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2024.06.29
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カテゴリ: 社会・政治・時事
『サル化する世界』 以来、久しぶりに内田先生の著作を読みました。

  単行本は2020年刊行。
  『GQ JAPAN』という月刊誌に2016年7月から2020年6月まで掲載していた
  「人生相談」コーナーをまとめたものです。
  ですから、最初のものはもう今から8年近く前の話になります。
  東京五輪もコロナもまだ始まっていない頃の話です。(p.3)

これは本著冒頭、「文庫版のためのまえがき」の一部です。
内田先生がこの後述べているように、今となっては「そんな昔の話」です。

その当時、内田先生が社会をどうとらえ、どう考えていたかが、よく伝わってきました。

文庫版特別付録対談として掲載されている「心地よい、新しいコモンについて語ろう」では、
東京大学大学院准教授の斎藤幸平さんをゲストに迎え、
「日本共産党」や「マルクス」についてを皮切りに、大いに語り合っています。
その中で、内田先生は次のように述べています。

  コミューンには共有地(コモン)があって、人々は自由にそこにアクセスして、
  共同体の富を分かち合うことができた。
  貧しい人でも、共有地で牧畜したり、魚を釣ったり、狩をしたり、
  果樹を採取することができた。
  ですから、「コミュニズム」という言葉を採択したときには、
  マルクスには帰趨的に参照すべき原点としてのコミューンというものが

  その現代的形態をどうやって創り出すか、
  それが「コミュニズム」の課題だったんだと思います。(p.290)

それに先立って、「まえがき」では次のようにも述べていました。

  僕がこの本で訴えている「コモンの再生」は、
  思想的には「囲い込み」に対するマルクスの

  グローバル資本主義末期における、市民の原子化・砂粒化、血縁・地縁共同体の瓦解、
  相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために、
  もう一度「私たち」を基礎づけようというのです。(p.15)

こういった内田先生の現在の立ち位置をしっかりと踏まえたうえで、
本著は読まれた方が良いかと思います。





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Last updated  2024.06.29 11:06:50
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