小さな宝物

小さな宝物

2008年08月05日
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カテゴリ: 愛読書

人は、永遠に輝く星にはなれない

199.人は、永遠に輝く星にはなれない

「医療相談室」―そこは、生・老・病・死がせめぎあう所。頚髄を損傷し、自暴自棄からリハビリを拒否し続ける男性入院患者。幼い息子の医療費免除をヒステリックに訴える母親。何不自由ない暮らしに不安を覚え、通院を繰り返す老女。半身麻痺の夫の退院を拒む裕福な妻。本名も年齢も語ろうとしないインテリ風のホームレス。突然のガン宣告を受けたあと、一度だけその部屋を訪れた独身のキャリアウーマン…。そして、またひとりのクライアントがこの部屋を訪れる。西原寛治、87歳。医療ソーシャルワーカー・猪口千夏は、枯れてなお狂おしいまでに燃え続ける、人生最後の命の明滅を見つめることになる。

MSWって本当に大変なお仕事だと思います。
私が働いていた病院にも一人いたのですが一人で
150人いる院内の患者さんを網羅し、その家族との連絡の調整や相談。
その他にも他院との連携や、地域の入院相談など様々な仕事を請け負っていました。
同時に孤独感の強い仕事なのではないかなあという思いもありました。
いつも何かの板挟み。
ナースはチームで動くので誰かに相談出来るけど
MSWはなかなかそういう訳にもいかなくて・・・・。


一人のMSWが軸になるこの物語は彼女の元を訪れる様々な人が
それぞれに主人公です。
病気になるということ、老いるということ。
自分を受け入れるということ。
人間は流星と同じ。
輝く星にはなれない。
だからこそどう消えていくのか・・・。
それによって「生」をどう生きるか。
そんなことを考えさせられる一冊でした。

文章はとても読みやすく、独特の文章表現などもあって
とても興味深く最後まで読むことが出来ました。





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最終更新日  2008年08月05日 22時46分45秒
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