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数学を通して、老数学者と天才少年の子弟交流を描く漫画です。
我々の仕事は
宇宙の法 その「語り」に
耳を傾けることにあります
その声は非常に小さいので
静かに耳を澄まさなければならない
自分自身が法そのものとなるほど静かに
そこから聴こえた声を
「数」という体系で表現する
その表現を人々は-
数学と呼ぶ
冒頭、生まれ故郷の島での講演会で
老数学者内田豊が言う言葉。
結局誰も聴いてないのに腹を立てて講演を途中でやめ、
今は廃校となった母校の中学校で
少額5年生の天才少年関口ハジメに出会い、彼の教育を
決心します。
ははーこんな風に数学をとらえたれたら
、私だって
ベクトルも三角関数も微分積分も
あの頃より大分マシだったんじゃないか
とか
理系いけたんじゃないだろうか
なんて思ってしまう。
売れない頃はアルバイトで物理の先生をやっていた
という
クイーンのブライアン・メイも感動してくれるような
言葉じゃないかしら。
えへへっ。
ハジメ少年のライバルに手嶋ナナオ少年が出てくるんですね。
周囲に、家族さえ気づかなかった隠れた天才ハジメが
全て独学で、記号さえオリジナルに考案したものを使っていたのに比べ、
ナナオ少年は祖父から体系的な数学を教わりしかも天才。
そんな彼が、イギリスに留学します。
論文を数学の先生に提出するんですが、いきなり「つまらない」
を言われいくつ提出してもいい評価がもらえない。
何がダメなのかって悩むんですね。
そんな彼がバンド組みます。
ライブでやるのはなんと クイーン
。
彼はギターなんですが、ボーカルやドラムに次々ダメ出しして、
2とも辞めるって言い出す。
「肝心なところでうまくいかない…
多分俺はまだ自分の問題の本質を理解できていない」
と論文に高評価を貰えないことと併せて悩みだすナナオに、
同じバンドのアルが言うのね。
「君に足りないものの話かい?
クイーンはデビュー当時
批評家たちに
散々たたかれていたんだ
…
こんなバンドが売れるなら 自分は
トラックいっぱいの
帽子を食ってもいいとまでいった人も
いたそうだ
だけど
それを聞いて彼らは方向性を変えることは
しなかった
それどころか彼らの信じる音楽を
推し進めていったんだ
…結果は観てのとおり
クイーンは
イギリスが世界に誇る
唯一無二のバンド
だ
」
そうよねそうよねその通りよね
。
帽子ってトラックいっぱいも食べるって言ったのね
そこまで知らなかったわ。
ブライアンのギターなんて
「 鼻血の止まらぬようなギターソロ
」
とまで酷評されて、どんだけメンタル傷つけられたのかしら。
「僕は辞めてやる」ってロジャー言ったらしいし。
こんな風に、むかしのエピソードが伝説めいて漫画のヒトコマに
使われるようになったんだなあ
。
フレディのデフォルメは漫画であちこちみたけれど、
こんな風に使われるようになったんだなあ
おばさんは嬉しいよ。
漫画家さんもバンド組んでクイーンやってたそう。
( →WIRED「”ぬるい”と思われても「幸福な数学者」の人生を描きたかった
:『はじめアルゴリズム』著者・三原和人インタヴュー」
)
この後ナナオは
「テジー(手嶋ナナオのこと)が足りないと思っているそれは
テジーにとって
自分を曲げるほど必要なもの?」
とアルに聞かれて吹っ切れ、
抜けた2人を説得しバンドは復活。
「再現率高ぇ」
「ボーカルめっちゃ声似てね?」
「すげークオリティ」
と学生たちから驚愕されるステージを繰り広げます。
(ボーカルってフレディ?
めっちゃ似せることなんてできんのか)
物語は数学を学ぶため内田に引き取られ、
数学の聖地(なんだそうだ)京都で暮らすようになった
小学校5年のハジメが友達と過ごし、ナナオと切磋琢磨し、
数学検定不合格でスランプに陥ったり(その後合格し、
最年少合格記録を塗り替えた)
内田家の猫の死と0について考えたり、
サッカーのにわか監督になってどう蹴ったら一番ボールが
曲がるかを考えたり。
内田の弟子大貫、内田の息子ミツヤとの交流、
貯金が底をついた内田の邸宅売却を経て
ボロアパートで数学を学び、ある日。
内田は嬉しそうに
「私の授業はここまでだ」
とナナオの祖父がやっている優秀な数学者を育てる集団へ
行くよう言います。
内田の許を出たハジメは
中学校に入って同じ数学仲間剛田ハチに恋もする。
そんな中、今度はアメリカへ行くというナナオに
「お前の数学は面白くなくなってきている」
と指摘されてしまう。
数学は面白いかと聞かれ、悩んだハジメは-。
数学出来なくても十分楽しく読めます。
なんだか最後まで春風駘蕩、というか美しくて危うくて
世界がずっと広がって行くような感覚になる漫画で、
そこに クイーンが出てくるのが すんごくうれしい
。
えー…
クイーンの逸話が思いがけず漫画に出てきたのが嬉しくて
あらすじ書いてしまった取り留めないお話でしたっ
ちょこちょこっとづつ読めます。
→講談社コミックス「はじめアルゴリズム」:既刊・関連作品一覧
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