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本当は別の予定だったのだけど、当てが外れたもので、録画ストックの中からチョイス。これ3年前くらいにBSで放送されたものだな、2016年3月25日に行われたキューバ、ハヴァナでのローリング・ストーンズのライヴの模様を視聴。「ザ・ローリング・ストーンズ ライヴ・イン・ハバナ、キューバ」のタイトル、DVDでは「ハバナ・ムーン ストーンズ・ライヴ・イン・キューバ2016」で出ていて、劇場でも公開されたものだ。フリーコンサートで、観客は120万人?とにかく、ものすごい聴衆だ。ミック・ジャガーが言うように、つい数年前まではキューバでストーンズの音楽を聞くことは難しかったのだろう。しかし、観客の歓喜に溢れた表情は素晴らしく圧巻の光景だ。まずはオバマ大統領がキューバを訪問し、その数日後故に、“オバマが前座”のキース・リチャーズの発言は、あながちホラではない?”ジャンピン・ジャック・フラッシュ”でスタート。ドラムは勿論、在りし日のチャーリー・ワッツによるものだ。“アウト・オブ・コントロール”って「ブリッジズ・トゥ・バビロン」からの曲か、ちょっと珍しいね。ミックがハーモニカを吹く。“アンジー”では、ロン・ウッドがふかしタバコでギターを。この辺はキューバでも大丈夫だったのだろうか。“ホンキートンク・ウーマン”ではキースのソロに続いて、キーボードのチャック・ラヴェールのソロも。コーラスはバーナード・ファウラーとサーシャ・アレンの二人。サーシャは、勿論、“ギミー・シェルター”等でフィーチャーされる。メンバー紹介の後、そのまま、キースのヴォーカルに。そして、“ミッドナイト・ランブラー”からの、ライヴ定番中核ナンバーが続く。とにかく、ミックの動きが絶好調だな。“悪魔を憐れむ歌”では毛皮姿で。地元のコーラス隊を迎えた”無情の世界”ではギターも弾く。スペイン語MCも巧みにこなしてショーマンとしての存在感は相変わらず絶大だ。セットリストでは、アンコールが色々あったみたいだけど、こん番組では“サティスファクション”までで終了。勿論、歴史的なコンサートとしての価値はあるのだけど、とにかく、やっぱりストーンズのライヴの醍醐味というのは変わらず味わえる。今年は、ようやくニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァルでのライヴも実現して、その模様もフルセットで映像が見られるようだ。チャーリーはもういないながらも、やっぱり見てみたいね、そのうちに。
2024年05月19日
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TVドラマ「グリー」のシュー先生ことマシューモリソン、元々ミュージカル畑の人で、知名度を生かして、日本で歌手としての公演を何度か行っていたことは聞いてはいた。そして、今回はミュージカル「シカゴ」の主役として来日。映画では、リチャード・ギアが演じていた、あの役ね。そして、Eテレの「クラシックTV」にゲスト出演。この番組、トピックによって時々見るけれど、清塚信也という、ちょっとチャラめのピアニストと、鈴木愛理というアイドル系が司会。更に、今回、モリソンのファンだという3時のヒロインなる吉本芸人の出演。これはどうなるかと思いきや・・・意外に良かったのだ。モリソンは舞台の「ヘアスプレー」のオリジナルキャストだったのだそう。「グリー」の裏話、やはり、相当大変だったらしい。あれだけの内容を毎週やっていたのだから当然だろうね。確かに「シカゴ」は、心得のないギアでも務まる程度の役なのだけど、モリソン版はダンスを増やしているらしい。司会の塚原が、「シカゴ」の楽曲を解説して、内容的にもしっかりしている。そして、モリソンの生歌披露、ちゃんとオケ的なバンドの演奏をバックに。なかなか贅沢な作りではないか。最後はモリソンがウクレレの弾き語りで“スマイル”を披露。ミュージカル畑のモリソンのキャラに応えた作りの番組で、試聴に値する内容だった。ここら辺はEテレならではかな。モリソンのステージ、機会あれば見てみたいものだね。
2024年05月16日
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昨晩のNHKFM「ジャズ・トゥナイト」、前半は“マンシーニとジャズ”の特集だ。ヘンリー・マンシーニねえ、元々ジャズ畑の人だから、こういう特集はありだね。出世作にあたるのだろうか、まずは「ピーター・ガン」のテーマ。ドラマそのものは見たことがないのだけれど、ジャズ好きの私立探偵が主人公で、ブレイク・エドワーズの製作・監督。マンシーニとエドワーズの付き合いはここから始まったわけだ。このサントラはマンシーニのジャズの宝庫で、後に自らのオーケストラを率いた際にもマンシーニは多くの曲を取り上げていた。で、やはりマンシーニといえば映画音楽。代表曲の「酒とバラの日々」、「いつも二人で」、「ピンクパンサー」、「シャレード」からのナンバーも。特集の最後の“ムーンリヴァー”は、アート・ブレイキーの演奏で。マンシーニのナンバーを取り上げたジャズ・ミュージシャンの演奏はキリがないくらいにのぼるだろう。そして、今日、再びNHK FMのジャズ番組「狭間美帆のジャズ・ヴォヤージュ」、この番組毎週放送だった?わざわざNYからやってるそうだ。50分、まあ、さほどマニアックではない選曲だけど、こちらもヘンリー・マンシーニ・トリビュートだ。そうか、生誕100年だったんだね。マンシーニ、亡くなったのが94年で、まだ70歳だった。あれだけ名曲を手掛けた人だけど、晩年は、らしくない「スペースヴァンパイア」を担当したり、1984年のロサンジェルス・オリンピックでは、「ピーター・ガン」でピアノを弾いていた後輩のジョン・ウィリアムスがファンファーレを手がけ、マンシーニは、確か前夜祭だかのファンファーレ担当だった。ウィリアムスの後塵を拝した形で、本人も複雑なものがあったかも知れない。とまれ、こちらの番組の方も、「ピーター・ガン」、「ピンクパンサー」、「シャレード」らを取り上げた他、アレンジ畑の狭間の選曲らしく、なかなかユニークな、マンシーニ・オーケストラ版の“グリーン・オニオンズ”とか、クインシー・ジョーンズ版の“子象の行進”なども。「酒とバラの日々」はデクスター・ゴードンの演奏。最後の、“ムーンリヴァー”は、アリサ・フランクリンの歌唱で。初めて聴いたけど、これが、なかなかかっこよかった。選曲の被りもあったけど、二人の気鋭のジャズ系ミュージシャンが、それぞれの番組でマンシーニを取り上げたのは面白かった。マンシーニのサントラ盤を聞くと、メインテーマ以外でもジャズナンバーとして興味深いものもあるからね。映画音楽の作曲家というだけでなく、ジャズの人として、大いにマンシーニの再評価がなされて然るべきと思った。
2024年04月14日
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エリック・カルメンの訃報、享年74歳。そんなにいってたか。近年はあまり名前を聞かなかった印象だけど、未チェックだっただけで、2000年代もラズベリーズの再結成や、リンゴ・スターのオールスターバンドへの参加等、そこそこ活躍していたようだ。パワーポップ元祖のラズベリーズの人だが、やはり、“オール・バイ・マイセルフ”とか“雄々しき翼”といったラフマニノフをモチーフにした壮大なバラードが印象に残る人。彼の名を再び聞くようになったのは、映画のサントラに書かれた“オールモースト・パラダイス”のヒットから。自らもヒット曲も出してシーンに復活。その勢いで制作されたのが・・・日本主導で制作された「ウインター・ドリームス」は、佳曲揃いの好盤だった。アルバムのプロモーションで来日して、タワレコだかでインストアライヴを行ったのを聞きに行ったことがある。3、4曲を披露したと思うけど、一緒にいた女の子も、“本当にいい曲ばかりね”と呟いていたのを覚えている。同アルバムには“パラダイス”のセルフカヴァーや、“キャロライン・ノー”なんかも入っていて嬉しくなった。ロマンチックなメロディと力強い歌唱が持ち味で、数は多くないかも知れないけれど、ずっと残る曲を残した人だった。ラズベリーズはオリジナル・アルバム・シリーズを買ってあったけど、未開封のままだった。家に帰ったら、ちゃんと聴くとしよう。エリック・カルメン、RIP
2024年03月12日
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第56回スーパーボウルであります。例によって試合を伝えても仕方ないので、エンタメ関連をまとめてまいります。何か、国歌斉唱の前に歌われる趣向が段々増えている気がするけど、まずは、“リフト・エヴリ・ヴォイス・アンド・シング”をアンドラ・デイが歌う。この曲はアメリカ黒人にとっての国歌的な曲だそうで、デイはスティーヴィー・ワンダーの秘蔵っ子みたいな人だそうだ。続いて、“アメリカ・ザ・ビューティフル”。第二国歌のようなこの曲は、ポスト・マローンがアクギでカントリー風に歌う。この人多少カントリーっぽさはあったけど、顔つぎはぎタトゥーだらけで、よくわからん人だよなあ。そして、国歌斉唱、リーバ・マッキンタイア、ちょっと懐かしいね。ドリー・パートンと並ぶ現役カントリー女王という位置づけなのか。でも、旬のマローンが“ビューティフル”で、些か地味なリーバの方が国歌なんだね。会場がラスヴェガスなので、もっとヴェガスっぽい人の起用かと思っていたのだけど。これらの前にテールゲートでのステージの模様もチラリ、ノー・ダウトのグウェン・ステファニーと、一緒に歌っていたカントリー系歌手は誰だったかな。チラッとしか出なかったのでね。ハーフタイムショーはアッシャー。去年のリアーナもそうだったけど、アッシャーという人もそんなに大物だとは思ってなかった。てか、この人ってラッパーかと思っていたけどR&Bシンガーなんだね、歌って踊る人。オリンピック開会式並の大勢のダンサーを従えて。去年のリアーナは、ほぼ一人だったかな。でも、この数年は大体ゲストというか、発表されていた以外にも、そこそこ大物が出てくる。ここでは真っ赤な衣装のアリシア・キーズが真っ赤なピアノを弾きながら、ちょいとだけど。盛り立て役としてジャーメイン・デュプリも。どちらかというとプロデューサーの印象だけど、会場どうだいみたいな感じで。ステージのアッシャーは上半身裸になってハーがギターを弾いて登場。アッシャーの前半はマイコー風、ハーが登場して後はプリンス風の印象だ。締めの“イェー”では、作者のリル・ジョンにb>リュダクリスも加わる。今回はヒップホップ勢はどこまでも盛り立て役だったな。都合13分ほど。年々、長くなっているような気もする。スーパースターといえば、テイラー・スウィフト。日本公演を終えて、すぐにプライヴェートジェットで駆けつけたよう。そのスウィフトが映るのがうざいから、そんなに好きではないけれど、今回はサンフランシスコ49ナーズの方を応援していたけど、結果は、カンザスシティ・チーフスがオーヴァータイムのギリギリで得点して勝利、2連覇を飾って、またまたスウィフトと、タイトエンドのトラヴィス・ケルシーがブチューだ。ケルシーはスピーチで歌うというか、がなりまくっていた。まさに野獣、やれやれ。来季は別のチームが勝ってほしいなあ。アーロン・ロジャース復帰のニューヨーク・ジェッツなんて、どうよ?これで今季のNFLも終了。やっとスポーツ観戦三昧の日々も一段落、また来年です。
2024年02月12日
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今年のニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティバル、ローリング・ストーンズの出演は前から発表されていた。またかいと思いきや、あの、チャーリー・ワッツの亡くなった年、ミック・ジャガーの急病でキャンセルになっていたのだった。今度こその正直、クイント・デイヴィスは、よほどストーンズに出て欲しいらしい。そして、ストーンズ以外のラインナップが発表された。ニール・ヤング&クレイジー・ホース、フー・ファイターズ、ヴァンパイア・ウイークエンド、ボニー・レイット、それに地元出身のジョン・バティストら。少しフォントの小さいところで、ジョージ・サラグッド、リアノン・ギドゥンズ、ウォールフラワーズ、ベラ・フレック、サマラ・ジョイら。個人的に気になるところでは、若手ブルースの注目株クリストン・キングフィッシュ・イングラム、息子たちによるオールマン・ベッツ・バンド、ニッケル・クリーク、そして、ツアー引退を宣言していたと思うニティ・グリティ・ダート・バンドらだ。地元勢も勿論、総出演だが、ザッカリー・リチャードの出演は久々?あ、そういや、マイク・ラヴのビーチ・ボーイズも出るんだね。もう、ドクター・ジョンもアラン・トゥーサンもアーロン・ネヴィルも、もういないけれど、これはこれで充実のラインナップだね。またストーンズの出番には、他のステージはお休みになるんかな?とはいえ、これはまた見たいものが色々と被るのだろう。どっちを選ぶのかを悩みまくったり。って、見に行くわけじゃないんだけど、例によって仮想シュミレーション。リアルに、その悩みを体験出来る日はあるのかなあ?毎年こんなこと書いているわな・・・
2024年01月19日
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先週の「ウディ・アレン」と同様に前から読みたかった1冊、「大韓ロック探訪記」('14 長谷川陽平 大石始共著)も県立図書館から借りてきた。ライターの大石が長谷川にインタビューしたものをまとめた形。長谷川という人、とにかくレコードコレクターで、レアなレコードを求めて韓国へが出発点だったよう。ギタリストとして、実は沖縄在住の知り合いのミュージシャンのバンドにも参加していたことがあったそうだけど、好きなものを求めて韓国へ渡り、そのまま好きが高じて現地のバンドに参加、次第に現地のシーンに溶け込んでいったようだ。僕も初めて韓国へ行った際に、ちょっとアングラっぽいライヴハウスへ行って、パンクというかオルタナなバンドのライヴを見たけれど、ああいうシーンが、今、韓国でどれだけ健在なものなのか。これだけKポップが盛んな今日日では、韓国ロックの伝説的なバンドが云々と言われても、どこまでもマイナーな話にしか思えない。そういう意味では、この本、のっけから極めてマニアックな世界の話が展開されているような印象だ。長谷川が参加したバンド、チャン・ギハと顔たちは、一時期、日本でも話題になり、沖縄のピースフルラブロックフェスティバルにも出演し、ライヴを見ることが出来た。何というか、不思議な存在感のバンドで、演奏はとても印象に残った。そんなバンドにプロデューサーとして頼りにされた長谷川、自ら聞き込んだ韓国ロックへの素養が、韓国人等にも尊重されたということだろう。朝鮮語も話せなかった彼が、現地のミュージシャンの間に溶け込んでいったのは、やはり、夜の付き合いが大きい。韓国は、想像以上にマッチョというか男気な国で、長谷川も肝機能と引き換えに人脈を築いたといったようなことを語っている。連日連夜、刺激の強いつまみでソジュを飲み交わすのは、そりゃあ胃腸を痛めるだろうな、朝まで飲むなんてザラの世界らしいし。Kポップな若者たちの世となった今は、ここらは少し抑えめになっているのだろうか?本書の中盤で20ページ以上が割かれている韓国ロック名盤集のジャケ写、いやあ、サヌリムとかジャリウムとか名前だけは聞いたことはあるけど、ほぼわからんな。韓国の当時はまだGS的なサウンドも健在だったらしいけど、ユーチューブ等で見てみると、確かにギターサウンドなんかは一聴に値するものもある。ハマりにハマった長谷川は、当時で韓国在住20年。そして、今も?BTSが徴兵で勢いを失ったものの、Kポップ勢はますます盛ん。果たして、韓国ロック・シーンは生き残っていけるのか?長谷川の直近の活動も情報が欲しいところだね。
2024年01月17日
