動物園・水族館 0
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先週参加した《イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜展》内覧会の続きをば~(^^)/『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜ーモネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガンー』展会期 2021年10月15日(金)~2022年1月16日(日)会場 三菱一号館美術館画像は美術館より特別に許可を頂いて撮影しております。第4章は「人物と静物」《レストランゲの肖像》ピエール=オーギュスト・ルノワール 1878 年《マダム・ポーランの肖像》ピエール=オーギュスト・ルノワール 1880年代後半ここでも、やっぱり一番心惹かれたのはレッサー・ユリィの作品《赤い絨毯》レッサー・ユリィ 1889年裁縫に勤しむ女性の図はユリィが頻繁に描いたモティーフなんだそうです。夫を亡くし裁縫によって幼い子供達の教育費を賄っていた母の姿を見て育ったせいなのかしら?今展ではDIC川村記念美術館と和泉市久保惣記念美術館が所蔵する2点の《睡蓮》(いずれも1907)も特別展示されてます。11月30日からは「睡蓮:水の風景連作」展の出品作の1点である、東京富士美術館所蔵の《睡蓮》(1908)も展示される予定とか。モネの庭のぼほ同じ場所を描いた作品を他の3点と比較しながら見られるなんて、モネファンのかたにとっては夢のような空間になりそうですねポスターのキャッチコピー「あなたの知らないモネが来る」という言葉どおり、モネもゴーガンも、これまでのイメージと異なる雰囲気のものが多くて少々戸惑いをおぼえたほどでした。《ウパ ウパ(炎の踊り)》ポール・ゴーガン 1891年これは従来通り(?)のイメージだけど、↓の2点は「ほんとにゴーガン?」とマジマジと見入ってしまいましたわ😅 左は《ヴォ―ジラールの家》1880年 右は《静物》1899年ミニサイズの小品にも魅力的なものが多数 左は《日没の運河、風車、ボート》ヨハンバルトルトヨンキント 1866-1876年右は《窓辺の女》エドゥアール・ヴュイヤール 1895-1900年この2点、不思議なパワーを感じて絵の中にグイグイと引きこまれそうになりましたゆっくりと絵画鑑賞したあとは、「青い日記帳」主宰のTakさんと当館の学芸員安田さんによるギャラリートークに参加させていただきました。お2人の膨大な知識と熱量溢れるトーク、とても勉強になりました特にイスラエル博物館に関してのお話は興味深かったです。イスラエル博物館1965年開館。イスラエルの首都エルサレムに所在する国立博物館で、配下にロックフェラー博物館も抱えている。同博物館内の「聖書館」は、死海文書を所蔵・展示していることで有名。マウリッツ・エッシャー作品のコレクションも有している(ウィキより)ユダヤ系財閥によって多くの美術品が寄贈されたというお話には、「さもありなん」と納得^^先史から現代まで約50万点の文化財を有し、数日かけても見切れないほどの規模を誇るというイスラエル博物館、ぜひ一度行ってみたいものですわ~(たぶん無理だけど)と、駆け足&とっ散らかった拙いレポで恐縮ですm(__)m来年1月28日(金)からは「あべのハルカス美術館(大阪市)」で開催(4月3日まで)されます。詳しいことは、あべのハルカス美術館の展覧会情報ページにて😉まるごと三菱一号館美術館 近代への扉を開く コレクション・ガイド/高橋明也【3000円以上送料無料】
2021.10.24
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三菱一号館美術館にて開催中『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜』展のブロガー内覧会に参加させていただきました。『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜ーモネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガンー』展会期 2021年10月15日(金)~2022年1月16日(日)会場 三菱一号館美術館休館日 月曜日と年末年始の12月31日、2022年1月1日 (ただし10月25日、11月29日、12月27日、1月3日、1月10日は開館)開館時間 10時~18時(祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は21時まで) ※入館は閉館の30分前まで概要本展はイスラエル博物館から、印象派に先駆けたクールベ、コロー、ブーダン、そしてモネ、ルノワール、シスレー、ピサロ、この流れを発展させたポスト印象派のセザンヌ、ファン・ゴッホ、ゴーガン、さらに印象派の光と色彩の表現を独特の親密な世界に移し変えたナビ派のボナールやヴュイヤールの作品69点を厳選、うち59点が初来日の名品の数々とともに、印象派の光の系譜をたどります。なかでも、睡蓮の連作で有名なモネの《睡蓮の池》は、特に「当たり年」と評される1907年に描かれたものです。この画家全盛期の作品を含めた出品作の大半が、日本初公開となります。(HPより)クロード・モネ《睡蓮の池》(1907)画像は美術館より特別に許可を頂いて撮影しております。約50万点もの文化財を所蔵しているイスラエル博物館のコレクションの中から、印象派を中心にした作品を展観する珠玉の展覧会!初来日の作品が多いためか、これまでの私のイメージを覆すような作品も多かったため、個人的には衝撃的な展覧会でした^^実はこれまで印象派の絵画って少々苦手だったんですどちらかというとドラマチックな絵が好みなので、ルーベンスやカラヴァッジョ、はたまたファン・エイクやヒエロニムス・ボスやブリューゲルなどのフランドル絵画などに心惹かれ~印象派の絵って観てると眠たくなるような心持になるので、正直なところ、これまでは避け気味でした😅でも、名品揃いの今展では眠気一掃~(笑)光さざめく印象派絵画の魅力に目覚めてしまいました展示会場は4章構成となっており、第一章は「水の風景と反映」 左は《川沿いの町 ヴィル=ダヴレー》カミーユ・コロー右は《川の景色》アルマン・ギヨマン 左は《エトルタ、アヴァルの崖》クロード・モネ右は《ロワン川のはしけ》アルフレッド・シスレー 左は《海景色》ギュスターヴ・クルーベ右は《夏の陽光》チャイルド・ハッサム《川のそばのカントリーハウス》ポール・セザンヌ第2章は「自然と人のいる風景」こちらもセザンヌ!《陽光を浴びたエスタックの朝の眺め》セザンヌは苦手だったけど、この伸びやかさ感じる2点にはホッコリと癒され~《朝、陽光の効果、エラニー》カミーユ・ピサロ絵から放たれる光には圧倒されましたゴッホが2点並んだコーナーは圧巻✨ 左は《プロバンスの収穫期》右は《麦畑とポピー》1888年作。アルルに移り住んだゴッホが意欲的に描いた作品。どちらも眩いばかりの光が充溢していて素晴らしい~第3章は「都市の情景」《アニエールのヴォワイエ=ダルジャンソン公園の入り口》ゴッホ1887年の作品。アルル移住の前、弟のテオを頼ってパリに移り住んだ時期でしょうか。今展で一番衝撃を受けたのはレッサー・ユリィ作品との出会い。 左は《冬のベルリン》右は《夜のポツダム広場》どこかソールライターの写真を思わせる雰囲気~思わず「これって印象派?」と疑問も湧きおこったんですが・・・はて?(?_?)ちなみにレッサー・ユリィのポストカードは夕方の時点で既に売り切れでしたモネの《睡蓮の池》も売り切れで、やむなく購入したのはコチラの3点と、と、まだ長くなりそうなので、今日はこのへんでm(__)mpart2は第4章「人物と静物」とギャラリートークをばtweet情報によると、売り切れていたレッサーユリィのポストカード、マグネット、ノートなど本日入荷したようです。わーん、買いに行きたいな~
2021.10.23
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昨日は久しぶりに内覧会に参加させていただきました。前回は2019年11月の「金文-中国古代の文字-」泉屋博古館分館だったから、約2年ぶりです^^「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜ーモネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」展会期:2021年10月15日(金)~2022年1月16日(日)会場:三菱一号館美術館 画像は美術館より特別に許可を頂いて撮影しております。モネの《水連の池》をはじめ初来日の作品が多くて驚きの連続~✨約70点すべて良品で見応えタップリでした!モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガンなどなど、お馴染みの画家がズラリと勢ぞろいだったんですが、これまで全く知らなかった画家さんも多数!いや~新鮮な衝撃でしたわ中でもレッサー・ユリィの作品が強烈に目に焼き付きました《夜のポツダム広場》ただ、興奮のあまり(笑)ついつい写真を撮りまくってしまって、例の如く写真の整理に手間取っています💦詳しいレポートは明日にでも~<(_ _)>今日は内覧会前にブラついたお散歩を(^^)/ 東急プラザ銀座の屋上はワーケーション向けのハイブリッドテラスにリニューアルされてました。テント付きの座席やコンセントも設置されてるようで・・・ご時勢ですね~^^銀座を見下ろす環境でバリバリとお仕事が進みそう店内もチョコっとだけ歩いたんですが、閉店のショップも増えててお客さんは少なめ銀座の一等地でこの状態って・・・・日本経済の先行きが少々心配かも😅まだ病み上がりなので、あまりうろつくのは危険(笑)なため、早めに美術館に移動して、ブリックスクエア内の庭園をお散歩しましたといっても、バラはまだチラホラ状態💦 内覧会受付時間まではブリックスクエア内の「ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブション」で休憩しました <林檎とキャラメルソースのガレット>とコーヒー。ガレットは香ばしく焼き上げたパリパリの生地が軽やか林檎のフィリングは爽やかで程よい甘さで、ほろ苦いキャラメルソースと相まって上品な味わいでしたさすがロブションと納得する極上な美味しさ~ただし、私はもう少しモッチリとした生地のガレットのほうが好きなんですけどね(;^_^ゆっくりとコーヒーを飲んでるうちに辺りは真っ暗に!陽の落ちるのが早くなりましたよね~。 ではでは、画像整理頑張ります^^
2021.10.22
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泉屋博古館分館にて11月9日から開催されている「金文-中国古代の文字-」その内覧会に先週、参加させていただきました。「金文-中国古代の文字-」会期 2019年11月9日(土)〜2019年12月20日(金)会場 泉屋博古館(せんおくはくこかんぶんかん)時間 10:00〜17:00(最終入場時間 16:30) ※企画により変更があります休館日 月曜日 アクセス 東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車すぐ展示概要今から三千年前の商周時代、様々な造形をもつ青銅器が盛んに製作されましたが、その表面には古代の文字が鋳込まれていました。金文と呼ばれる、現在の漢字の祖先にあたる中国古代の文字は、平面上に「書かれた」ものではなく、鋳物の技術によって立体的に「造られた」ものでした。 本展では青銅器にあらわされた文字、金文の世界をご紹介するとともに、復元鋳造レプリカやその鋳型を併せて展示することで、鋳物の技術としての文字=金文をわかりやすくお伝えします(HPより)画像は美術館より特別に許可を頂いて撮影しております。ちなみに今回は一点撮りは禁止のため、単体撮影やズームはでした。おまけに展示品の名前は漢字変換不能のものも多く、展示品名については全く自信なし~(涙)非常におおまかなレポートとなっておりますお許しくださいませ<(_ _)>最初に野地泉屋博古館分館長さんのご挨拶のあと、学芸員・山本さんによるギャラリートークへ 泉屋博古館の中国古銅器と鏡鑑は、質量ともに最も充実したコレクションとして世界的にも高く評価されています。そういえば、昨年、開催された「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」も、ちょうど今頃の時期だったことを思い出しましたあのおりは、青銅器の不思議な造形や文様にスッカリ魅了され~(〃▽〃)動物の姿を借りて神様を具現化している様々な青銅器からは不思議なオーラを感じたものです↑内覧会のおりにいただいた絵葉書左は「耳卣(じゆう)」西周前期 高(H)26.8cm右は「匽候旨鼎(えんこうしてい)」西周前期 全高(H)20.4cm今回の展示会では青銅器にあらわされた中国古代文字の『金文』に注目をあてています。でも「金文」と聞いても、私には全くピンと来ず金文青銅器の表面に鋳込まれた文字のこと。中国の殷・周のものが有名。年代的には甲骨文字の後にあたる。考古学的には「青銅器銘文」と称されることが多い(ウィキより)金文というからには「金で書かれた文なのかな?」などとトンチンカンなことを考えていた私・・・・(*ノωノ)お恥ずかし~い金文の「金」とは青銅の意味で、青銅器にあらわされた文字が「金文」なんですね。おまけに文字は彫って刻まれたのだと思ってたんですが、鋳型を使って鋳造されたものなんだそうです殷時代というとBC1300~頃今から3000年以上も昔に、そんな技術があったとは驚かされます ↓こちらは見卣(けんゆう)西周前期 BC11~10 泉屋博古館「卣」(ゆう)は大きな釣り手がつけられた器で、酒を入れて持ち運ぶために使用され、商代後期から西周中期にかけて流行した。器内底と蓋内部に銘が入り、5文字が施される。「見」の字は大きな目玉をもつ人が下をかがみ見るような姿勢を表している。その下に水の入ったタライを表す「皿」字がつくと「監」字になり、「鑑みる」という意味を表すようになる(展示解説より)画像は美術館より特別に許可を頂いて撮影しております。漢字のルーツと言われる「金文」ですが、昔の書体であらわされているものが多く、学芸員さんでも「内容はよく分からない」ものも多いんだとか(;^^)ただ、初期は記号のような象形文字など簡単なものから始まり、だんだんと文章へと変化したため、各時代の社会・政治などの変化も読み取れるようです。当時の社会の様子を理解するうえで重要な資料といえそうです 文の内容は祭祀にまつわる事柄や官職・政治施行の記録など、後期には武功自慢や土地争いの裁判など俗っぽい内容や文学的な表現もあるようです。どんなに時代を経ようと、人間の営みや欲望&美意識などは変わらないものなのかもしれませんね~(;^^ところで、文字を器の表面に鋳込む技術は、これまでは解明されてなかったそうですが、なんとなんと、当館学芸員の山本さんがその復元鋳造に成功されたんだとか館長さんによると「これまでの学説を覆すかも」だそうです。素晴らし~い\(^o^)/↑「芦屋釜の里」との共同研究による青銅器鋳造制作の過程が展示されていました。芦屋釜の里江戸時代初期頃に途絶えた芦屋釜の復興に取り組む施設。約3000坪の美しい日本庭園の中には芦屋釜復興工房、資料館、茶室などがあり、いつでも抹茶を楽しむことができる茶室などがあり、茶の心に親しむことができます(HPより)昨年の内覧会でも感じたことですが、学芸員・山本さんの青銅器にかける情熱がメラメラと伝わってきました彼が制作にもかかわった図録も圧巻の内容ますますのご活躍を期待しています館内にはレプリカも展示されており、こちらは触ることも可能です水書きの臨書(手本を真似て筆遣いを磨く書の鍛錬法のひとつ)ができるコーナーも今後は講演会やワークショップなど多彩なイベントも目白押し金文に関する展覧会はめったにないそうなので一見の価値大です六本木一丁目駅のすぐ近くという好立地ですので、ぜひとも足を運ばれてみてはいかがでしょう。そうそう! 最後になりましたがビッグニュースを泉屋博古館分館は今回の展示会終了後に一旦、休館となるそうです。リニューアル工事は2年間で、改装後のオープンは2022年の予定とか2年間も休館というのは寂しいですが、増改築にあたって展示室を増設、多目的ホールを新設、ミュージアムショップも増設なんですって!リニューアルオープンの日がいまから楽しみですo(^o^)o ワクワク㎰オマケ(笑) しばらく休館と聞いて、前々から欲しかった鴟鴞尊(しきょうそん)のフィギュアを購入しちゃいました昨年の内覧会のおりに、その愛らしい姿に一目惚れww「お酒を入れて神前に供える器」だそうですが、なんともひょうきんな表情がたまりませ~ん
