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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.01.03
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カテゴリ: 文芸

 「第二章 青春」は昭和18年から20年までが描かれている。
 主人公は、国岡鐵造。
 彼が一代で築き上げた石油販売会社・国岡商店の店主である。

 彼は、戦後の混乱の中、石油配給統制会社の妨害にあいながらも、
 ラジオ修理や漁業、印刷、瓦礫撤去等、新たな事業に乗り出すとともに、
 他企業が敬遠した、海軍燃料タンク底の残油を浚う作業を引き受ける。
 その姿勢は、やがてGHQにも認められるところとなる。

 彼は、福岡県に生まれ、神戸高商に学んだ。

 その後、鈴木商店の採用を蹴って、個人商店の坂井商会に就職し、
 そこで商才を発揮した鐵造は、台湾での小麦販売で三井物産を出し抜く。

その後、没落した生家の面倒を見るため、独立を望む鐵造を支援したのが日田で、
この後も、何度となく鐵造の危機を手助けしていくことになる。
この日田との出会いがなければ、国岡商店は存在することはなく、
また、日本の石油業界の歴史も大きく変わっていたことだろう。

さて、明治紡績からの大量の機械油の発注を受けたことを契機に、
国岡商店の事業は軌道に乗るが、三年で資金が底をついてしまう。
ここで、再び日田から資金援助を受け、海上での軽油販売を始める。
関門海峡を暴れまくる国岡商店の伝馬船は「海賊船」と呼ばれるようになった。

その後、海外での販売を伸ばそうと、満鉄に掛け合い、

折からの不景気で、第一銀行から融資全額返済を求められる。
この時、高利貸しからの融資を決意した鐵造を押しとどめたのも日田だった。

そしてもう一人、この危機を救ったのが二十三銀行門司支店長・林清治。
本店の頭取・長野善五郎に掛け合い、第一銀行への返済額の融資了承を得る。
しかし、本店の重役たちが難色を示したため、長野が鐵造と会うことになる。


さらに、金融恐慌の波が押し寄せ、二十三銀行は大分銀行と合併し、
大分合同銀行となったが、そこで融資見直しが始まる。
門司支店の藤原一太は、国岡商店の貸付金回収を命じられるが、
国岡商店の調査を進めた結果、回収断念の報告書を本社に提出する。

首藤正寿頭取は鐵造と会い、重役会議で回収方針を撤回すると共に、
さらなる融資の拡大を許可する。
国岡商店は上海にも進出し、外油と販売競争を展開する。
が、その後アメリカは、日本への石油輸出全面禁止に踏み切ったのだった。

   ***

この後、お話しは戦後を迎え、第一章へと繋がっていくことになります。
下巻は、それを受け、昭和22年のお話しから始まります。
それにしても、かなり波瀾万丈の人生です。
その度に、他力を得ることが出来てしまう人格が、突き抜けています。





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Last updated  2016.01.03 14:27:26
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