発。医学生となった著者は、周囲と馴染めず、自殺未遂。その後、精神科医となるも、二度目の自殺未遂。花街に住む女性との出会いと別れ。終末期医療に携わり、結婚、そして母の死。まさに、波乱万丈の人生。巻頭の「刊行によせて」は、『わが家の母はビョーキです』の中村ユキさんの手によるもの。その理由は、本著を読み進めていくと明らかになります。
2018.12.29
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今巻から、巻頭に「人物紹介」が付くようになりました。 それによると、壬氏は「後宮で宦官をやっていたが、その正体は皇弟。 出生に秘密がある。女なれば傾国と言われるほどの美形」とあります。 う~ん、まぁ、世間的にそういうことになってはいるんですが…… さて、今巻前半の舞台は、猫猫が生まれ育った花街。 前巻で登場した趙迂や翠苓、猫猫を拷問部屋から出してくれた左膳が登場。 蝗害について調べるため、猫猫が子北州の砦で見た虫の図録を探したり、 白蛇仙女が使う仙術を見るため劇場に出かけたりします。そして後半は、都の南西にあるやぶの故郷から西都へと舞台は移っていきます。この西都では、色んなことが大きく動いていくことに。里樹妃の出自が明らかになり、彼女の母と阿多が友人だったことが判明。また、壬氏と猫猫の関係も、ガッツリ前進。 壬氏という名の宦官がいなくなったため、 高順はこうして再び主上に仕えることとなった。 馬の一族は代々、国の華を守る役目を担っている。 ゆえに、息子の馬閃がそうであるように、 高順もまた主上と幼いころよりの付き合いだった。 もう一人、主上の乳兄弟と三人で鬼ごっこをして遊んだのは、 幼いころだからできたことだ。 今、『月』と呼ばれた人物を護衛しているのは、馬閃である。 もう一人いる息子を付けたほうがよかっただろうか、 と高順は悩みながらも、末っ子をつけた。(p.234)帝、阿多と高順の関係が明らかになりました。しかし、高順の「もう一人いる息子」とは?「終話」では、壬氏の出生が明らかになりました。まぁ、既に分かっていたことですが。そして、かつて阿多と帝と間に交わされた約束も。こちらの新事実の方は、これからの展開に大きく影響しそうですね。
2018.12.24
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今回も一年余待つことになりましたが、 そんなこと吹っ飛んでしまうほどの満足感。 さすがです、羽海野先生! そして、ありがとう羽海野先生!! そして、そして、お帰りなさい先崎九段。 前巻にコラムがなかったので、色々考えてしまいましたが、 やっぱり、そういうことだったんですね。 でも、今回のキレッキレの文章を読んで、心底安心しました。 ***おじいちゃんの店を、どんなふうに引き継いで行ったらいいか、真剣に考え始めたあかりとひな。新商品開発に向けて、生ピーナッツの皮むき作業を続けるも、あまりに手強い相手に、助っ人を要請。カレーにつられて、まず零が。そして、零がさらに林田先生を呼び出して、みんなで必死の作業。島田八段は、聖竜戦の立会人として洞爺湖に滞在中のため不参加。あかりの幸せを願い、零は三姉妹と一緒に二人をハゼ釣りに誘う。釣りの後は、フライ祭り。そして、夜は近所の空き地で花火。そこで、仲良く話をしている零とあかりを見ながらひなが、林田先生や島田八段らに一言。 わたし、零ちゃんとおねいちゃん すっごくお似合いだと思うんですよねぇそして迎えた秋、零とひなが通う駒橋高校の文化祭。しかし、その日は職業団体対抗将棋大会当日。1、2回戦を勝ち抜いた駒橋高校は、3回戦で藤原デザインと対戦。これも見事に勝利して4回戦進出、来期からBクラスへの昇級を決める。その様子を会場で見守っていた零に、妖怪カフェで奮闘していたひなからメールが届く。 でもせっかく同じ高校に来れて、最後の文化祭なのに れいちゃんがいなくて残念です でも もし… もし 間に合うようなキセキが起きたら 冷やし白玉と あべ川もち 一人前だけ かくしてあるの よかったら れいちゃんにも食べてほしいな (P.S.あ!! でもでも 無理はしないでね) ひなよりここから後は……もう、本当に……羽海野先生、最高です!!
2018.12.24
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これまでのお話のトーンから一転、 スケールが大きい、スペクタクルなお話になってきました。 今巻の舞台は、途中から都を離れ、遥か遠方の子北州へ。 そこは、西の狸こと子晶とその娘である楼蘭妃の出身地。 そして、王母の時代からの臣下であるこの子一族が、 数年前から新型飛発を生産したり、砦を築いている事実が発覚。 しかも、猫猫はそこへと連れて行かれてしまった模様。 そこで、軍師・羅漢は帝直轄軍をそこへ送るよう、壬氏に進言したのでした。子翠や翠苓の行動を含め、子一族に関する諸事情が、この派兵により明らかになっていきます。 「後宮で噂を聞いたことなかった? 先帝の最初の犠牲者で、産んだ子どもと引き離された女官。 それが姉さまのおばあさまなの」(p.281)これは、子翠が猫猫に言った言葉で、「姉さま」とは翠苓のこと。前巻の記事で、 「女児を産んだ娘」の女児(追放された子)と、その母である娘って誰のこと?と書きましたが、それを含め、様々な事実が子翠(楼蘭)によって語られていきます。それと共に、壬氏の素性も明らかに。でも壬氏は、自身が「取り違えられた子」と言う事実を、まだ知らない様子。ひょっとすると、猫猫の方が先にその事実に行き当たる?それは、后となった玉葉やその御子である東宮との間に、新たな火種となる?
2018.12.23
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職場復帰した桜田を出迎えたばかりの加藤に、リュウから電話が入る。 リュウは、「プティシャトン」の先生から連絡が入り、 残留三世の楊亮という男を、始末しろと頼まれたと言う。 楊は「プティシャトン」が摘発される前に、顧客リストを持ち逃げしていた。 一方、「クジラ」候補の男が行方不明に。 その男は、安西数馬・省吾兄弟によって解体され、喰われていた。 崇はその事実を知ると、環を兄弟の元に差し向け捕獲させる。 感染リスクを軽視する同業への見せしめの意味も含め、兄は環に解体されてしまった。その頃、顧客リストをもとに、楊が次々に金を手にし始めていた。代議士や経済界の重鎮など、既に6件の殺人事件が発生しており、これが続くと、その被害者の類似性から、「プティシャトン」の件が、世間に明るみになる恐れが出てきた。 ***今回は、楊亮に関するエピソードのプロローグと、安西兄弟のエピソードの2本立て。お話全体の流れにおいては、さほど目立った進展はありませんでした。ちょっと中休み、という感じでしょうか。
2018.12.23
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2年前、パラディ島に、唯一の友好国・ヒィズル国から特使がやって来た。 ミカサは、ヒィズル国将軍がパラディ島に残した忘れ形見の末裔だという。 そして、ジーク・イェーガーは、パラディ島に眠る地下資源をエサにして、 特使・キヨミ・アズマビトに、自身の帰還計画に協力させたのだった。 ヒィズル国の介入により、パラディ島の軍事力を世界水準まで底上げし、 そこに至るまでの間は、「地ならし」の破壊力を維持するため、 「始祖の巨人」と「王家の血を引く巨人」の保有者を維持する。 そして、ジークが、王家の者に「獣の巨人」を継承し、 「王家の血を引く者」は可能な限り子を増やす、というのがジークの提案だった。ヒストリアは、キヨミが語ったこの提案を受け入れようとしたが、アレンは反対。ところが、その後アレンは単独行動を敢行し、島を危機に追い込んだため、現在は、囚われの身となっており、ジークや義勇兵も同様の扱い。ただし、ヒストリアは懐妊し、ガビとファルコは逃走中。そして、人心は、兵政権から離れ、ザックレー総統は暗殺される。アレンは逃走し、ジークを探す。そんなアレンの真意は?そして、ジークの真意は?またまた、一読しただけではサッパリ理解できない展開になっています。
2018.12.22
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序話は、壬氏の幼き日の記憶。 登場するのは、実際の年齢より随分老けて見える、老人のような「父」。 その「父」は「母」に怯え、「祖母」がそれをなだめている。 そして、「母」は「祖母」に熱い視線を向けている。 ここの「祖母」というのが、「女帝」(先の皇太后)と記される人物で、 「父」というのが、「先帝」のことです。 つまり、「母」(先帝の妃・安氏)が、まだ幼くして現帝を産んだ人物で、 現在の「皇太后」ということです。先帝にとって、大人の女性は恐怖の対象で、少女にしか近付くことができません。安氏も現帝を産みはしたものの、その後は恐怖の対象になってしまいました。なので、弟帝(二人目の子)は不義の子ではないかと、周囲が疑うのもやむを得ない。ただ、弟帝は「取り違えられた子」(阿多妃が産んだ子)に間違いないでしょう。 以前、女児を産んだ娘のことを知らないと先帝が否定したため、 子とその父親と思しき医官が追放されたことがあった。 当時は、医官のみ去勢を免れていたのだが、 その後は医官も去勢を義務付けられることになった。 この腹の手術をした者は、そのために去勢されたというから、 不憫なことこの上ない。(p.295)この記述、去勢させられた医官というのは、羅門のことのはずですが、「女児を産んだ娘」の女児(追放された子)と、その母である娘って誰のこと?そして、「その父親と思しき医官」って誰?ひょっとして、どこかでそれと気付かぬままスルーしてしまったのでしょうか? そうだ、高順(ガオシュン)は『馬(マー)』の名前を持ちながら、 女帝の怒りを買った。 そして、宮刑にされ、以前の名は捨てて『高順』という名になった。 そういうことになっている。(p.394)この記述も、女帝の怒りを買って、高順は宮刑にされたとありますが、一体何を仕出かしたのでしょうか?そして、そんな高順が、なぜ壬氏の最も身近な所で仕えているのでしょうか?壬氏の正体が、ほぼ明らかになったとはいえ、まだまだ謎は多いですね。
2018.12.22
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『わが家の母はビョーキです 』の続巻。 前巻でも描かれていた、著者の夫・タキさんが同居し始めてからの様子を たっぷり、そして詳しく描いています。 そして、前巻では全く触れられていなかった部分が、本著の肝。 それは、著者が結婚前に、母が統合失調症であることについて、 タキさんに詳しいことをほとんど話をしていなかったということ。 そのために、著者も母も後ろめたさが残り、随分苦しい思いをすることになりました。 まぁ、これは申し訳ないですが、自業自得です。タキさんが、結婚を機に漫画家のアシスタントから介護福祉士に転職し、様々な経験や知識があったことと、実に寛容な方だったので、こういう展開でも、関係が崩れずに済んだわけですが、もし、そうでなかったら、事実が発覚した時、どうなっていたでしょうか?このことが、本著の最大のテーマだと思います。もちろん、そんなことが起こらない世の中、人たちであってほしいのですが、実際のところ、過去に母が友人を失った経験のようなお話の方が、ずっと多い。だからこそ、著者も母も、タキさんに本当のことが言えなかったのですが……。そして、そんなことが起こらないように、このシリーズが書かれたことは、本当に意義深いことだと思います。他の精神疾患に関しても、かなり世間で認知され、理解が進んできてはいますが、残念ながら、表面的な部分と、本音の部分に、まだ大きな乖離があるのが現状です。自分たちと異質のものを排除し、そのことによって、自分の存在や優位性を確保しようとするのは、人間の、そして人間集団の性というものです。しかし、そこを乗り越えられる人間であり、社会になってほしいと切に願います。
2018.12.16
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定職に就いていないばかりか、ギャンブル狂でもある父と結婚した著者の母は、 著者を産んでからは、父の実家のある大阪で、姑と共に暮らしていました。 父に悩まされ、姑にも気を遣う環境で、母は次第に眠れない日が続くようになり、 著者が4歳の時、27歳の母は幻聴に悩まされることになったのです。 姑によって、著者と共に千葉の実家に帰されてしまった母は、 そこでも奇異な行動が目立ったため、精神病院に入院します。 そして、統合失調症(当時は精神分裂病)の診断を受けたのでした。 入院後、1か月で退院するも、ある日、自殺企図で再入院、3か月を過ごします。その退院後も、約1年で精神科に通い始め、服薬を続けるも幻聴はなくならず。父の親戚の間では、離婚をすすめる声もあったようですが、それに姑は同意せず、父の生活態度も改まることはありませんでした。結果、母は8歳だった著者と共に、二人での生活を始めることにします。(その後、父とは再び同居することになったようですが、その経緯は不明)それ以降、母の病状は次第に悪化していきますが、父親は無関心を貫き、まだ幼かった著者には、適切な対処が出来るはずもなく、皆が苦しむ悪循環に。著者が16歳、高校生になった時には、父が事業に失敗し、遂に離婚。そして、著者は高校卒業後に、デパートに就職したのでした。その後、著者は漫画家へと転身し、母は、精神病院に入院したり、おばと一緒に生活したりしたものの、8カ月の措置入院、そして2年3カ月の医療保護入院をすることになりました。退院後は、保健所のデイケアに通いますが、結局また入院。この悪循環から抜け出すきっかけになったのは、地域生活支援センターが近所にできたこと。そこでのサポートが、母と著者を新たな世界へと導いて行くことに。そして、その好転した状況を、さらに良い方向に向かわせたのは、著者の夫でした。 *** そして…「家族が早く気づき」「すぐに医療(精神科)につなげ」 「積極的に病気について学び」「治療に力を貸してあげる」のが 早期回復に重要なのだとも感じています。(p.131)本著で、一番心に残ったのがココ。特に「積極的に病気について学び」が重要。当事者にとっては「分かってもらえない」ことが、何よりも辛いのですから。
2018.12.16
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壬氏の正体は、まだ明らかになりませんでした。 しかし、1巻を読み進めている時点では予想もしていなかった、 主人公・猫猫の出自の方が、先に分かってしまいました。 なるほど、壬氏が入れ込むのも、無理はないか……。 今巻登場する重要人物その1は、 四十路過ぎの変人で、無精髯に片眼鏡という軍部の高官・羅漢(ラカン)。 碁と将棋と噂話に興味があって、最近何かと壬氏に突っかかってきます。 その理由は、壬氏が緑青館という娼館に縁がある猫猫を下女にしたから。そして、重要人物その2は、猫猫が、養父の羅門(ルォメン)から頼まれ、薬を届けている緑青館の離れに住む四十路近い、鼻のない女。昔は、蝶よ花よと謳われた存在でしたが、不幸にも梅毒を移されてしまった妓女。この二人の男女を巡るお話は、本巻の中で決着がつき、先述した通り、猫猫の出自も明らかになるのです。しかし、問題は、猫猫の養父で薬の師・羅門(ルォメン)の方。留学で得た知識を駆使し、まだ少女だった皇太后(現帝の母)の出産を成功させた元医官です。その十年後、皇太后はもう一人、前帝の子を産むことになったのですが、その頃、東宮(前帝の息子、現帝)にも、妃との間に子が生まれようとしていました。羅門は、当時妃だった皇太后の方に付きっ切りになってしまったため、出産の重なった現帝の妃・阿多(アードゥオ)妃は、ないがしろにされてしまいました。その結果、難産の末に子は生まれたものの、阿多妃は子宮を失うことに。そして、子の方も、幼くして原因不明の死を遂げてしまうのです(猫猫が死因を解明)。阿多妃は、現帝の乳母の娘に当たることから、現帝とは幼友達で、最初の相手として指南役となったのですが、その後、妃になりました。皇太后が産んだ赤子と阿多妃が産んだ赤子は、叔父と甥の関係に当たります。ところが、この二人の赤子が、出産時に取り替えられてしまったらしいのです。東宮(現帝)の弟(皇太后の産んだ赤子)の死後、そのことがばれてしまいます。当時医官だった羅門は、出産時の処置も合わせ、度重なる失態により、肉刑として片膝の骨を抜かれ、後宮を追放されてしまった……ということになっていますが、まだ何かある?そして、壬氏は阿多妃に似ており、現帝とは直接言葉を交わす関係。幼くして原因不明の死を遂げたのは、先帝の実の子(現帝の弟)で、阿多妃の産んだ子(現帝の子)は、弟帝として帝の側で仕えている。こういうことで、よろしいのでしょうか?
2018.12.15
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ネットで偶然見つけた作品。 それでも、カスタマーレビューの評価を見て、3冊まとめて発注。 318ページを32のお話に区切ってあるので、一話一話の紙幅がとても短く、 ちょっとした時間を見つけて読み進めるには良いかも。 舞台は、中世の宮中ということになっていますが、どこの国かは不明。 主人公は「猫猫」という名前ですが、これで「マオマオ」と読みます。 「梨花」は「リファ」、「小蘭」は「シャオラン」といった感じですが、 結構頻繁にルビを振ってくれているので、読むのにそう不自由は感じません。お話そのものも、私は『宮廷女官チャングムの誓い』や『馬医』を始め、韓国ドラマの宮廷物をある程度見てきたので、違和感はなかったです。ただし、登場するキャラクターの数も少なくはなく、それぞれの出自等をある程度理解しないと、話の流れについていけなくなるかも。それに加え、結構読者を突き放した書き方をしている部分もあるので(これは、謎の部分を残しつつお話を進めるためかもしれませんが)、読む側とすれば、その想像力を試されることになります。ページを元に戻して、読み直すこともしばしばでした。それでも、各キャラクターたちは十分に魅力的で、お話もテンポよく進んでいき、とても楽しむことが出来ました。これから早速、第2巻の読書に取り掛かりますが、壬氏の正体も、そう遠からず明らかにされることでしょう。
2018.12.09
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現役看護師・仲本りささんによるイラストエッセイ。 タイトルの「ヘンテコ」という言葉に、少々引っかかりを覚えましたが、 中身はとても真っ当な作品で、 ほのぼの・ウルウルの新米看護師奮闘記です。 その内容は、末期患者の担当に初めてなった時のお話、 担当患者を亡くし落ち込んでいた医師のお話、 仲良しの若手助産師とベテラン助産師のお話、 そして、ガン末期患者の最期を看取ったときのお話等々。イラストは、ソフトで温かいタッチのものですが、エピソードは、どれもこれも命の重さを感じさせられるものばかりです。そして、それらのエピソードを通じて、日々の病院スタッフの大変さが、しっかりと伝わってきます。本当にイイ本。お薦めです。
2018.12.09
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男子400mハードルの日本記録保持者で、 2001年のエドモントン大会、2005年のヘルシンキ大会で、 世界陸上銅メダルを獲得し、 2000年のシドニー、2004年のアテネ、2008年の北京と、 オリンピック3大会連続出場を果たした為末大さんの著作。 *** 「100メートルを諦めたのは、勝ちたかったからだ」 「勝つことに執着していたから、勝てないと思った100メートルを諦めた」 「勝つことを諦めたくないから、勝てる見込みのない100メートルを諦めて、 400メートルハードルという勝てるフィールドに変えた」(p.30)「諦めるとは『終わる』とか『逃げる』ことではない」という、本著の中に一貫して流れる、為末さんの「考え方」です。ターニングポイントで、前を向いて冷静に一歩を踏み出すことが出来るか、それとも、惰性でそのままズルズル流されていってしまうか、その差は大きいです。 アスリートの場合でも、 競技場では諦めずに続けることが勝ちだったかもしれないが、 一歩競技場を出て人生をトータルで考えたときに、 ただ諦めずにがんばることが 本当に勝っていることになるのかどうかはわからない。(p.131)「諦める」ことは難しい。それは、これまで頑張って来た自分のことを、否定することになってしまうと感じてしまうからです。そこで、なぜ「諦める」のか、その理由を前向きにとらえることが必要になってきます。 人生とはこうしたトレードオフの積み重ねである。 スポーツでのランキングを上げるようと粘ることが、 別の人生の可能性のランキングを下げてしまうこともある。 このジレンマを解決するには、自分のなかにおける優先順位を決めるしかない。 自分にとって一番大切なランキングは何かを決めるのだ。(p.133)深いです。アスリートにとっては、最も切実な問題かもしれません。そして、アスリート以外の人にとっても、同じようなことは常につきまといます。だからこそ、私たちの胸に深く沁み込んでくるのです。 誰もが知っている「いい会社」から内定をもらえなくて意気消沈している学生には、 こんな言葉をかけたいと思う。 「あなたが就職した先に描いている大きな目的は何だろう。 それはランキング上位の会社に入らないと実現できないことなのか」(p.139)本当にそうだと思います。自分にとって何が大切なのか。それを実現する手立ては、たった一つではなく、他にも色々とあるはず。それを真剣に考え、適切に選択していくことで、初めて道は開けるのです。「自分のなかにおける優先順位を決める」。これは、そう簡単なことではありません。しかし、これをその時々にしっかりと定めておかないと、行き当たりばったりで、後悔だらけの人生になるのかも。
2018.12.09
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『君の膵臓をたべたい』でデビューした住野さん。 デビュー作は映画化もされましたが、 この作品も、いつか映画化されるのではないでしょうか。 イイ感じのファンタジーに仕上がっています。 *** 「……また、同じ夢を見てた」(p.93)これは、小学生の小柳奈ノ花が、四角い石の箱みたいな建物で出会った高校生・南さんの言葉。 「私ね、よくみる夢があるんだ。今朝、また同じ夢を見てた」(p.193)これは、奈ノ花の友達・しっぽのちぎれた猫を助けてくれたクリーム色の二階建てアパートに住むアバズレさんの言葉。 「ああ、また、同じ夢をみていた」(p.262)これは、奈ノ花の家の近くの丘をのぼったところにある木で出来た大きな家に住むおばあちゃんの言葉。南さん、アバズレさん、おばあちゃん。この3人との出会いと言葉のやりとりが、小学校で色々厄介な問題に直面する奈ノ花の行動に大きな影響を与えていくことになります。 「また、同じ夢を見てたの」(p.299)これは、大人になって、2LDKの家に住み始めて3年、そこで仕事をしている奈ノ花の言葉。 いくつかしてくれた南さんのお話の中で、一番素敵だなと思ったのは、 英語で「薔薇の下で」というのは「秘密」という意味だというお話です。(p.65)これは、この作品の締めくくりの一文を理解するために。
2018.12.09
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そのタイトルは、誰もが知っている『星の王子さま』。 でも、実際に手に取り、読んだことがあるかというと…… まだ読んだことがない人って、結構多いんじゃないかと思う。 私もその一人だった。 読んでみて思ったのは、とにかく難しい!! 子供向けのお話ということで、世間では認知されているようだけれど、 本当の子供には、理解できないんじゃない? まぁ、表面上のストーリーは、ある程度追えるかもしれないけれど。これは20世紀前半を生きたフランスの人が書いたお話なので、その時代的な背景や社会的背景、さらには文化的な背景を知らないと、王子が色んな星で出会った個性来なキャラクターたちや、ヘビやキツネとのエピソードが意味しているところは、分からないのかも。もちろん、言わんとしているところは、ある程度は分かる。それは、人として生きるうえで、普遍的なこと。でも、その受け止め方のレベルを少しでも上げるために、途中で読み進めることを止めていた『夜間飛行』を読んでみようかな。
2018.12.01
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今や、誰もがその名を知っているアマゾン。 しかし、本著を読むと、実はアマゾンについて何も知らなかったと気付かされる。 今、ビジネス界で何が起ころうとしているのか。 それを知るために、絶好の一冊! ***本著を読んで、まず驚かされるのは、アマゾンの貪欲な投資姿勢。97年の上場以来、株主に配当を一度も支払うことなく、毎年数千億円を費やして、最強の物流システムを築き上げた。これにより、商品の注文翌日配達が可能となった。また、FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)は、アマゾンに出品する中小企業に、倉庫、在庫管理、決済、配送、カスタマーサービスまでを提供するという仕組み。FBAを利用する出品業者は、自社製品をアマゾンの倉庫に送るだけという便利さ。この仕組みが、アマゾンの品揃えを桁違いなものにした。そして、AWS(アマゾンウェブサービス)は、巨大なサーバーを用意し、その中のシステムを、オンラインであらゆる企業に提供するというもの。AWSを利用する企業は、独自にシステムを開発・運用するよりも、遥かに安いコストで高性能なシステムを使用できるので、CIAもその顧客。つまり、それを利用する側にとって、非常に都合の良い数々の仕組みやインフラを、積極投資でいち早く作り上げたのがアマゾンであり、もうそれを利用しない手はないという状況が、世界規模で出来上がりつつあるというのだ。それは小売業の範囲に留まらず、ITや金融業界をも席巻する勢いである。このまま、あらゆる分野でアマゾンの一人勝ちが進んで行くと、私たちの様々な個人情報が、アマゾンに集約され、そこに繋がる者たちに、知らぬまに利用されてしまうことになりかねない。便利さとトレードオフの関係で差し出さねばならないのは、そういうものである。