2019.11.12
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先週参加した「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展」内覧会の続きをば~(^^)/100年経っても新しい「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展」♪会場 三菱一号館美術館 会期 2019年7月6日(土)~2019年10月6日(日)マリアノ・フォルチュニのプロフィール&展示会概要については、8月4日の日記「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展・part1」をご参照ください<(_ _)>*美術館より特別な許可を得て撮影しています会場内は、彼の幅広い活躍を象徴するように8つのフロアに分かれていました序章「マリアノ・フォルチュニ ヴェネツィアの魔術師」↑10代後半の自画像と、その元になったポートレート。第1章「絵画からの出発」↑父親(画家)の絵の模写やティントレットなど巨匠の模写も。フォルチュニ本人は生涯をとおして、常に「専門は画家である」と語っていたんだそうです絵画以外に写真や版画も展示されていたんですが、そのどれもがフォルチュニの美的感覚が生かされた端正な作品ばかり私の今展一番のお気に入りは繊細な版画(〃▽〃)↓←HPよりお借りしました<(_ _)>第2章 「総合芸術、オペラ ワーグナーへの心酔」 ↑<シェイクスピア『オセロ』の小姓のための習作>おもわず「こっちを向いて~」と言いたくなるような素敵な衣装と巻き毛&腰つき~(笑)ヾ(^^;)きっとイケメンに間違いなし!↑<リヒャルト・ワーグナーのオペラ『パルジファル』より クンドリ>鮮やかな花の間から覗く妖しげな雰囲気の美女眼差しがエキゾチック!第3章 「最新の染織と服飾 輝く絹地と異国の文様」代表作である「デルフォス」を中心に豪華な柄プリントの衣装など。円形ステージ上に飾られてるので、360度どの方向からも観ることが可能でした。 壁一面に飾られたテキスタイルや天井から下げられたフォルチュニ・デザインの吊りランプなど、空間全てがフォルチュニ一色↑極上の絹が醸し出す輝きと、身体に沿って流れる陰影の美しさにはウットリでした第4章 「写真の探求」↑フォルチュニ愛用の写真機とともに第5章 「異国、そして日本への関心と染織作品への応用」↑型染めして金糸などで刺繍も施された小袖など。下段のまん中画像のように室内着としても愛用していたようです↑江戸末期~大正時代の型染めの型紙など資料も多数展示されてました。おそらく、日本の品々から色々とインスピレーションを受けて、作品制作に結びつけていたのでは?↑テキスタイルの下図や試し刷り、型押しの木型なども多数展示されているので、テキスタイル好きだと、じっくりと時間をかけて鑑賞したいコーナー(≧∇≦)終章 「世紀を超えるデザイン」↑様々な形の吊りランプと、ザザ~っとメチャクチャ大まかに辿ってみました20世紀初頭、天才と謳われたデザイナー「マリアノ・フォルチュニ」は、ファッションだけではなく、画家、写真家、舞台芸術家等、さまざまな分野で才能を発揮した総合アーティストだった・・・ということを実感できる展示会でした。時を経ても古びない美しさに魅了され~そんなフォルチュニの魔力(?)が詰まった図録がコチラ欲しかったけど重さを考えて諦めました(;´д`)今展のグッズはとびきりエレガントなものばかり艶やかなスカーフにも心惹かれたけど、お値段がね~ (ちなみに税抜きで28,900円なり)結局、軽量かつ財布に優しい「クリアファイル」と「ノート」をチョイスww↓グッズの詳細はStore1894のページをご参照ください(^^)/今回の内覧会にはブログ仲間のじぇりねこさんとご一緒に参加しました残念ながら、私はくうちゃんの介護があるためギリギリ到着&直帰ゆっくりお話しできなかったのが心残りですでもギャラリートーク後の展示鑑賞はご一緒に回れて楽しかったぁ~三菱一号館美術館は2、3階と展示室が広いので、いつも途中で迷子(笑)になってしまう私だけど、じぇりさんに順路をフォローしていただいて大助かり(;^^じぇりねこさん、いつも足手まといでスミマセ~ンm(__)m着物フロアでは着物の構造なども教えていただいてサンクスですおまけにくうちゃん用の缶詰めまで持ってきていただいたんですよ!いつも細やかなお心遣いに感謝感謝~じぇりねこさんも内覧会の様子をアップされてるので、ぜひぜひご覧になってねじぇりねこさんのレポート「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展」会期は10月6日まで。(前期は8月18日まで。後期は8月20日から10月6日まで)一部展示替えもあるようなので要チェックです
2019.08.07
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先週末「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展」内覧会に参加させていただきました。「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展」会場 三菱一号館美術館 会期 2019年7月6日(土)~2019年10月6日(日)*美術館より特別な許可を得て撮影しています本展の概要軽くてしなやかな「デルフォス」(繊細なプリーツを施した絹のドレス)で一躍20世紀初頭の服飾界の寵児となったマリアノ・フォルチュニ(1871-1949)彼の邸宅兼アトリエを美術館として公開しているフォルチュニ美術館(ヴェネツィア)の全面的な協力のもと、本展では、フォルチュニ芸術の真骨頂である絹地のドレスやコートなどの服飾作品を軸に、絵画、版画、写真、舞台関連作品、彼が蒐集した日本の染め型紙を含むデザイン関連資料等を総合的に展覧します。グラナダで生まれ、ローマとパリで育ち、ヴェネツィアで制作して成功をおさめた彼の生い立ちから多彩な創作活動まで、近年世界的に注目されている総合芸術家・デザイナーの全貌に迫ります(HPより)開催前にパンフレットはゲットしていたものの、先日の日記にも書いたとおり「ドレスが並んでる展覧会?」と思い込み、いまひとつテンション上がらず(コラ)ほとんど下調べもしないまま、会場に足を運びました。ところが!会場内で自分の早合点に激しく動揺~( ̄ロ ̄lll)ドレスも素晴らしかったけど、それ以外の作品もすべて、突出した才能を物語る素晴らしい品々ばかり~(いや~スルーしなくて良かったわww)『ヴェネチアの魔術師』と呼ばれる「マリアノ・フォルチュニ」のことを、全く知らなかったって・・毎度のことながら己の無知さが恥ずかし~い(*ノωノ)←HPより画像をお借りしました<(_ _)>マリアノ・フォルチュニ(1871~1949)デザイナーだけではなく、画家、写真家、舞台芸術家、企業経営者とあらゆる顔をもち、さまざまな分野で才能を発揮しました。特に服飾デザインの分野では、女性をコルセットから解放した革命的なドレスの一つである「デルフォス」を生み出したことで歴史に名を刻んでいます(「みどころガイド」より)↑館内で配布されていた「みどころガイド」中面には見開きで『マリアノ・フォルチュニ人生双六』があり、彼のさまざまな活躍を知ることができます。『人生双六』によると画家である父と芸術一家出身の母のもとスペインに生まれた。父の急死後(フォルチュニ3歳)パリで育ち、イタリアのヴェネチアを 拠点として活動する。代表作『デルフォス』を1907年に発表(36歳)以降も会社経営、舞台照明や劇場設計、舞台衣装なども手掛ける。華々しい生涯を送り、まさに時代の寵児というべき存在だったフォルチュニと、双六を辿ってると時間がかかりそう(笑)なので、このへんで内覧会の様子へ切り替え~ まずは、アートブログ「青い日記帳」主宰のTakさんと担当学芸員の阿佐美淑子さんによるギャラリートークをお聞きしました。今回ギリギリ到着したため、トークの最初部分は聞きそびれでも「デルフォス」関連のトークはシッカリと伺えました ↑拡大画像はHPよりお借りしました<(_ _)>光沢ある上質のシルクで作られた「デルフォス」はとてもゴージャスかつ官能的(〃▽〃)縦方向に施されたプリーツが女性の柔らかな身体の線を覆って、身体を動かすたびに優雅に揺れるさまは、きっと多くの人を魅了したでしょうね~「デルフォス」は、1896年に発見された古代ギリシャ彫像「デルフォイの御者」に触発されて生まれたものなんだそうですルネサンス以降数百年間にわたる当時まで、女性はコルセットを身につけて、常に補正された身体の上から衣服を着ていたので、「デルフォス」の締め付けがなくストンとしたシルエットはとても画期的だったとか。おまけに当時の上流階級の女性は、コルセット装着時に手伝うメイドがいなければ外出もままならず状態ハイソな女性が一人で出歩けるのは「アフタヌーンティの時だけ」だった等、今では想像もつかないお話も伺えました(@@)気軽に一人で着替えられるということだけでも、女性にとっては福音だったんですね「コルセットからの解放」イコール「女性の行動範囲の拡大」と言っても、そもそも「コルセット」って日本女性にとっては縁遠いような気もします。日本は明治時代に洋装化したとはいえ、昭和初期までは着物姿の女性のほうが多かったはずですよね?日本女性の日常着が洋装メインになったのは、高度成長期の1960年以降という説もあるくらいですもん(;^^大正末期から昭和初期のモボモガが1920年代で、ちょうど「デルフォス」の隆盛と一致するから、日本の場合は和服から一足飛びに「コルセットなしの洋装」に変化した感じなのかも~?と、話が脱線しちゃってm(__)m「デルフォス」に戻してと・・クルクルと巻いて納めると、小さな箱で持ち運び簡単なのも大きなポイント↑の箱は「ストールを仕舞ってる箱?」と思ったくらいの小ささでした!これだったら旅行時もちなみに「デルフォス」の考案者はフォルチュニの妻であるアンリエットだったとか。彼女の写真や絵画もたくさん展示されておりました左画像はHPよりお借りしました<(_ _)>ギャラリートークではフォルチュニの経営する工場のお話も印象的でした ヴェネチア・ジュデッカ島にある工場は今も稼働しており、100年前の技術で作られているそうです。工場では工程ごとに職人さんが分けられており、総ての工程を知っているのは社長さんだけなんだそうですよ昔ながらの技術をシッカリと守っていってるってことですよね。学芸員さんのお話によると、フォルチュニは「パテントを守る」という意識の高い優秀なビジネスマンでもあったとか*美術館より特別な許可を得て撮影していますもうひとつの驚きは、舞台装置で使う間接照明&遠隔操作をフォルチュニが発明したということ間接照明などの技術はいまでは当たり前だけど、彼が発明したとは驚き~舞台美術デザイナーとしてマリアノ・フォルチュニは、ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの作品に大きな影響を受けた「ワグネリアン」だった。絵画から舞台美術と照明技術へと関心を移し、拡散光と間接照明を組み合わせた革新的な舞台装置を発明した。色つきのセロファンを重ね合わせる操作装置で電球の色温度を変化させるシステムも考案。漆黒の闇、朝焼け、強い日差し、嵐の到来を予感させる暗い空から夕焼けまで、自然現象や大気を再現できる装置は「フォルチュニ・システム」と呼ばれ、ヨーロッパ各地の劇場で採用された。(HPより抜粋)諸々の解説を伺って、展覧会への興味は一段とアップギャラリートークのあとは各章ごとにユックリと鑑賞させていただきました。会場の構成は序章 マリアノ・フォルチュニ ヴェネツィアの魔術師第1章 絵画からの出発第2章 総合芸術、オペラ ワーグナーへの心酔 第3章 最新の染織と服飾 輝く絹地と異国の文様第4章 写真の探求第5章 異国、そして日本への関心と染織作品への応用終章 世代を超えるデザイン後半は各章ごと&グッズについて、ご紹介させていただきます(^^)/part2に続く~♪(明日は太極拳教室終了後にお茶会があるので、part2アップは明後日頃に なりそうです)
2019.08.04
