フキ(蕗)ゼンソク、痰のからみ、便秘



ほろ苦い味わいと柔らかな緑の色彩と特有の香りで季節感を運んでくれるフキは、ゴボウと同様にわが国特産の野菜である。

地下を這う根茎から、春先に包葉をまとった丸い親指大の花穂を出したのが「フキノトウ(蕗の薹)」で、味噌汁の具や天ぷら、佃煮、漬物などにして風味を楽しむ。

花が過ぎると根茎から葉柄が伸びて、先端に丸形もしくは腎臓形の葉がつくが、葉柄は煮物、和え物、汁の具や砂糖漬けの菓子など、葉は佃煮などに使われる。

もともとは山野に自生する多年草(キク科)で山菜として賞味されてきたが、現在ではアイチブキ、ミズブキ、アカブキなどの栽培種があり、大きなものは葉柄の長さが1.5mにも達する。

栄養的には、葉柄の部分では100g中食物繊維が0.6g、カルシウム38ミリグラム、カリウム31ミリグラムなどが目立ち、

フキノトウはいずれもそれをやや上回って、とくにカロチンは610ug、ビタミンCは2ミリグラムと多い。

しかし、栄養価ももちろんだが、香りと風味と歯ざわりが与える心理的な喜びも手伝って消化吸収を活発にし、体の活性化をもたらしてくれる。

ほかに薬効として、ゼンソク体質が改善すること、痰が切れること、便秘の解消などが挙げられる。


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