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2004年09月24日

「小さな中国のお針子」2002年フランス

(5)

テーマ：ＴＶで観た映画(4118)

カテゴリ：映画鑑賞

『ダイ・シージエ監督が自らの体験をもとにフランス語で執筆したベストセラー小説「バルザックと小さな中国のお針子」の映画化。』と、やはり作成した監督（中国人で文化大革命を経験した）の思い入れのある作品。

ストーリー
１９７１年、文化大革命真っ只中の中国。２人の青年マーとルオは、反革命分子の子として再教育を受けるために山奥に送りこまれた。彼らを待っていたのは過酷な労働だった。そんなある日、彼らは年老いた仕立て屋の美しい孫娘のお針子に出会う。３人は仲良くなり、彼らは文盲のお針子に内緒で手に入れた外国文学を読み聞かせるようになる。外国の文化に触れ、しだいに自由な感情に目覚めていくお針子。そして彼女はついに…。（BSジャパンHPより）

私が見た中国の桂林ではないだろうが、似たような中国の山奥。尾根に石畳があり、過酷な農業をしなければならない風景が美しく映し出される。南画に出てくるような山の上の小屋。

そんな村での素朴な生活。そこへ繰り広げられる異色の世界文学の名作の数々。美しく可愛いお針子に読み聞かせる青年二人。

「罪と罰」ドフトエフスキー
「アンナカレーニナ」トルストイ
「ジャン・クリストフ」ロマン・ロラン

そしてバルザックの作品がお針子の心をもっとも捉える。
「従妹ベット」「ゴリオ爺さん」「谷間のゆり」

バルザックの作品の次々と朗読され、その印象的な一節に観ている者にも染み込んでいくようだ。

人間は感情のままに生きるものにあらず、文字によって観念というものがあるのを知る。
ああ、かたちの無いものに目覚めてしまった小さな可愛いお針子。

映画は青春の輝きをも照らす。観終わって心に残る映画のひとつだ。
私はひそかに本棚のバルザックを取り出してしまう。

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最終更新日 2004年09月24日 09時43分34秒
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■コメント

Re:「小さな中国のお針子」2002年フランス(09/24)

柊♪ さん

この映画の予告編だけは観たことあります…。
そういう内容だったのですね。
ばあチャルさんの日記を読んでいたら観てみたくなってきました♪ (2004年09月24日 15時27分26秒)

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Re:「小さな中国のお針子」2002年フランス(09/24)

asaco tanaka さん

はじめまして。
テーマから来ました。私も観ました。
山岳地方の風景、尾根に沿って作られた何千もの石段も美しかった。
外の世界を知ったからには留まることは出来なかった彼女の強さに心が揺さぶられました。
文革時代を描いたもので、匂いたつような官能的な映画は他に知りません。 (2004年09月24日 16時52分19秒)

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Re:「小さな中国のお針子」2002年フランス(09/24)

白鳥　明日香さん

私もこの映画を観ました。いい映画ですよね。
日記にも書いているのでよかったら遊びに来てください。 (2004年10月09日 18時27分13秒)

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Re:「小さな中国のお針子」2002年フランス(09/24)

Thanks さん

今、大学の研究会で映画研究をしています。
今期は「小さな中国のお針子」をやっているので、検索中に見つけて読ませていただきました。
最後にお針子が言った「女性の美しさこそ本当の宝だ」というのがどのバルザック作品を引用されたのかいまだに謎で、悩んでます。
私は「従妹ベット」だと踏んでいるのですが・・・。どうでしょうね・・・。 (2005年06月14日 16時15分22秒)

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Thanksさんへ　Re[1]:「小さな中国のお針子」2002年フランス(09/24)

ばあチャルさん

書き込み嬉しゅうございました。

＞最後にお針子が言った「女性の美しさこそ本当の宝だ」というのがどのバルザック作品を引用されたのかいまだに謎で、悩んでます。
＞私は「従妹ベット」だと踏んでいるのですが・・・。どうでしょうね・・・。

私も映画の美しさの中からバルザックの文学が魅惑的に湧き上がってくるのに惹かれました。

バルザックのどの作品がどうということではなく、想像力や文化のかおり、思想哲学、頭の中で考える事の素晴らしさとでも申しましょうか、それが女性とて外見の美しさだけではなく、内面の美しさが宝物になるのだということではないでしょうか。

そして、映画の小さなお針子の可憐な美しさが、聡明な美しさとなって胸を打つのでしょう。

ちなみに私は原作「バルザックと小さな中国のお針子」をどうしても読みたく思っていますが、積読状態。読了すればまた感想も深まるでしょう。 (2005年06月15日 11時52分05秒)

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