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「ギュスターヴ・モロー展」のおり、次回開催のパンフレットを目にして以来ず~っと楽しみにしていた『マイセン動物園展』展覧会開催前日の内覧会に参加させていただきましたパナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展覧会概要ヨーロッパ初の硬質磁器製造に成功し1710年に王室磁器製作所設立を布告したドイツのマイセン磁器製作所。本展ではマイセンの動物に着目しご紹介します。 19世紀後半から20世紀初頭にかけてヨーロッパの美術工芸界で流行したアール・ヌーヴォー様式はマイセンにも影響を与え、カップ&ソーサーから彫像にいたるまで幅広く取り入れられました。また同時期のマイセンでは、釉薬の下に絵付けする釉下彩や釉薬の上から描いた絵の具を沈みこませる釉中彩といった技法が多用されるようになり、淡く繊細な色調の作品が作られていきました。一方、動物をモチーフとした美術作品は時代や地域を問わず制作されてきましたが、それらは何かを象徴するために描かれたり成形されたりするものもあれば、そのもの自身の愛らしさを伝えるために制作されるものなど様々で、マイセンでも同様でした。とりわけアール・ヌーヴォー期の動物作品は、模様から表情まで、動物のしなやかさを表現することに成功し、リアルさと愛らしさを見事に両立させたのでした。 本展では、そのようなアール・ヌーヴォー期の作品を中心に構成しています。磁器や炻器に加え、カタログなどの資料類も展示し、新しいアプローチでマイセンの造形と装飾をたどります(HPより)開館期間 2019年7月6日(土)~9月23日(月・祝)開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで) ※8月2日(金)、9月6日(金)は夜間開館 午後8時まで (入館は午後7時30分まで)休館日 水曜日、8月13日(火)15日(木)入館料 一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 小学生以下無料 20名以上の団体は100円割引。*内覧会のため美術館より特別な許可を得て撮影していますマイセンってヨーロッパで初めて磁器製造に成功したブランドとして高名ですよね。デンマークのロイヤルコペンハーゲン、イギリスのウエッジウッド、イタリアのジノリをはじめ数々ある陶磁器ブランドのなか、「マイセン」はひときわ格調高く硬質なイメージを持ってました上品すぎてちょっと近寄りがたい、みたいな~?(;^^でも、そのマイセンにこんな可愛い動物作品が多数あるとは知りませんでしたマイセンの「動物」にテーマを絞った今回の展覧会驚きと共に、とても心弾む時間を過ごさせていただきました展覧会のみどころはリアルでありながら可愛らしい動物が大集合。出品作品の約9割が初公開。ほとんどが個人蔵なので次回公開は未定。 約120点からなる出品作品の8割が彫像作品会場内は4部構成となっており、第一章は「神話と寓話の中の動物」西洋美術では神話や寓話を主題にした作品が多いけど、陶磁器でも同様ですね。神話や寓話の世界が実に想像力豊かに表現されていました↓の《猿の楽団》 はユーモラスな表現が秀逸~(≧∇≦)1820~1920年頃 それぞれの衣装やしぐさ&表情など、人間を茶化したようなお猿さん達一人一人(?)を観てると時間を忘れそう~このシリーズは昔の型を使って今でも作られているのでコレクターが多いんだとか。確かにこれは一つ入手すると「次も」ってなりそうですね!↓《山羊に乗る仕立て屋》もなんとも愉快~ヤギの毛並みの繊細な表現力が素晴らしくて見惚れちゃいました↓《花鳥飾プット像シャンデリア》はゴージャス第 2 章 器に表された動物ここでは、「スノーボール」が圧巻でした(〃▽〃) たくさんの小花彫刻を貼り付けて磁胎を装飾する「スノーボール」はマイセンを代表するシリーズのひとつなんだとか。ちいさな小花を貼り付ける作業だけでも大変そうなのに、そのうえに植物や鳥類の彫刻も加え焼き上げられた超絶技巧の「スノーボール」は豪華絢爛~焼き上がりまでの工程を考えると気が遠くなりそうです(@@)特に大型のジャグや透かし彫りを施した大壺などには度肝を抜かれました↑透かし彫りの中には小鳥が!!これらを観て思い出したのは、宮川香山の真葛焼です。 ↑2016年サントリー美術館で開催された「没後100年 宮川香山」展のおりに撮影した画像(^_-)「マイセンやコペンハーゲンなどは宮川香山の真葛焼に多大な影響を受けた」という説もあるんだとか。「和と洋」の趣きはまるで違えども、発想の源は似通ってるように感じました華やかなスノーボールと同じ第二章フロアにあった「白鳥皿」(1820-1920年頃)は、渋い配色ながら、とても印象的*内覧会のため美術館より特別な許可を得て撮影しています第三章 アール・ヌーヴォーの動物19世紀末から20世紀初頭にかけ、ヨーロッパの美術工芸界ではアール・ヌーヴォーと呼ばれる様式が流行しました。これは曲線の多用を特徴とした様式で、マイセンでも取り入れられました。曲線を生かすためにマイセンでは色彩部分でイングレイズという技法を導入しました(HPより抜粋)「イングレイズというのは釉薬の中に絵具を染み込ませ閉じ込める技法で、柔らかな見た目と磁胎と釉薬に挟まれたことによる定着性が特徴」だそうです。動物達の柔らかい毛並みを思わせる色合いと、その表情の愛らしいこと~(〃▽〃)犬は飼ったことがないからよく分からないけど、ニャンちゃん達は皆「あるある」と思わせる見慣れた表情をしてて、愛猫家にはたまらない作品ばかり!犬猫ともそれぞれの性格まで伝わってくるような造形でした ↑ちょっと上目遣いな表情が我が家のくうちゃんに似てる(^m^) 他にもキリンやライオンなど野生動物の作品も多数あって大迫力だったんですが、写真をあまり撮ってなくて~精悍な姿に見とれてしまって撮影しそびれたようですm(__)mライオンやシルバーフォックスなど素晴らしかったんですけどね~↑デッサン画第四章 マックス・エッサーの動物↑《マントヒヒ、オラウータンなどのマスク》どれも非常に重くて、着用は無理だとかww壁掛け用に作られたようです。このコーナーではジャングルっぽい音響が流れていて、小さなお子さんだと怖がる可能性がありそうかも^^マックス・エッサー1920~30年代のマイセンでモデラーとして活躍した彫刻家です。マイセンにおけるアール・デコ様式を確立した一人ですが、とりわけベッドガー炻器で制作した動物彫刻が彼の名を知らしめた作品群と言えるでしょう(HPより抜粋)↓《ライネケのキツネ》 マックス・エッサー 1924~1934年頃 こちらはアールデコの影響を受けているせいか、装飾性大のわりにスッキリと洗練された印象を受けました会場の終わりには「国立マイセン磁器製作所」の写真と、1937年のパリ万国博覧会でグランプリを獲得した「かわうそ」が展示されてました。今回ギャラリートークをしてくださった美術館学芸員の岩井さんは、この「かわうそ」を抱きしめたいほど大好きなんだとか愛嬌のあるお顔だけど、ヌメヌメ感がとてもリアル・・・ リアルでありながらも、とてもかわいい超絶技巧の動物たち!観てるだけで心癒される展覧会でした動物好き&陶磁器好きのかたはもちろんのこと、日常の雑事でお疲れの方々&夏のデートコースにも超おススメです(^^)/パナソニック汐留美術館「マイセン動物園」展 2019年7月6日(土)~9月23日(月・祝)<ps>今回の内覧会はブログ仲間のじぇりねこさんも参加されました。内覧会前にはご一緒にランチも~(そちらは後日アップ予定)じぇりねこさん、楽しいひとときをありがとうございましたじぇりねこさんはレポートがとても丁寧なうえ、写真のセンスも抜群~ぜひとも彼女のレポもご参照くださいまし私も楽しみにしていま~す(⌒∇⌒)/
2019.07.07
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先日、パナソニック汐留美術館で「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち 」を観てきました。↑撮影可能なのは、この2カ所のみ! 会場内は撮影禁止です下の画像はHPよりお借りしています<(_ _)>ギュスターヴ・モロー展― サロメと宿命の女たち ―会期 2019年4月6日~6月23日会場 パナソニック汐留美術館開館時 10:00~18:00(5月10日、6月7日〜20:00)休館日 水(5月1日、6月5日、12日、19日は開館)観覧料 一般 1000円 / 65歳以上 900円 / 大学生 700円 / 中高生 500円 / 小学生以下無料 展覧会概要象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826‐1898)は、神話や聖書をテーマにした作品で知られています。産業の発展とともに、現実主義的、物質主義的な潮流にあった19世紀後半のフランスにおいて彼は、幻想的な内面世界を描くことで、真実を見いだそうとしました。本展は、そのようなモローが描いた女性像に焦点をあてた展覧会です。出品作品は、パリのギュスターヴ・モロー美術館が所蔵する、洗礼者ヨハネの首の幻影を見るサロメを描いた名作《出現》や、貞節の象徴とされた幻獣を描いた《一角獣》を含む油彩・水彩・素描など約70点によって構成されます。神話や聖書に登場する、男性を死へと導くファム・ファタル(宿命の女)としての女性、誘惑され破滅へと導かれる危うい存在としての女性、そしてモローが実生活において愛した母や恋人。展覧会では、彼女たちそれぞれの物語やモローとの関係を紐解いていき、新たな切り口でモロー芸術の創造の原点に迫ります(HPより)展覧会の詳細はブログ仲間のじぇりねこさんが日記アップされているので、ぜひぜひ彼女のレポをご参照くださいまし~!!私のほうは自分の気になるところだけを簡単にヾ(^^;)↑《出現》洗礼者ヨハネの首の幻影が現れるという稀有な発想、さまざまな時代や地域の建築・装飾様式を独自に取り入れた描写、膨大な習作やヴァリアントを伴う作画プロセスなど、多様な特徴と魅力をそなえたモローの代表作《出現》は、19世紀末の芸術家たちに多大なインスピレーションを与えました(HPより)彼の代表作である「出現」はインパクト大観る者の想像力を激しくかきたてる作品です従来のサロメの話では「お皿にのったヨハネの首」のイメージが大きいですよねモローの描くヨハネの首は、宙に浮いてるうえ眩い光を放っててびっくり仰天~おまけに背景に描かれているエキゾチックな線画部分が、とても魅力的(〃▽〃)展示の構成は4章で構成されてました第1章 モローが愛した女たち↑《自画像》と《アレクサンドリーヌ》第2章 《出現》とサロメ第3章 宿命の女たち↑左から《サロメ》、《エウロペの誘拐》、《トロイアの城壁に立つヘレネ》第4章 《一角獣》と純潔の乙女《一角獣》 1885年頃 油彩/カンヴァス 115×90cm 扇情的(?)な「ファム・ファタル」作品群から、モロー自身もエキセントリックな人物なのかな?と、これまで勝手に想像していたんですが・・・・・第一章の展示で、モローにとって「世界で一番大切な存在」であったという母ポーリーヌや、結婚はせずとも30年近くモローに寄り添い続けた恋人アレクサンドリーヌの存在を知り、画家モローの素顔を垣間見た気分です手紙や素描からは、母やアレクサンドリーヌへの厚い信頼感と、二人から得ていただろう心の安らぎの深さが伝わってきました(〃▽〃)会場内の説明文によれば「モローにとって『ファムファタル』は悪女ではない。女性の多面性や強さ、運命の力への憧れ」の象徴であるとか1888年に美術アカデミー会員に選ばれたのち、エコール・デ・ボザール(官立美術学校)の教授となって、たくさんの弟子に慕われたというエピソードや、彼の指導方針は「弟子たちの個性を尊重し、その才能を自由に伸ばすことであった」ということを知るにつれ、モローの人間的な懐の深さのようなものを感じられました。ちなみにマティスやマルケもモローの弟子です(^_-)ここで、昨年参加させていただいた「ジョルジュ・ルオー展」の内覧会のおりにお聞きした「ルオーはモローの愛弟子であった」という話を思い出し~☆この時は、20世紀最大の宗教画家とも言えるルオーと、幻想世界を描くモローの画風では、大きな隔たりがあるように思ってたんです。「親愛なる我が子」「偉大なる父」と呼び合うほどのモローとルオーの絆は、いったいなにゆえに~(??)と謎だったんですが・・・もしかすると、この子弟、お互いに願い求める絵画世界は違ったにしても、「希求する心」の強さが共通項だったのかも?←あくまでも私見です<(_ _)>会場内のルオーギャラリーでは、ルオーの《ピエロ》《秋の夜景》、そしてパリにある「ギュスターヴ・モロー美術館」の様子も映像で観ることができ、充実したひとときを過ごせました幻想的な世界に心惹かれるかたには超おススメの展覧会です(^^)/この日のランチは以前、じぇりねこさんに教えていただいた「ラ・ブシュリー・近江」で ↑一階は近江牛専門の精肉店肉で二階がレストラン。私は「近江牛ハンバーグランチ」夫は「キッシュランチ」をいただきました 近江牛の香り漂うハンバーグ&キッシュ、どちらもウマウマでした(≧∇≦)じぇりねこさん、いつも色んな情報をわけていただいてありがとうございます【中古】 ギュスターヴ・モロー 絵の具で描かれたデカダン文学 六耀社アートビュウシリーズ/鹿島茂(著者) 【中古】afbモロー (新潮美術文庫) [ ギュスターヴ・モロー ]ギュスターヴ・モロー 夢を編む画家 (「知の再発見」双書) [ ジュヌヴィエーヴ・ラカンブル ]
2019.05.05
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先週、静嘉堂文庫美術館で開催中「日本刀の華 備前刀」内覧会に参加させていただきました。「日本刀の華 備前刀」 会期 2018年4月13(土)~6月2日(日)休館日 月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)開館時間 午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)入館料 一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料 ※20名様以上の団体は200円割引会場 静嘉堂文庫美術館展示会概要日本刀の主要製作地(山城・大和・備前・相模・美濃)のうち、備前(岡山県南東部)は、上質な原料や水運の利に恵まれ、平安時代より優れた刀工を輩出し、圧倒的な生産量を誇ったことから、今日「刀剣王国」と称されています。備前刀の特徴は、「腰反(こしぞ)り」の力強い姿と、杢目(もくめ)を主体とした精緻な地鉄(ぢがね)に、「丁子乱(ちょうじみだ)れ」と呼ばれる変化に富んだ刃文とされています。その豪壮にして華やかな作風は、鎌倉武士や戦国武将たちをはじめ、多くの人々を魅了してきました(HPより)今回の展覧会では「備前刀の宝庫」として知られる静嘉堂の蔵刀を中心に、「古備前」と呼ばれる初期の刀工群である「一文字・長船・畠田・吉井・鵜飼」などが展示されておりました*美術館より特別な許可を得て写真撮影してます(普段は撮影不可です)刀剣以外にも、江戸時代に幕府の御用をつとめた後藤家歴代とその門流(脇後藤)による刀装具も展示されており、世界に3つしかないという「曜変天目(「稲葉天目」)」も特別展示されています 内覧会日は開催初日だったせいか、入り口には人が溢れてて行列が~いつもは静かな佇まいの静嘉堂文庫美術館なので、ちょっとビックリでしたここ数年、流行ってる刀剣ゲームの影響でしょうか?小さいお子さんを連れたファミリーの姿も数多くみかけました。バーチャルの世界だけじゃなく「本物を自分の目で見る」ことは重要ですよねまずはギャラリートークの前に、地階講堂で吉川永一氏(日本刀剣保存会 幹事)、静嘉堂文庫美術館学芸員山田正樹氏、そしてナビゲーターである「青い日記帳」Tak氏によるトークショーをお聞きました吉川氏は3代にわたって宮内庁の刀の手入れをされているということで、刀の保存の方法など興味深いお話をたくさん伺えました。なかでも一番(´・∀・`)ヘーと思ったことはよく時代劇でお殿さまが、テルテル坊主のミニサイズ(笑)みたいなのを持って、ポンポンポンと刀の手入れをしてるシーンって、あるじゃないですか!?あの包みの中身はてっきり錆止め用の粉かと思いきや・・・実は砥石をといだ上澄みを何度も漉した超細かい粉末なんだとかなので、粉を拭き取る時に刀身を傷つけるおそれがあるため、実際にはあまり使わないんだそうです^^実際の手入れのさいは、無水エタノールで刀の油をとったあと、再度油を塗って錆止めをするんだとか普通の刀の手入れは月一回でいいけど、宮内庁のものは月二回というお話や、刀に土を塗って刃文を作る作業は「土置き」という、などなど。なにぶん日本刀についてに基礎知識が全くないので、理解しかねるお話も多々ありましたが、あっという間に時間が過ぎ去り~トークショーの後は当館学芸員である山田正樹氏のギャラリートークに←木刀を持つ野口さん、切れ味鋭い解説が素晴らしかったです以下、展示品については、美術館HPの説明をお借りします<(_ _)>見どころ1 「備前刀の宝庫」静嘉堂所蔵の重要文化財4振・重要美術品11振を含む備前在銘作約30振が顔揃い!重文に指定される高綱・行光など現存稀有な古備前刀工の作をはじめ、それ以降の一文字派、長船派の歴代(長光・真長・景光・兼光)、直宗派の備前三郎国宗や畠田派、鵜飼派の雲生・雲次、吉井派の真則など備前物を総覧するような系統だったコレクションが一堂に会します(HPより)↑重要文化財「古備前高綱太刀」(銘 高綱) 鎌倉時代(12~13世紀) 附「朱塗鞘打刀拵」 桃山時代(16世紀)《信長公より拝領の朱鞘の太刀》一文字(いちもんじ)や長船(おさふね)といった刀工集団が形成される以前、平安時代から備前に続いた刀工の一群を「古備前(こびぜん)(派)」と呼ぶ。高綱は古備前成高の子で、元久年間(1204~06)頃の刀工と伝えられ、現存作は希少。刃文は直ぐ調(刃文の抑揚が少なく直線的に見えること)の丁子乱(ちょうじみだ)れで、一見シンプルな中に硬い鋼組織の作り出す細かな「はたらき」が変化に富んだ様子を見せる。「沸(に)え」と呼ばれる微細な鋼の粒がきらきらと輝く肌とともに、古備前刀工の特色がいかんなく発揮された名作(HPより抜粋)↑重要文化財「長船真長小太刀」(銘 真長)鎌倉時代(13~14世紀) 附「黒糸巻柄突兵拵」明治時代(19世紀)《影の名工、得意の小太刀》真長は長船派の祖・光忠の子、あるいは弟子。作刀の多くは、兄とされる長光の華麗な作風に比べて全体的に穏やかで、直ぐ調の地味な刃文となるが、本作は長光を彷彿させる「丁子乱れ」の刃文を焼いた華やかな出来である。(HPより抜粋)↑長船長光太刀 (鎌倉時代 13世紀)附 黄金造桐紋蒔絵鞘糸巻太刀拵↑一文字吉房太刀 (鎌倉時代 13世紀)附 雲文黒蒔絵鞘打刀拵 (江戸時代 19世紀)展示品を観ながら伺ったお話によると、元寇前までに造られた刀は、元寇の戦闘のおり実戦向けではないことが分かり、それ以降は国外での戦いにも備えた刀造りへと方向転換されたんだとか。ただ、江戸時代になると「実戦」から離れて、またまた華美な刀造りの方向へ~そんな贅をつくした美しい刀装具もズラリと展示されておりました見どころ2 武家金工の華・後藤家歴代の刀装具を特集展示!!刀剣を飾る金具―目貫(めぬき)・笄(こうがい)・小柄(こづか)などの装剣金具を製作した金工の後藤家は、室町時代中期の足利義政以来、足利将軍家、戦国時代の織田信長、豊臣秀吉、そして江戸幕府260年の間、16代にわたって時の権力者に重用され、その作品は武家の装う金工のなかでも最高の格式をもつものとされてきました。江戸将軍家代々の御用をつとめた後藤宗家、そして14あるという後藤家の分家(脇後藤)の名工たちのなかでも、その掉尾を飾る幕末の名工・後藤一乗による目貫・笄・小柄など、繊細な技の光る刀装小道具を展示いたします(HPより抜粋)武家の思想と美意識が詰まった素晴らしい職人技には惚れ惚れそして、さらにさらに見どころ3 国宝・曜変天目(「稲葉天目」)が特別出品されてます!!↑HPより画像お借りしました<(_ _)>これまで何度か静嘉堂文庫美術館に行きましたが、今回初めて観ることが叶いました(〃▽〃)なにしろ世界に3点しかないお宝自然光が降り注ぐラウンジスペースに展示されているので、朝・昼・夕方と日の光によって変化していく曜変の景色を観ることが可能です「曜変天目をひとめ観てみたい」という長年の思いが叶って、とても幸せ~ところで、静嘉堂文庫美術館は都内からだと少々遠く感じるせいか、美術愛好家の友人でも「一度も行ったことがない」という人も!でも私から見ると、実にもったいな~い今月末からGWもスタートすることですし、一度足を伸ばしてみてはいかがでしょう?静嘉堂文庫美術館には眺めのいいお庭もあるうえ、明治期に活躍した英国人建築家ジョサイア・コンドル設計の納骨堂もあります岩崎家廟ジョサイア・コンドルの設計によるもので、明治43年(1910)に建てられました。鹿鳴館の設計で知られるコンドルは、岩﨑彌之助の深川邸洋館(現・清澄公園内、現存せず)や高輪邸(現・開東閣)、三菱一号館(2009年復元、現・三菱一号館美術館)など、岩﨑家ゆかりの建物も数多く手がけています(HPより) ←庭園の展望台↑は昨年秋の内覧会に参加したおりに撮った画像です静嘉堂文庫正門から美術館までの小川沿いの小道も素敵なんですよ~(〃▽〃) GWには楽しそうなイベントも目白押しです【備前刀関連イベント】講演会 各日午後1時30分~ 地階講堂にて 定員120名 4月21日(日)佐藤寛介氏(東京国立博物館 研究員)「備前刀―その歴史と魅力―」 5月26日(日)吉川永一氏(日本刀剣保存会 幹事)「静嘉堂の備前刀について」 ※聴講は無料(入館料別)河野元昭館長のおしゃべりトーク 午後1時30分~ 地階講堂にて 定員120名 5月5日(日)「浦上玉堂―酒仙画家」饒舌館長 口演す ※聴講は無料(入館料別)職方実演会「日本刀にたずさわる職方の技」 (有料・職方の休憩時間以外は随時ご覧いただけます) 5月18日(土) 午前10時~12時、午後1時~午後4時30分 地階講堂にて 実演:水野美行氏(日本刀鞘師)、小澤茂範氏(刀匠)、川上陽一郎氏(研師) ※観覧券(300円)は、当日受付にて販売(入館料別)。 静嘉堂コンサート 「100万人のクラシックライブ」 5月11日(土) 午後2時~ 地下講堂にて 参加料1,000円(入館料別途必要) 予約制 静嘉堂ガーデン(ビアガーデン&カフェ) 静嘉堂文庫美術館前庭でのビアガーデンとカフェのイベント。 ↑新緑を観ながら、いいですね~(⌒∇⌒)静嘉堂文庫美術館へのアクセスは電車 東急田園都市線二子玉川駅よりバス、タクシー、徒歩バス 二子玉川駅バスターミナル4番のりばから東急コーチバス「玉31・32系統」 「静嘉堂文庫」下車(所要時間は通常8~10分。運行本数1時間に約3本)。 降車後徒歩約5分。詳しい交通案内はこちらで(^_-)そうそう もうひとつ嬉しいサービスも【タクシー代200円キャッシュバックサービス】タクシーを利用して入場すると「タクシー領収書と引き換えに、一台200円のキャッシュ バックあり☆武蔵野の面影を残した緑豊かな静嘉堂文庫美術館で過ごすひとときは、絶好のリフレッシュになること間違いなしです
2019.04.18
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三菱一号館美術館で開催中の「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡展」内覧会に参加させていただきました「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡展」開催会期 2019年3月14日(木)~6月9日(日)開館時間 10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで (祝日を除く金曜、第2水曜、6月3日~7日は21:00まで) ゴールデンウィークの4月27日(土)~5月6日(月・祝)は、 10:00~18:00まで開館します。 ※最終入館は17:30まで ※5月3日(金・祝)の開館時間は18:00までです。ご注意ください。休館日 月曜日(但し、4月29日、5月6日、6月3日と、トークフリーデーの、5月27日は開館) ※トークフリーデーは、声の大きさを気にせず鑑賞できる日です。主催 三菱一号館美術館 展覧会概要1848年、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティらが結成したラファエル前派兄弟団は、英国美術の全面的な刷新をめざして、世の中にすさまじい衝撃をもたらしました。この前衛芸術家たちの作品は、観る者の心に訴えかけ、広く共感を呼びました。人々は、社会の基盤が移りゆくなかで、彼らの芸術に大きな意義を見出したのです。その精神的な指導者であるジョン・ラスキンは、あらゆる人にかかわる芸術の必要性を説く一方で、彼らとエドワード・バーン=ジョーンズやウィリアム・モリスら、そして偉大な風景画家J.M.Wターナーとを関連づけて考察しました。本展では、英米の美術館に所蔵される油彩画や水彩画、素描、ステンドグラス、タペストリ、家具など約150点を通じて、彼らの功績をたどり、この時代のゆたかな成果を展覧します。(三菱一号館美術館HPより)ギャラリートークの始まる前に、少しだけ時間の猶予があったので、ひとまず駆け足で会場をざざっと観て回り、そのあとギャラリートークに臨みました *美術館より特別な許可を得て写真撮影しております普段の展覧会鑑賞時は撮影NGです!念のためただし、今展は一部写真撮影OKのスポットもあるんですこれは嬉しい企画ですね。三菱一号館美術館学芸員・本展担当の野口玲一さんと、美術blog「青い日記帳」主宰のTakさんによるギャラリートーク↓そもそも「ラファエル前派」という言葉にあまり耳馴染みがなかった私毎度のことながら、内覧会でのギャラリートークでは、色々お勉強させていただいてます(感謝感謝~)18世紀半ばから19世紀にかけて起こった「産業革命」という大きな社会変革を背景に起こった美術一派なんだそうです( ..)φメモメモラファエル前派ラファエル前派同盟は1848年にロセッティ、ミレイ、ハントを中心に結成。イタリアルネッサンス期のラファエロをお手本とする美術学校を不満とし、それよりも前の時代の簡素で誠実な表現を目指す(美術館リーフレットより抜粋)そんなラファエル前派の画家たちの精神的支柱&パトロンとなったのが、ジョン・ラスキンジョン・ラスキン19世紀イギリス・ヴィクトリア時代を代表する評論家・美術評論家である。同時に芸術家のパトロンであり、設計製図や水彩画をこなし、社会思想家であり、篤志家であった。ターナーやラファエル前派と交友を持ち、『近代画家論』を著した。また、中世のゴシック美術を賛美する『建築の七燈』『ヴェニスの石』などを執筆した。(ウィキより)これまた全然存じ上げませんでした(恥)英国では「19世紀の思想・芸術において最も影響を及ぼした人物の一人」として広く知られた人物だそうです「自然に忠実たれ」と自然を見てよく観察することを推奨し、画家たちの良き指導者&パトロンであるとともに社会学者など多才なかただったようです。日本でも夏目漱石や青木繁、柳宗悦の民芸運動など、ラスキンの影響は多大だったとかそのわりには、今現在「ラスキン」の名は日本国内ではあまり知られてないような?(私が知らないだけかも?^^)そんな関係上、美術展のタイトルを「ラスキン展」とせず「ラファエル前派」とつけた・・・な~んて内輪話的なこともお聞きできました(^m^) 今展の会場構成はⅠ ラスキンとターナーターナー「カレの砂浜―引き潮時の餌採り」↓ラスキン作の絵画と著書 ギャラリートーク前にラスキンの作品を見たときは「えらく地味だな~」(コラ)と思ってしまったんですが・・・彼にまつわるお話を聞いたあとに改めて観ると、恬淡とした水墨画のような味わいの深さに魅せられました(〃▽〃)自然の姿を通して物質の本源的なものに迫ろうとした、ラスキンの眼差しを強く感じたせいかもⅡ ラファエル前派↓ロセッティ「魔性のヴィーナス」 ↓ロセッティ「記憶の女神」 アーサー・ヒューズ「リュートのひび(不和の兆し)」↓ジョン・ウィリアム・インチボルト「アーサー王の島」この一派の絵画は「ラファエル前派のミューズ」といわれていたエリザベス・ジゼルをモデルとして描いたものが多いせいか、同じ顔に見えてしまって私はちょっと・・・好みじゃないかも~ちなみにエリザベスさんはロセッティの奥様です(^_-)Ⅲ ラファエル前派周縁↓フレデリック・レイトン「母と子」↓ジョージ・フレデリック・ワッツ「エンディミオン」↓ヘンリー・ハント「ヨーロッパカヤクグリの巣」ラファエル前派周縁緻密な自然観察、主題の誠実な描写という大原則は広く受け入れられ、やがて年長のウィリアム・ダイスやフォード・マドックス・ブラウンらが、代表的な存在とみなされるようになります。 これと並行して、ラスキンは著述活動を通じて、英国画壇に大きな影響を及ぼしました。 1860年代に入るとラファエル前派主義は、欧州大陸の影響下から生まれた「芸術のための芸術」という信条を掲げる運動―絵画は物語の描写よりも形式が本来もつ純粋で感性的な価値によって評価されるべき、とする唯美主義運動―に溶け込んでゆきます。(HPより抜粋)Ⅳ バーン=ジョーンズジョーンズ「赦しの樹」 「慈悲ぶかき騎士」 エドワード・バーン=ジョーンズラファエル前派同盟の作品に感銘を受け ロセッティに弟子入りをし、師や親友ウィリアム・モリスらとともにトマス・マロリー著『アーサー王の死』を主題とする壁画を描きました。 同じころ知り合い、精神的指導者と慕うようになったラスキンからは、イタリアへと赴き、巨匠画家の作品から学び、素描に励むようにとの助言を受けます。 彼の絵画は、その大半が神話や文学的な主題にもとづく一方で、明確な物語性を欠く作品もあり、次第に、形式の完成度に重きをおくようになります。(HPより抜粋)ちなみに・・ギャラリートークでも、お名前が出た青木繫さんの絵画↓「海の幸」↓こちらはバーン・ジョーンズの「怠惰の庭」確かになんとなく影響を感じますね~( ̄ー ̄)ニヤリⅤ ウィリアム・モリスと装飾芸術ウィリアム・モリスウィリアム・モリスとバーン=ジョーンズは、1853年にオックスフォード大学で出会って以来、生涯の友となる。1861年には家具、ステンドグラス、陶製タイル、壁紙、捺染布地や織物など、あらゆる種類の装飾芸術を扱う「モリス・マーシャル・フォークナー商会」を設立します(1875年に単独経営の「モリス商会」に改組)。 作品の下絵はすべて、仲間の芸術家らが手がけました。 また、美しいデザインの書物を世に送り出すために、 1891年に私家版印刷工房「ケルムスコット・プレス」を開設。(HPより抜粋)↓タイル「シンデレラ」 下段はウィリアム・モーガン「セラミックタイル」↑左側 ステンドグラスの下絵 ↑右 刺繍椅子や織物など芸術性の高い工芸品の数々が素晴らしかったです(〃▽〃)技術革新によって安価な商品が浸透し始めていた19世紀末~20世紀初頭の英国で、職人の手仕事の復興を目指したモリスなどの働きは、のちのアーツ・アンド・クラフツ運動へ~!そして、そんな流れが「日常的な暮らしの中に『用の美』を見出す」という日本の民芸運動にも繋がる、、、、ということのようです。う~ん、とても納得できましたこの「生活に必要なデザイン」を商品化するという姿勢は、現在社会でも広く浸透してますよねそういう意味では、モリス商会の作品が一番興味深く感じられました詩人、画家、美術批評家、地質学者、社会思想家であるジョン・ラスキンが育み、そこから発展していった19世紀末のエモーショナルな美に、強く心打たれました見ごたえピカ一の「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡展」、おススメです(^^)/今回、残念ながら時間が足りずにミュージアムショップに寄れなかったのが、心残りです図録(2300円)や白雲石タイル(1200円)に心ひかれ~最後になりましたが、一緒にお付き合いいただいたブログ仲間のじぇりねこさん、ありがとうございましたいつもお世話になってます<(_ _)>パワー大&行動力あるじぇりねこさんは、頼もしくて心強い存在だから、ついつい甘えてしまってスミマセン!(私のほうがず~っと年上なのに~)今後もよろしくです~<追記>じぇりねこさんの内覧会記事当方より、ず~っと詳しくて画像も素敵なので、ぜひぜひそちらへ(#^^#)/
2019.04.14
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泉屋博古館分館「明治150年記念 華ひらく皇室文化 ―明治宮廷を彩る技と美―」の内覧会に参加させていただきました。「明治150年記念 華ひらく皇室文化 ―明治宮廷を彩る技と美―」会場 住友コレクション 泉屋博古館分館会期 2019年3月16日(土)~5月10日(金) 前期:3月16日(土)~4月14日(日) 後期:4月17日(水)~5月10日(金)展覧会概要明治時代(1868-1912)、諸外国との外交のために皇室では洋装を採り入れ、洋食にて外国使臣をもてなしました。その舞台は、延遼館、鹿鳴館そして明治宮殿へと移り変わります。宮中晩餐会の食器やドレス、ボンボニエールなど華やかな宮廷文化を紹介します。 また、明治皇室は伝統文化の保護を提唱し、「帝室」(皇室)が「技芸」(美術)の制作活動を奨励する「帝室技芸員」制度が誕生します。美術界の最高の栄誉とされた彼らの作品は、日本文化の象徴として海外でも賞賛されました。 明治150年、そして新時代が幕を開ける今、明治皇室が守り伝えようとした日本の技と美をご覧ください。*展示替えあり(HPより)今回は皇室関連の作品がメインのため、撮影はNGでしたただし、ロビーの展示品だけは撮影OK梅花分宝石入小箱 夕景ー菖蒲華文・棗金羽文小筥ー小鳥たちのコロニーすべてミキモト所蔵品です。細やかな細工の美しさにはため息~容れ物そのものが、まさに「ジュエリー」*特別な許可を得て写真撮影しております。内覧会はロビーにて泉屋博古館分館館長・野地耕一郎さんと学芸員・森下愛子さんのレクチャーをお聞きしたあと、会場内でのギャラリートークへ 展示会場は、宮中晩さん会の洋食器やドレス、ボンボニエールなどが展示された「鹿鳴館の時代と明治宮殿」会場と、明治期の伝統工芸の技術品を中心とした「明治宮廷を彩る技と美」会場と2つに分かれておりました。「鹿鳴館の時代と明治宮殿」(画像はHPからお借りしました<(_ _)>)《中礼服 北白川宮妃房子着用》明治末期(20世紀)(通期)《鶴亀形ボンボニエール》明治天皇大婚25年祝典 明治27年(通期)《入目籠形ボンボニエール》大正天皇即位礼 大正4年(1915)(通期)ボンボニエールもともとはボンボンを入れる菓子器を指す語。ヨーロッパでは子供の誕生や結婚などの慶事に際して砂糖菓子が贈られることが多く、菓子器にも記念品としての性格が生じて、装飾性の高いものが生み出された日本では近代以降、宮中宴会の記念品(引出物)として配布される意匠を凝らした菓子器・工芸品がボンボニエールの名で呼ばれる(ウィキより抜粋)ボンボニエール中の菓子は金平糖だそうですちょうど手のひらにすっぽりと入る大きさのボンボニエールは、ミニチュア好きのハートを直撃~どれも精巧な細工が施され、日本特有の美意識と精緻な職人技のたまものだと思われます(〃▽〃)会場内でのギャラリートークで印象的だったのは「維新後、初めて晩さん会で洋食をもてなすさいに苦心したことは、洋食器のような平たい器がないことと、大勢の人数分同じ形状の食器を誂えること」だったんだとか確かに当時の和食器って、たいてい窪みがあるものばかりだっただろうし、欧米のディナーセットのような均一ものはなかったでしょうね~「明治宮廷を彩る技と美」(画像はHPからお借りしました<(_ _)>) 12代西村總左衛門《天鵞絨友禅嵐図壁掛》 第5回内国勧業博覧会出品 明治36年(1903)(前期) 板谷波山《葆光彩磁珍果文花瓶》大正6年(1917)(通期)日本の伝統工芸は海外でも高く評価されたものの、万博では「アートとして認められなかった」こともあったようです。そんな評価を跳ね返すべく、美術家や工芸家の顕彰制度である「帝室技芸員」が運営されたんだとか。帝室技芸員日本の優秀な美術家・工芸家に、帝室からの栄誉を与えてこれを保護し、更に斯界の奨励、発展を図ろうとした。1890年(明治23年)設置、1947年(昭和22年)廃止。絵画・彫刻・織物・漆工など他分野の作家が任命された。「帝室技芸員」制度は日本の美術工芸を奨励することが第一義であるとともに、江戸時代の終焉後に職を失ってしまった彫金師、金工師、漆などの工芸職人芸を守るという目的も大きかったそうですロビー横の泉屋博古館分館所蔵品コーナーも撮影OKでした↑左から羅浮仙人図 森寛斎 明治21年頃深山瀑布図 今尾景年 明治後期ー大正初期富士峰図 今尾景年 明治後期ー大正初期↑菊花形藤花図壺 初代宮川香山 明治39年青華鳳凰形花入 初代宮川香山 明治39年青華磁蓮形鉢 初代宮川香山 明治後期ー大正初期青華紅彩桃樹文耳付花瓶 初代宮川香山 明治後期ー大正初期*特別な許可を得て写真撮影しております。会場内すべて選りすぐりの逸品ぞろい日本の伝統工芸の技術の素晴らしさと、それを守り伝えようとした皇室の存在を強く感じた展示会でした平成から新しい年号に変わる記念すべき節目にあたる今、皆様も「華やかな宮廷文化」と日本伝統の「技と美」を体感してみてはいかがでしょう「華ひらく皇室文化展」の東京におけるもうひとつの共催展会場、学習院大学史料館でも3月20日(水)より特別展が開催されます。「明治150周年記念 華ひらく皇室文化-明治宮廷を彩る技と美-」開催場所: 学習院大学史料館展示室(学習院大学 北2号館1階)開催日時: 平成31年(2019)3月20日(水)~5月18日(土) 月~土 10:00~17:00 〔閉 室 日〕日曜・祝日、5月1日(水) 〔特別開室日〕4/14(日)(「オール学習院のつどい」) *入場無料こちらでは初公開となる「昭憲皇太后の洋装着座写真」や「宮家の饗宴を彩る華やかな正餐用食器」「日本の伝統工芸・漆に見る超絶技巧の品々」などが展示されます。こちらも、ぜひとも観にいきたいと思っていますちなみに、「泉屋博古館分館と学習院大学史料館の2館鑑賞」すると、特製絵葉書がいただけるようです。2館コンプリートを狙わなくちゃ~♪(^m^) ←特製ボンボニエール絵はがき
2019.03.19
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「子どものための建築と空間展」内覧会レポートの続きです*画像は特別な許可を得て写真撮影しております。第二次大戦前の「インターミッション 戦争前夜に咲いた花」の次は♦第3章「新しい時代の到来、子どもたちの夢の世界を築く 1950-1970」戦後から復興、高度成長と劇的に変化していく時代、子どもたちをとりまく環境はどのように変わっていったのでしょうか。科学的な視点に基づく建築計画学の成果として実現された「旧目黒区立八雲小学校分校(目黒区立宮前小学校旧校舎)」1955)他を紹介します。 また1950年代後半からはレジャーが流行し、遊園地の整備も行われました。 メタボリズムの建築家大谷幸夫と彫刻家のイサム・ノグチが「こどもの国」(1965)に実現した児童遊園も紹介します(HPより)戦後~高度成長期はスタンダードな大量生産型の学校が次々と建てられた時代!コンクリート製で画一的な校舎・・・まさしく私の小中学時代の校舎そのものですww学生時代過ごした学校はすべて、箱が並んだような無味乾燥タイプの校舎でしたでも、当時、オリジナリティー溢れる学校も建てられていた、と知って驚きました!↑愛媛県八幡浜市立日土小学校(重要文化財) 松村正恒1956(昭和31)年~1958(昭和33)年ウィキで調べたところ、設計した建築家松村氏は同県出身で、八幡浜市建築課に勤務していた時期に設計したんだとか。「2階建て木造建築で、鉄筋コンクリート造や鉄骨造が中心のモダニズム建築を木構造で実現した極めて稀なもの」だそうです。クラスター型(葡萄の房のようなかたち)に教室配置を採用したことによって、各教室に日差しが十分にあたるようになっているので、各教室とも光で満たされた明るい空間✨いいですね~もっとも午後は居眠りしちゃいそうですが~ヾ(^^;)こちらは丹下健三氏設計の「ゆかり文化幼稚園」 1967年 ↓丹下健三さんと幼稚園って、少々ピンとこない組み合わせですが・・建物の外観の力強さは、いかにも丹下作品って感じでした3章の展示品で目を引いたのは土門拳さんの写真です凧あげやチャンバラごっこ(?)紙芝居、ベーゴマなど、懐かしい昭和の遊びに興じる子供たちの生き生きとした表情が素敵でした(〃▽〃)♦第4章 おしゃべり、いたずら、探検-多様化と個性化の時代 1971-1985子どもの個性を伸ばす教育を目指す「オープンスクール」の教育メソッドがアメリカから導入され、校舎にも学級や学年の枠をとりはらった自由な活動のためのオープンスペースを取り入れた新しい試みが注目されます。「加藤学園暁秀初等学校」(1972年、槇総合計画事務所)や「宮代町立笠原小学校」(1982年、象設計集団)他を紹介します。 一方、幼児が本来持っている力に注目して、生活に基づいて幼稚園・保育園の空間を合理的に創っていった女性建築家小川信子の活躍も紹介します(HPより)この頃になると従来の型にはまった学校建築から一歩進んで、アメリカの「オープンスクール」を取り入れたりと、個性重視のアート的な建物が増えてきたとか。 ↑黒石ほるぷ子ども館 1975年 菊竹清訓建築設計事務所 下右は室内詳細図1:20(部分) 1977年 菊竹清訓 株式会社情報建築蔵 ↑宮代町立笠原小学校 1982年(昭和52年) 象設計集団第4章で大注目はこれ↓タコすべり台タコのような形のすべり台って、そういえば以前はよく見かけたような?今でも残ってるんですかね~そもそもは旧前田屋外美術株式会社(現:前田環境美術株式会社)さんが作ったものだとか。開発にあたっては学生さん達も参加されたそうですよ第5章 今、そしてこれからの子どもたちへ 1987-子どもが輝ける場所とはどんな場所なのでしょうか。建築家の参画が求められるケースが増え始め、新しい学習に対応した空間や、生活の場としての空間の豊かさを目指す学校が増え始めた1985年以降から現代(昭和60年代から平成)までを紹介します。「サレジオ小学校」(1993年、藤木隆男建築研究所)他をとりあげます。 「東松島市宮野森小学校」(2016年、盛総合設計+シーラカンスK&H)は学校を復興の地に開くことで、子どもたちと地域の希望の拠点となることを目指しています。 社会や都市のあり方が大きく変化する現在、子どもの遊び場と遊びの機会を取り戻そうとする試みも紹介します。(HPより)↑ふじようちえん 2007年 建築家:手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所)トータルプロデュース:佐藤可士和 園庭の延長となってる屋根が斬新~w(゜o゜)w↑東松島市立宮野森小学校 2017年 盛総合設計+シーラカンスK&H 撮影:浅川敏東北大震災後に建てられた学校です↑豊岡市立弘道小学校 1991年 いるか設計集団ここもクラスター配置(ぶどうの房状)の学校で、『迷路みたいな楽しい学校』と生徒たちにも大好評なんだとか。展示室の最後にはペタボーという遊具(?)が設置されていました。隈研吾さんの息子さんである建築家・隈太一さん発案の知育玩具だとか右下にある棒を上に投げるとペタッとくっつくので、上の網の形が刻々と変わっていく仕組みのようです。とっても単純だけど、小さなお子さんでも楽しめそうです以上、長々と書きならべてしまいました。どうも簡潔に要点だけ、というのが苦手で~御見苦しくてスミマセンm(__)m今展は学校建築の模型や写真に加え、その時代時代の子供の絵本や玩具など当時の風俗を感じるものも多数展示されていたので、建築好きの人以外でもおおいに楽しむことができると思われます。3月後半までの開催なので、ぜひとも一度足を運んでみることをおすすめします(^^)/「子どものための建築と空間展」会場 汐留パナソニックミュージアム会期 2019年1月12日(土)~3月24日(日) 一部展示替えあり→前期1月12日~2月12日、後期2月14日~3月24日。 開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)休館日 水曜日
2019.01.14
