目が覚めると一人の男は静かに立ち上がり窓を開けた。
朝靄に抱かれた街々がまだ薄明かりの中で眠っている。
外気は冷たい。顔を少し水気を含んだような
冷気が撫でていく。
皮膚が貫かれるようなピリッとした冷たさだ。
「いい朝だ」男は心の中でそう呟いた。
遠くにうっすらと山の頂が見える。
家の灯りや道路が無人の大地に静かに横たわっている。
それは、世界が死んだような眺めだった。
男は、その景色をじっとみつめた。
その風景がまるで自分のものであるように、
憂いと一種の憎悪にも似た表情で遠い獲物を
追っているがごとく、眼は異様な鋭さをもって光った。
何分くらい眺め続けただろうか・・・
男は、ワイシャツを着てズボンをはいた。
窓外を眺め続けている間、男はシャツとブリーフ
だけでずっと佇立していたのだった。
薄黄色のワイシャツに青色の縦じまのズボン、
男の肉体は、鍛え抜かれた筋肉で身に着けた
衣服を適当に膨脹させた。
肩幅といい、胸の厚みといい、圧倒される
ような躍動感が男の肉体にはあった。
はい・ストップ
この男は、これから何をしょうとしているのだろう。
このあとは、あなたの想像でこの男を動かして下さいね。