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新年最初のCDは、ようやく見つかったポーグスを聴いたけれど、家にはポーグス、シェイン・マガウアン関係のDVDも2枚あって未見だった。ので、これを機に視聴。「シェイン ザ・ポーグス:堕ちた天使の詩」は、アイルランド制作の2001年のドキュメンタリー。まだ、まともに喋れる頃のシェインのインタビュー中心、奥さんは変わらずヴィクトリアという人だったんだね。よくシェインに付き合ったなと思うけど、まともな時のシェインは、そこそこ社交的な人物とのことだ。生い立ちを巡る内容は、概ね映画版の「シェイン」とかぶる。あの映画が、完全にシェイン単独の内容だったのに対し、こちらはフィリップ・シェブロンや、マネージャーだったジョーイ・キャッシュマンのインタビューもあり、ポーグスのバンド側の主張も織り込んでいる。彼らとしては、バンドがシェインを追い出したわけではなく、シェイン側の問題で離脱に至ったのだと。一方のシェインの主張としては、ツアーを減らすよう主張したことが通らず、また、シェインばかりがマスコミに取り沙汰されることでメンバーが反感を持ち、次第にシェインが蚊帳の外に置かれるようになったこと、更にバンドが、アイリッシュ音楽を捨ててR&B路線に転換しようとしたことが問題だったと主張。ただまあ、それらの諸々も含め、シェインの精神状態が悪化していったことも影響はしたのだろうと窺い知れる。ありがたいのは、何曲か登場する主要曲のVCがフルコーラスで歌詞対訳付きであること。やっぱり、改めてシェインの歌詞に触れられるのが大きい。シェインのアイルランドへの愛国心が思っていた以上に強かったこともわかるし、アルバムのプロデュースをしたエルヴィス・コステロも語っていた通り、ポーグスは演奏能力も高いバンドだと思う。ポーグスの再結成のタイミングで制作されたものだろうから、まだこの先があるような段階。だから、何となく話が濁りきらない感じで終わるのが、少しもどかしい印象か。もう1枚が、「ポーグヴィジョン」、ポーグスのヴィデオクリップ集だ。全13曲収録だが、リリースとは関係ない順の収録。やっぱり、売れて以降というか、キャリア後半の曲のVCが多いわけだけど、案外、この人たちのVCはハズレがなく、センスがいいものが多い。ただ、生憎、こちらは歌詞和訳字幕は無い。2曲目の“ミス・オーティス・リグレッツ/ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス”は、コンピの「レッド・ホット」シリーズに収録されているナンバーらしい。カースティ・マッコールがフィーチャーされてコール・ポーターの曲をカヴァー。監督はアイリッシュのニール・ジョーダンだ。“ダーティー・オールド・タウン”なんかは、やっぱり、しんみりくるね。“ニューヨークの夢”で警官役で登場はマット・ディロンだよね。先のドキュメンタリーでも語られていたけど、リリース時はペットショップボーイズに阻まれて2位にとどまった同曲、今年は1位になるのではと言われていたけど、結果は5位、1位はワムの“ラスト・クリスマス”だった・・・“イエー、イエー、イエー、イエー、イエー”なる曲はシングルだったのかな?これを見ていて、全部持っていると思っていたポーグスのCD、「ピース&ラヴ」はないことに気づいた。いやはや、そりゃあ買わないとね。勿論、ここには収録されていないけど、先のドキュメンタリーでは、シェインがポーグス以前にやっていたニップスのライヴ映像、ジョニー・デップが出演の、おそらくシェインのソロ作のVCも流れていたっけ。そうだ、ポープスのCDも買っとかないと。今年の課題?が早速できましたね。
2024年01月01日
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NHKの「バタフライエフェクト」という番組は、今ひとつ意図がわからんところがあるのだけど、まあ、「映像の世紀」とあるように、アーカイブ映像で歴史を紐解くってことなのかな。“ビートルズとロックの革命”は、以前放送されたのを録画はしていたと思うけど、今回は前後編をまとめて追加した編集版ということでリアルタイムに見てみた。なかなか興味深かった。ビートルズはそれほどファンではないのでピンときてなかったけど、その音楽や姿勢が、単にミュージシャンにだけではなく、英米以外の国々にどれほどの影響を与えたのかが描かれていたので。イギリスの徴兵制がすんでのところで廃止された結果、ビートルズが誕生した、1962年の最古のライヴ映像というのも登場する。ヘアスタイル、スーツ姿、演奏後のお辞儀は全てブライアン・エプスタインによるものだったんだ。ビートルズがまず取っ払ったのは階級の壁だった。自らが曲を書いて歌うことも後続のバンドに大きな影響を与えた。そして、アメリカ進出時には性別と人種の壁も。女性たちは感情を自由に爆発させた。そして、リトル・リチャードの影響が大のポールは、ジャクソンヴィルでの公演時、人種隔離政策を取るなら演奏しないとハッキリ述べていた。結果、白人黒人は席を分けられずに並んで演奏を聴いた。そして、政治や体制の壁も。南米アルゼンチンや、ルクセンブルク、そして、そして、ソ連の若者たちの心に開放感をもたらした。エプスタインが死んで、ポールがバンドを仕切り始めたことで、バンドの不協和音が流れ始めたといった描き方。インドに傾倒したビートルズは、横尾忠則やスティーヴ・ジョブスにも影響を与えた。そして、再び社会主義圏への影響、ビートルズのカヴァーソングを歌った歌手たちの存在が、後の革命に影響を及ぼした。それぞれの国の歌手が、自由な解釈でビートルズの曲を歌い、革命時のキーソングとして歌われ続けた。最後は“ナウ・アンド・ゼン”の映像、これが新たに加えられたのかな。ともあれ、ビートルズが広範囲に及ぼした影響がどういうものだったのか、改めてよくわかった。赤盤青盤はレンタルで聞いたと思うけど、そのうちビートルズもモノBOXでも買うかね。
2023年12月30日
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昨晩に続いて、ラジオを聴きながら過ごすクリスマス。あまり聞くことのないラジオ沖縄「にちようびのグルーブ」なる番組、これってレギュラーでやってんの?何と、あの浦添グルーヴのガチャピン、上地一也さんが担当。あちこちのバンドでも活躍のベーシストだけど、ラジオで話せるような人なの?正直、語りはてんで拙い(失礼)。読んでるだけって感じで、選曲だけすればいいようにも思えるけど、地方のラジオ局は、分業する余裕はないのだろう。そういえば、ラジオ沖縄といえば、数日前に部屋の近所のおでん屋さんに行ったところ、ラジオ沖縄のアナウンサーが店主さんに取材に訪れていた(大谷翔平絡みの内容だった)。元NHK沖縄にいた見覚えのある人、番組のパーソナリティをやりつつ、取材や放送素材も自分で作成しているのだろうか。ローカル局は人も少なく、一人でやらないといけないのだろうな。そこそこ大変そうだ。とまれ、「にちようびのグルーブ」の本日の放送は、ローリーのクリスマスソング特集。クリスマス大好きローリーは、昨晩、ガチャピンさんも参加のローリー・ロール・バンドでグルーヴでライヴをやったはずだ。かかった曲は、まず、“クリスマス・トレイン”、これは知らんな、ローリー・ソロ名義の曲だ、どのアルバムに入ってるのかな。次に“僕はクリスチャン”。これは、毎年クリスマスに必ず聴く名盤「オキナワン・クリスマス」のナンバー。9曲目を持ってくるのは渋いね。“偽りの英雄”はローリー・クック名義。ここらは、お仲間であるガチャピンさんが独自に持っている録音なのかな。最後は、RRBの“ハレルヤ”。ローリーがクリスマスソングだけ集めたコンピレーションなんてのも出していいのにね。もう一つは、久々に聞いたFMココロ「ばんばひろふみロックな夜咄」の22日の放送。クリスマスソングといえば、ビング・クロスビーの“ホワイト・クリスマス”だけど、クロスビーのクリスマスソングに、ロンドン交響楽団の演奏を加えた「ビング・アット・クリスマス」なるアルバムが出ていたんだね。従来の演奏にオーケストラを加えた盤というのは、ビーチ・ボーイズを始め色々出ているけれど、これは面白い趣向だ。デヴィッド・ボウイとの“リトル・ドラマー・ボーイ”も収録されて、クロスビーのクリスマスソングがゴージャスに蘇る。今年は、目ぼしいものがなくてクリスマスアルバムは買わなかったけど、これは来年買ってもいいかも知れない。てことで、概ね終わった今年のクリスマス。猫には関係ないとはいえ、猫抜きで過ごした一人のクリスマス。こういうのをこれからも過ごしていくのだろうなという、そのモデルケースにはなったかも知れない・・・
2023年12月25日
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年末になると、タワーレコードのポイントの期限がやってくる。使わないと消えてしまうのだけど、過去には結構消えている。通販というと、どうしてもAmazonの利便性が秀でているので、タワーで購入するような製品は限られる。なので、ポイントを使い切るために、少額で数枚の購入を試みることに。アマゾンのカートに入れていたのだけど、バーズのロジャー・マグイン、ジーン・クラーク、クリス・ヒルマンが再び組んだ、バーズ同窓会といえる「マッギン・クラーク&ヒルマン」'79。これ何で持ってないのかなと、今更、購入しようとしていた。これは、タワーでも880円とかで売られていたので、今回はこれにしようと、思いきや、880円になるのは、3枚まとめ買いの場合だそうなので、では、あと2枚何か買おうと、これがドツボにハマるパターンだよな。検索しづらいタワーで結構な時間をかけて、880円の3枚を決定。意外に持ってなかったものばかりでチョイス、2枚目は、J・D・サウザーの「ユア・オンリー・ロンリー」、そう、これ持ってなかったのだ。残り1枚は、リチャード・トンプソンのソロ・デビュー作「ヘンリー・ザ・ヒューマン・フライ」。まあ、オヤジロックなチョイスながら、安いのがそれらなもんで、これでいいだろとポチッ。これで得たポイントで、ストーンズの新譜でも買おうかなあと考えつつ・・・で、配送料のかからないセブンイレブン受け取りでゲット。早速、CDはアイチューンに入れるが、件の「マッギン・クラーク&ヒルマン」、曲を上書きしますか?って、あれ、これ持ってた(爆)。また、やっちまったね。買うべきは、マグインとヒルマン名義で、クラークも少し参加した「シティ」の方であった。もうねえ、この前帰った時に、CD棚からポーグスのが見つけられなかった程度に家のCDがグジャグジャだ。今のケースだとCDが見つけ辛くて仕方がない。来年、家に帰った際に、もっと目的のCDを見つけやすく、整理可能なラックをどうにかすることも想定しつつ、この年末年始はCD整理に時間を割こうと思い立った。それは、寒いけれど、それなりに楽しい作業ではないか。猫のいない寂しさを少しは埋められるかも知れない・・・ああ、しかし、また余分に買ってしまったらしいCDは、また知り合いにクリスマス・プレゼントで送るとするか。
2023年12月17日
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何と、ジェフリー・フォスケットの訃報、享年67歳という若さ。がん闘病中だったそうだけど、知らなかったので驚かされた。フォスケット、一般的な知名度は今ひとつかも知れないけれども、ビーチ・ボーイズ、ブライアン・ウィルソン・ファンにとっては、非常に重要な存在、とても大きな損失なのだ。後期BB5のサポートメンバーで活躍した後、復活を果たしたブライアンのバンドのリーダーを務めた。ブライアンに代わってファルセットの歌声も担当していて、欠かせない存在だった。しかし、2014年だかに、突如、ブライアン・バンドから、マイク・ラヴのBB5に“移籍”したのは意外だった。これは、バンド内でダリアン・サハナジャの存在感が増していた故なのか、或いは、ラヴのBB5がバンマスを必要として譲り受けたのか、その理由は定かではないのだけど。死因となった未分化甲状腺がんという病気は、声を失わせるものだったそうで、フォスケットは2019年に、BB5からの離脱を余儀なくされたそうだ。二つのBB5を支え続けた、その声が失われてしまうというのは、何とも無念だったことだろう。彼はソロアルバムも何枚か出していて、日本制作のものが多い。サウンドはまんまBB5、ブライアン調で、彼のBB5愛は大いに感じられる内容だ。亡くなる前に「ヴォイシィズ」というソロを、これはアメリカで出していて、それが遺作になってしまった。興味深いカヴァーも含む内容で、これは追悼の意味で是非買い求めたい。それにしても、ロック界隈は、先日のデニー・レインや、チャーリー・ワッツもある意味そうだけど、もっと不健康そうなボス、リーダーたちの方が生き残り、頼りだった右腕たちの方が先に死んでいくというのが、何とも皮肉に思える。ボスやリーダーたちは、彼らの分まで強かに長生きしていくのかな。とにかく、ジェフリー・フォスケット、とりわけブライアンを長年支えてくれたことに感謝を捧げたい。RIP
2023年12月12日
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三度というか、シェイン・マガウアンだけど、12月8日に、アイルランド、ティペラリー州ニーナーにあるセント・メアリー・オブ・ザ・ロザリーという教会で行われた葬儀の模様が報道で取り上げられていた。これが、驚きの盛大さで、まさに、ドキュメンタリー映画の副題通りの“世界に愛された厄介者”のそのものだった。壮大な教会に集った参列者には、ジョニー・デップやボブ・ゲルドフらも。ボノはさすがにビデオメッセージだったようだけど、相当に大規模なものだ。そして、まるでフェスのような音楽パフォーマンスが次々と披露された。ユーチューブ等の映像に上がっていたのは、まず、ニック・ケイブによる“レイニーナイト・イン・ソーホー”。ケイブがピアノを弾いてしっとりと披露。9年ぶりに集ったというポーグスによる“ザ・パーティング・グラス”はスパイダー・ステイシーがヴォーカルを取る。そして、グレン・ハンサードとリサ・オニールによる“ニューヨークの夢”には、またまた泣かされたなあ。最後は、参列者たちも次々とダンスを始める光景が。ヴァイオリンは、フレイムズのメンバーでもあるコルム・マック・コン・アイオメーアだった。この他、初期のポーグス・メンバー、ケイト・オリオーダンや、イメルダ・メイとリアム・オ・メンリィによるパフォーマンスもあったそうだ。この葬儀の模様だけでも放送ないしはソフト化されてもおかしくなさそうな賑やかさだった。また、ダブリンの通りでもシェインを送る葬儀パレードが行われ、見守った市民たちが、“ダーティ・オールド・タウン”を合唱。いやいや、厄介者の愛され方、半端じゃないことを改めて見せつけた形だ。本人はこの光景を見て、天国だか地獄だかでギシギシ笑っていることだろうな・・・
2023年12月11日
