空と海と大地

空と海と大地

その2


(実は1校合格したのですが、手違いで入学できませんでした(苦笑))
“留学”という2文字がまた脳を横切りました。

昔、高校受験時に行きたかった高校の時も
その高校に通ってる自分を思い描いてると
ワクワクしてきました。

留学も似たような感じだったんです。
留学してる自分を考えてると
ワクワクしてくる!
勉強もいろいろしてみたい!
異文化を肌で感じたい!

ですので、自分で留学のことを調べ始めました。
雑誌を買ってきて
お金はどれくらい必要とか
場所はどこがいいかとか
アメリカの大学のシステムとか
いろいろ自分でできることはやってました。



で、両親にまた話を切り出すのです。
そして、いつものパターンというか
それより酷かったかな。


母の意見はいつも一緒です。
“お父さんがいいって言ったらね”


父はですね、話した瞬間、顔がしかめっ面になりまして

“受験に失敗したから逃げてるんじゃないのか、留学に?”

と言われました。


日本の大学行くのとアメリカの大学。
どっちが逃げになるのだろうか?

逃げになるかならないかの議論だったら
私の中で答えは明白。
日本の大学に行く方が逃げ。
入学しちゃえばこっちのもん。
テスト前に要領よく勉強すればAも取れるし
なにより卒業なんて普通にやってればできる。

アメリカの大学では日本の大学のようにはいかない。
ということは人から聞いたりして分かっていました。
大変だろうけど挑戦してみたい。


これらを父に訴えようとしたんです。

私は生まれて初めて父に反対したんです。

“留学したいのは逃げじゃないんだよ!”と。


でもなにせ、この歳で生まれて初めてですから
そんなに強くも訴えてないけど
“言葉に出す”という行為だけで
もう怖くなっちゃってたんです。
涙も流してました。
なので、言いたいことの半分も父には伝わってなかったと思います。



父も父で
留学には反対なんですが
娘が泣きながら口答えするのを始めて見るわけです。
心の中にある絶対反対というせりふを
口に出せないんです。

で、どうしたかというと

“考えとく”と言っただけでした。




私はね、そりゃもう、待つわけです。
父がいつ留学の話をしてくれるか
いつも不安まじりのドキドキで待ってるわけです。

でもですね、父はいつになっても話をしてこない。

で、私がしたことは?


“無言は反対ってことだな”

と自己解釈し(まぁ、当たってるんですが)
父と話し合いを持つこともなく
再び日本の大学受験の準備を始めました。



なんで私が父に話を持ち込まなかったか?

それは、怖かったからです。

何が怖いのかよく分からないんですけど
父が喜ばない嫌だと思う話を持ち出すのが怖かったのかな?
不機嫌な顔を見たくなかったからかな?

その恐怖に立ち向かう勇気がなかったんですね。
あの時の私は。


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