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汐留パナソニックミュージアム「子どものための建築と空間展」の内覧会に参加させていただきました。♦展覧会概要♦ひとが幼いときに過ごした空間は、原風景として長く記憶に留まり、少なからずその後の自己形成やライフスタイルの確立に影響を もたらします。本展は子どもが多くの時間を過ごす学びや遊びの場としてつくられた建築と空間のなかから、日本の近現代デザイン史に のこる優れた作品を紹介します。さらに美術家やデザイナーが子どもたちのために制作した多彩な遊具や玩具、絵本も展示します(汐留パナソニックミュージアムHPより)会場 汐留パナソニックミュージアム会期 2019年1月12日(土)~3月24日(日) 一部展示替えあり→前期1月12日~2月12日、後期2月14日~3月24日。 展示替えの詳細はHPにて1月12日以降発表いたします。開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)休館日 水曜日入館料 一般:800円、65歳以上:700円、大学生:600円、中・高校生:400円 小学生以下無料 20名以上の団体は100円割引。 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。 *2月14日以降に再入場の際は、半券ご提示で100円割引となります。 主催 パナソニック 汐留ミュージアム、朝日新聞社特別協力 クラレファスニング株式会社後援 文部科学省、一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、 一般社団法人文教施設協会、港区教育委員会会場構成 ヌーブ*特別な許可を得て写真撮影しております。会場内は各章ごとに色分けされた壁を背景に展示されてました。 第1章 子どもの場の夜明け 明治時代第2章 子どもの世界の発見 大正時代第3章 新しい時代の到来、子どもたちの夢の世界を築く 1950-1970第4章 おしゃべり、いたずら、探検-多様化と個性化の時代 1971-1985第5章 今、そしてこれからの子どもたちへ 1987- ギャラリートークではパナソニック汐留ミュージアム学芸員・大村理恵子さん、青森県立美術館学芸主幹・板倉容子さんのお話が伺えました。(本展は[2019年7月27日~9月8日]青森県立美術館に巡回するそうです)各章ごとの写真とともにギャラリートーク中にお聞きしたお話を少しだけ~♦第1章 子どもの場の夜明け 明治時代1872年に発布された学制(日本初の体系的な教育法制)と、7年後の改正教育令によって、すべての子どもが小学校に通うことが定められました。ここでは文明開化を象徴する擬洋風建築の旧開智学校(1876年 立石清重)を紹介します。近代的な一斉授業で用いられた新しい教材・教具も展示します。小学校の開設は幼児教育が始まる契機ともなりました。博覧会には遊戯機械が新しい娯楽として登場しました。(HPより)旧開智学校(重要文化財) 1876年 (明治9年)松本にある旧開智学校には以前、2度ほど行ったことがあります。擬洋風建築の立派な外観からは、当時の教育にかける期待の大きさがヒシヒシと伝わってきました!↓フリードリヒ・フレーベル考案の第一恩物 六球法や積み木など↓左上「学校体操運動図」歌川匡利 左下「学校授業の図」歌川房種↑右側は「博物図」こういう図を各学校の教室に飾ることによって、授業のスタイルがだんだんと定着していったのだとか。↓こちらの絵にはビックリ「第五回内国勧業博覧会」(明治36年)のチラシ、なんとウォーターシュートが描かれています。ハイカラだわ~第2章 子どもの世界の発見 大正時代大正デモクラシーを背景に大衆が文化を牽引した時代、より自由で生き生きとした教育体験を目指して設立された「自由学園」(1921年 フランク・ロイド・ライト+遠藤新)などの大正自由教育運動の学校を紹介します。また関東大震災後の耐震性と不燃化を追求した鉄筋コンクリート造の校舎もとりあげます。一方、商業・消費が発達したことにより商品、住まいやライフスタイルに子ども用の生活デザインが広まりました。その中で生まれた『赤い鳥』に代表される児童文学の原画も展示します。(HPより)このコーナーで一番魅力的だったのは「明日館」↓自由学園明日館食堂 1921年 フランク・ロイド・ライト+遠藤新 創設者である羽仁夫妻は「生活と美を融合すること」を目指していたとかコチラも二度行ったことがありますが、ライト独特の幾何学模様のデザインで統一された校内は温かさ溢れる空間でしたこんな素晴らしい校舎で過ごした日々は一生の宝物となったことでしょうね↓「赤い鳥」などの児童雑誌と、こども博覧会1926年(大正15年)のポスター。↓上 子供服 資生堂化粧部 (大正11~13年頃)↑なんてキュートなボタン!?と思いきや、「旧制成城高等女学校卒業記念ブローチ」だんだとかw(゜o゜)w陶芸家富本憲吉氏製作で、一つずつ手描きの文様と裏には卒業生の氏名が記されているそうです。素敵~3章の前にインターミッションとして「戦争前夜に咲いた花」も展示されていました。♦インターミッション♦1930年代は重工業化が進み、西欧の影響を受けたモダンデザインの学校が現れる時代です。「慶應義塾幼稚舎」(1937年、谷口吉郎)、「橋本市立高野口小学校」(1937年、薮本芳一)他を紹介します。 また政治的に不安定なこの時代にも子どもたちを魅了した児童雑誌等を展示します。(HPより)↓慶應義塾幼稚舎理科室内観 1937年 谷口吉郎このコーナーで一番印象的だったのはこちら↑「少年倶楽部」付録の軍艦三笠の大型模型です!さぞかし少年たちをワクワクさせたでしょうねちなみに軍艦三笠は前期1月12日~2月12日までの展示です。後期2月14日~3月24日の間は、同じく「少年倶楽部」付録の「エンパイアビルディング」だとか。こっちも見てみた~いと、長くなったので一旦アップします(^^)/実は今回、画像編集が不具合で大弱りでした昨年末、パソコンをかえたせい?スマホ画像だと大丈夫なのにデジカメ画像だと編集不能って、なぜだぁ~?(≧へ≦)画像アプリを使ってなんとか前半だけアップ出来たけど、part2も時間がかかりそうです
2019.01.13
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先週、泉屋博古館分館にて開催中の「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展ブロガー内覧会に参加してきました。泉屋博古館分館はオークラホテルのすぐ近く。これまで何度か横を通ったことがあるんですが、今回初めての入館でした。泉屋博古館住友家第15代当主「住友春翠」が蒐集した美術品を中心に、昭和35年京都東山の住友本邸の一角に財団法人として設立されました。泉屋博古館の名称は、江戸時代の住友家の屋号「泉屋」と約千年前に中国で編纂された青銅器図録『博古図録』に由来しています。(リーフレットより)明治中頃から大正期にかけて蒐集した泉屋博古館の中国古銅器と鏡鑑は、中国以外では質量ともに最も充実したコレクションとして世界的にも高く評価されているんだとか今回の展示会では、その素晴らしい青銅器コレクションのなから選りすぐりの逸品が大集合しています神々のやどる器―中国青銅器の文様―会期 2018年11月17日(土)~12月24日(月・祝)開館時間 10:00~17:00(入館は16時30分まで)休館日 月曜日(12/24は開館)入館料 一般800円(640)、高大生600円(480)、中学生以下無料 *20名様以上の団体はカッコ内の割引料金 *障がい者手帳ご呈示の方、および付添人1名様まで無料会場 住友コレクション 泉屋博古館分館画像は美術館より特別に許可を頂いて撮影しております 展示会概要中華文明を代表する存在である中国青銅器。今から3,500年以上前に誕生し、世界史上にもまれに見る複雑な造形へと発達した殷周青銅器は、後の時代の中国のみならず、日本の伝統的な金属工芸品にも多大な影響を与えています。また漢代以降に流行した銅鏡には様々な神、仙人、獣が描かれ、そこに映し出された世界には、古代の人々の思想を活き活きと読み取ることができます。 本展では、中国青銅器の文様に焦点を当て、古代中国の工人たちの卓越した技と、それによって表された古代の精神世界を探求することを目的とします。世界的にも名高い住友コレクションの数々の名品を通じて、古代中国の世界を余すことなくご紹介していきます。(展示替えなし) (㏋より) 内覧会では最初に野地館長さんの挨拶、京都にある泉屋博古館副館長の廣川さんと学芸員山本さんのギャラリートークがあり、展示品を前にしてそれぞれの詳しい説明をお聞きすることができました。古代の中国青銅器は日常生活のための道具ではなく、あくまでも儀式用に用いられた。先祖を祀り、特別にもてなすために作られており、表面に施された文様は動物の姿を借りて神様を具現化している。魔力や霊力のアイテムとしてだけではなく、不老長寿や子孫繁栄、昇進など世俗的な願いもこめられて、まさに「幸せを呼ぶアイテム」としての機能もあった。などなどの興味深いお話には、ひたすら「へ~?ホ~!」を連発するのみ(;'∀')文様は肉眼ではハッキリとわかりづらいものもあるためか、展示品の後方に文様を拡大した画像があるため、とても分かりやすかったです。例えば、会場内でひときわ目を引く《虎卣(こゆう)》 商時代後期一見すると不思議なケモノに抱かれてる?食べられてる?という印象なんですが…↓←絵葉書よりそのわりに、この男性の顔つきは穏やか~wwケモノの身体に刻まれた文様の解説を見ると、正面には獏や蛇背面には龍や虎が! 側面にも同様に虎や獏や龍などなど。 頭のてっぺんには鹿が~たくさんの動物に姿をかえた神に見守られていることによって、ケモノに抱かれた人物はこれだけ安らかな表情をたたえているのかも?^^他には食器や酒器、楽器として使われた青銅器も ↑爵(シャク)酒器 商後期 ↑敦(タイ) 穀物などを盛る器 戦国前期 ↑鐘(ショウ) 西周後期 実際に鳴らせるコーナーでトライしてみると、ものすごい大音量にビックリ~青銅鏡のフロアも各動物ごとに展示されていて圧巻でした↑龍の姿がクッキリ☆ ↑こちらは肉眼では見えにくかったけど・・・ ↑の画像で龍や虎の姿を確認できます「神人龍虎画画像鏡」 後漢中期 ↑ 「海獣葡萄鏡 」 初唐 とても躍動的な獣の姿に惚れ惚れ~他にもご紹介しきれないほど奇々怪々の獣や神様などユニークなキャラクターのオンパレード一つ一つの文様を確かめていくと、いくら時間があっても足りないくらいww隠れアイテム(笑)を探す楽しさを存分に味わえましたそんな中、今回私が一番お気に入りだったのはこちら↑ 「鴟鴞尊 しきょうそん」 商後期めちゃくちゃ可愛いくて連れて帰りたくなったほど~ブリューゲルやモスの描く絵画の中にいそうなキャラクターですよね紀元前という遥か昔の人々の、神を敬愛する心がこもった文様と不思議な世界観、そしてそれらを的確に青銅器の上に表現することのできる技術力にはただただ驚愕でした次回は単眼鏡を持参してぜひとも再訪してみたいと思ってます「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展2018年11月17日(土)~12月24日(月・祝)↑≪戈卣 かゆう≫ 商後期この子(?)も可愛い~(#^^#)掲載の画像は美術館より特別に許可を頂いて撮影しております(ps)京都市左京区鹿ヶ谷にある「泉屋博古館(京都)」では随時、異なるテーマで青銅器展示が開催されるんだとか。いつの日か、京都旅行のおりにはこちらまで足を伸ばしてみたいものです(〃▽〃)
2018.11.21
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三菱一号館美術館で開催中「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」会場 三菱一号館美術館開催期間 2018/10/17(水)~2019/02/11(月・祝)今回のブロガー内覧会では、ギャラリートークの前にミュージアムショップ「Store1894」内で「フィリップス・コレクション1/12再現ミニチュア・ギャラリー」の紹介がありました。解説してくださったのは、Store1894運営East代表の開さん「フィリップス・コレクション展」オリジナルグッズがズラリと並ぶショップ内で、ひときわ目を引いたのはこちら↑ヘボカメラマン(笑)のため、斜め画像でスミマセン<(^^;)> 1927年のフィリップス・コレクションの一室を再現したドールハウスです当時の部屋が忠実に再現されており、壁にかかる絵画はもちろんのこと、ソファの生地まで当時そのままに複製されているんだとかw(゚ロ゚)w←当時の写真有名なミニチュアアートの作家さんが制作されたそうですが、当時のフィリップスコレクションの雰囲気が如実に伝わる不思議な空間に見とれてしまいました美術ファンはもちろんのこと、ドールハウス愛好家にも垂涎ものかも~(^m^)ちなみに1/12サイズというのはドールハウスの標準縮尺なんですってねまったく知りませんでした英国のメアリー王妃に1924年5月に贈られた「メアリー王妃のドールハウス」が、1フィートを1インチに縮小した1/12の縮尺だったことから1/12スケール(英語版)が標準とされているそうです←(ウィキより)他にも「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」オリジナルグッズをご紹介↑「ミニチュアキャンバス」 税込3,800円~印刷・張りキャンバスまで丁寧に作られたミニチュアキャンバス。←画像はHPよりお借りしました<(_ _)> ↑ポストカード(税込150円)種類はなんと「Store 1894」歴代最多の64種類だそうです!フィリップスコレクション展に出品作品の8割以上を網羅しているという充実ぶりところが!説明会最後に開さんよりビッグニュースが発表~☆ポストカード全種類64枚入りセットも発売するんだとかうっかりしてお値段を聞き逃してしまったけど「半額以下」というお話だったから5000円くらいかも?超お買い得~もっとも「図録買えば?って話ですが」という声も出ていました(爆)図録(2500円)も魅力的~←画像はHPよりお借りしました<(_ _)> 本展展示作品75点をすべて網羅し、テキストパートと作品図版パートに分けて編集。テキストパートは、フィリップス・コレクションと三菱一号館美術館、両館の学芸員によるエッセイも収録。作品図版パートは、まるで画集をめくるような感覚でお楽しみ頂ける一冊になっています。(HPより)他にもオリジナルノート(税込300円)や、毎月異なるフィリップス・コレクションが楽しめる2019年版カレンダー(税込1,500円)も気になりました ↑どちらも画像はHPよりお借りしました<(_ _)> 残念ながら、今回は時間的に慌しくて一つも買えないまま~後日、再訪してユックリと品定め(笑)してからゲットしたいと思ってます。珠玉のコレクション収集家フィリップス氏には遠く及ばずとも、お気に入りのグッズを入手してプチコレクター気分(笑)を味わいたいです(´艸`)←HPより像お借りしました<(_ _)> Store1894開催中の展覧会や、三菱一号館の歴史や背景に紐づいた商品をセレクトし、国内ではストア1894でしか扱いのない希少な商品も多く、一味違ったギフトを選ぶにもおすすめの場所です。ストアには鑑賞券をお持ちでない方もご自由にお入りいただけます(HPより)営業時間 10:00~18:00 ※祝日・振替休日除く金曜、第2水曜、展覧会会期中の 最終週平日は21:00まで 休業日 毎週月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)、 年末、元旦、展示替え期間 ※美術館の開館時間に準ずる。アクセス 三菱一号館美術館1F「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」は来年2月11日までの開催です!閉会まであと3ヶ月ありますし、ぜひとも皆様も一度足を運んでみてはいかがでしょう。フィリップス氏の審美眼によってセレクトされたシックな名画の数々に魅了されること間違いなしです
2018.11.06
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三菱一号館美術館にて開催中「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」のブロガー内覧会に参加させていただきました フィリップス・コレクション展会場 三菱一号館美術館開催期間 2018/10/17(水)~2019/02/11(月・祝)開館時間 10:00~18:00 祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで 入館は閉館の30分前まで休館日 月曜日(但し、祝日・振替休日の場合、会期最終週と トークフリーデーの10/29、11/26、1/28は開館) 年末年始(12/31、1/1)展覧会概要米国で最も優れた私立美術館の一つとして知られるワシントンのフィリップス・コレクションは、裕福な実業家の家庭に生まれ、高い見識を持つコレクターであったダンカン・フィリップス(1886-1966)の旧私邸であった場所に位置しています。2018年には創立100周年を迎えます。1921年にはニューヨーク近代美術館よりも早く、アメリカでは近代美術を扱う最初の美術館として開館しました。フィリップスの常に鋭い取捨選択によって、コレクションの中核をなす作品群はいずれも質の高いものばかりです。本展では、この世界有数の近代美術コレクションの中から、アングル、コロー、ドラクロワ等19世紀の巨匠から、クールベ、近代絵画の父マネ、印象派のドガ、モネ、印象派以降の絵画を牽引したセザンヌ、ゴーガン、クレー、ピカソ、ブラックらの秀作75点を展覧します。(展覧会HPより)フィリップス・コレクションダンカン・フィリップスは、米国ペンシルベニア州の鉄鋼王を祖父に持ち、類いまれなフィリップス・コレクションを築いた。1921年、首都ワシントンにある19世紀建築の私邸に増築した大きな天窓のある一室で、亡き父と兄を称える美術館、フィリップス・メモリアル・アート・ギャラリーを開館。妻で画家のマージョリー・アッカーと共に、印象派の絵画や存命の芸術家たちの作品をくつろいだ雰囲気の中で鑑賞できる場を作り上げた。本展では19世紀以降の作品を展示し、フィリップスの蒐集へのアプローチやモダニズムに対する見方に焦点を当てる。フィリップスは1966年に亡くなったが、その精神はフィリップス・コレクションに受け継がれており、現在、同コレクションは4,000点以上の作品を所蔵している。(展覧会HPより)今展の展示作品はアングル、コロー、ドラクロワ、マネ、ドガ、モネ、セザンヌ、ゴーガン、クレー、ピカソ、などなど名前を書ききれないほど、巨匠がズラ~リ開催スタート当初にポスターを見た時は、あまりの豪華絢爛な顔ぶれに「ちょっと疲れそうかも?」と少々危惧しておりました^^;でも、意外なことに、想像してたより軽やかな(?)気持ちで観て回れました何故なのか?・・・・おそらく、内覧会の最初に行われた安井裕雄(三菱一号館美術館学芸グループ副グループ長)さんと、Takさんによるギャラリートークで「作品の展示順」をお聞きしたせいだと思われますちなみにTakさんは「年間に300、400の展覧会に通う」というカリスマブロガーさんです。なんと、今回の展示順はダンカン・フィリップス氏が作品を購入した年順なんだとかこれまで行ったことのある美術展って、作品制作順や肖像画・風景画などのジャンル分け等で展示されてることが多かったので、「購入順」の展示というのはとても新鮮な(笑)驚き~つまり展示を追っていくと、ダンカン・フィリップス氏の好みの変遷を感じることが出来るということですよねどの作品も、それぞれの時代情勢やフィリップス氏の年齢、そして、その時々の彼の感性に触れた絵画だと思うと、より一層興味深く鑑賞できました会場は7つの章に構成されていました1 1910年代後半から1920年代2 1928年の蒐集3 1930年代4 1940年前後の蒐集5 第二次世界大戦後16 第二次世界大戦後27 ドライヤー・コレクションの受け入れと晩年の蒐集8 ダンカン・フィリップスの遺志*画像は主催者様の許可を得て撮影したものです。1のフロアには「プラムを盛った鉢と桃、水差し」ジャン・シメオン・ジャルダン「聖ペテロの悔恨」ゴヤ「水浴の女(小)」ドミニク・アングル「パガニーニ」 ドラクロワ「スペイン舞踊」 マネ「海からあがる馬」 ドラクロワそれぞれの作品にフィリップス氏の言葉と当時の展示の写真が添えられており、画家を指す的確な言葉には感銘を受けましたフィリップ氏の言葉 ドラクロワについて「古い時代の芸術原理に立ち戻りながらも、新たな美的イデアに対して開放的な精神をもった果敢な画家である」なるほど~次の2のフロアには・・・と一つ一つアップするとキリがない(笑)ので、あとは私の印象に残った作品のみ(^^)/「養樹園」 クレー「アルル公園の入り口」 ゴッホ「道路工夫」 ゴッホ「新聞」 エドゥアール・ヴュイヤール「静物」 ジョルジュ・モランディジョルジュ・モランディの絵はここ数年、とても気になってます数年前、東京ステーションギャラリーで展覧会開催時は行きそびれてしまったので、今回、たっぷりと時間をかけて鑑賞させていただきましたフォルムと色のニュアンス・・・・ジッと見てるだけで心奪われ~今展は、日ごろ、絵画に興味のないかたには各巨匠のバラエティ豊かな作品を楽しめる美術入門として最適だと思われますし、いつもお好みの画家さんの展覧会だけしか行かない方々でも、会場内で新たな「お好み作家」の発見があるかも~(^0-)そうそう!私は今回、オスカー・ココシュカの「ロッテ・フランツォースの肖像画」に版権の関係上撮影禁止だったんですが、不思議なオーラを感じる作品には一目ぼれ~(〃∇〃)今後、ココシュカ氏のことを少し調べてみるつもりですと、長々しくなってしまいましたが最後に一つ!安井学芸員さんのお話におぉぉ~と驚愕したことを↑ドガの「踊りの稽古場にて」と ロダンの「女のトルソ、身体をねじって跪く裸婦」が同じフロアに展示されていたんですが、この二つは「ねじり」繋がりだとか改めてドガを見ると・・↑確かに、踊り子と一緒に踊ってる変なオジサン(笑)が身体をねじってるように見えますよね学芸員さんにお話を聞かなければ、絶対にこの二つの共通点は分からなかったと思われますw内覧会ではいつも「へ~??」と驚くような深いお話を聞くことが出来て、2時間があっというまです!今回お招きいただいた三菱一号館美術館様、内覧会主催のW社様、そして美術展裏話を沢山お聞かせくださった安井学芸員さん、Takさんにもスペシャルサンクスです~いつも拙いレポートで申しわけありませんm(-_-)mと、これだけ長く書いておきながら、part2グッズ編に続きますww
2018.11.04
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先日、パナソニック汐留ミュージアムで開催の特別展「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」内覧会に参加させていただきました「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」会場 パナソニック汐留ミュージアム開館期間 2018年9月29日(土) ~12月9日(日)開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで) 10月26日と11月16日は午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)休館日 水曜日(但し11月21・28日、12月5日は開館)入館料 一般:1000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 小学生以下無料 20名以上の団体は100円割引。 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。 ホームページ割引引き換え券はこちら展覧会概要20世紀フランスを代表する画家ジョルジュ・ルオー(1871-1958)。本展は、ルオーの画業の軸である聖なる芸術に焦点をあて、画家が目指した美しい愛のかたちを紹介します。敬虔なキリスト教徒だったルオーは、生涯にわたって「受難」や「キリスト像」などの宗教主題を数多く描きました。そうした主題を通して、人間の苦悩、あるいは慈愛や赦しを表現したルオーの聖なる芸術は、文化の違いや国境を超えて今なお多くの人々を惹きつけてやみません。画題が伝統的である一方、その造形表現は極めて革新的でした。またテーマの根底には、同時代の社会や人間に対する画家の深い理解がありました。本展は、こうしたルオーにおける聖なる芸術の意味とその現代性(モデルニテ)をあらためて問うものです(パナソニック汐留ミュージアムHPより)*画像は特別な許可を得て写真撮影しております会場内は赤、緑、青のトリコロールカラーの壁ごとに各テーマの作品が飾られ、ルオーの重厚な作品と鮮やかな壁との対比が実に美しく映えてました本展のみどころはヴァチカン美術館が初めて日本に出品するルオーの作品。 ヴァチカンゆかりの油彩《聖顔》、《パックス(平和)》、《秋 または ナザレット》 そして七宝作品の《聖心》パリに所蔵されている《ヴェロニカ》や《聖顔》、《キリストとの親しき集い》など、 ルオーの代表作、特に晩年の傑作の数々が集結。 ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館から《聖顔》、《ヴェロニカ》、 《受難(エッケ・ホモ)》、《エジプトへの逃避》、《キリスト教的夜景》の5点。 また、パリのルオー財団や個人からは、《サラ》、《我らがジャンヌ》、 《キリストとの親しき集い》など代表作を含む約40点が来日今回は「プレス内覧会」ということで、ルオーのお孫さんであるジョルジュルオー財団理事長のジャン=イブ・ルオー氏や、西南学院大学教授の後藤新治氏、そしてパナソニック汐留ミュージアム担当学芸員さんのギャラリートークをお聞きすることができました。 ジョルジュ・ルオー( 1871年- 1958年)パリの下町ベルヴィルで生まれ育つ。14歳でステンドグラス職人に徒弟奉公に出るが、画家を志して19歳で国立美術学校に入学。象徴主義の画家ギュスターヴ・モローに師事の薫陶を受ける。モローが死去したあとは、精神的に苦難の時期を迎えるが、カトリシズムを支えに乗り越え、1902年頃より、社会の底辺の人びとの悲哀や社会の矛盾への憤りを主題とする独自の画風を切り開いた。次第に作品は深いキリスト教信仰に根ざした穏やかなものになり、晩年には絵の具を厚く塗り重ねた独特の油彩表現によって、慈愛や静謐さをたたえた人物像や風景画を多く描いた。20世紀最大の宗教画家とも呼ばれ、死去に際しては国葬が執り行われた(パンフレットより抜粋)←今展のパンフレット第Ⅰ章 ミセレーレ:蘇ったイコン『ミセレーレ』とは父の死と第1次世界大戦の悲惨に直面したルオーが主題を深化させた版画集で、慈悲と戦争がテーマ。『ミセレーレ』は、いわば20世紀に蘇ったイコン(礼拝用画像)と言えます。(パナソニック汐留ミュージアムHPより)↑「ミセレーレ」のための廃棄された銅板第2章 聖顔と聖なる人物:物言わぬサバルタン「聖顔」は礼拝画像を想起させる荘厳さと不動性をたたえ、数あるルオーの主題の中でも特異な存在といえます。ここでは、ルオーが強い関心を抱いていた「トリノの聖骸布」や「ヴェロニカの聖顔布伝説」にも注目し、「聖顔」の創作の背景と作品に込めたメッセージに迫ります。また、鞭打たれたキリストや火刑に処されたジャンヌ・ダルクなど、「サバルタン(被抑圧者)」としての聖なる人物をいかにルオーが表象したかを紹介します。(パナソニック汐留ミュージアムHPより)ルオーが描くキリストは「反抗する言葉を持たない抑圧される者達の苦しみを代弁する姿」だとかポスターにも使われている「ヴェロニカ」は、問いかけるような眼差しと、それに呼応するような顔の周りのアーチがとても印象的でした絵の前に佇むと潤いを含んだ瞳に吸い寄せられそうな心地に~第3章 パッション:受肉するマチエールキリストの受けた苦難と人類のための罪の贖いを直截に伝える「パッション(受難)」の主題は、ルオーの宗教画題の作品の中でも繰り返し取り上げられました。この章では、1927年頃より構想された版画集『受難』を起点に、版画と関連して創作された図像や、《受難(エッケ・ホモ)》など後年の大作を取り上げ、「パッション」のテーマにおけるルオーの宗教的ヴィジョンを紹介します。また、1930年代以降にルオーの油彩画の技法は従来の「削り取る」手法から「積み重ねる」手法に移行しますが、こうして、成熟して「受肉」し、「物質」に変貌したかのようなルオーのマチエール(画肌)の変化も考えます。(パナソニック汐留ミュージアムHPより)生のルオー作品を観たのはホトンド始めてだったんですが、ここまでボリュームのある「厚塗り」だとは知りませんでした作品によっては平面画というより「彫刻」といってもいいほどの厚さを持ったものもあってビックリw(゚ロ゚)wでも後藤教授によると「塗り重ねては削り、塗り重ねてはまた削り」という作業を経てこその『ルオーのマチエール(画肌)』なんだとかこのへんのところは私にはいささか難解すぎて、理解しづらかったかも(^^;)ゞただ、その厚みのため傷みやすく作品移動は難しいため、貸し出しは10年に一回位である、というお話には深く納得できました中にはガラス無しで飾られてるものもあり、剥き出しの作品から漂うオーラはただならぬものでした 「聖心」や「三本の十字架」はどれも小品ながら、ルオーの精神性がヒシヒシと伝わり~ちなみに「聖なる心臓の図像」は、キリストの罪のあがないへの崇拝を象徴するんだとか。美しいステンドグラスの輝きにも心癒されました第4章 聖書の風景:未完のユートピア1930年以降、風景を描いた作品はルオーの制作の中核をなします。風景の中にキリストの姿が暗示され、神秘の光に変容した色彩で溢れるルオーの「聖書の風景」は、この世にはないある種のユートピアの表象とも考えられます。(パナソニック汐留ミュージアムHPより)ルオーの「聖書の風景」の絵に共通なのは「地平線」「人びと」「彼方には家」「天空には月or太陽」が描かれていることなんだとか。従来のユートピア絵画には柵で囲まれた閉鎖的な桃源郷というイメージが強いのに、ルオーのユートピアは世界と隔絶されていず開かれていることが特徴なんだそうです以上、途中で挟んでるコメントはギャラリートーク中に走り書きしたメモから引用していますなにぶんトークをお聞きしながら絵画を観ながら、と忙しく手を走らせたので自分でも読めないメモ書きばかり~( ;´д`)トホホ…多少、ニュアンスが違ってるかも?細かい齟齬はご容赦願いますです(_ _(--;(_ _(--; ペコペコここで衝撃の告白をば~ww実はわたくし、これまでルオーの作品は少々苦手だったんです重たく黒い輪郭線とコントラストの強い激しい色使いが、見てるだけで息苦しくて~(-_-;)でも、今回、後藤教授や学芸員さんのギャラリートークをお伺いしながら、90点もの作品を見てまわるうちに「愛の最も美しいかたちを描くことが終生のテーマ」であったというルオーの心情がジンワリと胸に落ちてきました今展は12月9日(日)までパナソニック汐留ミュージアムにて開催です。「人間に向けたルオーの愛に出会う」展示会、あなたもルオーの愛に包まれてみませんか?10月28日にはNHK Eテレ 日曜美術館(毎週日曜 午前9時 再放送は毎週日曜 午後8時)にて今回の「ルオー展」が放送予定だそうですよ~興味のあるかた必見です