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近年は軒並み1万円を超える“外タレ”公演、とりわけ、日本でもお馴染みのベテランミュージシャンは、ほぼ1万円超えで、ビッグネームは2万円超えもザラ。基本、もう行けないよなあ、そもそも、そこまで払って行きたい人もいないしとは思うも、この人は、2万円超えでも聴きに行ってみたいなと言っていた唯一の人、来日公演が決定!?ジェームズ・テイラーだ。やっぱり、チケ代は2万円。かつて、キャロル・キングと一緒に来た際のチケット代が15,000円で、その当時としては、ストーンズやポールを除いて最高値のレベルだった。それでも、さすがにそれは仕方ないと行ったのだった。しかし、JT単独で一度見てはみたいなと。まあ、ニューオーリンズのジャズフェストで一度見てはいるのだけど。4月7日1回だけの公演、東京ガーデンシアターって恵比寿じゃあないの?有明なのかい。実は、その日はナイチにいる予定だ。しかしねえ・・・富山の全日本チンドンコンクール、4月5日〜7日の開催だと思う。来年は見物に復帰の予定で、まだ飛行機は取ってはいないけれど、5日に沖縄から富山に直行して、7日のパレードを見終えたら電車で埼玉の家へ向かい、猫の命日なので、庭の墓にお線香をあげるつもりでいた。そのまま、富山から飛行機で羽田行けば、ライヴに間に合う?てなことも考えないでもないけど、やっぱり、2万円高いな(爆)。富山の滞在の方が金使うだろうけど。同じ日にジェイ・チョウの公演もあって、そちらは横浜、チケットは33,000〜14,000円だ。まあでも、羽田から直行としたら有明の方が近いわな。いや〜、結局、表題通り、1にチンドン、2にJT、3にJCかな。何より、猫だ。まあ、チンドンが翌週の開催だったりしたら目も当てられないけど・・・確認したら、その翌日、8日、9日は、エルヴィス・コステロの公演も、会場はすみだトリフォニーホールとな、まあ、そりゃあ無理か、いや、無理でもないかな(チケット15,000円〜)。飛行機取るとしたら年明け早々、どーしたものか・・・
2023年12月04日
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な、な、な、何と、ポーグスのシェイン・マガウアンの訃報。先月、痩せ細って入院中の画像がアップされていたけど、やはり、回復するってことには至らず、とうとう天に召されてしまったか。享年65歳。正直言ってもった方ではないか。もっと早死にしても全然おかしくなかったとは、みな思ってるのでは?大体、邦洋問わず、朝から酒飲んでる人は還暦くらいで没するのが常。小津安二郎、高田渡、赤塚不二夫等々。シェインなんかはドラッグの問題もあったから、よくぞここまでと言うべきだろう。近年は、もうすっかり歯も無くなっていたみたいで、酒飲みすぎて、溶けちまったのだろうか?ポーグスの曲は好きなんだよね。シェイン、無茶苦茶な生活をしながらも、その歌は宝石の如しだった。さすが文豪の国アイルランドの人だけあって、作家、詩人たちのDNAを受け継いでいたのだろうか。粗っぽいながらも繊細、かつ人生の機微に触れる歌詞を書く。パブリックイメージとは全く対照的に、ポーグスのナンバーは、珠玉の名曲が多かった。それにしても、このタイミング。明日、「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」の映画を観る予定なのだ。沖縄では上映されなかった同作、ケルティック・クリスマスで上映される。まさに、追悼の上映、鑑賞となる。こんなタイミングも、文字通り、愛された厄介者らしい。さあ、シェインを偲んでグラスを傾けようではないか、彼が日々飲んでいた何分の一かの量をね。
2023年12月01日
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さて、昨晩のライヴの余韻冷めやらぬ中川敬だけど、この人は、実にマメにSNS、ツイッターならぬXに投稿をあげ、かつ自身に関するつぶやきをチェックしている。見てないけど、フェイスブックだの他も色々やってるのかも。何せ、こちらが何か呟こうものなら、それを見つけ出してコメントされてしまったりするから、おいそれと話題には出来ない(汗)。しかも、合間合間にウクライナやパレスチナの情勢とか、日本の政治状況にもコメント、リツイート。舌を巻かされるような熱量なのである。ソウル・フラワー・ユニオンの活動とは別に、アクギ1本持ってのソロライヴは、もう9年目に及んでいるそうで、“大型新人フォーク歌手”とか自称していたけど、最早、ベテランの域に達しつつある。アズミあたりが始めたらしい、自身が直接日本各地のハコに連絡を取って、あちこちで演奏するというスタイル。とりわけ、この人は近年、精力的にソロ活動している印象だ。Xには、個人的な内容も結構あげている。公演時、近場は自ら車を運転して移動、駅とかドライブインでは、大概、立ち食いそばを食べている。まあ、好きなんだろうね。で、遠征先でも、地元(大阪・北摂エリアに在住だそう)に戻っても、必ず、深夜に散歩をする。腰痛が深刻らしくて、そのリハビリのためということらしい。Xで、その散歩ツイートを見ると、ちょうどこちらの就寝時間ってスタンスだ。で、沖縄公演でも、その入りからツイート(不統一で失礼)が上がっていたけど、食事は、ひたすら沖縄そばだ。公演後のそばは、どうやら、どん亭のもの。立ち食いそば同様、決して、高級店?のものではない、至って、安価なそばを食しているよう。まあ、沖縄への旅費を考えれば採算的にはギリギリ取れるかどうかだろうから、本当はCDとか買ってあげるべきなのだろうけど・・・そういえば、この人、どこかの時点で酒をやめたのではなかったか。普通は公演後は飲み食いしそうなところだけど、この人は、専ら質素に沖縄そば食、公演後の宴会とかはやらないみたい。沖縄に着いた当日も散歩をしていて、与儀公園辺りを歩き、山之口貘の碑については、公演時にも言及があった。でも、深夜に与儀公園周辺はちょっとやばいよね(つい先日、強盗事件みたいなのもあった、本来は別の意味でやばいのだけど)。で、明日のコザでの公演を控えた今日も、那覇に滞在だったらしい。辺野古にでも行くのかなと思いきや、那覇市内でシンポジウムに参加、と言ってもパネラーではなく一観客として。あとは、旅先でのルティーンらしいレコード屋巡り(そういえば、うちの近くにもレコード屋はあったのだ、入ったことないけど)とか、出会った野良猫との対峙?とか。宿泊は那覇のまま公演だけコザに行くっぽい。ひょっとして、柏屋あたりに宿泊?この人は、最早、酒もタバコもやらず、ミュージシャンとして如何に息長く活動していくかということに専心しているかのようだ。オフには音楽を聴き、本を読み、映画も観る。色々吸収しながらも、子供とキャッチボールをしたり家族との時間も持ちながら、極めてストイックに日々を送っているかのような印象だ。ただ、その分、MCも含め、かつてのはっちゃけた面白さみたいなのは薄れていて、ライヴでも若干の物足りなさを覚えなかったわけでもない。丸くなったと言っては失礼かもしれないけれど、少し不遜で太々しくて、自信満々で観客をいじり倒し、おちゃらけながらも挑発するような、あの勢いは最早・・・こーんなことを書いているのを見つけられたら、これはちょっとやばいだろうけどな・・・
2023年11月10日
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先々週、先週と土曜日朝のNHK FM「ウイークエンドサンシャイン」では、ロビー・ロバートソン特集が組まれた。ピーター・バラカン氏、的確な選曲でロビーの足跡を辿ることができた。1週目の最初は、やはり、これから、「ラスト・ワルツ」でも最初に登場した、ザ・バンドの原点、ロニー・ホーキンスのナンバーから。そして、バンドのボックスセット「ミュージカル・ヒストリー」の中からの、リヴォン&ホークス名義のナンバー。バンドのボックスは持っているのだけど、「アクロス・ザ・グレイト・ディヴァイド」の方。初期のバンドのCDは、音がモコモコして聴きづら買ったので、このボックスで割とクリアな音で聴けてよかったのだけど、後から出た箱の方が、やっぱり内容は充実していたようで・・・そして、ボブ・ディランのバックバンドとしてのナンバーが続く。「ベースメント・テープス」には、バンド単独のナンバーも含まれていたけど、ブートレグ・シリーズで出た“完全版”からは、逆にバンドの曲はオミットされてしまった。いよいよバンドがレコード・デビュー、「ビッグ・ピンク」、「ブラウン・アルバム」、「ステージ・フライト」からの代表曲で、1週目は終了。“ザ・ウエイト”は「ロック・オブ・エイジズ」から。あのライヴ盤は持ってないんだよな。2週目、再びディランのバックの演奏から。「プラネット・ウェイヴス」と「ビフォー・ザ・フラッド」は、ディランの中でも特に好きなアルバムだ。後期の「ノーザン・ライツ、サザン・クロス」は個人的にはフェイヴァリットで、特に”アーケイディアン・ドリフトウッド”は名曲だと思う。「ラスト・ワルツ」からのナンバーは、ロビーがヴォーカルの“アウト・オブ・ザ・ブルー”がかかり、更に、ディランとの“フォーエヴァー・ヤング”が。サントラ盤でさんざ、聴いたこのライヴ・ヴァージョン、短縮版であったことに今頃気づいて愕然。マーティン・スコセッシという人も、あんまりな事をするね。このフル・ヴァージョンはボックスに収録かな?後半はロビーのソロから。僕はソロも結構嫌いじゃなくて何枚か聴いてはいるのだけど、貸しレコードとかが多くて、盤は持っていなかったりする。シャープな音作りのファーストに、ニューオーリンズのルーツ色を漂わせた「ストーリーヴィル」、そして、ネイティヴ・アメリカンの出自を色濃く反映させたアルバムも結構好きだ。ここらを改めて買い直そうかと思ったら、まだロビーの没から間もないせいか、結構高値がついていたりする。そのソロ後期の作品はワールドミュージック的意匠に、先鋭的な音作りを志向している。バンドの音楽性からは離れている印象だけど、バンドの音自体が、単純なカントリー・ロックやルーツ・ロックではなかったから、それほど意外性はない。今更ながら、バンドの音楽は、ザ・バンド以外では聞けない、なし得なかったものだと思う。そんなバンドの友情とその崩壊が歌われたナンバーを含む、ロビーのラスト・アルバム「シネマティック」も買おう買おうと思って買いそびれたまま。やっぱり、一通り揃えて、その芳醇な音楽世界を体験したい。改めて、ロビー・ロバートソン、RIP
2023年10月31日
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BS朝日「ベストヒットUSA」、何気にゲストがピーター・バラカン。久々に本人の映像を見たけど、おじいちゃんになったなあという印象。もっとおじいちゃんながら、相変わらず元気いっぱいの小林克也、彼が招いたのか売り込みあったのか、定かでは無いけど、もう、終わってしまった、ミュージック・フィルム・フェスティバルの紹介に加え、ライブマジックのPRも。カツーヤ、随分、寛大だな。PBのこと、国宝とまで持ち上げていたぞ(笑)。ライブマジックは、勿論、今回も行かないけれど、正直、あのフェスが終わるまでは、バラカン番組では出演者、ジョン・クリアリーとかの曲ばかりかかるから、早めに終わってほしい気がしている。ジョン・クリアリーにしてもオレカTXにしても民謡クルセイダーズや元ちとせも過去に何度か見ているから、いいのだ。もっと別のミュージシャンの曲を聞きたい。PBMFFの上映作品の一つとして、先日観た「トラヴェリン・バンド」から、CCRの“フォーチュネイト・サン”の映像が流れた。結局、今回は、桜坂劇場ではこの企画はやらないのかな。トニー・ガトリフ監督作他、観たいのはいくつかあったのだけどな。克也さんも負けずにフェスでもやったらどうだ?呼ぼうとするミュージシャンが80年代のに偏ったりするかも知れないし、ナンバーワンバンドがトリになる?YMOの二人亡き後のスネークマンショー再演とかもいいと思うけどな。そういうわけで、シー・ユー・ネクスト・ウイーク、小林克也でした!
2023年10月06日
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たまたま時間が空いてしまったので、久々に渋谷(変わったよなあ)に赴き、ヒューマントラストシネマ渋谷にて「トラヴェリン・バンド」をテアトル株主優待で鑑賞。いや〜、見事なばかりにおっさんばかりの観客で、ほぼ満員の盛況!90分弱の短い尺で、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルというバンドの概要が語られ、ヨーロッパ・ツアーの記録映像が映される。この辺は、ジェフ・ブリッジスのナレーションでざっと語られるが、ヨーロッパ・ツアーのハイライトといえるロイヤル・アルバート・ホールでのライヴを控えてロンドンに乗り込むバンド一行。時はビートルズ解散発表直後ということで、跡目のNo.1バンドを視野にという気合は充分だったようだ。映画の3分の2は、そのライヴだ。かつて、「ロイヤル・アルバート・ホール・コンサート」と冠されたライヴ・アルバムは出ていたけれど、実は別の会場のライヴの収録ということが判明して、後に「ザ・コンサート」と改題された。そして、本物の「ロイヤル・アルバート・ホール・コンサート」は、50年ぶりに発見されて音源が発表され、この映画が制作された。海外ではネトフリでの配信だけなようだが、日本では劇場公開という「アメリカン・ユートピア」のパターンだ。そして、ライヴ開始。バンドは、いきなり“トラヴェリン・バンド”でぶっ飛ばす。イギリスのお国柄か、反応はおとなしめの印象だけど、しょっぱなから、すごい熱量だ。“ボーン・オン・ザ・バイヨー”、“グリーン・リヴァー”といったミドルテンポの曲でも、そのテンションの高さはキープ。ジョン・フォガティの歌声とギターのど迫力。CCRというとフォガティのワンマンバンド的に捉えられがちだけど、この演奏を見ると、バンドのアンサンブルそのものが実にタイトで、一体感に溢れる。ダグ・クリフォードのドラムとステュ・クックのベースの技量にも大いに感心させられた。録音に刻まれた演奏を見事に再現する、鉄壁の実力がバンドには備わっていたのだ。“トゥームストーン・シャドウ”や、終盤の”ナイト・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム”の黒さも特筆もの。CCRはロック・バンド以上にブルース・バンドとして黒い輝きを放つ。勿論、“フォーチュネイト・サン”や、“グッド・ゴリー・ミス・モリー”といったロックンロール・ナンバーでのエナジー全開ぶりもすごい。いやー、1曲毎に見る側の体温も上昇していくようだ。こんな凄まじいライヴは滅多にお目にかかれるものではない。昔のコンサートだから、映像とかの凝った趣向もないし、ホールのステージは割と小さめな印象だ。曲間も、さしてMCがある訳ではなく、淡々と進行。ギターを変えたり、アンプに繋ぎ直したりといった間が、そのまま映されているから、このライヴは、ほぼ完全版なのだろう。それでも、これだけ高揚させられる演奏を聞かせるバンド、実に恐るべし。この会場だから特段気合いが入っていたとかいうより、彼らは、この時期、いつもこのくらいの演奏をかましていたのではないか。まさに、バンドの絶頂期の貴重な記録だ。2010年のフジロックでのジョン・フォガティの公演同様、このライヴ映画も感涙ものだった。しかし、13年前のあのライヴは、馴染みの曲を生で聴ける、その興奮と感動による単純なものだったような気がするけど、ジョン・フォガティの、その後の歩みを思えば、一層、涙無くしては見られないライヴと言える。邦訳で話題になったヒューイ・ピアノ・スミスに劣らず、フォガティも、不当な印税の不払い等に苛まれ、訴訟沙汰でキャリアを無駄にした人だ。ファンタジー・レコードのソウル・ゼインツは、フォガティを目の敵にしていたとしか思えないような、実に無益な訴訟を何度も起こしてキャリアを妨害した。ただ、そんなゼインツの訃報を耳にしたフォガティは、さしたる感慨はなかったそうで、その程度に、今は充実のソロキャリアを送れていると言える。フォガティが楽曲の権利を完全に取り戻したのは、何と、今年になってからだったそうだけど、ブライアン・ウィルソン同様、ライヴもアルバム作りも精力的にこなしてきたので、御年78歳でも悔いなしというところではないか。いや、もっと活躍を続けてほしいけれど。そういえば、クリフォードとクックは、クリーデンス・クリアウォーター・リヴィジテッドなんていう紛い物バンドをやって来日公演も何度か行ったようで、メンバー間のギクシャクも少なからずあったよう。でも、そんな諸々を忘れさせるような、文句なしのライヴパフォーマンスが堪能できて、映画そのものには大満足だ。おっさんたちの間でも拍手が沸き起こった、それに充分値する内容だった。やっぱり、“プラウド・メアリー”はティナ・ターナーじゃないね、CCRだよ!
