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シリーズ3作目。 今巻の舞台は、突然日本を離れて東南アジアの離島へ。 世間の目が届かない場所という設定のため、 前巻までを遥かに凌駕する、ハードな活劇が展開されていきます。 ***武蔵小杉高校在学中に続いて、葛飾東高校在学中にも大きな事件が勃発し、それに深く関与していたのではないかと疑われている優莉結衣。そして、それ以前に在学していた栃木県立泉が丘高校での事件が新たに発覚し、角間良治が学園長を務める塚越学園での矯正を勧められることになります。同じ児童養護施設に暮らす理恵や奈々未との関係で、塚越学園に転校するという考えは、全く持ち合わせていない結衣でしたが、先日、駅のホームで偶然出会った腹違いの妹・凜香から「もうすぐ塚口学園に移る」と聞いていたことで、見学には行くことに。しかし、角間と共に乗り合わせたセダンが、学園に向かう途中で何者かに襲撃され、気が付いた時には、結衣は見知らぬ部屋の中にいました。そこは、三浦海岸にある塚口学園ではなく、東南アジアらしき場所にある学校。至る所に監視カメラが配置され、校則の逸脱行為は厳しく処罰される所でした。 ***今回も、黒幕の行動の背景となっている理由は、結構予想外のものでした。また、ハードなバイオレンスは、回を重ねるごとに激しくなっていますが、これまで、ほぼ結衣の単独行動によって行われてきたそれらの行為が、今回は、同志を集めての、組織的行動へとグレードアップしています。米軍まで巻き込んでの展開は、「千里眼シリーズ」を彷彿とさせるものですね。
2020.02.29
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JKFBインターリーグ決勝戦後半。 3-2と1点差に追いすがったワラビーズだったが、 興蓮館は反撃に転じ、11番来栖未加のハットトリックで4-2と突き放す。 監督の高萩数央が目指す「凡人でも勝てるチーム」を体現する絶対的エース。 統率されたプレッシング、徹底したハードワーク、 そして、高いポゼッション率にポジショナルプレーと隙を見せない興蓮館は、 来栖未加のスコーピオンキックでさらに加点し、5-2に。 それでも、希の口から出た言葉は。 さっさと戻って始めましょ いまだ試合は続行中です 4点とって勝つ!!ここで、DF・宮坂が、守備ブロックごとラインを上げるよう田勢に提案。21番・藤江梅芽に希をぶつけ、プレッシャーをかける作戦。希は、梅芽と15番九谷をかわし周防へパス、3人に囲まれた周防から出たボールに、左サイドから白鳥が走り込んでシュート!しかし、ボールはゴールネットを揺らしたもののオフサイド……でも、いい感じ。そして、ここでいよいよサッちゃん投入!!興蓮館が自らラインを下げ、カウンターアタックを仕掛けてくると、前に飛び出したGK・加古川に代わってゴールを死守し、スーパークリア!!そこから、希からのパスを周防がスルーして白鳥へ、さらに希、また白鳥。白鳥はゴールへ突進するも、ボールをセーブするGKと接触、頭から地面に激突。応急処置後、ピッチに戻ると、深津の指示を皆に伝える。「ハーフタイムの指示は依然続行中だぜ」二人に囲まれ、靴の踵を踏まれながらも、それを振り切った希は周防へパス。一人抜き去った周防は、九谷のタックルに転倒するも、右サイドでボールを拾った希が、靴が脱げたままの右足でクロス。そして、仕上げは田勢のヘェ~ッドォ~ッツ!!! ***今巻の目玉は、何と言っても白鳥覚醒の予感。これで、ワラビーズの攻撃力は格段にアップするはず!一方、我らがサッちゃん、今後ディフェンスの要に?そして、残り7分、ワラビーズは2点差をどう追いかけるのか?
2020.02.24
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副題は「仕事と人間関係を劇的によくする技術」。 思わず手に取りたくなるようなネーミングで、よく売れました。 そのためもあってか、カスタマーレビューへの投稿数はかなりのもの。 ところが、その中身を見ると、結構厳しい意見が多い……。 読み進めると、「なるほど」と納得させられました。 「良いこと書いてるな!」と、感心させられるところも数多くあるのですが、 「……」と、こちらがフリーズしてしまいそうになるところも結構多い。 この振れ幅が、半端ないのです。色んな商品を、自分の目で、直にじっくり見てみたいと思って出かけたお店で、入店早々、店員さんにつかまってしまい、色々と話しかけられ、説明され続けて、結局、自分の思いを何も達成できないまま、店を出ることになってしまった感じ。まぁ、私にとっては、とても苦手で、心地よくない状況になってしまいました。もちろん、こういった対応を好ましく思い、そんな店員さんとの相性がバッチリ、という方もたくさんおられると思います。そんな方たちにとっては、とても参考になる一冊になるのではないでしょうか。実際、この本は、たくさん売れているわけですから。
2020.02.23
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シリーズ2作目。 前巻と同時に購入していたので早速読み進め、あっという間に読了。 読者を引き込む力は、さすが松岡さんと再認識。 今巻は、JKビジネスがテーマのお話。 ***武蔵小杉高校での事件後、優莉結衣は葛飾東高校に転校していました。そして、同じ養護施設に暮らし、同じ高校に通う奈々未が行方不明に。奈々未の妹・理恵に懇願された結衣は、奈々未の行方を追うことになります。そこには、JKビジネスと「特権階級」が絡み合う、闇の世界が待ち受けていました。 暴力の衝動に逆らえないという意味では、DVを働きたがるクズと変わらない。 幼少期から刷り込まれた下地のせいか、人を殺すのにためらいがなかった。 むしろ積極的に実行したくなる。 ほかに秀でていると自覚できるものがない、 ふだんからそう感じているせいもある。(p.131)上記のように、今巻も結衣の過去や実像が次々に明らかにされていきます。そして、今巻最大の見せ場は、横浜ランドマークタワーからのダイビング。高さ296mのヘリポートから、ウィングスーツを身にまとって飛び出すと、時速300kmのスピードで、横浜横須賀道路沿いの逗子山中を目指すというシーン。そして、またしても、結衣は一人で事件を解決へと導いてしまいます。今回登場した「辻舘鎚狩」という人物にについて、私は『ボイス』の「モ・テグ」を連想してしまいました。日本のリメイク版では「本郷雫」ですね。
2020.02.16
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『水鏡推理6』以来、およそ3年ぶりに松岡さんの作品を読みました。 もちろん、その間にも新作を色々執筆されていたことは知っていましたが、 ずっとスルーしていました。 水鏡瑞希は、浅倉絢奈は、どこへ行ってしまったんだぁ~!! ***さて、本作のヒロイン・優莉結衣は、これまでに登場した松岡作品のヒロインたちとは、かなり異なる生い立ちを背負った女子高生。父親は、平成最大のテロ事件を引き起こし死刑に処された男で、彼女自身もそんな環境の中に置かれ、様々な教育を施されてきたようです。 「想像したとおりだ。おまえは父親の血が濃厚だな」 「どういう意味?」 「人殺しを楽しんでやがる」 結衣は黙り込んだ。本性を見抜かれた。(p.381)そして、今巻は、結衣が通う武蔵小杉高校に総理大臣が訪れた際、突如として武装勢力が突入し、学校全体が人質に取られてしまうというお話。事件を仕組んだ黒幕の正体には、多くの読者が驚かされることになると思いますが、何よりも、次から次へと多くの人たちが惨殺されていくシーンに圧倒されます。もちろん、結衣の住む世界は、凛田莉子や浅倉絢奈とは全く異なります。それに比べると、紗崎玲奈には同じ匂いがしないでもありません。また、同じようにハードな局面が相次ぐものの、岬美由紀は全く異質です。そんな結衣が、危機的状況を一人で解決へと導いていくのです。 *** とはいえ授業態度がよくなったかといえば、まる当てはまらない。 コミュニケーション英語Ⅱの授業中、和美はぼんやりと感じた。 