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2006/08/02
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或る手紙、あなたへ。













お返事遅くなってしまいごめんなさい。

近頃、なかなかゆっくりとPCを開ける時間がなくって・・・

って、言い訳ですね。

お手紙、じっくり読みました。

とてもとても嬉しかったです。

長い手紙は、嬉しいものです。

この歳になると、なかなかもらえないものです。

だから、とても嬉しかった。ありがとう!














気持ちを伝えてくれようとするあなたの文には

心が温かくなります。

ちゃんとしっかり伝わっています。

伝えてくれようとする事が、とても有難いのです。

読んでいて、私もたくさん考えさせられる部分があって、

素敵な文章です。














よく思うのが、あなたはとっても私に近い部分をお持ちです。

そう言うと、おこがましくなってしまうのですが、

私は、あなたの感情を文章で読んで、

ああ、近いなぁ、わかるなぁ、と

とっても共感できるのです。















あなたは、感受性がとても豊かな女の子だと思います。

その分、他の人より敏感で、

他の人よりも、辛いと感じる事が多いんじゃないかな。

なぜなら、他の人が気付かない辛さに、

気付いてしまう繊細さを持っているからだと思います。
















虚しくなってしまう、

いつも、どこか、何をしていてもどこか哀しい気分が根底から消えない、

そんな風に感じないかな?














私はそれを、『冷たい水』と名付けていて、

私もそうで、何をしていても、笑っていても、心の奥底にいつも

『冷たい水』がひたひたと流れている。

思うのが、この、奥底に『冷たい水』が流れている、

私やあなたのような人は、

生きるのがとってもしんどいし、辛くなったりする事が多い気がします。

そして、凹む事がどうしても多いし、凹みやすい。













この『冷たい水』っていうのは、

生きていく中でどうしてもついてまわる、この世に対しての

「虚しさ」だと思います。

これに気付く人はとても少なくって、

でも、これに気付ける人は、

とても優しい気持ちを持っているし、終わりの寂しさを知っている、

そんな人だと思うんです。














これはね、とっても長所だと思うんです。

私も最近、ようやく、その『冷たい水』とうまく付き合って

やっていける、そんな覚悟が出来始めた所です。

この歳になるまで、

その『冷たい水』の所為で、何をやっても虚しくって哀しくってダメで、

なんども、鬱になりやすい自分を責めたりしました。

でも、責めて抵抗していても、絶対に拭えないって事に気付いたんです。

そして、拭う必要もないと。














鬱になると、とっても辛いし、

自己嫌悪だとか、焦燥感だとか不安だとか、

そんなんばっかりで

もう何もかもがダメな気がする。

だから、そんな自分を変えたい!って何度も思った。














でも、変わらないんです。

この『冷たい水』は、なくならないんです。

だから、抵抗するより、仲良くやっていくしかない。

そんな事にやっと最近、気付いたんです。















それを自覚出来るようになってからは、

幾分うまくやっていけるようになりました。

『あ、また落ちてきている。』と、覚悟ひとつするだけで、

なんとか乗り越えられます。

津波が多い町、のようなものです。

津波を嘆くよりも、津波とうまくやっていく覚悟、です。

津波がきそうな時が、なんとなくわかるようになってくると、

しめたものです。














あとは、じっと耐えればいいんです。

津波は、いつか必ず、去ってくれます。

津波が去った後は、しばらく穏やかで、楽しく暮らせます。

いつしか、津波が多いこの町も、きっと愛おしく思える日がきます。















『ああ いいんだよ 君を悩ませる夜がきても

 この心はこんなにも 虹のように愛らしいのだ』












これを書いている丁度今、ステレオから流れてきた音楽です。

セカイイチ、『虹』です。

音楽は、本当に素晴らしいよね。

私も、BUMPに魅かれるあなたの気持ちがとてもわかるのですが、

例えば藤原君も、きっとその『冷たい水』を

根底に持つ、そんな人なんだろうと思います。

だから響いてくるんだろうね。















変わろうとせず、受容れる覚悟。

焦ろうとせず、今そこにあるものを大切に、ちょっとずつ変えていくこと。

そうしていけば、いつの間にか辿り着いている場所がある。

そんな事にようやく最近、気付いたよ。














私もあなたも、きっと大好きなものに対する愛情は

人並みはずれたものがあると思います。

それを、お互い、

ずっと大切にしていこうね。

それは、ある音楽かもしれない。

人かもしれない。

そんなものは、そう多くは無いから。

人生に必要なものって、本当に僅かなものだと思います。

それだけを、しっかり、離さずに。














と、いろいろ書いているうちに、

まるで自分に言い聞かせているようになってきました。

また、いつでも手紙ください。

こんな風に、出逢えるのも、

何かの縁だと思います。












ではではまた。











秋山 響子














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Last updated  2006/08/02 02:41:34 PM
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