2023年09月30日
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ジミー・バフェットの訃報。享年76歳、何か悠々自適で、もっと長生きしそうな印象な人だったけに、意外に早死ににすら思える。しかし、名前はお馴染みながら、実はあの人の音楽ってあんまりちゃんと聞いてない。何よりも、ニューオーリンズ・ジャズフェストの常連で、あの界隈では絶大な人気のある人だったということで。元々はカントリー歌手で、若い頃はジェリー・ジェフ・ウォーカーの子分だったみたい。初期の“ハロー・テキサス”なんて聞くと、フツーのカントリーのサウンドだ。しかし、ウォーカーについてフロリダに行ってから彼の人生もサウンドも変わったようだ。いわば、思想なきヘミングウェイとでも言うか、ビーチで酒飲んでまったりダラダラみたいなライフスタイルを歌って実践して?、それがアメリカンの共感を得たようだ。カントリーにはトロピカル風味を加え、それで、最大のヒット曲“マルガリータヴィル”が生まれる。あの歌のサビって、ずっと“お気に入りの歌を探して”だと思っていたけど、実際は“失くした塩の小瓶を探して”なのだった(ライヴでは"ソルト!ソルト!”なんて唱和させる)。マルガリータには塩が必要ってことで、海辺のバーで飲みながら、実は彼女にふられて流れてきてウダウダみたいな、そんな歌か。あの人の、こういうスタイルは、“アイランド・エスケーピズム”とか呼ばれていたそうで、主たる支持層は、リタイアした熟年層であったろうか。或いは、都会暮らしに疲れて、ゆったりした生活に憧れる層か。まあ、自分の沖縄移住も、ある種、“アイランド・エスケーピズム”と言えるのかも知れないが・・・固定層を得てライヴで稼ぐ一方、時々は結構売れるアルバムもあったよう。でも、それ以上に事業家としての活躍が目覚ましかった。ヒット曲の名を冠したマルガリータヴィルというバー&ライヴハウスは、ニューオーリンズ他数軒展開していたそうだ。NOの店では何度かライヴを見ている(マリア・マルダー等、今はもうないのかな?)。これまたヒット曲をモチーフにしたチーズバーガーのレストラン経営に、独自ブランドのビールを作ったり本を書いたり、果てはリゾート経営にまで手を延ばしと。ゆったりしたライフスタイルを提唱しながらも、勢力的に事業を展開するあたりは、余分にパワフルなアメリカンらしいというか。実は、忙し過ぎて寿命を縮めたのではないの(癌闘病していたそうだけど)?でも、“チーズバーガー・イン・パラダイス”はいいね。後ろめたさをぶっ飛ばすジャンクフード讃歌。よーし、今週末、こっちもまたバーガー食ったろかい!
2023年09月04日
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弩級の訃報だ。ロビー・ロバートソン、病気だったのか、享年80歳、あの人もそんな歳だったんだ。近年、「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」と言う映画でも顔を見せていたので、彼が病気だなんて認識していなかった。これで、元ブラザーはガース・ハドスンを残すのみ。ガースはどう思ってるのかな?ロビーのソロ、3枚ほど聴いているけれど、バンドのルーツ色とは、また違った、ソロならではのソリッドな作りで印象に残っている。初ソロの「ロビー・ロバートソン」は、ゲストも豊富でエッジの効いた音というか、初ソロならではの意欲が感じられる。彼のネイティヴアメリカン・ルーツを表現したのも、このアルバムが初めてではなかったか。「パウワウ・ハイウェイ」という1989年の映画で、このアルバムからの曲が使われていた。もうなかなか見る機会のない映画だけど、主人公たちが旅を通じて自らのネイティヴアメリカン・ルーツに目覚めていくというロード・ムーヴィーだった。ニューオーリンズに題材を得た2枚目の「ストーリーヴィル」は、これまたニューオーリンズ系の豊富なゲストの協力を得て、そこそこポップに聴かせる好盤。次のサントラ盤の「ミュージック・フォー・ネイティヴ・アメリカン」は未聴だが、4作目の「コンタクト・フロム・ジ・アンダーワールド・オブ・レッド・ボーイ」は、ネイティヴアメリカンの音楽にエレクトロニカを導入した斬新な作り。ザ・バンドの音楽性とはかけ離れているけれど、ロビーの懐の広さを感じさせる1作だった。「ハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤント」も未聴だが、ロビーのソロって、案外セールス的にもまずまずだったみたいだ。最新盤の「シネマティック」は、「かつて僕らは兄弟だった」のテーマソングともいえる、“ワンス・ワー・ブラザーズ”を含んでいるので、購入しようと思っていた矢先だった。ロビーを音楽で追悼するとなれば、そりゃあ、まずは、ザ・バンドの曲だけど、ここいらのソロも改めて聴き直してみたいところだ。もう1件の訃報、あの、映画「シュガーマン」で描かれたロドリゲスは81歳で亡くなったそうだ。映画の公開後に来日公演の話も持ち上がったらしいけれど、実現せず終いだったのが惜しかった。シンガーとしての成功は遅れたけれど、マイペースの人生を送っていたという人、晩年はより充実した活躍が出来ただろうか。2人の偉大なミュージシャンの冥福を祈る。RIP
2023年08月10日
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どういうわけかBSフジで真っ昼間に映画の放送、桜坂劇場でも上映された、「音響ハウス メロディ・ゴー・ラウンド」'20。台風で外にも行けないのでリアルタイムに見た。昔、あの辺で働いていたので、音響ハウスというスタジオの入ってる建物の前は、よく歩いていた記憶がある。建物は平凡商事と記されていているが、その名の通りマガジンハウスの資本が入っているようだ。1階には瀟洒な喫茶店があって、レコーディング中のミュージシャンの打ち合わせ場所にもなっていたそう。今は店の屋号も代わって、かつ閉店しているようだが。レコーディングのみならず映像編集のスタジオも備えている。あの建物内に、そんないくつものスタジオが入っているとは思わなんだ。この映画は、ミュージシャンのレコーディング風景や、スタッフたちの歩みを辿り、Jポップの歴史を作ったスタジオとしての存在をアピール。何せ、制作は自社なのだ。元々は、プロモーションフィルムとして制作が開始されたのだとか。“主役”といえるのは、スタジオの常連であるギタリスト佐橋佳幸(松たか子夫!)とエンジニアの飯尾芳史だ。佐橋が書いた映画のテーマ曲を録音する過程で、様々なミュージシャンが集い、インタビューで思いを語っていくという作り。まず、ベーストラックは、佐橋、ドラムの高橋幸宏、キーボードの井上艦による演奏で。そこに後日のダビングで、ヴァイオリンの葉加瀬太郎、ホーンセクション4人、そして、ヴォーカルは当時13歳というハナというシンガー、彼女の指導役兼バックヴォーカルで大貫妙子も。ヤケに豪華な顔ぶれだが、曲は如何にもJポップという感じのもの。セッションには加わっていない、坂本龍一、矢野顕子、鈴木慶一、佐野元春、松任谷由美、松任谷正隆らがインタビューで登場。みな、口を揃えて、ここは第二のホームといった愛着を述べる。バンド収録に適したスタジオ、セッション収録に適したスタジオ等、用途によって使い分けられる上に音質の管理も細心の注意が払われ、機材も常に最新のものを導入、何より居心地がいいという至れり尽くせりのスタジオのようだ。銀座にあるというロケーションの良さも魅力だろう。過去のフッテージとかは登場しないし、実際どんなアルバムが収録されたのかは細かく映されないので、取材者の言葉を聞くしかない。台風のせいで、ちょっと音声が聞き取りづらかったけど、とにかく、Jポップの歴史を築いたスタジオなのだということだろう。そのジャンルにはあまり詳しくない自分としても、そこに関わる職人たちによる誠実な仕事ぶりの結晶であるということは理解できた。最後に収録された曲が披露されてエンディング。尤も45年の歴史のあるスタジオで、映像部門の方は全く触れられてなかったけど、それはいいのかなと、ちょっと思えたけれどね。表題、スタジオの封筒にはONKIO HAUSって綴られていたもんで。ドイツ嗜好?
2023年08月06日
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おお、ランディ・マイズナーの訃報。言わずと知れたイーグルスのオリジナルメンバー。イーグルスというと、後聞きなんだけど青春な感じがあるんだよね。だから、マイズナーにも思い入れはある。ソロアルバムは持っていないし、ソロライヴも見てはいないにも拘らず。イーグルスでマイズナーといえば、やはり、“テイク・イット・トゥ・ザ・リミット”。個人的に喉の調子がいい時は、カラオケで歌って、あの“ヒ〜イイ〜”という高音が出たのだけど、数年来行ってないので今はどうだか。イーグルスでマイズナーがリードヴォーカルを取った曲は全部で9曲あった。デビュー盤は作者自身が歌わずにヴォーカルは任せるというパターンで(この時点では民主的だったのだろう)、マイズナーも、グレン・フライ作の“モースト・オブ・アー・サッド”を歌っていて、イーグルスの中の彼のヴォーカルでは、案外これが一番いいかもと思った。影が薄くなっていて脱退前に出た「ホテル・カリフォルニア」では、“トライ・アンド・ラヴ・アゲイン”を提供して自ら歌っているけれど、ライヴ等で披露されることはなかったそうだ。でも、今聞くと、これ案外いい曲だ。マイズナーといえば、イーグルスだけではない、ポコの創設メンバーの一人でもあった。どちらのバンドでも控えめなキャラが禍いして?主要メンバーの専制に嫌気が差して脱退した形だけど、1990年だったかの再結成ポコの来日公演時は、マイズナーへの歓声が一番大きかった印象だ。その際に、彼がヴォーカルを取った”新曲”がすごく良かったのだけど(曲名失念)、その後ポコのアルバムに収録されることはなかった。ひょっとして、ソロ等に収録されているのかも?ポコの再結成活動から外れた後も地道に活動してアルバムもリリースしていたようだから。その公演時にアンコールで、“ミッドナイト・フライヤー”が披露されて、一番盛り上がったという記憶がある。自分が今回の主役という顔をしていたジム・メッシーナが大いにやっかんでいた。でも、ステージ上のマイズナーはどこまでも控え目な感じだった。80年代後半にソロで来日もしていたそうだが、その後も来日はあったと思う。その公演については、知り合いに聞いたとこ不評ではあったけど。マイズナーは、バンドメンバーと喋ってばかりでやる気なさげだったとかで。近年は病気がちだったようで、他のイーグルスのメンバーのように活動がままならなかったのは残念だ。その、イーグルスは最後のツアーをもうすぐ始めるらしい。本当に最後なのかね?ある意味、ロックがビジネスと化した時代を代表する存在と言えるイーグルス、その陰で、些か割を食らってしまった印象のマイズナー。何はともあれ、RIP。
2023年07月28日
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巷でちょっと話題の松尾潔と言う人のこと、僕は知らない。プロデューサー?ソングライター?なんにせよ、この人の楽曲は聞いたことがないと思う。でも、誰かのリツイートで飛んできて知ったトピックだが、その人が長年所属した山下達郎のマネージ会社を退社することになったと。その原因となったのが、あの、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川批判だという。で、問題は、松尾を事務所に誘ったという山下自身も、その解雇?に賛意を示したというツイートで話題になっていたのだ。その、当の山下が、松尾のコメントを受けてラジオ番組でメッセージを発するという。山下はSNSの類を一切行っていないので、メッセージを発する場は、あのラジオ番組、トーキョーFMの「サンデーソングブック」内でという事になる。そう聞いて、いやあ、やめておいた方がいいんじゃない?と思ったけど、結果的には、まさに・・・「サンデーソングブック」、こだわり職人の山下らしいというか番組フォーマットは、すべて山下の自宅スタジオで作成して、そのデータ?をスタジオに持ち込んでオンエアしているらしいと聞いた。つまり、自ら選曲し、音質や音圧も調整し、自らの喋りも入れ、そのパッケージを局に持ち込んで、後は、合間にCM等を挟むということだ。ラジオ局的には手間が省ける内容ではある。番組冒頭では、山下自身が、"本日も最高の選曲と最高の音質でお送りします”と語る。まあ、職人ならではの意匠と言える番組だ。でもまあ、毎週欠かさず聞くって程でもない。こういう具合に折に触れってスタンスだ。今日は、件の話題があったので、夜にラディコで後聞きした。問題のメッセージは、番組中盤で、7分ほどの語りの時間を設けられてのもの。山下は、コロナの全盛期にも、どちらかというと政府寄りの発言を発していた印象だ。少なくともリベラルとか反骨、反体制スタンスの人ではない。どこまでも現状維持、職人としての自分のスタンスが変わらずにキープされることを強く希求するというタイプの人だと思う。だから、こういった場での発言もどういう内容になるかは概ね予想が出来た。オールディーズ中心に穏やかに?展開する番組の中では、政治的とも言える発言はふさわしくなく、ここで発するべきではないのではないかなあと思っていたが。以前の番組でも、ジャニー喜多川との邂逅や、やり取りについて語っていたことはあった。とりわけ、“硝子の少年”を始めとするキンキ・キッズへの楽曲提供については、ある種、喜多川への感謝の思いを述べていたことも印象に残っていた。ジャニーズのアイドル連中の楽曲は、職業作家がベルトコンベア的に作っていたものが多かったろうが、山下のような人が楽曲提供をしたことで、そのレベルが少し上がったという側面は多少あったかも知れない。それでも、所詮はアイドルソングである。そこらに全く興味がなく、価値を見出せない自分にしてみれば、山下がこの日語ったような、“時代を越えて長く歌いついでもらえる作品を作れた”とは、正直思わない。そんな喜多川に対して恩義を感じているらしい山下が、喜多川擁護と解釈できるような発言をすることは、ハナから予想は出来た。確かに、ムショに入ろうが人を殺そうが、今でもフィル・スペクター絡みの曲はよく聞く。でも、喜多川はソングライターではない。聞くも悍ましい、その公私混同のマネージメントは現代には到底そぐわないものだ。山下自身が、そんな事実も踏まえながらも、すっとぼけたようなコメントを発し、あくまで職人としての自分の立ち位置を肯定するような発言を行ったことは、予想通りの炎上となった。更に、“文句あるなら自分の曲は聞くな”と言わんばかりのコメントには、僕自身も抵抗を覚えた。山下という人については、ビーチ・ボーイズ・マニアとしての共感に過ぎず、彼のアルバムは、そのビーチ・ボーイズ・カヴァーを中心とした「ビッグ・ウェイヴ」サントラしか持ってない程度のものであって。まあ、これで山下のファン離れがどれくらい進むかはわからない。そんなことになるのであれば、日本はとっくに政権が変わっていることだろう。ある意味、山下の存在は、今の自民党みたいなものかも知れない。結局、変わらぬことを望む人は多い。それにしても、山下のマネージメント会社の社名が、スマイルカンパニーとは皮肉だね。この“ワンダフル”とは言えない展開ながらも、また夏が終われば何事もなかったように、"さよなら夏の日”が聞かれ、年末には“クリスマスイヴ”が聞かれることだろう。日本って、そんな国だからね。
2023年07月09日
