ある冒険者の記録

ある冒険者の記録

2005/03/08
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親愛なる眠らない大陸の冒険者達よ。我が戦史にようこそ。



足を引きずるように宿にたどり着く。

「旦那、どうされました?顔色が・・・。」

「なんでもない。死にはしないから気にするな。」

「しかし・・・。」

「しばらく放っておいてくれ。」

宿の主人も何かを察したのだろう。
部屋まで付いてきて俺がベッドに倒れ込むのを確認してから、

「何かあったらいつでも呼び鈴を使ってください。」





寝ているのか、起きているのかよくわからないが、
とにかく身体は動かなかった・・・・。




日が高くなっても、動けなかった。

「情けねえ・・・・・俺は何をやってるんだ・・・・。」


コンコン・・。

不意にドアが叩かれる。

「誰だ。」

おかしい。宿の主人が人を通すわけがないのに・・・。

「謝りに来た。」

ドアの向こうから消え入りそうな声が聞こえてきた。

「入れよ。」



宿の主人に飲み物を用意するように頼む。

チャイとシナモンティーを・・・。


「一番苦しんでるのはあなただったのに、あんな酷いことを。」

「気にしなくていい。」

「傷つけちゃってごめん。」



「でも・・・。」


ドアを叩く音がした。
俺は立ち上がり、ドアを開ける。
飲み物を持ってきた宿の主人が、すまなさそうに言う。

「すみません。体調が悪いようなのでとお伝えしたのですが、
 どうしてもと仰いまして。」

「気にしてくれなくていい。ありがとう。」


相手にシナモンティーを勧め、俺はチャイのカップを手にベットに腰掛ける。
手の中のカップが、手のひらを焦がさんばかりに熱いが、
そんなことは気にならなかった。


「なあ」

「ん?」

「話をするのなら」
「俺が話し終わるまでそこにいてくれるか。」

「うん わかった。」


ぽつり、ぽつりと俺は喋り出す。

相手はそれをじっと聞いていた。


お互いの手の中のカップは、ほとんど冷めてしまったが、



話し終わったとき、



少し、立ち上がれそうな気がした。




それでは今日も冒険に出かけるとしよう。
この大陸に関わるすべての人に、コエリス神のご加護があらんことを。。。。





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Last updated  2005/03/20 02:48:14 PM
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