+味噌ダレ+

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★知ったこっちゃねい★


ちょっとガッカリネタ。


住宅を建築するっちゅーお仕事に携わって、昼の仮の姿を過ごしています。

とある場所で、「デザイン住宅意識」みたいな、こじゃれた建売住宅を建築中。
お客さんはまだ付いていませんが、ようやく足場が外れ、建物が全様を現しました。
壁紙クロスやさんが入っている最中です。

条件の厳しい敷地にしては、手前味噌ですがまずまずな間取りで、まずまずな日当たりな感じです。


丁度数日前から、その建売住宅の南側に元々建っていたお家の、
そのまた南側の敷地にお客さんが付きました。
更地の状態に、お客様の希望を取り込んだ間取りのお家を建てます。
今は間取りをあーでもこーでも作っている最中です。

実は、建売のお家と間取り考え中のお客さんの敷地の間に挟まれているお家の奥さんが、、、、。

ちょっと、神経質っぽい感じな。
ちょっと、コワイ感じなんです。

絡み具合が、普通にイラッってるのよりも、度を越えているというか。
奥さんにとってはそれが「普通」なのですが。

そりゃま、色んなところに色んな人がいらっさるので、
時には神経質っぽい感じの人が先にお住まいになられていても、ありうる話で。
そもそも新築工事っちゅーのは、
トンテントンテンカンテンカンテンズガガガズガガガバシュッバシュッと、
2ヶ月くらいはうるさいので「ホントスミマセン」って思います。

間取り製作中のお家の方も、なるべく問題のソノお家から離すようにプランしたり。
日照を考慮したプランにしてみたり。
問題のソノお家のリビングらしき大きな窓があるところには、
「曇りガラス」になるべく間取りになるようにプランしてみたり。


そしたら。


建売住宅の方の現場に、監督と2人で行った時にショッキングな発言がありまして。
大工さんと監督と私の3人で、お話してまして。
大工さんが「お隣の奥さんがいかにコワイか」を話してくれます。
問題のお家の向こう側の敷地を今度始めるんだよ。っつーような話もしていました。


そしたら。

監督が。
「コッチは基準法を守って、しかも、なるべく間取りとかも工夫してんだし。」
「先に建っている方がエライっていう問題じゃないし。」
「こないだも菓子折り持って挨拶に行ってんだし。」
「住んだ後は、住人同士の問題だから。」
「堂々とやってりゃ大丈夫。」

って、言うんです。

何かが違うと思いまして。
発言しました。

「隣人トラブルとかね、有り得ないような怖いことが起こらないとは言えないよ。」
「住んだ人は、20年とか住み続ける訳だから。顔を合わせ続ける訳だから。」
「ゴミとか回覧板とか町内会とかあるんだし。」
「配慮したからって後から住む人がエライ訳でもないんだよ。」
「なにしろ考えられる最大限の配慮をして慎重に進めないと、
 後から住むお客さんが生活しづらくなっちゃうよ。」

って。
なんかヤンワリと否定されましたけど。


監督は男子で、そりゃあ、女子に言われたことを素直に聞き入れがたい何かがあるってことは理解しているつもりです。

そこら辺はよくある話なので、差し引いて考えたとしても、むしゃくしゃしたのはですね。

『建築基準法に従ってやることやってりゃ、いいんだろうがよ、ヲイ。』
っていう態度。
『住むのが自分じゃないし、お客さんが住んだ後のことまで考えてる暇ありません。』
っていう態度。



ものづくり。

イッパン的な一個人にとっては大きなお買物。一生のお買物。
一生のお買物の中で、年月の経過とともに『生活』するもの。

簡単に買えません。簡単に売れません。

そういう「ものづくり」の一端を担うお仕事してるんです。
「建築基準法」を守ることは当然のラインです。

「住む人」「住む人の生活」が抜け落ちていて良い訳がないのです。


やたらと、ソノお家の奥さんに「ヘイコラ」しろっつてんじゃないのです。
協力して作って頂いている職人さん達に、ひと言声を掛けて、
工事のときにちょっと気を付けて頂くようにすればって。
問題の奥さんとたまたま顔を合わせたら、気遣いのアル挨拶をして頂くようにすればって。


作るのは「モノ」でも、作り手にも、買い手にも「ココロ」があるということを、
忘れちゃイカンということです。

「ハイ、監督のおっしゃる通りですね。」
って、黙っている態度は取れません。
関わっている以上は。


これからどのように工事が進められるのかは、まだ分かりませんが。


大切な何かを忘れちゃイカンと、色んな意味で自分に対しても思ったのです。


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