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こんなタイトルは前にもあげたことがあるような気はするけれど、プランクトン主催の「ケルティック・クリスマス」が、世間のご多聞にもれず、4年ぶりのリアル開催。これは行きたいね。例年なら、年後半の帰宅は11月だけど、これに併せて12月の帰宅とするか。ということで、まだチケットも取ってないのに飛行機を押さえてしまった。ちょうど、JALのマイルの期限もあったので、マイレージ利用にて。で、肝心のケルクリだけど、ダーヴィッシュにルナサという、まあハズレなしの安定の2組の出演。両バンドとも過去にも見ているかな。加えて、デヴィッド・ギーニーというダンサーが帯同。会場はお馴染みの錦糸町すみだトリフォニーホールだ。コンサートに加えてのサブ企画も充実、司会も務めるピーター・バラカンのトーク、更に、映画上映は、未見だった「シェイン 世界が愛する厄介者のうた」だ。これはいいね、セット券での購入決定。早割で8,400円也。やたらと高騰している外タレ公演のチケットの中では、これは相当にリーズナブルな価格設定と言える。ということで、本日発売のチケット購入。プランクトンのサイトにログインしたのも、本当に久しぶりだな。このところのナイチ帰宅は、親の顔見てすぐ帰るような2泊3日パターンばかりだったけど、今回は、ケルクリ・イベントで1日を要するので、3泊4日で帰ることに。もう1日は、親に加えて、誰か友人と会うことにするか。以前はこのくらいのスタンスが専らだったのだけどね。最早、猫もいないから3日部屋を空けても、悲しいかな問題はない。猫の死から2ヶ月ちょいだけど、ようやく、先の予定に多少期待を持てる気分にはなってきた。まあ、いいのかどうかはわからないけれど。
2023年06月15日
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森山良子みたいなタイプの歌い手には、本来あまり興味はなかった。でも、沖縄絡みで“涙そうそう”の作詞者でもあるし、息長く活動しているなあとは思っていた。割と最近になって、例の“さとうきび畑”を聞いて興味を持った。ということで、BS「森山良子 55周年スペシャルコンサート in オーチャードホール」を見てみる。うん、オーチャードホールって休館するの?開巻はアクースティック演奏で。ギター奏者と二人で割と新しい曲なのかな。アクギ、エレキ、ウッドベース、ピアノ、ドラムのバンドが加わって、何やら一人芝居みたいなナンバー。ここらの弾けたおばあさんぶりには、あまり乗れないけれども、75歳ながら、声は相当良く出ているのは感心。“ミスター・ボージャングルズ”の日本語カヴァーなんて、フォークの出自の人らしい選曲なのかな。で、本格的にフォークソング・カヴァー・メドレーになる。こちらは英語で、谷康一という人をゲストに招き、バンジョーも加えて。ブルースっぽい曲は合わないが、“ドナ・ドナ”みたいなジョーン・バエズの曲とは相性がいい。“勝利を我らに”でもやればよかったのに。フォークと言っても、元々、あまり政治性はないタイプの人だったようで、恋愛ソングを主に歌ってきたよう。そこを母に諭されて、“さとうきび畑”をライヴでも歌うようになったとか。1969年って、そんな前に録音していたのか。10分近い、これは圧巻だった。沖縄戦について歌われた曲の中では最もインパクトのある曲ではないか。この曲で第一部終了で、休憩に入るのだけど、森山はステージにそのまま残って、先の、谷とバンジョー奏者と共に“イマジン”を歌う。後半、高嶋ちさ子を招いてオペラのナンバーを披露したのは驚いた。あの声量は大したものだ。“アレアレアレ”なるノベルティソングは、フラメンコ風に。終盤に、“涙そうそう”は、自身のギター、アクギ、ピアノのシンプルな編成で。最後は、息子に提供された曲を朗々と。あまり、森山直太郎っていいとは思わないけど、親子の仲は悪くないよう。アンコールで“この広い野原いっぱい”、そして、高嶋、谷を呼んでのフィナーレは、なぜか“聖者の行進”をスキャット混じりで大張り切りで。ちょっと、はしゃぎっぷりに引く部分はあったけど、幅広いタイプの曲を、若い時と変わらぬ声で歌いこなしていたのは印象に残った。しかし、文化村って改装中だったのか。でも、オーチャードホールだけは営業してるそうで、森山は閉館するみたいな感じで言っていたけど・・・?
2023年06月03日
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ぽこっと空いてしまった金曜の晩、ピザとポップコーンの夕飯なので、何か楽しいものを見ようと。2月に2021年のをやっと見たAMW授賞式、その2022年のが昨年11月に開催されてBSで12月末に放送、それを今頃また録画視聴だ。ということで、アメリカンミュージックアウォード2023、50回の記念大会だそう。オープニングのパフォーマンスはピンク、そして、司会は、ウェイン・ブレイディというコメディアンだが、さほどおちゃらけてない、比較的真っ当な司会ぶり。ただ、即興でラップをパフォーマンスしたりはある。ギターを弾いてたのはオリアンティだった?新人賞を受賞したのはダヴ・キャメロンという人で、LGBTQのQだそうだが、まあ、一応女性なのかな、よくわからんな。次のパフォーマンスはビービー・レクサという白人。ロック部門で受賞したマシンガン・ケリーって、あれ、ロックなの?昔のリック・スプリングフィールドみたいなもんかな。トゲトゲの衣装がアホみたいで、隣に座っていたライオネル・リッチー(後で登場)が迷惑だったろうな。ジミー・アレンという黒人カントリー歌手?がロレッタ・リンに触れつつ、結局、パフォーマンスはキャリー・アンダーウッド、宙吊りで登場して派手派手。アフロビート・アーティスト部門なんて賞があって、今はアフロビートがポップミュージックとして定着しているというのはすごいな。そういえば、NBAオールスターでパフォーマンスしていたバーナ・ボーイというのも候補に上がっていた。イマジン・ドラゴンズってのもロックなのかね?久々に見るメリッサ・エスリッジが、オリヴィア・ニュートン・ジョン追悼紹介で、歌ったのは、またピンク。ロックと言えばマネスキンでしょう、新人賞は逃したけど、一応、受賞していた。ちょっと収穫はヨラというパンパンな女性シンガー。正統派ソウルっぽい歌唱でモータウンっぽいナンバーを。女オーティス・レディングの風情。先のダヴ・キャメロンはアジア人ダンサーとの怪しげなステージ。スモーキー・ロビンソンは、第1回の司会の一人だったそうだ。アイコン・アウォードのプレゼンターってことで、ライオネル・リッチーを異様に持ち上げるが、リッチー、健在なのね。先日、チャールズ国王戴冠式でもパフォーマンスしていたけど、あれはエルトン・ジョンとかエド・シーランとか色々断られた結果の消去法だったらしいけど。その、リッチー・トリビュートで、わざわざスティーヴィー・ワンダーが登場。相方のチャーリー・プースって白人は何?スティーヴィーがリッチーの曲に詳しいわけでもなさそうで、サビだけテキトーに歌ってプースが合わせる感じ。で、興醒めな掛け合いの後、最後に“ウィ・アー・ザ・ワールド”、まあこれをやりたかったのでせう。これだけはスティーヴィーもちゃんと歌えてました(苦笑)。2021年のAMWはBTS一色の印象だったけど、一応、今回もKポップ部門(なんてのもあるんだ)では受賞していた、出席はしてなかったようだけど。因みに大賞はテイラー・スウィフトでした。しかし、今回のこの授賞式で脚光を浴びていた連中で、数年後も残っっているのは、どれくらいおるやら、AMWって、そんな賞だよね、故ディック・クラークには悪いけど。
2023年05月19日
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1月5日に放送されて、4月4日に再放送された、NHKミュージックスペシャル「坂本龍一プレイング・ザ・ピアノ・イン・NHK&ビハインド・ザ・シーンズ」を録画視聴。追悼放送されたものね。45分程の内容。音がいいというNHKの509スタジオでの、坂本龍一のピアノ・ソロ・ライヴ、体力的にキツいので、一気に演奏されたわけではなく、1日2〜3曲、計8日で収録されたそうだ。それでも日を替えて通うのは、それはそれでキツかったろうけど。合間合間に坂本のコメントが入る。結構ベタな選曲というか、まずは「ラスト・エンペラー」のテーマ。非常に完成された楽曲だと思うので、ピアノソロで披露されても、曲の骨子はしっかり印象に残る。ピアニストとしては優秀ではないという自身のコメントにもあったけれど、確かにテクニック云々ではなく、曲を作ったアーティストの、その自らの演奏で聴けるということが何より貴重ということになる。曲間の坂本のコメント、痩せ細ってはいるけど、そこそこ元気そうな感じだった。昨年末くらいの収録だったのだろうか。YMOの“東風”に続いて、近年作曲された新曲。ピアノソロや、自然、日常の音に重点を置いた近年の作品以上に、やっぱり、ワールドミュージック的なアプローチを展開していた時代の作品に興味があるのだけど、上手いとは言えないかも知れないピアノ演奏の、シンプルでピュアな音色が印象的に響く。「シェルタリング・スカイ」から、“アクア”を挟んで、先日、ニューオーリンズの街角ピアノで、音楽教師も弾いていた「戦場のメリークリスマス」。これは、やっぱり、グッときたな。どこか、日本的なメロディが、YMO以上にイエロー・マジックを感じさせるというか。何か、慣習に縛られた日本という国の悲しい歴史を背負ったようなメロディに聞こえた。坂本自身の政治姿勢は、そういうものを打破しようというところにもあったように、この番組での演奏曲を聞きながら思えたのだった。改めて、合掌。
2023年05月11日
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ボブ・ディランの来日公演が終盤を迎えている。今回も結構な公演回数で、大阪、東京、名古屋で計11公演、残すは名古屋の2公演だけとなった。これは、ある意味、毎回とは言えるけれど、今回の公演はこれまで以上に評価が高い。驚きも色々あったということだけど・・・ディランのライヴといえば、以前は毎回2回は見に行っていた。でも、数年前のスタンダードナンバー中心のライヴを持って、個人的にはディランのライヴ見物は最早終了とした。これまでさんざん見てきたし、何よりもチケット代が高過ぎるから。今回もS席26,000円が標準などときては、とてもじゃないが手が出ない。今の1ヶ月の家賃に近いもん(苦笑)。というわけで公演はスルー。しかし、漏れ聞こえてくる情報を耳にすると、やはり、そそられるものはあるな・・・セットリストは、目下の新譜である「ラフ・アンド・ラウディ・ウェイズ」からの曲が中心ではあるようだ。しかし、それ以外の曲が、いつものライヴの定番曲とは少々異なる。加えて、日本どころか世界初登場の曲まで披露とな。何より、驚愕させたのは、グレイトフル・デッドの”トラッキン”のカヴァー。これも読んではいないけれど、最近邦訳も出版されたディラン著の「ソングの哲学」でも取り上げられていたそうで、それが予兆であったか。更に、先週は、デッドの別のナンバー、“ブロークダウン・パレス”が披露されたとか。実は、あまりデッドには詳しくないのだけど、ここまでディランがデッドを重視しているとは思わなかった。勿論、一緒にツアーをした間柄ではあるにしても。とりわけ、ディランはジェリー・ガルシアへのリスペクトの気持ちがあるそうだ。一方、デッドのみならず、別の日には、バディ・ホリーの“ナット・フェイド・アウェイ”のカヴァーもあったそう。こりゃあ、「ソングの哲学」なる本、読んでみないことにはね、と思う。サプライズ多き、ディラン公演、大いに盛り上がっている印象だ。残り二日も何かサプライズがあるのかどうか。ディラン、この調子なら、まだ来日公演はあるかも知れない。では、次はやっぱり?チケ3万円なんて、勘弁して欲しいけどね〜
2023年04月18日
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7日金曜日に放送のNHK「アナザーストーリーズ」“クイーン21分間の奇跡〜ライブエイドの真実”を録画視聴。さすがにクイーン・ネタも久々だね。ちゃんとクイーンの二人にインタビューしている。ブライアン・メイは紳士的に丁寧に答え、ロジャー・テイラーはグラサンで不良っぽく。映画「ボヘミアン・ラプソディ」のクライマックスでも描かれた通り、ステージのオープニングは“ボヘミアン”で掴みはOK。観客は必ずしもクイーン・ファンではないことを想定してセットリストも決めたらしい。“レディオ・ガガ”は時代遅れと見られていたバンド自身も重ね合わせてのもの。しかし、この曲が一気に観客の心を掴んだ。そして、アドリブでのフレディ・マーキュリーの“エーロ!”。ここら辺、フレディはステージパフォーマーとして、ある種の天才だったと思う。アウェイ感を払拭して、後は彼らの独壇場。僕はこのステージをどの段階で見たのかは忘れたけど、ライヴエイドのパフォーマンスの中で、クイーンがベストという印象はどこかで持っていた。場をさらわれたエルトン・ジョンやデヴィッド・ボウイも不機嫌な様子であったと。面白かったのはボブ・ゲルドフのインタビューだ。彼はそもそもクイーンが嫌いで、出演させることも乗り気ではなかった。そんなゲルドフも、舞台裏でクイーンのパフォーマンスを見て感心したそうだ。まさに、彼がいう通り、この日のクイーンは、まさに王道、虚飾を捨て、彼らしか出来ない真っ向勝負のパフォーマンスで、観客にその存在感を見せつけた。クイーンのステージ以後、寄付金が大きく増えたらしい。しかし、今のゲルドフは、音楽が社会に及ぼす力について悲観的な見方をしていた。ライヴエイドでのステージの映像はあまり多くなかったが、改めて伝説的ステージの真髄は確認出来たかな。クイーン人気は、またいずれ再燃するのかも。それも、このライヴエイドでのパフォーマンスがあってこそか。
2023年04月11日
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夜になって坂本龍一の訃報が飛び込んできた。坂本が癌闘病中であることは前から報じられていたから、こんなこと言ったら何だけど、高橋幸宏の方が先に逝ってしまったのが意外に思えたが、とうとう来るべきものが来たという印象だ。享年71歳。高橋同様に、坂本の音楽をそうよく深く聞いていたわけではない。なので、また自分とのちょっとした関わりで本日のネタとする。実は仕事でニアミスというか、すれ違いに終わった件があって・・・最早タイトル忘れたけど、サイレント映画に坂本が新たに作曲した曲をつけて上映するというイベント企画があった。確か、企画したのは東京大学で、あそこの教授が教授(坂本)と親しくてということで実現することになったかと思う。で、そのイベントの配給側の担当は自分が務めるはずだった。ところが、いざ、坂本を交えたミーティングを行うという段になった際、当時の自分は別件で大忙し。そのイベントも重要っちゃ重要ではあったけれど、忙しかった方がより重要だったんだろう。ミーティングは、部署の同僚に代わってもらい、結局、僕はそのイベント担当を外れて、そのまま同僚にバトンタッチした。だから、僕は坂本とは会ったことはない。後で、同僚から報告というか話を聞いただけだ。同僚曰く、世界のサカモトは、割とオタクっぽい感じだったという(*個人の感想です)。サイレント映画に付した音楽の出来栄えに自らも満足していたらしい。そういえば、そのイベントにも参加しなかったし、観てもいないんだな。という程度に、その当時は何だか忙しかったのだ。高橋幸宏は、細野晴臣は天才、坂本は奇才だと表現していた。一方、坂本の娘の坂本美雨も、母・矢野顕子は天才、父は職人気質だと語っていた。つまり、坂本という人、どちらかといえば、アルチザンの方の人だったようで、同僚の印象もあながち間違いでもなかったのかも。僕自身は当時は何とも思わなかったけれど、今思えば、ちょっと惜しいことをしたという気はする。まあ、かなりどうでもいいことを書いているようだけど、坂本に関する功績や追悼文はこれから巷に溢れるだろうから、こちらはこんなところで。勿論、あの人が手がけた映画音楽で印象的なものはいくつかあるし、社会に向き合う姿勢には感心させられることも多かった。高橋同様に早過ぎる死、惜しむべき才能であったことは間違いない。合掌。
