2007年04月10日
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カテゴリ: 家庭生活


ムスメ1号が通うことになったのは、制服のある私立の女子小学校である。当初は、うちのムスメが私立の小学校に行くことなどまったく想像もしていなかったのだが、ひょんなことから受験をすることになり、我が家としては決して熱心な受験体制というわけでもなかったのだが、結果として受けた学校から合格通知が届いた。地元では結構有名な学校でワタシも存在は知っていたが、普通の感覚ではまず無関係な世界だと思っていた学校である。

そもそも、ワタシ自身高校まではすべて公立だったし、自分の子供の場合もそれで何ら問題ないと考えていた。しかも現在住んでいるところは小学校の学区も人気のエリアということもあり、はたして小学校から私立に行かせる必要なんてあるのか?と思っていた。妻にしても同じようなもので、特に「お受験」にかぶれておかしくなったというわけでもなく、たまたまムスメ1号を通わせていた幼児教室の延長のようなところで、軽く薦められるまま半信半疑で受験したら決まってしまったという感じである。

受験の過程では、もちろんムスメ自身はそれなりに教室で与えられた課題をこなしていたようだし、志望書(願書)の提出や親の面接などでは、そういう書類の書き方のコツや面接での受け答えなどは、仕事柄ほとんどプロだと思っているので、そのあたりは結構本気になって協力したりもしたのだが、如何せん根本的には「別に公立でええんちゃうの」とも思っているので、受験直前までホントに受けるの?受かった後も、ホントに行かせるの?という具合に、この日に至るまで我が家の判断は相当揺れていた。

厳格なキリスト教教育であるということ(うちの家系はもちろん仏教)、女子しかいない学校であるということ、わざわざ電車通学ということ、とどめに、一介のサラリーマンには正直なところかなり重い学費の負担。庶民的感覚で言えばネガティブに考えられる要素はいくつでもあるのだが、最終的に「やっぱり行かせよう」と思い至った理由は一点。
実は受験に際して初めて知ったのだが、日本で小学校から私立に行く子供の割合は、世の中全体のわずか「1%」なのである。当初は、「そりゃあ異常な世界やなあ」と思っていたのだが、いざその「1%」の中に自分のムスメを入れるか入れないかの選択権を与えられてみると、前向きに考えればむしろそれは、ワタシ自身の経験からは想像がつかない「1%」という異常な世界の“異常さゆえの可能性”にムスメが触れるチャンスなのかもしれない、と思ったからである。

そんな親の思いを知ってか知らずか、入学式に向かう坂の途中、ムスメ1号は相変わらずいつもの調子で「カンチョー!」と叫びながら、極めて嬉しそうな表情でワタシの肛門に向かって両手の人差し指を突き立ててくるのである。






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最終更新日  2007年04月15日 01時44分51秒
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