2018.09.30
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先日、静嘉堂文庫美術館「幕末の北方探検家 松浦武四郎展」のブロガー内覧会に参加させていただきました。~生誕200年記念~ 幕末の北方探検家 松浦武四郎展会期:2018年9月24日(月・祝)~12月9日(日)休館日:月曜日(但し、9月24日・10月8日は開館)、10月9日(火)開館時間:午前10時~午後4時30分(入場は午後4時まで)入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料※団体割引は20名以上※リピーター割引:会期中に本展示の入館券をご提示いただけますと、 2回目以降は200円引きとなります。概要武四郎は伊勢国一志郡須川村(現在の三重県松阪市)の郷士の家に生まれました。10代半ばで全国を巡る旅の第一歩を踏み出し、旅の巨人とも称せられます。そして、彼の生涯はこの並外れた好奇心と実行力に貫かれていました。その好奇心と実行力が最大限に発揮されたのが「北方(蝦夷地)探検」でした。当時の蝦夷地に6回も渡って調査し、初めて内陸部まで詳細に記した地図を作成しました。また、明治2年(1869)、蝦夷地の新たな地名の選定を任され、「北加伊(海)道」という名を選びました。「北のアイヌの人々が暮らす大地」という思いを込めた命名です。ここには、彼とアイヌの人々との強い結びつきがあらわされています。さて、武四郎のキーワードはこの2つだけではありません。彼は「古物の大コレクター」でもありました。現在、静嘉堂では約900点にのぼる武四郎蒐集にかかる古物を収蔵しています。その蒐集の方法、保管方法などにも武四郎独自の感性、価値観を見て取ることができます。生誕200年の記念の年。本展示では、「幕末の北方探検家」「古物の大コレクター」という2面に焦点を当て、幕末・明治前期を生きた稀有な存在、松浦武四郎の姿をご紹介します。(静嘉堂美術館HPより)↑(静嘉堂文庫美術館HPよりお借りしました)松浦武四郎(1818-1888)皆様は松浦武四郎さんって、ご存知でしょうか?実は、恥ずかしながらワタクシは全く存じ上げませんでした(ノ∀;) なので、今回、おそるおそる(笑)内覧会へ足を運んだわけですが・・・・幸いなことに内覧会の最初に行われたトークショー(静嘉堂文庫美術館の河野館長、主任司書の成澤さん、そしてナビゲーター役のTakさんというメンバー)で、松浦武四郎さんの生い立ちや展示物の詳細などをタップリとお聞きすることができて、展覧会への興味が一気にヒートアップ~まっさらな気持ちで展示品に向かうのも一つの方法だとは思いますが、展示品の背景を噛み砕いて詳しくお聞きしたあとに観覧すると、よりいっそう理解が深まりました感謝感謝です松浦武四郎さんは三重県松坂市生まれ。16歳の頃、家を飛び出し日本諸国を巡ったあと、蝦夷地探索に出発。以来、6回も蝦夷地に赴き、明治2年(1869年)には開拓判官となって、「北海道」の名を命名したものの、翌年には官位を返上。以後は、縄文時代から近代までの国内外の古物を蒐集する好事家として余生を送ったんだとか。そもそも北海道に渡ったのは「ロシアの侵入に危機を感じたからではないか」というお話や、北海道での松前藩の取締りやアイヌへの圧力などに反発を感じて退官したのでは?というお話などから、武四郎さんの並外れた行動力や正義感を強く感じさせられました展示は1、幕末の北方(蝦夷地)を知る!2、松浦武四郎コレクションの世界と二つに構成されており、1では北方探査の成果というべき書物や文献が多数展示されていました掲載した写真は美術館より特別に撮影の許可を頂いたものです。展覧会開催中は会場内での写真撮影はNGです!(会場外の川喜田半泥子の焼き物だけは撮影OK)大首飾り 硬玉・碧玉・瑪瑙・水晶・滑石・ガラス製 縄文時代~近代 1連 最長 145.0cm明治15年撮影の現存唯一の松浦武四郎肖像写真に写っている大首飾りの実物であり、武四郎を象徴する遺品となっている。管玉・勾玉・切子玉・丸玉・八角玉・垂飾りなどの多種類の玉に金環・銀環も加えて絹糸でつなぎ、その総数は243点にのぼる。この内、例えば、勾玉は、碧玉製勾玉6点、硬玉製勾玉8点、瑪瑙製勾玉18点、水晶製勾玉5点、ガラス製勾玉1点、滑石製勾玉23点の6種類が含まれ、いずれも古墳時代のものである。複雑な形に組み上げられているが、この形は対馬国住吉神社の神宝として史料に残るものに類似していることが指摘されている(静嘉堂文庫美術館HPより)色とりどりの磨き上げた玉の美しさと、その大きさ長さにも圧倒されましたw(゚ロ゚)wなんと重さは3キロあるんだとか松浦武四郎さんはかなり小柄(身長150cm弱)だったらしいので、こんなロングサイズ&重量級の首飾りをしてたら肩こりしそうなもんですが・・・肖像写真では嬉しそうな「ドヤ顔」してらっしゃいます(´艸`)↑土地の人々の生活に密着して、地理や自然のみならず、その暮らしぶりなども詳細に記録されていました↑『東西蝦夷山川地理取調図』 松浦武四郎撰 安政6年(1859)刊 安政6年(1859)、武四郎は6度に及ぶ蝦夷地探査の集大成として地図を出版した。木版多色摺りの地図は、緯度・経度を1度ずつに区切ったものを1枚とし、26枚を並べると北海道・国後島・択捉島の地図になっている。地図中には川が流れる様子や、ケバ(細い線)で山がある場所を表現しているほか、アイヌ語の地名が9,800も収録されている。(静嘉堂美術館HPより)伊能忠敬や間宮林蔵の地図は主に沿岸部の測量に基づいたデータだったのに比べ、武四郎の地図は山間部にまで分け入り、歩測とスケッチ、そしてアイヌの人々から得た情報を加えて内陸部にまで詳細に表わされています展示2「松浦武四郎コレクションの世界」では古物のコレクターとして蒐集した膨大なコレクションが並んでいました ↑翡翠の首飾り 硬玉・蛇紋岩・ガラス・金銅製 弥生時代~近世 1連 内径 15.5cm金環1点、硬玉製勾玉(弥生時代)1点、硬玉製丁字頭勾玉(古墳時代)7点、蛇紋岩製丁字頭勾玉(近世)1点とガラス小玉(古墳時代)36点である。(静嘉堂美術館HPより)古墳時代の翡翠勾玉の大きさにはビックリ~w(゚ロ゚)w今では入手不能という澄んだ深緑色の美しさにはタメイキが出るほど学芸員さんのお話によると「今回の展示品のなかで一番高価な品と思われる」だそうです↑幼少期から鈴の蒐集を始めたのは、同郷の国学者・本居宣長が蒐集した古鈴の絵を目にしたことが、きっかけなんだとかコレクションには武四郎手書きの図入り説明書もあって、その入れ込みかたの激しさが如実にわかります↑どのコレクションにもちゃんと寸法どおりの箱があるのにも驚き~品物にピッタリの箱をすべて誂えて分類整理してたんだとか。収集品の幅広さも素晴らしいですが、それを全部細かく分類して整理するという武四郎さんのコレクター魂、熱いですね~学芸員さんいわく「今の日本の博物館構成に多大な影響をあたえたのでは?」ということです。そして今展の私個人として(笑)のハイライトがこちら↑河鍋暁斎が描いた「武四郎涅槃図」です。以前、静嘉堂美術館で開催された「―明治150年記念― 明治からの贈り物」で暁斎の「地獄極楽めぐり図」を見ることが出来て大感激だったんですが、彼がこういう絵を描いていたことは露知らず~(゚д゚; )残念ながら今回展示されていたのは現物ではなかったけど、暁斎らしい凝りに凝った涅槃図が見られて嬉しかったです釈迦涅槃図の伝統的な形式を踏襲しつつ、中央に横たわる武四郎を中心に、釈迦入滅を悲しむ菩薩や羅漢の他、本来なら動物が描かれる部分に、神仏像類・仏画類・郷土玩具など、お気に入りのコレクションがズラリと並ぶ「変わり涅槃図」、いかにも暁斎らしい楽しさ↑今回の展示では、涅槃図と比べて見られるように、図に描かれているコレクションが絵同様の赤い台に並べられていました。制作途中にも武四郎から細かい指図が出たため、絵の完成には5年を要したんだそうですよ~(^m^)他にも紹介しきれないほど沢山の展示品が並び、見ごたえ充分の今展示会、これでも、武四郎古物蒐集品のほんの一部とか小柄な身体で日本諸国ならび北海道から国後、択捉、樺太など何度も探査して歩き、古物の蒐集にも精力的・・どれだけ膨大なエネルギーをお持ちだったんでしょうね~好奇心の大きさはもちろんのこと、体力&胆力の大きさにも圧倒されました。というわけで、またまたトッ散らかったレポートになっちゃいました読みづらくてすみませ~ん<(_ _)> 最後にトビッキリのトピックスを一つ松本 潤&深田恭子出演の北海道150年記念ドラマ「~北海道と名付けた男 松浦武四郎~」が来春放映されるんですって脚本は大石 静さん。2019年春[総合]北海道で先行放送の後、全国放送(73分)だそうですトークショーで、そのお話が暴露(笑)されたとたん、ブロガー女子達からドヨメキが~(´艸`)静嘉堂美術館での「幕末の北方探検家 松浦武四郎展」は12月9日まで。来春のドラマ放映の前に、静嘉堂文庫美術館で予習(笑)をしてからドラマをご覧になるのはいかがでしょう?
2018.09.27
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先週、損保ジャパン日本興亜美術館にて開催「カール・ラーション展」のプレス内覧会に参加させていただきました。『カール・ラーション スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家』会期 2018年9月22日(土)~12月24日(月・休)休館日 月曜日(ただし9月24日、10月1日、8日、12月24日は開館)会場 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館開館時間 午前10時-午後6時(ただし10月3日(水)、26日(金)、 12月18日(火)~23日(日)は午後7時まで) ※入館は閉館30分前まで観覧料( )内は20名以上の団体料金および前売料金 一 般:1,300円(1,100円) 大学・高校生:900円(700円)※学生証をご提示ください 65歳以上:1,100円 ※年齢のわかる物をご提示ください 中学生以下:無料 ※生徒手帳をご提示ください ※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を提示の ご本人とその付添人1名は無料。被爆者健康手帳を提示の方はご本人のみ無料。※10月1日(月)はお客様感謝デー(無料観覧日)展覧会概要家族をモティーフにした温かい作品で知られるスウェーデンの国民的人気画家カール・ラーション(1853~1919)。彼は昔ながらの伝統が残るダーラナ地方に「リッラ・ヒュットネース」と呼ばれる家を入手し、妻カーリンとともに理想の家へ改装していきました。その暮らしぶりを描いた画集は現代のスウェーデンのインテリアに深い影響を与え、各国でも翻訳出版されています。本展は、絵画をはじめ、夫妻がデザインした家具やカーリンのテキスタイルなど日本初公開を含む品々を展示し、世界を魅了したライフスタイルに迫ります。 *写真撮影は美術館より特別に写真撮影許可をいただいています。カール・ラーション(1853年 - 1919年)油彩・水彩ともに多数の作品を残し、フランス印象派の画家に多大な影響を与えたとされる。自身の家族を題材として当時の中流階級の日常生活風景の作品を数多く残し、その情景から溢れ出す幸福感が人々の共感を呼び、大いに人気を集めた(ウィキより)プレス内覧会ということで、カール・ラーション・ゴーデン記念館館長キア・ジョンソンさんラーション家の血筋を引くオスカー・ノルドゥストルムさん(カール・ラーション家族会会長兼ウプサラ大学経済学部教授)等に貴重なお話をたくさん伺うことができました。ラーション氏は日本文化や美術に関心があり、浮世絵から影響を受けた絵画も多く、手前に大きく花を描いた「アザレアの花」も浮世絵の影響大なんだとか↓ ↑客間に置かれた椅子の「カエル」も浮世絵から、とか絵画はもちろん画集や絵本など、どれも温かな家庭を題材にしたものが多く、見てるだけでラーション氏の家族へ対する温かな眼差しが感じられます ↓庭に集うラーション一家(1906~07年頃)「リッラ・ヒュットネース」での生活を再現したコーナーも見ごたえタップリでした↑カール・ラーションが着用のスモックや帽子、赤い肘掛椅子↑白いドレス(普段着)や黒いトリムの帽子、クッション(スイカズラ) 青い椅子↑紫のドレス、帽子当時の婦人服はコルセット着用の身体を締め付けるものが流行していたにもかかわらず、カーリン夫人は動きやすく上品に見える洋服をデザインしたんだとか生活の隅々にまでラーション夫妻の感性が生かされた暮らしぶりには感嘆するばかり~(〃∇〃)ドレスや帽子などの服飾品のほか、家具やクッションなどなど、暮らしにまつわる品々すべてに、二人のインスピレーションが生かされているように感じました↑食堂の長椅子に置かれていたカーリン夫人デザインのクッション ↑カーリン夫人のデザインしたタペストリの中には、日本の刺し子をイメージしたものや「家紋」をイメージしたものまであってビックリw(゚ロ゚)w) ↑フリンジの栞付きブックカバー ↑カーリン夫人独自のステッチも使われているクッションいまでこそ、北欧インテリアといえばすぐに「シンプル・ナチュラル」そして居心地のいい空間が連想されるけど、おそらく、その源となったのはカール&カーリン夫妻の「理想を生きた手作りの暮らし」の中にあるのでは?と思えた展覧会でしたラーション夫妻のチャーミングなライフスタイル、必見の展覧会だと思われます
2018.09.25
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