2023年04月02日
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これは厳密には他局の番組なのかな?一応、インターFMでピーター・バラカンによる新たな番組の放送があったのでラディコで後聞き。題して、「名盤深掘り」。月いちの放送ってことで50分弱。今回は、来日公演が間近のジャクソン・ブラウン「レイト・フォー・ザ・スカイ」を取り上げる。ジャクソンのこれ1枚というと、この盤となることに異論はない。何よりも、この番組の収録時に、その報が入っていたかは定かでないが、亡くなってしまったデヴィッド・リンドレーの名演も光るアルバムだから、タイミング的には真にふさわしい。僕自身も非常に愛聴したアルバムなのだけど、いざ、歌詞の内容がちゃんとわかっていたのかといえば・・・ここで、歌詞対訳で解説を聞くと、実はよくわかってないまま、何となく雰囲気で聞いていたことがありありだ。とりわけ、“悲しみの泉”の歌詞の深さ、勿論、“ビフォー・ザ・デリュージ”もだ。でも、番組ではアルバムから6曲がかかったけれど、個人的に一番好きな“ファーザー・オン”がスルー。あれは、リンドレーの演奏も最も印象的な1曲なのだけどな。歌詞に重点を置くとなるとオミットされちゃうのか。ジャクソンのアルバムは、「ライヴズ・イン・ザ・バランス」あたりから社会性の要素が強くなっていったが、以前の内省的な世界に回帰した感のある「アイム・アライヴ」は愛聴盤ながら、これも歌詞の本当の深さは理解していないままかも知れない。近年のアルバムは、どうもサウンド的に今ひとつで、あまりちゃんと聞かないままだけど、これを機に初期のアルバムも含め、もっと歌詞を聞き込んで再聴すべきかなと思う。来日公演でリンドレー追悼はどんな形で表現されるだろう。デヴィッド・クロスビーの追悼もあるかも。残念ながら行きたいけれども果たせないのだ。また、いつか機会はあるだろうか・・・
2023年03月09日
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訃報が多いなあ、今度はデヴィッド・リンドレーか。病気だったらしい、享年78歳。まずは、ジャクソン・ブラウンの初期のバンドメンバーとしての活躍が印象に残る。「フォー・エヴリマン」から「ホールド・アウト」まで、バンドの核としてリンドレーの存在が大いにフィーチャーされた。来日公演にも帯同していたようだけど、僕がジャクソンのライヴを初めて見たのは80年代の後半だったので、既にリンドレーはバンドを離れていた。そして、エル・ラーヨ・エキスというバンドを結成。デビュー盤の邦題は、何と「化けもの」。ジャケに写るリンドレーの立ち姿が由来かもしれないが、本人もこの邦題を気に入っていたとか。このエル・ラーヨ・エキスでも来日公演は行っていたようだけど、僕は見ていない。一時期、ハニ・ナッサーという人と組んで自主制作のCDも出していたけど、ひょっとして来日見たかな?ちょっと定かでないのだ。間違いなく見てるのは、ライ・クーダー+息子のホアキン、それにリンドレー+娘の親子共演での来日で、多分1995年。リンドレーのヴォーカルというと、ジャクソンの”ステイ”のフランキー・ヴァリ風ファルセットとか、ちょっとエキセントリックな調子だけど、こちらは娘を帯同していたせいか、歌は彼女に任せて自身は抑えめな印象だった。ライとは都合3度一緒に来日しているとか。マルチ弦楽器走者で、グローバルミュージック的なアプローチもライと共通していたけれど、リンドレーの活動はライ程の成功は収められなかった。2000年代、既にリンドレーの名を聞くことが稀になっていた。実際、一時期は引退状態だったらしいけれど、そんなリンドレーを盟友ジャクソンが引っ張り出して、二人のコラボで2010年に「ラヴ・イズ・ストレンジ」というアルバムを出したのは嬉しかった。あの時に二人で来日してくれたらよかったろうになあ。同作が録音ものとしては最後の一枚だったようだ。まさに化けもののような不敵な出立ちだっただけに、病没というのは意外だし残念だ。本当に化けものになっちまったというわけか。ジャクソンは今月に来日公演を控えているけれど、リンドレーの方ももう少し活躍して欲しかったところだな。RIP
2023年03月05日
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先週の日曜放送の後聞きのトーキョーFM「村上レディオ」、今回は何と“ペット・サウンズ・オールカバー”の趣向、おお。題名通り、ビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」を全てカヴァー曲で構成。まずは比較的順当に、ブライアン・ウィルソンの娘たちのユニット、ウィルソン・フィリップスによる“素敵じゃないか”。次の2曲は、ブライアンのソロ公演のライヴからのヴァージョン。あまり、カヴァーがないってことかな。ありそうだけどなあ。女性ヴォーカルによるカヴァーが続き、インストの”少しの間”は、ショーン・アクリーヴィーなる人が歌詞をつけて歌う。これは初めて聞いた、よく見つけたね。“スループ・ジョン・B”は、そもそもカヴァー曲だけど、キングストン・トリオを聞かせるかと思いきや、リトル・ジョー・シェーバー・アンド・デビル・ドッグなるカントリー系のバンドのカヴァー。これもなかなかレアではある。で、デヴィッド・ボウイが“神のみぞ知る”をカヴァーしていたのか、しかも、「レッツ・ダンス」の後のアルバムで。まあ、あの大袈裟な歌唱はどうもしっくり来ないけれども。アーロン・スプリンクルなる人による“救いの道”のカヴァーは、オリジナルの歌詞の”ハング・オン・トゥ・ユア・イゴ”も交えながら。ブライアンの公演での自身の歌唱もあったな。ボビー・ヴィーの“ヒア・トゥデイ”も悪くない。シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーによる”駄目な僕”も然り。インストの”ペット・サウンズ”はジャズのフレディ・マッコイによるカヴァー。ラウンジ系のカヴァーがあってもおかしくないだろうけどな。”キャロライン・ノー”は、カントリー系カヴァーのコンピ盤からティモシー・B・シュミットによるもの。グレン・フライもカヴァーしていて、やはり、西海岸系の人への影響は絶大なのだろう。まあ、村上春樹のような人がこういう趣向で番組をやってくれるのは、ごく一般にも「ペット・サウンズ」の認知度を広めることになるので、ありがたい。新作長編もまもなく発表ということで、リスナーの注目も集めたことだろうし。これに免じて、もう1冊くらい村上の著書を読んでみてもいいかな、なんて。
2023年03月02日
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二週間前に放送されたNHK「高橋幸宏 創造の軌跡」を録画視聴。闘病中とは聞いていたが、高橋の訃報には驚かされた。尤も、あの人の音楽を聞いてきたかといえば・・・サディスティック・ミカ・バンドは完全に後追いだ。同時代的といえば、当然YMOだけれど、ほとんどまともに聞いてない。勿論、あれだけ売れたわけだから曲は聞いているし知っているけど、好きかどうかというと決して好きではなかった。周囲は“テクノポリス”やら“ライディーン”やらで踊ったりしてたけど、テクノ、テクノポップのような音楽が苦手だったし(パフュームで目覚めるのはずっと後だ)、売れ線のあざとさが感じられて共感も出来なかった。そもそも、バンド名にも抵抗があった。アジア人を黄色人種と呼ぶのは欧米人の視点であって、自分の肌の色をイエローだとは全然思ってない。そんな欧米人の勝手な見方をバンド名に冠するあたりに、世界に打って出る意味合いだったというのはわかるものの、些か卑屈さを感じたのだ。加えて、高橋がデザインしたという、あのテクノカットとか人民服のコスチュームも好きになれなかった。だから、僕自身は、当時、世間を賑わせていたYMOブームとは全く無縁、意識的にスルーしていたと言っていい。高橋の存在も然りだった。今となってみると、そも、テクノにドラムが必要なのか、打ち込みでいいのではと思えるし、YMOでも何となく第三の男っぽいのに、ヴィジュアルでは、いつも中央に位置しているのを不思議に思っていた。YMOの頃は、細野晴臣や坂本龍一のこれまでのミュージシャンとしての歩みも知らず、僕にはポッと出てきた3人のおじさんにしか思えてなかった。ドラマーだけど中央にいて、ヴォーカルも取る高橋の姿は、実際はサウンドを担っているのだろう細野、坂本の二人が、少し下がった位置にいて、敢えて高橋を前に出しているのかなと思っていた。実際、そういうところはあったようだ。高橋自身も、インタビューで、奇才(坂本)と天才(細野)の仲介役だったといった発言をしていたし、決して本人は高慢ではない、人柄の良さを感じさせるキャラだったよう。従来のドラマー像とは異なるタイプで、華奢な体で力技ではないシャープなドラミングが特徴だった。一方で曲も作り自ら歌った。ソロ活動は他の2人に較べても、ずっと旺盛、多作だったのではないか。番組では高橋が組んだ様々なユニットやバンドも年代順に紹介されていた。あの甘めのヴォーカルも好みではなかったけれど、彼の音楽ルーツの一つは、18回観た「男と女」の音楽であったとか。それを聞くと、ロックやブルースに影響を受けたミュージシャンばかりではなく、フランシス・レイあたりの影響を受けたロックのミュージシャンなんてのが一人くらい存在したっていいじゃないかと思えた。そこが、彼が日本のロック、ポップの中でも独特の位置を占めた所以だったろうか。YMOの事務所に勤務していたピーター・バラカン、ああいうサウンドは好きじゃなかろうと思っていたけど、番組で曰く、“「BGM」以降のYMOはそれまでとは別のバンド”だということで、無理に折り合いをつけていたわけではなかったようだ。僕も、その辺りのYMOは聞いてみてもいいかなと思っている。で、番組の最後に登場した、スタジオライヴでの新アレンジの“ライディーン”は、個人的にはオリジナルよりもずっとよかった。高橋幸宏、享年70歳か、合掌。
2023年02月28日
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少々旧聞だけど、ボブ・ディラン来日公演決定の報、2018年のフジロック以来、ツアーは2016年以来。でも、正直ねえ・・・このところ、やたらに高騰してるチケット代、ディランはS席26,000円に、A席でも21,000円、まあ、予想はしていたけど、そんな感じか。そういう価格でも価値があると思えばだけど、正直、言って、ディランの目下の新作「ラフ・アンド・ラウディ・ウエイズ」は、個人的には、ちょっときつかった。勿論、公演は新譜からばっかり演るわけではないだろうけど、今のディランを、この価格出してまで見たいかと言うと・・・もう、ディランのライヴって充分見たからね。これは、ブライアン・ウィルソンも然りだけど。4月の日程的にも難しいので、まあスルーだろうと思う。一方、もう一つ、インパクトのある来日の報が。ディランが81歳なら、更にそれを上回る91歳、あの、ジョン・ウィリアムズが来日するって!?もう、あの人、公演とかは引退したと思ってた。小澤征爾の名を冠した松本市のクラシックのフェスで、オーケストラの指揮をするために9月に来日するという。これは、すげえな。ウィリアムズ自らの指揮で、あの映画音楽のクラシックの数々が聴ける公演ってのは一度体験してみたいものだけど、まさか、それが日本で実現するとは。いや〜、こっちも金額高いだろうけどね。貴重度はディランを上回るものがあるよ。しかし、小澤征爾だって87歳?あの人、立って指揮出来るの?一方で、ウィリアムズは90越えで飛行機乗って日本まで来るのか。凄まじいパワーだな。ついでにってか、小澤と親しいジェームズ・テイラーも来るなんつったら、これは大枚叩いても見に行きたいけどね。つくづく、アメリカンの高齢者、すごいな。
2023年02月14日
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昨日のグラミー賞発表で思い出したけど、アメリカンミュージックアウォーズってのもあったね。その昨年末の放送の録画もまだ見てなかったけど、何と一昨年のも未見だったのだ、おいおい。暇になったので、急遽、今頃、BSの録画視聴、2021年11月にロスで行われた、アメリカンミュージックアウォーズ2021授賞式。オープニングのパフォーマンスは、シルクソニック。そういえば、去年のグラミーはこの人たちが独占だったんだよね。司会のカーディBって人、バカルディから取られた芸名だそうだけど、ドミニカ系の人だそうで、そのせいか、この授賞式はラテン系が大いにフィーチャーされる。次のパフォーマンスはコールドプレイとBTS。よくわからん組み合わせだが、VCでは別々だったので同じステージで共演というのは貴重かも知れない。コールドプレイって、ちっともいいと思わんのだけどね。早速、BTSがポップ部門で受賞。オリヴィア・ロドリゴという人も名前からラテン系かと思いきや、フィリピンの血が混じっているそうだ。この人の曲も何が良くてというのは、今ひとつピンと来なかったけど。カントリー系も大いにフィーチャー、貧しかった故郷時代を語ったりした映像の後、パフォーマンスを披露。ジェイソン・アルディーンとキャリー・アンダーウッドの演歌っぽい共演、更に、驚きの黒人女性カントリー歌手ミッキー・ゲイトン、加えて、スタイルやパフォーマンスはヒップホップっぽいケーン・ブラウンにウォーカー・ヘイズ。保守なカントリーでも受け入れる度量は多少拡がって来ているのだろうか。ラテン系では、バッドバニーを中心としたプエルトリコ勢の共演、それに、ジェニファー・ロペスが貫禄の歌唱を聞かせる。ヒップホップ系のパフォーマンスは、タイラー・ザ・クリエイターくらいで少なめの印象。あのマネスキンも登場、タキシード姿で堂々のパフォーマンス。彼らがグラミーで新人賞獲れなかったのは残念だったね。バトル・オブ・ボストンってことで、90年代に人気を博したニュー・エディションとニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの共演が、この回の一つの目玉だったよう。何か、年食ったジャニーズ系の競演って感じだけど、エディションの方は、かつて日本でも人気があったボビー・ブラウンとかもいたわけかね。もう50代のいいオヤジたちだが、BTSやマネスキンも踊ってたなあ。ステージを取り囲むようにミーハーなファン連中を配し、その周囲にソファーとかテーブルがあってプレゼンターや受賞者が陣取っているという、変わった会場構成になっっていた。で、とにかく、この授賞式はBTSなのだった。アーティスト・オブ・ザ・イヤー他の3部門を受賞し、彼らの“バター”のパフォーマンスが大トリ。兵役にとられてしまって、彼らの人気は一気に萎む可能性大だが、少なくとも、この授賞式の時点では、彼らの人気は絶頂、世界制覇を実現したといった印象だった。まあ、そういえば、去年(一昨年か)はこんな傾向だったよなってのが思い出されて、色々興味深くはあった。
2023年02月08日
