サバ(鯖)動脈硬化、EPA、DHAの宝庫



スズキ目サバ科サバ亜科に属する海産魚の総称。日本近海にはマサバ、ゴマサバおよびグルクマの三種類が分布する。

「サバの生き腐れ」という表現があるように、急速な鮮度低下が利用上の問題となることが多い。

また、遊離ヒスチジンが多いので、アレルギー源となるヒスタミンを生じやすく、ジンマシンの原因となることがある。

サバは100g中タンパク質19.8g、脂肪16.5g、ビタミンB2 0.54㎎と豊富だが、肉類の脂肪とは質的に異なり、コレステロールや中性脂肪を抑え、動脈硬化や血栓を除き、血圧を正常に保つエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの高度不飽和脂肪酸を多く含んでいるので、成人病の予防によい。

またDHAは脳の働きにも大切な脂肪酸で、学習能力の向上やボケの予防にも役立つ。

コレステロールは100g中55mgで魚としては少ない。タンパク質は必須アミノ酸を豊富に含み、アミノ酸スコア100で優秀。

B2以外のビタミンも豊富で、A効力100IU、B1 0.16mg B2は前記のとおり、ナイアシン9.7mg、Dは330IUなど。

冷たい水にすむ魚の脂肪に濃高度に含まれている「オメガ3」と呼ばれる脂肪酸は、血中の中性脂肪値とLDLコレステロール値を下げる。ノルウェーでの研究では、一日にサバを約100g食べると6週間で血液の粘度が顕著に下がることが明らかにされている。

また、イギリスの科学者たちは広範囲な調査から、魚を食べる人の善玉HDLコレステロールの血中濃度は、肉食者に比べてはもちろん、菜食主義者に比べても高いと報告している。

魚を食べることで心臓病をかなりの程度防ぐことができるわけである。

一日に85gのサバを長期間食べ続けると、血圧が約7%下がるとする研究もある。

またマサチューセッツ工科大学のジュディス・ワートマン博士らは、魚のアミノ酸のチロシンが、脳内神経伝達物質のノルエピネフリンとドーパミンを増加させる(精神的なエネルギーが湧き、精神が張つめ、いつでも敏速な行動が取れる)ことを確かめている。

つづく



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