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彼らからすると、石破首相は自分たちの支持する政党の政治家ではありません。けれども、ほかの自民党の指導者よりも「まし」だと思い、デモをしたのでしょう。
積極的に支持はしなくても、「より悪くない」という選択をするという判断は重要です。 現実の政治においては、そういう判断をすることも時には必要でしょう。民主主義では当然のことではないかと思います。
もちろん、すべての民主主義の政治はそれぞれの課題や問題を抱えています。私の母国、フランスでも、極右勢力が政権を握るよりは良いだろうという判断を重ねた結果、前例のないむちゃくちゃな状態に陥っています。
ただ、政策や政治に関する判断をし、選択をするために決定的に重要で、日本の政治と社会に欠けていると痛感していることがあります。それは、討論をする文化です。
自民党総裁選を見ていても、5人の候補が出て、高市早苗氏が選ばれましたが、深い討論の結果だったでしょうか。 女性初の総裁だと報道されていますが、彼女が社会の「ガラスの天井」を破るためにどこまで力を尽くしてきた政治家なのか伝わってきません。
当選直後、「ワーク・ライフ・バランス(WLB)という言葉を捨てる」と言って物議を醸しました。世界中の女性たちが何百年もかけて社会進出し、男女を問わずに様々な選択肢のある働きやすい社会をめざし、各分野でガラスの天井を破ってきたのです。本来なら、こうした考え方の人物であることが、総裁選の深い討論を通じてもっと伝わるべきだったのではないでしょうか。
実際、このテーマに限らず候補者同士が議論を深める場面はほぼありませんでした。 討論会が何度も開かれていましたが、お互いに異論を戦わせることのない「発表会」の連続でした。
意見の違いや、相手が間違っていると思ったことについて取りあげるのが討論です。 国民の前で討論をする文化がなければ、その柱がない状態で何かを正しく選ぶことはできないはずです。
(聞き手・池田伸壹)
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<にしむら・カリン> 1970年、フランス生まれ。ジャーナリスト。元AFP通信東京特派員。著書に「フランス人記者、日本の学校に驚く」など。
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