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第65回グラミー賞の発表。例年あまり面白味のない結果だけど、今回はちょっと取り上げたくなった。何よりも、昨年末に見たばかりの「ジャズフェスト・ニューオーリンズ・ストーリー」がベストミュージック・フィルムで受賞。他が旬のミュージシャンの映像ばかりだったので、この受賞は大きい。50周年記念企画だったので、その年の映像主体ではあったけれど、アメリカでもとりわけユニークなフェスの概要を伝える珠玉の内容だった。ニューオーリンズといえば、ベスト・アメリカン・ルーツ・パフォーマンスで、アーロン・ネヴィルが受賞。ダーティ・ダズン・ブラスバンドとのコラボだが、アーロンの「アパッチ」と言う新譜は未チェックだった。ルーツ系では、ベスト・トラディショナル・ブルース・アルバムが、タジ・マハル&ライ・クーダーの「ゲット・オン・ボード」で、これも未聴なんだよな。ベスト・ブルーグラス・アルバムでは、ニューアーティストの候補にも上がっていたモリー・タトルが受賞。ベスト・グローバル・ミュージック・アルバムは、アヌーシュカ・シャンカールらを退けて、日本のマサ・タクミという人が受賞で、新聞ネタは専らこれであった。カントリー部門ではウィリー・ネルソンが2部門受賞。総合部門にも食い込んだボニー・レイットは、相変わらずグラミー受けの人のようだ。ニュー・アーティストはマネスキンではなく、サマラ・ジョイと言うジャズシンガーが受賞。ちょっと聞いてみたいかな。ボックスセットの部門で、ウィルコの「ヤンキー・ホテル・フォックストロット」の20周年記念版が2冠。ウィルコも、結構グラミー賞では強みを発揮しているね。まあ、レコード・オブ・ザ・イヤーとアルバム・オブ・ザ・イヤーは売れ線の旬ものだったけど、今回のグラミーは、比較的、冷静な選択?が多いように思えた。この傾向は続いてほしいものだね。
2023年02月06日
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先月の高橋幸宏に続き、YMOのゲスト参加の縁もあった鮎川誠の訃報。シーナ亡き後もシーナ&ザ・ロケッツを名乗り、昨年末も来沖公演を行なっていたのだった。ピースフルで、シナロケのライヴは2回見た。奥さんだったシーナも勿論、高橋、それに昨年のウィルコ・ジョンソンの死も影響したろうか。本人は膵臓がんを押してのライヴ活動を続けていたようだが、力尽きた。合掌。で、シーナの時と同様、ロック葬というのが行われるそうだ。下北沢の寺で営まれるそうだが、下北といえば、葬儀を担当するのは、あそこかな?と思ったのが、あの金子マリが社長を務める金子総本店だ。家業だったとはいえ、当初は継ぐつもりはなかったのだろう。しかし、親の借金まで相続して、金子が継がざるを得なかったらしい。葬儀社を本業として、その合間のミュージシャンとしての活動というのも、なかなか大変なものだろう。しかし、金子自身がもう70歳近いし、毎年出ていた春一番の出演者たちは、続々と鬼籍に入っている。そんなミュージシャンたちの葬儀を、金子の葬儀社が一手に担っているようだ。そもそも、夫だったジョニー吉長にしてから、金子自身の手で送ったのだろう。気心の知れたミュージシャン仲間による葬儀というのは、ある意味、理想的かも知れない。春一の常連出演者だった、加川良、石田長生、遠藤ミチロウ、それに主催側だった、あべのぼる等、主に関西の人たちだから、金子の葬儀社が手がけたかどうかは定かではないけれど、その可能性はある。まさに、金子は、“ロックのおくりびと”といった趣だ。で、鮎川のロック葬だが、如何なるものなのか、ちょっと見てみたい気もする。寺で行われるけれど、爆音でシナロケの曲が流されたり、ひょっとして縁のミュージシャンのライヴもあったり?鮎川の子供は娘ばかりで、昨年の来沖公演でも、シーナに代わってヴォーカルを取っていた長女が喪主を務めるそうだ。ちょっと、ニューオーリンズの葬儀みたいな賑やかなものになるのかどうか。本人の生き様と同様に、最後までロックし続けるって感じなのかな。と、書いてきて、その後の報道で、集客が予想以上に多くなりそうなために、寺が恐れをなしたかドタキャンして、葬儀会場は別の場所に変わったとのこと。葬儀社がどうにか手配したらしいけれど、金子のところではなく、つばさの葬儀社なるところの担当だと掲示されていた。あ、そうでしたか・・・
2023年01月30日
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来た!大阪の春一番、とうとう今年は開催という福岡風太氏の宣言。数日前に、やるなら行くかどうかとか書いたばかりだったけど、やっと出ましたわ。ただ、以前は、祝春一番が終春一番と銘打たれ、明確に今回で最後と謳われていたのだけど、今回は、終の文字が消えている。祝の方も無くて、ただの春一番、ひょっとして、今回では終わらないの?来年もやる気でいるとか。終わる理由は、風太氏の健康問題ということだったけど、コロナのワクチンもしっかり打って体調良くなったんかな?出演者の顔ぶれは、まだ発表になってないけど、まあ、ほぼ予想出来る顔ぶれ(笑)。でもまあ、やっぱり最後なら見届けたいよね。でも、数日前にも書いた通り、今回は微妙に事情が色々あるので、もしも今回で終わらず来年もやるって言うなら今回はまたパスってことになっちゃうかも。どうなんだろうね。もう少し経てばハッキリするかも知れないが。もう一方、ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティバルの日程も発表、こちらは、しっかり出演者の顔ぶれも併せて。まあ、メジャーどころの名が並ぶけど、待望のジョン・バティステがいたり、ロバート・プラント&アリソン・クラウス、テデスキ・トラックス・バンド、スティーヴ・ミラー・バンド等には惹かれる。一方、タジ・マハル、ケブ・モー、ロス・ロボスあたりはまだしも、ジョン・ハイアット&ゴウナーズが相当後ろでちっこく表示されているのが気になるなあ、サニー・ランドレスはソロでも出るのだけど。新譜発表が話題になったトミー・マクレーンとか、サブデューズのトミー・マローンなんかは、見逃しかねないくらい後ろの方、この扱い、ちょっとなあ。ジャズフェスト、ちょっと地元勢に冷た過ぎる傾向が目立っていて、そこは疑問を感じるんだよね。もう、ザッカリー・リチャードなんかも出ないみたいだし。勿論、今回も行けるわけではないけど、また仮想見物シュミレーションを立てても、見たいのが重なりまくって悶々とするだろうことは目に見えている。でも、リアルに見に行くのは60周年記念の年なんて目標を立ててみるか?一応。GWの2大フェス?どっちにしたって本当に行けるか行けないかは、状況次第。ちょっと現実は厳しそうなんだよなあ・・・
2023年01月16日
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本当は機内で読み終えるはずだった、「ブライアン・ウィルソン自伝」(’16 ベン・グリーンマン共著 DU BOOKS刊)。精神科医のユージン・ランディ支配下から脱したブライアンの、その顛末と現在に合わせ、これまでのキャリアも一通り振り返る内容。強権的な人たちに支配され続けてきたブライアンの生涯、ランディの治療によってよくなった場合もあるが、次第に生活そのものをコントロールし過ぎるようになっていく。映画「ラヴ&マーシー」でも具体的に描かれていたのでわかりやすいが、同じ強権的でもランディと父マーリー・ウィルソンの存在は異なるという。やはり、父は父。ブライアンから多くのものを奪ったけれども、与えもした。その死に際しての感慨には、大きな違いがあった。特にソロアルバムの制作過程が詳しく書かれているのが興味深い。2枚目のソロである「イマジネーション」、悪くはないのだけど、ちょっとAOR的、やわなサウンドが気にはなった。このアルバム以降も何度か組んでいるジョー・トーマス主導のもので、ブライアン自身も違和感を感じる出来だったようだ。それでも、トーマスと組んでしまうのは、やはり、説得がうまい人物なのかどうか。ビーチ・ボーイズ結成50周年の記念ツアー、ブライアンにとっては喜びも大きかったようだ。しかし、マイク・ラヴにとっては、やはり、自分が中心になれない点で不満があったのだろうか。ブライアンとしては継続したかったけれど、また、ビーチ・ボーイズは分裂した。今は、マイク、ブルース・ジョンストンのビーチ・ボーイズと、ブライアン、アル・ジャーディン、ブロンディ・チャプリンによる2バンドがツアーを行う。そういえば、電撃移籍?を果たしたジェフリー・フォスケットについての描写はなかったな。「スマイル」の新録公式音源の製作は、ブライアンにとっても、大いに肩の荷が下りるものだったようだ。「スマイル」の後に発表された「ラッキー・オールド・サン」は、やはり、アメリカをテーマにした好盤で、グラミー賞を獲ってもおかしくないと思ったのだけど、世間的な評価は今ひとつだったようだ。それでも、ブライアンにとってはお気に入りのようで、溜飲を下げた。続く、ガーシュウィンとディズニーのカヴァー集も、ブライアンとしては、アメリカ4部作のような位置づけのようだ。最新ソロの「ノー・ピア・プレッシャー」までの記述があり、「ロング・プロミスド・ロード」のプロジェクトについてもちらり。何はともあれ、ブライアンたち自身も映画「ラヴ&マーシー」には満足しているようで安心した。あの映画、ファン的には全く文句ない、完璧と言っていい出来に思えたから。アカデミー賞に引っかかればねえ。「スマイル」あたりで、正直、やり終えた感のあるブライアン、引退の話もあったはずだけど、今もコンサートツアーを続け、あのピアノ・プレイ集の後もアルバムは出るのだろうか?もう充分過ぎるキャリアを送ってきたブライアンだけど、その辺、未見のあの映画では、どう描かれていたのだろうか。やっぱり、終われないね、ブライアンの活動も、追って行く方も。どうか、いつまでも長生きを。
2023年01月04日
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「バラカンビート」に続いて、日曜の晩に聴いている、インターFM「荒井商事プレゼンツ ワールド・ミュージック・クルーズ」。いつもはさらっと聴き流していることも多いのだけど、クリスマスのこの日の放送は、ただならぬ緊張感があって引き込まれた。曲は、ウクライナのナンバーが流れ、更に、「ウクライナ戦争日記」の朗読が番組の多くを占めた。クリスマスの、敢えてこの日に、この異例の内容に、パーソナリティの関谷元子さんの強い思いが伝わってきた。10ヶ月以上に及び、尚も続く泥沼の戦争。クリスマスだからこそ、その現実を改めて思い起こすべきではないか。強いメッセージと気合が感じられた。年内最後の放送でもあった。その地域の音楽の、代表的なところをチョイスした的確な選曲、そして、風土や文化の語りも魅力的なのだけど、世界は、平和な地ばかりではない。ウクライナは今も報道されているけれど、シリアだったりミャンマーだったり、報道されていなくても、国民が困難な状況を強いられている地域は、他にもある。音楽を通じて、世界の様々な文化を紹介する関谷さんの、覚悟のようなものが垣間見られた放送だった。来年以降の放送も欠かさず聴取、期待していきたい。
2022年12月25日
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「ニューオーリンズR&Bをつくった男 ヒューイ・“ピアノ”・スミス伝: ロッキング・ニューモニア・ブルース」(長いな)の出版で話題の出版社ドゥ・ブックス、その名の通り、あのディスクユニオンの出版部門ということがあって、音楽関係の本専門だ。だから、近刊だとデイヴ・グロールの伝記なんかも出している。さすがに、ヒューイ・“ピアノ”・スミスは、些かマニアックだから価格も高めだ。まあでも、アルテス・パブリッシングとは、また違った意味で奇特な出版社と言える。そこから2019年に出ていたのが・・・「ブライアン・ウィルソン自伝」'16、まあ聞き書きで、ベン・グリーンマンという人が実質の著者なのだろう。ジョージ・クリントンの自伝も手がけた人だそうな。これも3,000円と高めなのだけど、さすがに買ってあって家に置きっぱなしだった。ブライアンといえば、「ロング・プロミスド・ロード」という映画が公開されたものの、沖縄はコザだけの上映で、結局、観られず終いだった。それもあって、この本の方を読もうかと思って、先月ナイチ帰宅した際に、沖縄に持ち帰ったのだ。ブライアンの伝記といえば、1993年にユージン・ランディ支配下で出版されたものが出ていて、それは読んでいるけど、この「自伝」の方は、当然、ランディの治療を否定する内容で、ランディの支配から解放されて自由を得たブライアンの心情から語られる。ちょうど、映画「ラヴ&マーシー」の映画公開前くらいに出た本で、映画と本で、ランディの影響一掃を図ろうとしていたのかも知れない。かつて、ブライアンのソロ作品の共作者に名を連ねていたランディの名も外された。ただ、ランディの治療で、一時は回復があったことも事実で、その辺は、この本も全否定では無い感じだ。問題は、その結果、ランディがブライアンにたかるような調子になってきたことだろう。有名人にくっつく人間は、どうしてもそんな方向に進んでいく。そして、経済的にも精神的にもむしり取っていく。こういうのは、まあ、アメリカだけのことではないのだろうけど。まだ、読み始めたばかりだけど、基本、那覇の狭い部屋には本をあまり置きたく無いので、年末に帰宅するまでというか、行きの飛行機の機内で読み終えるくらいのスケジュールで読み進めていきたい。しかしなあ、もうDVDも発売になる「ロング・プロミスド・ロード」、まだどこかで劇場で観られるチャンスはないものかなあ・・・
2022年12月19日
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以前、この日記でローリング・ストーンズのモノラル音源のボックスセットを取り上げたことがあったけど、実は買ったわけではなかった。その時は、買いたいけど〜くらいのところで。でも、既に数ヶ月前に終わってしまった、福島FMの番組、ピーター・バラカンの「ゴーイン・バック〜音楽と世界」で、初期のストーンズ・ナンバーを取り上げた回が数回あって、モノ録音時代のストーンズのアルバムを俄然聴きたくなったのだ。で、今更ながら・・・ここんとこ出費が嵩んでいる状況にも拘らず買ってしまった、「ザ・ローリング・ストーンズ・イン・モノ」。アナログ盤が発売された、このタイミングで、CDの方をだ。既に、廃盤だったようで、中古良品を2万円ちょいで。めでたく宅配便を受け取れた。まだ聴いてないけど、年末年始のお楽しみかな。箱物といえば、ビーチ・ボーイズの「セイル・オン・セイラー1972」も出たし、来年早々には、ボブ・ディランのブートレグ・シリーズの17集目「タイム・アウト・オブ・マインド」セッションも出る。どっちも金があろうが無かろうがマストだな。最早、ストーンズもディランも、ビーチ・ボーイズ、ブライアン・ウィルソンも、来日公演があっても行くことはないだろう。大体、高過ぎてチケットが買えまい。正直、こういった過去の音源を聴いていれば充分な気がしてしまう。円安没落ニッポンで、ロックはリアルではなく箱の中を探って満足する時期が来たのかなと思ってる、今日この頃だ。
2022年12月14日
