走走走 歌唄歌 走ること、歌うことのお薦め

走走走 歌唄歌 走ること、歌うことのお薦め

04年8月、北海道マラソン

8月29日(日)、2004年北海道マラソン、全関門をクリアして完走、
3時間28分46秒 で自己新記録とともに サブ3-1/2 を達成。


2004年に入り、初めて達成したフルマラソン・サブフォーの記録で北海道マラソン出走の資格をゲット。もともとは参加できることなど考えてもみなかったが、他の人のHP( 郡山ハルジさん )を見て資格があることに気付き応募開始を待ってすぐに申し込みをした。参加出来るということだけで嬉しくて仕方がなかったというのが正直なところ。その後6月~8月、平日は皇居や国立霞ヶ丘競技場を夜に、週末は昼の暑い時間帯を選んで公園の木陰で走り込みをしたりした。楽天の のぐ8994さん 主催のJ-R(Jun、July Run) に参加させていただいたことにより、6月、7月の走行距離がそれまでの自己最長を続けて更新、今年は平年よりも暑いと言われていたが、普段でもあまり暑りさを感じることなく生活出来ていた。

暑さ対策はこれで万全、あとは記録を狙ったりするような欲を捨てて最後まで関門通過のみを目標にサブフォーペースで走りきろう、無理だけは禁物とくどいほど自分に言い聞かせてきた。天気予報では最高気温は23~24度との予想。ところが前日現地に到着し、気温が下がり始め、夜9時の気温は18度まで下がっていた。ここでちょっと欲が出始めて目標について思い悩むことになる。

翌日は12時10分のスタートだったが、余裕を持ってスタート地点である真駒内屋外競技上に10時過ぎには到着。勝負服は以前から決めていた夏ラン用の白の袖なしシャツ。走り始めれば問題ないのだろうが、じっとしていると寒いくらいでなかなか上着を脱げなかった。スタート30分前に荷物を預け、競技場の中に入る。朝からいつになく緊張気味だったが、この時点では平常心に戻っていた。そして「現在の気温、17.5度」のアナウンスに目標を「完走」から「自己記録更新」に変更、キロ5分弱でとにかく行けるところまで行こうと決心。そしてスタートラインへ向かった。

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大会前日、コース試走前に
真駒内屋外競技上にて


◆ 5kmまで

5km 25:39

招待選手、陸連登録、一般の順でスタートラインに着くため、一般選手でしかも資格取得のための記録が制限時間に近い自分の並ぶ位置は列の中間よりも後ろになる。スタートの合図からスタートラインまでそれなりの時間が掛かることは覚悟していたが、思ったよりも流れていく。あせっても仕方がないという気持ちでいたが、競技場からの出口や、最初から2ヶ所ほど曲がり角で詰まってしまった他はそれなりのペースで進む。最初の1km地点を見逃しタイムを計測できなかった。おそらく6分少々。ロスを考えると悪くない。国道453号線に出て市内に向かう。前日にこのあたりを試走し、下りの具合は確認している。人の波で下りであることは判別しにくいし、上りはわかっても下りは認識しにくいことがある。事実、前日の試走でも信号で立ち止まって振り返ったときにはじめてかなりの下りであることに気が付いたほど。5kmまで25分強、スタート時の遅れを取り戻せている。もしかして取り戻し過ぎ?

K

大会前日、試走時に撮影
4.5キロ近辺から後ろを振り返って


◆ 10kmまで

10km 48:41(23:02)

引き続き453号線を北進、途中で自分よりゼッケンナンバーが1番若い男性に声を掛けられる。番号が近いということは、道マラの資格をゲットしたタイムがほぼ同じということ。しばらく並走しながらどこから来たのか、どこで資格のためのタイムを出したのかなど話をした。広島から来られていること、LAマラソンを走られたこと、今は60歳で既に引退されていることなど。走り始められてまだ4年、恐るべき60歳!!! しばらくしてから「行きますよ~」の掛け声で置いていかれてしまった。本当は「お先に」の意味ではなく、「着いて来い」ということのようだったが、これ以上ペースを上げるのが恐かったので見送ることにした。
453号線から左折して西に向かい、南大橋で豊平川を渡る。中島公園の入口(ゴールへの入口になる)で右折して北上、すすきのに入って行く。南大橋手前にわずかながら上りがあるが、この区間も全体的にはほぼ下り。思いのほかの涼しさにいくら自己記録狙いに目標を変更したとはいえ、ちょっと早過ぎるペース。押さえ気味に行かなければここには帰って来れないぞと自分を戒める。

◆ 15kmまで

15km 1:12:14(23:33)

すすきのに入り、三越の角で右折して東進。創成川通りに出て左折し北上。この通り、創成川が中央分離帯になっており、片側3車線の広い通り。この北進する3車線が往路、南に進む3車線が復路になる。JR札幌駅の東側を通過、線路の下をくぐって引き続き北進、途中、北海道大学に向けて左折し西へ。自分では自然な走りではあったが、ここまでのタイムから見てまだ飛ばしすぎのような気がしていたので少しずつスローダウンするように心掛ける。まだそれでも23分台で来てしまっている。

