小さな宝物

小さな宝物

2006年09月22日
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カテゴリ: 愛読書
恋愛小説

川上弘美・小池真理子・篠田節子・乃南アサ・よしもとばなな
5人の名手による極上のラブストーリー。
恋を読む。甘い痛みが胸に広がるひそやかな時間。
サントリーとのコラボレーションで話題のミニ本「新潮ハーフブック」が一冊の本に。



最近どうも集中力がなくて短編集ばかり読んでいます。
この本はサントリーとのコラボレーションということで
お酒が本のどこかに必ず登場しています。
主人公は30代の女性たち。

私が気に入ったのは乃南アサさんの「 アンバランス


瞳子は長い間働いていた会社をやめ今は自分の時間を過ごしている。
二人で暮らしているので専業主婦のような生活を送っていて
習い事をしたり自分の時間を有意義に過ごしていたつもりだったのだが
最近直也の態度がおかしいと不安に思い始める。
仕事が忙しいからと平日はほとんど口も聞かず帰ってくればすぐに寝て
朝早く仕事に行ってしまうし休日は接待ゴルフだと言って出かけてしまう。
そのうちマンションでおかしなことが起こる。
誰もいない上の階で変な音がするのだ。
日増しに大きくなっていくその音に不安を感じた瞳子は直也に相談しようとするが
「そんなおばさんの井戸端会議みたいなこと」と言ってまともに聞いてくれない。
おばさんと言われたことに4つ年上の瞳子はショックを受けもう潮時なのかと考える。


仕事で重要なポストをまかされるようにもなったし年の差で反対していた両親にも
今なら納得してもらうことが出来る。
とにかく忙しい。
休日は瞳子と結婚したら暮らす家を探していた。
瞳子に内緒にしてるのはクリスマスにプロポーズをしてびっくりさせるためなのだ。


気持は通じ合っているはずなのに言葉にしないからだ。
二人とも心の中ではいろんなことを考えてるのにそれを口にしない。
だから自分の中でだけどんどん気持が大きくなっていってしまう。。。。

でも最後はお互いの大切さをちゃんと感じあうことが出来る。
馴染みの店で二人で食事をするのだ。
久しぶりにゆっくり会話したら今までの不安などはあっという間に
どこかに吹き飛んでしまう。

ちょっとした誤解、タイミングで男女の関係ってあっという間に変わってしまう。
だからいつも相手を思う気持を忘れずにいること。
気持をちゃんと言葉にすること。
大切だなあって改めて感じることの出来る一編でした。







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最終更新日  2006年09月22日 15時30分33秒
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