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2025年10月22日
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テーマ: ニュース(95898)
カテゴリ: ニュース
原子力発電に使用した使用済み核燃料からプルトニウムを取り出してもう一度原発の燃料にするという技術の開発は、世界の原発保有国が取り組んで来た事業であったが、原発先進国のイギリスでは、その技術の開発を断念し、使用済み核燃料はまるごと地中に廃棄することに決めたのに対し、日本政府は未だに「プルトニウムの取り出し・再利用」の計画を断念することなく推進する方針であることについて、朝日新聞記者の小川裕介氏は、7日付け同紙夕刊コラムに、次のように書いている;




 英国は日本と同様、原発で使った核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する「核燃料サイクル」を進めてきた。在庫量は世界最大だ。その国が「資源」だったプルトニウムを「廃棄物」として捨てる。政策の大転換だった。

 英国には、日本の電力会社が持つ約22トンのプルトニウムも保管されている。現地や東京の同僚と取材を進めると、日本分は廃棄の対象外だとわかり、2月2日付朝刊で報じた。

 核燃料サイクルの中核を担う日本原燃の増田尚宏社長は、直後の記者会見で「日本ではプルトニウムは有用な資源」とサイクルに理解を求めた。

 英政府は2011年、プルトニウムを核燃料として使う方針をいったん決めていた。その後も

(1)核燃料として使う
(2)地中に捨てる
(3)貯蔵し続ける、

の三つの選択肢について検討を進めた。そして 「長期保管は、安全保障上のリスクと核拡散の懸念という負担を将来世代に残す」 と結論づけた。手の届かない場所に置くことで、負担を減らせると判断したのだ。

 私は、18年に原子力委員会がプルトニウム保有量を減らす方針を決めたころから、この問題を取材してきた。当時、日米原子力協定の改定を控えていた。米国は日本に対し、削減に向けた具体策を示すよう水面下で働きかけていた。

 プルトニウムは核兵器に転用できる機微な物質でもある。日本にとってはエネルギー資源である物質が、核拡散や核テロリズムのリスクがあるとして、国際社会から厳しい目にさらされていることを実感した。

 日本のプルトニウム保有量は約44トン。26年度に完成予定の六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)が稼働すれば、年に最大で約7トン増える。

 一方で、その出口はおぼろげだ。電力業界は30年度までに少なくとも12基の原発でプルトニウムを燃料として使う計画を持つが、4基しか実現できていない。

英国が捨てるプルトニウムを、日本はこれから巨費を投じて生産し、核のリスクも抱えることになる。 将来世代の負担は避けられない。政府や電力業界は、とくに若者が納得できる説明をする必要がある。
(くらし科学医療部)

     *

<おがわ・ゆうすけ> 埼玉県出身。長崎総局、西部報道センターなどを経て、現在は原子力担当。2021~22年に休職して米ジョージワシントン大で核や原子力を学んだ。福岡県警担当だった半年余り前、この取材をさせてくれた仲間に感謝。


2025年10月7日 朝日新聞夕刊 4版 7ページ 「取材考記-プルトニウム生産、説明が必要」から引用

 原発先進国のイギリスが断念した「使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す技術」は、数十年前から世界の原発保有国で実用化に向けて研究されてきたのであったが、何年かかっても「完成」することはなく、日本でも青森県の六ヶ所村に、工場の建て屋は二十年ほど前に完成したものの、中身の「設備」の完成は「来年になる」「2年後だ」と十数年前から毎年「先延ばし」するのが年中行事になっていて、実際には何時完成し稼働できるのか、まったく見通しが立たない状態である。おそらくイギリスでもこの十数年間、似たような状況だったと思われ、この度のイギリス政府の決断は賢明な選択であったと思われます。現代の人間が使用して残ったものの「処分」を次世代の人間に任せるというは、実に無責任な話であり、現代の人間が使用した核燃料の後始末は、現代の人間の責任で処分するのは、当たり前の話だと思います。





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最終更新日  2025年10月22日 01時00分09秒


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