健康・美・老化を考える辻クリニック院長のブログ

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メソセラピーと脂肪溶解注射


メソセラピーとは「メソダーム:中胚葉から発生した人体部分」に行う「セラピー:治療」という意味です。
私が整形外科時代にやっていたのは「腰痛・肩関節痛・膝関節痛」といった「鎮痛治療」でした。
この治療の目的は「全身的に薬剤を投与した場合、その薬液量が多くなってしまうことを防ぐ」というものです。
内服などでは、飲んだお薬が消化管から吸収されると、まず肝臓を通過します。その際、その成分の80%が「解毒」されてしまうんです(なぜならすべてのお薬は、身体は「毒」と認識するからです)。
よって、目的の部位にお薬の有効濃度を届けようとすると、高い濃度の薬剤を摂取する必要があるのです(肝臓治療目的のお薬は別です)。
また、全身的に投与された薬剤は「60兆個の細胞に分散される」ので、目的部位の細胞に達する薬液量は「ごく少量」ということになります。
メソセラピーの基本は「最良量の薬剤を広く、まばらに、目的の場所の最も近い場所に痛みなく投与する」です。
大豆イソフラボンを使ったいわゆる「脂肪溶解注射」はメソセラピー治療の一つ(変形)といえます(けして=ではない!)。
私の知る限り(私が皮下脂肪に対して行っているメソセラピー)、皮下脂肪に対するメソセラピーはその人に合った(診察→診断→薬剤決定)薬剤をカクテルし「目的の脂肪部位に最も近い皮膚上」に「ごく浅い注射:ほぼ痛みのない(私のクリニックの患者さんは『くすぐったい』という人もいます)」を大量に注射(というか針でお薬を乗せるという感覚です)してゆきます。
先に述べた「メソセラピーとは・・・」からいうと、現在美容外科で盛んに行われている「脂肪溶解注射」は「痛み・薬液量」から考えると「メソセラピーとは言いにくい治療」です。


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