頬杖をついたり、よそ見をしたり、遠慮なくあくびをしたりする生徒が増えた。 突っ伏して堂々と眠る姿も男子に多い。 反抗的ととらえがちだが、事実は少々異なる。 みな性格はすなおなほうだった。 ただ目上の者への礼儀について、基準が大きく変わってきている。 教師があまり生徒を叱れないせいかもしれない。 考え方が自由かつ開放的になる一方で、打たれ弱くもあり、人の話に耳を傾けない。 それが最近の十代の特徴といえた。 和美は教科書の英文を読みながら、教室をゆっくりと歩き回った。 かつては教師が近づけば、顔をあげたり内職の手を休めたりするものだった。 いまは誰も意に介さない。 価値観が根本的に変容している。 結局は生徒の自主性にまかせるしかない。 教師にどう思われるか気にしないのなら、なにをいっても無駄だろう。(p.30)今巻、私が最も印象に残ったのは、この記述でした。
2020.02.16
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著者は、国立がん研究センター中央病院精神腫瘍課長の清水研さん。 他の病院の精神科で一通りの研修を終えた後、 2003年の春、31歳の時から国立がん研究センターでの勤務を開始し、 これまでに3500人以上のがん患者と対話されてきた精神腫瘍医です。 自分にとって、現在、「死」が身近なものとして感じられない方なら、 スイスイと読み進め、一気に読了できそうな一冊ですが、 もし、そうでない状況にいる方ならば、結構読み進めるのに苦労するかも。 かなり重たい内容の連続で、ページを捲り続けることに力を要します。それでも、そこに記されている患者さんたちの生き様や、著者の思いに触れる中で、得るものは多いと思います。何が正解かは人により異なり、本著に正解が記されているわけではないでしょうが、「人生とは何か、生きるとは何か」を考える契機にはなると思います。
2020.02.09
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『妻のトリセツ』の続編。 男性脳と女性脳の特色が、前著以上に見事に描き出されています。 本文に詳しく述べるが、女性脳の生殖戦略は、意外に残酷だ。 生殖(生存と繁殖)のために、動物の脳は動いている。 繁殖するためには、できるだけ免疫力の高い相手をゲットして (実は見た目の魅力は、免疫力の高さに比例している)、 かつ、できるだけたくさんの遺伝子の組み合わせを残す必要がある。 このため、動物としての本能は、 一人の異性に人生を捧げる気はまったくないのである。 哺乳類のメスは、妊娠・授乳・子育て期に守ってもらわなければならないので、 一定期間、一個体のオスにロックオンするのだが、 子育てが一段落すると、脳は「もっと免疫力の高い男を探そうよ、 この目の前の男はダメだよ」と囁くようになる。(p.5)これが、女性の本質であることを、世の男性はしっかりと認識しておかねばなりません。一定の役割を終えた後の男は、女にとって癪に障る存在でしかないのです。ところが、遠くを見て、ゴールを目指し、とっさに問題点を指摘し合う男性脳は、守ってあげたいと心から思っている妻に対しても、結論だけ簡潔に言ってしまう……近くを見て、プロセスを解析し、とっさに共感し合おうとする女性脳は、「君も、ここが悪い。直しなさい」という言葉より前に、「大丈夫?」「わかるよ」と言う言葉を求めているのに……かくして、「夫はひどい」という思いが、日々積み重なっていくことになるのです。第2章「使えない夫を『気の利く夫』に変える方法」以降には、男性脳、女性脳の違いを乗り越えていくための様々な手立てが示されています。「なるほどなぁ」と思わされるものが本当に多かったのですが、その中でも、特に印象に残った箇所を、最後に紹介しておきます。 夫婦の対話で気を付けることの最後は、これ。 夫のことばの裏読みをしない。 夫のことばには、多くの場合裏がない。 「おかず、これだけ?」と聞くのは、 「この鮭一切れで、ご飯2杯を食べればいんだね?」という確認である。 それを、「一日家にいて、これだけしか作れないのか」に解釈するのは、 酷と言うものだ 仮に、意地悪な夫が皮肉で言ったとしても、気にせず 「そうよ。足りなかったら、ふりかけあるよ。それとも、生たまごかける?」と言って、 爽やかにやり過ごせばいい。(p.76)
2020.02.09
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