第十九回★軍隊２
第十九回★軍隊２
いやぁ、軍隊１を書いてから、２を書くまでにこんなに時間がかかってしまうとは。
時間が経つのって恐ろしい。
軍隊は韓国人男性にとって非常に身近に存在する問題です。
いいことも、悪いこともある。
でも、はっきり言わせてもらえれば、いい事なんてない。
『軍隊１』でも書いた(と思う）けれど、やっぱり、戦争のための訓練なのだから
危険が付きまとう。
いじめや、自殺、殺人もある。
軍隊経験者で「軍隊は集団生活を学ぶ上で大切なことだ」とか、
｢軍隊によって根性や精神が鍛えられる」とか言う人もいるけれど、
それは、嫌なことをするなかで、一生懸命探して見つけた、
『自分を慰める言葉』であるように思う。
何のために軍隊に行ったか。理由付けにしか聞こえない。
軍隊に行かなければ、根性はつかないのか？精神は鍛えられないのか？
軍隊でしか集団行動は学べないのか？
軍隊に行ったせいで、精神病にかかる人もいる。
軍隊に行ったせいで、根性が曲がってしまったやつもいる。
この前、友達のひとりが軍隊に行った。
僕が入っているバンドのボーカルだ。
お別れ会があり、そのとき、日本人が「かわいそう」と言った。
同感だ。
彼は、「かわいそうなことではない、韓国の男はみんな行くのだから、みんな同じだ」
と、その日本人が女のせいもあってか、強気だった。
でも、二次会の時(二次会の途中で帰ったので聞いた話だが)、
酔いのせいもあり、お別れ会の終わり際には、友達に抱きついて泣いたらしい。
滅多に韓国人の男は涙を見せないと言うのだけれど、彼は泣いた。
友達と別れる寂しさか、軍隊へ行くことに対する不安か。
なぜ泣いたかは、彼以外はわからないが、どっちにしろ、軍隊が理由に違いないだろう。
もうすぐしたら、他の友達も軍隊に行く。
同じ部屋の後輩も、冬休みから軍隊に行く。
僕と同年代は、予備軍であふれている。
部屋の後輩のひとりが言った。
「あんたが羨ましい。俺よりも、間違いなく２年長くいきれるのだから」と。
つまり、軍隊に行っている間は｢自分にとって死と同等である」と言うことだろう。
集団に組み込まれ、個は没し、二十歳前後のいい時期を２年間軍隊と言う
閉ざされた、狭い空間で生きなければならない。
僕は、韓国政府の政策とか、そんなことを議論するつもりはない。
狭小ではあるかもしれないけれど、僕が生きているこの環境の中で、
友達と接する中で、軍隊の制度は邪魔者でしかない。
日本人の僕は、軍隊に行く友達が、除隊まで無事でいれることを祈ることしか出来ないのだ。
今、米軍が韓国から撤退しているために、彼らの従軍期間が２年から２年３ヶ月に
伸びるという噂もある。
最後に。
なんか、明るくない話で書くのも疲れたので、この話を。
友達の中に、ものっすごく｢女性的」な男の子がいる。
顔立ちもきれいで、歩き方なんかも弱弱しい。
軍隊に行ったら死ぬんじゃないかと思われるくらいに。
彼の友達や先輩がとても心配していることがある。
友「あいつ、軍隊に行ったら大変なんじゃないか？」
俺「ねぇ。自殺とかしなきゃいいけど、、」
友「完全な男社会だからなぁ」
俺「マッチョばっかりだし、痛いんだろうなぁ」
皆「、、、、ケツの穴」
失礼しました。下ネタ落ちで。
でも、みんな、本当に心配してることなんだわ。
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