M

創成川通り
大会前日



◆ 20kmまで

20km 1:36:06(23:52)

北大前から右折、左折を何回か繰り返しながら20km地点へと向かう。道はほぼ平坦。呼吸の乱れもなく、足もまだ大丈夫。人並みもだいぶばらけて来て自分のペースで走るには何ら支障なし。問題はこのペースでどこまで行けるか。落ちるのは間違いないとして、その落ち込みをどの程度に押さえられるか、そんなことを考えながら走っていた。

◆ 中間地点

21.0975km 1:41:20

これまでのハーフマラソンの自己記録は 1:44:04。フルの中間地点でまだこれから21km残っているのに2分44秒も早いペースで来てしまっている。キロ5分以下のペースをどこまで続けられるか。最後まで続けられれば自己記録は軽くクリアできる。しかし、今までの経験からマラソンはそんなに甘いものではないことはよくわかっているつもりだった。

◆ 25kmまで

25km 2:00:16(24:10)


今回のコースには2つ折り返し地点がある。そのひとつめはおよそ23kmのあたり。中間地点を越えてから左折し西へ。その先23kmあたりで折り返し、もと来た道を戻る。右折して中間地点あたりに戻って来ると25km。間に新川に掛かる稲積橋があり、この上り下りは前半で豊平川を渡った南大橋よりも厳しい。ペースは24分台に落ちたが、下りがなくなった分のことを考えるとまだ大丈夫。

◆ 30kmまで

30km 2:24:46(24:30)

25km地点に向けて右折すると、そこからの向かい風が強烈だった。向かい風に真っ向勝負、という感じの直線が3kmほど続く。めげそうになったが、このあたりで先ほどの60歳のランナーに追いついた。そして2人でまたしばらく並走することになる。こちらは10km以降ペースをわずかではあるが落としてきていたので、追いついたということは彼のペースがそれよりも落ちていたということ。向かい風の中、ぼやきながら、しかし励まし合って確実にペースをキープして行けたのはお互いにとって幸運だったと思う。ここで5kmで24分台をキープできたのは大きかった。わずかながら上りに入り、また向かい風であったことも考えると23分台と同じ価値があったかと思う。




◆ 35kmまで

35km 2:50:22(25:36)

北大前を過ぎ、右折してまた創成川通りに入る。道幅が広くなり、またランナーのかたまりもなくなってかなりまばらな感じ。引き続き2人で並走、1kmの表示ごとに「5分そこそこで来ています」とか「5分は軽くクリアしました」と声を掛けながら進んで行く。このあたりまで来ると、キロ5分ちょっとのタイムでは抜いて行くほうが断然多い。気合も入る。呼吸は苦しくない、足も疲れはあるがまだ行ける。1週間前に皇居で行った30kmペース走では、5km/26分前後ペースで最後まで走り、まだもう1周(5km)は同じペースで走れる余裕があった。今回も25kmから30kmの間、次の5kmは絶対に26分くらいでは走り切りたいと思いながら走っていた。そして結果、この5km、26分をクリアする。1週前のペース走は無駄ではなかった。

◆ 40kmまで

40km 3:16:48(26:26)

創成川通りから左折、第二折返し地点に向かう。ここからまた強烈な向かい風。並走していただいた方の奥様?がおられ、受け取られたバナナとレモンをお裾分けいただいた。ありがたかった。しかし徐々に同じペースがキープ出来なくなり差がついていく。このあたりが一番つらかった。頑張っても足が前に進まない。37.5km付近が第二折返し地点。もう笑顔はない。苦しい顔をしてはいけないとは思うが顔がゆがんでくる。しかし表情に気を配っている余裕はないし、それよりも歩かず止まらずとにかく一歩一歩下を見ないでゴールに向かうしかない。そのためにここまで来て、ここにいるのだから。とにかく40km、40kmをゴールと思って走り続けた。ペースは落ちていたが、しかしそれでも26分台中盤を確保。まだ気力が残っていた。ゴールまであと2.2km、そして3時間30分までは13分以上残っている。このまま行けば間違いなく切れる。

◆ ゴールまで

42.195km 3:28:46

L

前日に撮影
中島公園入口


最後は中島公園のゴールまで上りとなる。しかしここまで来ればそれももう関係なかった。昨日初めて訪れた札幌、すすきの。けれど今は見慣れた街でもある。沿道の大勢の応援の声を受けながら最後の2km。苦しいことには変わりはない。公園に入る。両側にはずらっと応援の人たちが並ぶ。前日、受付に訪れた時にゴール地点まで足を伸ばして見て来た。その時には犬を散歩させている人や観光客らしき人たちがちらほら。まだゴールのゲートは取り付けられていなかった。42km地点が見えて来た。そしてゆるやかに右にカーブしたその先には・・・。数ヶ月間思い描いてきたゴール、3の文字、そしてその次の数字はまだ2、だった。


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