ある冒険者の記録

ある冒険者の記録

2005/03/08
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親愛なる眠らない大陸の冒険者達よ。我が戦史にようこそ。



椅子に座った毒舌戦乙女が、冷めた紅茶を飲み干して言う。

「ねぇ。今日の仮装大会行くの?」

これまた冷めた紅茶を飲んで、枕元にあった招待状を手に取る。

差出人はネタ企画代表。
あの事件ののち改心したプラネタ河伯から届いたモノだ。

招待状の下の方に親友の字でこう書かれている。

『コエリスのシュレーダーとしての登場を待っている。
 衣装の心配はするな。俺が用意してあるから。 Jimi』




「行かないの?」

「俺の認める男が必死で作った祭りを、俺自身の景気付けに使っていいのかなと
 思っちゃってねぇ。」

「ふ~ん。」

「衣装もないしな。どうも俺はシュレーダーで行かないといけないらしいが
 衣装は俺には高くて手に入れられなかった。」

「Jimiさんが用意してるって書いてあるよ?」

「それなりの価値があるモノをほいほいと貰えるかと。」

「じゃあほかの衣装にすればいいじゃない。」

「そうだな。どっちつかずの俺には、コウモリなんかがお似合いかな。」

戦乙女は露骨にいやな顔をして言う。



「ふふ。悪い悪いw さ、行こうか。」


シティステラ、サンツスミコの町へ移動する。

今回ホスト側で参加している弟子が駆け寄ってきた。

「師匠、立てましたか。」

「足下はまだふらついてる気がするけどな。


「それはよかった。」

軽く弟子の頭を叩いておく。

「ありがとな。」



「アル!」

万波息笛とセイクリッドシールドを装備したビザンを纏う魔道師が俺を呼んでいる。
共に電子の大海で戦い、共にこの大陸に降り立った我が親友Jimi赤家だ。

「来てくれたのか。よかったよかった。さあ、これを使ってくれ。」

シュレーダーの衣装を俺に差し出す。
が、俺はそれを押しとどめる。

「どうしてもシュレでないとだめなのか?」

「そんなことはないんだが、どうしてもだめなのか?」

ふぅ・・・・。ため息を一つ付くと少し大きな声で周囲に問いかけてみる。

「親愛なる仲間たちにちょいと聞きたい。」
「Jimiがシュレの衣装を俺に押しつけるんだが
 俺はシュレでないとだめなのか?」

すぐに周りの冒険者たちから返答がくる。

「おまえがそれ以外に何を着ると?」
「直ちに受け取れ。」
「それ以外は認めん!」
「強制されてるww」

それを聞いて苦笑する俺に向かい、満面の笑みでJimiが衣装を差し出す。

「やれやれw」

「人気者だなw」

「勘弁してくれw」


そろそろ時間らしい。
主催者プラネタ河伯から挨拶があった後、みんなで一斉に衣装を着込む。

「なんだこりゃ~w」
「なんて光景だこれはww」

周囲を爆笑が支配する。
クルークとして走り回る者、コウモリになって漂う者、
ビドクラッカーとしてはね回る者
そしてシュレーダーとして闊歩する者

何ともシュールな光景だった。
和やかに談笑しつつ、パーティーを楽しんでいたその時、


場に似つかわしくない叫び声が聞こえてきた。

「どうした!いったい誰にやられた?!」

その声は町の反対側から聞こえるようだ。

「何かあったのか?」

そちらに意識を向けてみると、まだ年若い冒険者が瀕死の重傷を負って倒れている。

「何があったんだ?!」

あわてて駆け寄って、ヒールを唱えようとすると、
その冒険者は怯えた目をして俺を見ている。

「やめてくれ。もうやめてくれ。」

「いったいどうしたんだ?」

「あんただろう俺を襲ったのは。もう十分だろう。もうやめてくれ。」

いったい何のことだ?

待てよ・・・まさか。

「シュレーダーに襲われたのか?」

「あんたじゃないのか?」

「確かにそういうあだ名も持っているが、これは扮装でしかない。」

「あんたと同じ格好のモンスターに襲われた。
 毒攻撃を食らって、一気に体力が減った。この人が助けてくれなかったら
 殺されていたと思う。」

彼が指した人物に聞いてみるが、彼もそのモンスターの名前を知らなかった。
ただ、彼も俺と同じように見えると言っている。
彼らの階級で本物のシュレーダーを見ることはないだろう。
まさかと思うが・・・・。

「おい、この辺りにシュレーダーがいるかも知れないぞ!」

「まさか。ここは砂漠だぞ。シュレは島か煉獄にいるはずだ。」

「毒攻撃を受けたと言っている。本物の可能性がある。」

「あんたじゃないのか?」

「俺の吐く毒で物理的ダメージはでねえよ!」

「よく出てる気がするんだが・・・。」

「なんか言ったか!?」

「まあまあ、落ち着いて落ち着いて。」

深呼吸して気を静めてから続ける。

「とりあえず調べよう。この地帯を主戦場とする冒険者たちには
 シュレの相手は不可能だろう。居なかったら居なかったでいいんだしな。」

「そうだな。万が一を考えて調べてみるか。」


もはや仮装パーティーどころではなかった。
参加者の間に緊張が走る。

いないはずのモンスターが何故現れたのか。

その答えを誰も思い当たることはできなかった。



続く




それでは今日も冒険に出かけるとしよう。
この大陸に関わるすべての人に、コエリス神のご加護があらんことを。。。。





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Last updated  2005/03/08 02:21:00 PM
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