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昨日の続き。佐藤蛾次郎、これで「男はつらいよ」の寅さんファミリーは、諏訪家の3人だけになってしまった。映画やTVのみならずVシネマでまで、脇役で数多くの作品に出ていた人だけど、寅さんの源公は、テレビドラマ時代から演じていた役だから、やはり、別格だ。寅の死を看取ったキャラでもあるのだからね。何作目だったか、「男はつらいよ」の柴又での撮影を取材した際に、お会いしたことがある。その日、蛾次郎さんは現場に遅刻したのだけど、何だったかその日は道が混んでいたのだ。“そうやろ!”と宣う蛾次郎さんは、まさに、電車の中とかで、突如、“お兄ちゃんもそう思うやろ?”と振ってくるような大阪のおっちゃんそのものだった。あの、薬膳カレーも一度食べたことがある、銀座で営んでいたお店には行ったことはなかったけど。渥美清亡き後も、寅さん映画の語り部として、心安く依頼に応じていた人だった。水木一郎は、「原始少年リュウ」が、アニソンとしてのデビュー曲だったのか。僕はロボットアニメ系は、あまり見なかったので、アニソン歌手としては、やはり、ささきいさおの方が馴染みはあるのだけど、勿論、水木の歌でも印象的なものは多い。「バビル2世」とか「キャプテン・ハーロック」といったゴージャスな演奏をバックに壮大に歌い上げるナンバーが好きだった。「琉神マブヤー」の原型とも言える、秋田のご当地ヒーロー「超神ネイガー」のテーマは、このコンセプトを作った元レスラーの人のたっての希望で実現したそうで、その人の車のカーステレオは常に水木の歌を流していた程のファンだったとか(笑)。ちょっと働きすぎの”アニキ”は、病身を押して車椅子でも歌っていたそうだ。アントニオ猪木もそうだけど、ヒーローを貫く気概と気力で持ち堪えていたのだろう。さらば、アニキ、ゆっくりと休養を。息長い活躍を見せたお二人に、改めて、合掌。
2022年12月13日
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訃報が続く、先日は吉田喜重監督もあったけれど、今日は佐藤蛾次郎に水木一郎と立て続け。今月はクリスティン・マクヴィーとか、スタックス・レコードの設立者ジム・スチュアートも亡くなった。一緒くたで申し訳無いけれど、各人について少しずつ。まず、フリートウッド・マックのマクヴィー、元々はクリスティン・パーフェクト名義で、こちらは本名だそうな。ブルース時代のマックは、それほど聞いてないのだけど、昔の録音を聞くと、あのハスキー・ヴォイスは、ブルースやR&Bにもハマっていたことがわかる。メガセールスを記録した後期マックの時代には、ポップ職人の印象が強いけど、その辺りも勿論、捨て難いものはある。個人的に好きなのは、デニス・ウィルソンに捧げた、「ミラージュ」収録の“オンリー・オーヴァー・ユー”。お堅いイギリス人風のルックスの人だけど、無軌道だったデニスを一途に思っていたいじらしさが溢れる名バラード。デニスが溺死してしまった際は、さぞ悲しかったことだろうな。スマッシュヒットしたソロ・アルバムも、佳曲が並んでいた。79歳にもなっていたんだねえ。吉田喜重監督、実は、ちょっと仕事したことがあったのだけど、申し訳ないけど、監督作品は「秋津温泉」他、数本しか観ていない。折しも今日が誕生日&命日の小津安二郎とのエピソードが色々と印象的な人で、後年は、その小津との関係を見つめ直したドキュメンタリーや書籍等もあった。僕がお会いした時は、既に60代後半頃で、穏やかな語り口ながらも、時々見せる眼光の鋭さが印象的だった。東京12チャンネル時代に手がけた美術ドキュメンタリー「美の美」をDVD化しようと動いたのだけど、実現出来ずに残念。あれは、今も広く見られるべき秀れた内容だった。スタックス・レコード、モータウンのように黒人経営者なのかと思いきや、ジム・スチュアートと姉のエクセル・アクストンという白人オウナーによるレーベルだったのだね。偶然のタイミングか、数日前に放送のBS朝日「町山智浩のアメリカの今を知るTV」で、町山が、今は博物館になっているスタックスのスタジオを訪問していた。メンフィスの映画館を改装したスタックス・レコード、周りは結構殺風景な様子だったけど、そんな環境で、モータウン以上にディープなソウル、R&Bの名曲の数々が生み出されたのだね。追悼で「ワッツタックス」の再上映とか期待したい。合掌、RIP。後のお二人の件は明日に。
2022年12月12日
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ぼちぼちクリスマスの足音が聞こえてくる時節だけど、今年は目ぼしいクリスマスアルバムの新譜というのが見当たらない。例年、何かしら買っているのだけど、今回はどうしたものか。クリスマスに聴く音楽は、奇を衒わないオーソドックスなものがいい。そういう意味では、普段はあまり聞かないカーペンターズによる「クリスマス・ポートレイト」'78は、実に名盤だ。クリスマス・クラシックの数々を、リチャード・カーペンターによる絶妙のアレンジで華麗に展開。唯一のオリジナルである“メリー・クリスマス・ダーリン”が、これまた実に名曲で、切ないけれども暖かい気持ちになる。毎年聴きたくなる1枚だ。カーペンターズのクリスマスアルバムといえば、この続編として「オールド・ファッションド・クリスマス」'84というのもリリースされている。こちらはカレンの死後にリチャードが作り上げたもので、「ポートレイト」のアウトテイクに加えて、リチャードがヴォーカルを撮った新録音のものも含まれる。では、目ぼしいクリスマスの新譜がないなら、これを買おうか。でも、ひょっとしたら家にないかを確認してからと思ったのだけど・・・「クリスマス・ポートレイト」は17曲収録、「オールド・ファッションド・クリスマス」は14曲収録。で、自分が持っている「クリスマス・ポートレイト」を確認すると21曲収録、あれ?でもって、曲目を確認すると、「オールド・ファッションド」に収録のものが何曲か入っているようだ。何だろな、これ、編集版?自分が持っているのは、「ポートレイト」スペシャル・エディションってことで、「オールド・ファッションド」に収録の曲を合わせて構成されているようだ。これまで聴いてきて、構成が完璧だと思っていたけれど、実は2枚のいいところを集めた1枚になっていたようだ。勿論、全部ではないけれど、聴きたい曲は大体入っている感じだ。なら、「オールド・ファッションド」を買う必要はないかな?代わりにというか、ちょっと興味を持ったのが、ピーナッツのクリスマス・アルバム。ピーナッツって、あの双子ではなくてスヌーピーね。ヴィンス・ガラルディというジャズピアニストが担当した軽快な音楽は、テレビシリーズでお馴染み。そのテレビの劇伴も聞けて、ガラルディによるクリスマスナンバーも収録されている。「スヌーピーのメリークリスマス」ないしは、「チャーリー・ブラウン・クリスマス」というタイトルで出ている。これ、いいかも。と、そこで、思い出したけど、映画版の「スヌーピー」はシャーマン兄弟が音楽を担当していて、ロッド・マッキューンが歌った“ボーイ・ネームド・チャーリー・ブラウン”という名曲があった。あれが入ったのが欲しいなと思うが、最初の劇場映画「スヌーピーとチャーリー」'69の曲。でも、このサントラ盤を探すと、音楽はガラルディで、そのインストが収録されたものしか見当たらない。マッキューンの歌も入った総合サントラ盤は、もう出てないのかな?CDではなくアイチューンとかで探せばあるのかも。うーん、結局、今季は新しいクリスマスアルバムはなしかなあ。近年のノラ・ジョーンズとか、定番のフィル・スペクターやザ・ワルツのを聴くってとこかな。ああ、勿論、カーペンターズもね。
2022年11月16日
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原田知世とは、ちょっと共通項があるもので勝手に親しみを持っている。「時をかける少女」をそれほど評価してるわけではなく、あの頃は特にファンというわけでもなかったけど、その後の息長い活動には色々と感心させられている。近年、ブレイクとまでは言わないけれど、彼女の作品が注目を浴びる機会が増えているように思える。そんな折、NHKラジオで「原田知世40周年 歌とともに」という番組が放送、AMながら3時間の編成だ。1時間ずつ、後聞きで。本人へのインタビューを軸に、年代順に、その歌手としてのキャリアを追っていく。アイドル期は、やはり松任谷由実による楽曲が中心だが、意外にも唯一の「紅白歌合戦」出場時に歌われたのは、「早春物語」のテーマ。ちょっと暗めの歌だけど、アイドルから大人への脱皮期の1曲という感じか。やっぱり、「紅白」出場は故郷の家族も含め盛り上がったそうだ。そんな時期に、映画でクリーンヒットになったのが、「私をスキーに連れてって」’87。何だか、あんな劇場の扉が閉まりきらないくらいの人が押し寄せたような光景って、バブル期が最後だったろうか。でも、バブル期の象徴的1作に出演しながらも、いわゆる、トレンディ女優のような存在にはならなかった。彼女のどこか不思議な距離感、立ち位置故に、時代に踊らされない、その後の息長い活動に繋がったという気がする。これは事務所の戦略等を超えた、彼女の個性故ではないか。その透明感、パステルカラー的な存在感が、歌手としてのキャリアに活かされていく。鈴木慶一やスウェーデンのトーレ・ヨハンソンと組んだ諸作は、ちゃんとは聞いていないけど、彼女にアーティスティックなイメージももたらした。決められた範囲内で仕事をする役者に対し、自分のやりたいように自由に出来る音楽活動が加わることで、精神的にもバランスが取れて自然体のキャリアを送ることに寄与したようだ。その時期の楽曲、特段、新鮮というわけではないけれど、やはり、あの人らしい個性は貫かれている。個人的には、アイドル時代とは違って、この頃の歌い方は、ちょっと巻き舌歌唱なのが気になるのだけれど(巻き舌苦手なのだ)。ともあれ、この時期の作品で、アーティスト原田知世のイメージも確立され、純粋に音楽面でのファンが増えたようだ。鈴木慶一との繋がりは、後の高橋幸宏らとのバンド、ピューパでの活動にも繋がっていく。中学生時代から活動していたので、芸能生活40周年といっても50代半ば。朝ドラでお母さん役もやったそうだけど、おばさんっぽさは感じられず今も瑞々しい感じなので、女性層にも人気があるのだろう。40周年ということで記念のベストアルバムからのチョイスが、放送の3部目。変わらぬ淡色的な歌唱と楽曲は、気持ちよく飽きさせずに聞かせる。その、芸能界の中でもユニークな立ち位置をキープしている理由は、この番組を通じて改めて確認出来た気がする。いい年の取り方をしてるなあと思える一人だね。
2022年11月09日
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明日は4ヶ月ぶりのコザ泊まりの予定だ。猫をお留守番させるのは7月以来だけど、琉球ゴールデンキングスのホームゲームの今季初観戦なので、これは行かざるを得ない。デーゲームだから泊まらなくてもいいのだけど、何せ4ヶ月ぶりだから、やっぱり、しっかりと飲んできたい。このところ、ひたすら家飲みばかりだったしねえ。夜の街に繰り出し、部屋以外の寝床で寝るのもタマには必要でしょうってことで・・・実は、2週間後にも、またコザ行きを考え始めている。前にもちょっと書いたけど、観たかった「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」、沖縄での公開決定とすわ喜んだものの、上映はコザのシネマプラザハウスだけになってる。これは那覇のシネマパレットでも上映あるのではと思うのだけど、そこはどうなるかわからない。確実に観るならコザ行かねば。来週末は日中にキングスのアウェイゲームもあるし、ゴダールの上映にも行かねばと思うので土日とも無理そう。これも久々に奥武山公園での開催がある沖縄の産業まつりもあるし、ちょっといっぱいいっぱい。で、その翌週はキングス戦ないし、まあ30日は与那原綱引きあるけど、29日なら空いている。では、そこで?映画はポイント使って1,000円で観るとして、その映画代を超える往復のバス代がかかるから、映画だけでも何だ。ただ、明日泊まるから、もう泊まりはなし、日帰りとして、半日くらいはコザで過ごすか。昼に行って、まずはステーキ食べて、映画観た後は、風呂か運動。風呂は明日行く予定だからトレーニングの方かな。そして、タコスでもつまみながら軽く一杯。那覇に戻るバスは21時半くらいが最終なので、そこまでは目一杯なんて考える。しかし、10月は色々イベントが立て込むし、観たい映画の上映時期も何だか集中している。これも絶対観たい「RRR」は、来週末に観てしまわないとならない。ハシゴになっちゃうけれど。費用や暇を考えると、再来週コザに映画だけ観に行くのは、些か迷うところだ。ここは選択肢を考えると・・・1.やっぱり、コザまで日帰りで観に行く。2.新文芸坐でも上映されるらしいので、来月のナイチ帰宅時に観られることに賭ける3.那覇でも上映されることに賭けてコザ行きは見送るどれにしようかな、もう那覇でも上映してくれよなあ、やっぱり。
2022年10月14日
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今週のBS朝日「ベストヒットUSA」は、ビーチ・ボーイズをフィーチャー。コロナで大々的には行わなれなかった結成60周年記念の一環ということか、過去の名曲の新たなMVが制作されていて、チェックしようとしていたが、これを番組でまとめて取り上げてくれていた。“バーバラ・アン”、“ドント・ウォーリー・ベイビー”、“素敵じゃないか”、“神のみぞ知る”の4曲。なぜ今更これらの曲の新映像?とも思ったけど、まあ時代に合わせた内容なのだ。つまり、バリバリ白人の世界という印象のBB5の曲だけど、新ヴィデオでは主人公は黒人?少なくとも白人ではない二人だ。“バーバラ・アン”では、サーフィンに精を出す少女と、それを遠くから眺める少年が描かれる。“ドント・ウォーリー・ベイビー”では、それを少年側の視点から。“バーバラ・アン”って選曲は意外だったが、ホワイトウォッシュ脱却としてふさわしかったのかな。次は“ドント・ウォーリー”よりも“サーファー・ガール”の方が良かったような気も。そして、二人が恋に落ちる、“素敵じゃないか”。最後は別れを描く“神のみぞ知る”ということになる。曲そのものが、ちょっと不安定な恋というか、単純ではない行末を描いているので、ふさわしいのかな。いずれもスローな映像も駆使した青春胸キュンドラマの趣だ。BB5ナンバーの良さを、白人層のみならず、幅広い人種も世代に知って欲しいという意図は窺える。そうだ、ブライアン・ウィルソンの書いた曲は、普遍的なもので、白人たちの世界だけのドラマではないのだ。来年公開予定の「リトル・マーメイド」の実写版で、ヒロインのアリエルは黒人だそうだ。この予告編を見て希望を抱いた黒人少女もいたそうで、考えてみれば人魚が白人である必要はない。キリストだって本来は白人ではないのだから。ハリウッドを長らく支配したホワイト・ウォッシュの構造が崩れつつある、それは勿論、ポップミュージックの世界でも然り。さて、BB5といえば、新たなるボックスセットが来月発売、今度は、「カール・アンド・ザ・パッションズ」か。「ホランド」も含む、「セイル・オン・セイラー1972」という6枚組。これもすぐ買わないと、前の「フィール・フロウズ」みたいに売り切れになるかなあ、買うけれども来年以降にしたいのだけど・・・ネタ的には、箱にして商売出来るのは、BB5では、この辺が限界だと思う。いくら何でも「MIU」とか「LA」で箱はやれんだろう。その意味では、やっぱり買ってはおかないと。でもねえ、そっちより先に、今更ながらストーンズのモノ箱の方を買っておきたいんだよな・・・
2022年10月07日
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