2018.12.01
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小保方晴子さんの日記。 2014年12月31日(水)から2016年10月9日(月)までのもの。 これらは、『婦人公論』2017年1月24日号から2018年3月27日号に掲載された 「小保方晴子日記 -『あの日』からの記録」に加筆・修正のうえ、 大幅な書下ろしを加えたものです。 (あとがきとして、2018年2月23日(金)のものが掲載されています) 巻末には、『婦人公論』2016年6月14日号に掲載された 瀬戸内寂聴さんとの「〈特別対談〉必ずまた、花は咲く」も掲載されています。 日記には、 『あの日』の執筆中の様子や(本を作るって本当に大変なことなんですね!)、 『捏造の科学者』を書いた記者さんのことも記されています。 *** 2015年3月16日(月) 私を被疑者として提出された告訴状が警察に受理されず、 取り下げられたと連絡を受けた。 しかし告発が取り下げられたことは報道されていないので、 私はいまだに刑事告発されている人だと思われているそうだ。(p.45)『STAP細胞はなぜ潰されたのか』を読んだ後の記事にも書きましたが、全てがこんな感じですね。なお、この一連の騒動についての私の思いは、『STAP細胞 残された謎 』を読んだ後の記事に書いた通りです。 4月26日(日) 今日から入院。 鉄格子のはまった数センチしか開かない窓のあるコンクリートの部屋。 去年の入院と同じ個室。 書類にサインをして、手首にリストバンドを巻かれて、 荷物をチェックされて少しでも鋭利なものはすべて没収される。(p.57)『こころを病んで精神科病院に入院していました』で描かれている風景と重なる所もありますが、小保方さんの状態は、他の記述からも、相当深刻なものだったことが分かります。 5月19日(火) (前略)思考力、記憶力ともに入院してからさらに衰えた。 低下し続ける記憶力を補佐するために日記を書いている。 このまま何も考えられず、何も思い出せなくなってしまうのではないか。 そのことがあまりに怖くて、少し強迫的になってきた。 例えば、食べたものは記録しているのに、 それだけでは後から思い出せるか不安で病院食の写真まで撮っている。 それなのにもっと記録に残しておくべき重要なことは日記に書けないことも多い。(p.64)これは、心身の状態が悪いせいなのか、それとも薬のせいなのか……それでも、記憶しておくことが難しいから、記録(日記)を書くようになったり、病院食の写真を撮ってしまうというのは、よく分かります。そして、ちゃんと記録しておくべきことが、実はあまり書けないのも確か。 2016年5月7日(土) ここ最近見ていた海外ドラマを見終わってしまった。 何もせずに海外ドラマをまとめて見るなんて、 働いていた頃は夢みたいな贅沢に思えた。 しかし、いざやると時間を無駄にしているだけのように感じて非常に虚しい。(p.219)これも、よく分かります。人間って、我がままで難しい…… 5月9日(月) 精神科の診察では毎回今の病状を聞かれて話す。 原因となっている状況も説明する。 BPOの件で私がいつもより興奮していたのかもしれない。 「私はあなたの味方ではないので」とデル先生が私の話を遮った。 個人的な味方ではないのは、わかっている。 でも、医者に味方ではないと言われた患者は、 何にすがり治療を続けたらいいのだろう。 頼ってはいけないのだという気持ちになり、 デル先生から出された薬も飲めなくなってしまった。(p.220)気持ちの揺れ幅が大きく、落ち込むこともあるけれど、攻撃的になってしまうこともしばしば。そして、自分のことを分かってほしいという気持ちが強ければ強いほど、他者がそうでないことに対し、腹立たしさを覚えると共にとても哀しくなってしまう。6月6日(月)の日記には、この出来事の顛末が記されています。当事者も、それを見守る側も、本当に大変です。 9月27日(火) (前略)劇的な気持ちの変化を体験。 その瞬間は突然やってきた。 混線状態の時の頭の中は自分の意思とは関係なく、 嫌なことを同時にたくさん考えることを強制されているような状態。 一日だって考えない日はなかった嫌な記憶の一つについて、 これはもう考えなくていい、と思った。(p.276)この感覚も、よく分かります。突然、切り替わる感じ、世界が変わる感じですね。なぜだかは、全然わかりませんけれど。なので、決して希望を失ってはいけません。
2018.12.01
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