オリーブ油  心臓病・動脈硬化



オリーブは、品種を問わず、果実には強い苦味があり生食できない。

そのため、塩漬け(ピックル)にして食べられている。
脂肪分を含む果実は独特の風味をもち、栄養価も高い。
また熟した果実の果肉からはオリーブ油、核からは核油が得られる。

オリーブ油は植物油のなかでも最も消化・吸収がよく、
リノール酸やリノレン酸など、豊富な油溶性ビタミン類、さらに細胞に酸素を送る働きを持つスクツレンなど栄養的価値の高い成分が含まれている。

なかでも、果肉だけ収集したものを弱く冷圧して採取したオリーブ油は“バージンオイル”と呼ばれ、新鮮な味、栄養ともに最高である。

その成分分析を見ると、酸化度が0.17と低く、齢化価190、ヨウ素価83.5といずれも高い。
脂肪酸の組成は不飽和脂肪酸を豊富に含み、オレイン酸79.4%、パルチミン酸9.2%、リノール酸8.1%、ステアリン酸2.6%、リノレン酸0.6%などとなっている。

そのほか微量成分ではプロビタミンA、ビタミンF・D・E、スクアレンなどがある。

バージンオイルは、新鮮なオリーブ果肉をすみやかに1番しぼりにした良質のオリーブ油で、前記のとおり熱をまったくかけずに冷圧法によって採取するので、オリーブの生きた栄養がまったく破壊されていないのが特徴である。

そのため、栄養が豊富に含まれているほか、消化・吸収が良く、さっぱりとした

食後感で、食べても胸やけや胃のもたれなどの心配がない。

このオリーブは、欧米で古くから薬用として使われており、健康食品として高く評価されている。

欧米でのデータを紹介すると

①コレステロールを減らす、

②オリーブ油を常食している民族では中年層に心臓および動脈系統の病気が非常に少ない、

③X線や放射線から守る(ネズミにX線、放射線をかけつづけた実験で、オリーブを与えたネズミには障害が起こらなかった)

④便秘の予防(慢性便秘などの人は大サジ1~3杯のオリーブ油を飲むとよい。副作用がなく、オリーブ油が腸壁をなめらかにして腸の運動を高める)、

⑤胃酸過多や胃潰瘍にも有効(胃を守り、胃の運動や胃液の分泌を規則正しくする)、などとなっている。

その他、
髪の毛や皮膚の美容と健康、日焼けの予防、歯ぐきの健康、爪やまつ毛の健康などにも効果がある。

また、オリーブの果実は、一般に15~25%の油分を含むほか、天然の酵素や水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、カリウムやリン、マグネシウムなどのミネラルなどを豊富に含んでいる。

しかも、自然のタンニンと酵素がうまく調和しているので、栄養成分が吸収されやすく効果的な栄養食品である。

つづく


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: