Salon de Ciel

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再会



彼の容姿は全くと言って良いほど記憶になかった。車から出て来た彼を見た時、「あれ、本当にこの人?」と思った程(笑)

ハグをして「久しぶりだね」という彼の声を聞いた時に、
あ、本当にこの人がSだ。と分かった。いつも電話越しに聞いてた声は、覚えていた。

「でも、もう、絶対に好きにはならないからね」

もう不用意に傷つくのは嫌、とガードを固くしていた私は、彼を見てときめかないように気をつけた。

1度目のデートでは、ハグと手をつなぐだけだった。

2度目のデートでは、おやすみ、とほっぺたにキスをされた。


3度目のデートで彼は口にキスをしてきたけど、
決して私からキスをし返す(←私には大事な事だった)事はせず

キスぐらいで何?
あんたの事は何とも思ってないわよ
って態度を露にして自分を守っていた。この時、私は他の男の子ともデートしていたしね。


でも、何度他の男の子とデートを重ねても、それはいつも「Sが一番だ」、という結果にしか導かなかった。


Sといる時が一番楽で、Sといる時が一番楽しくて

Sといる時の自分が、一番私らしい。


悔しいけれど、また彼に惹かれはじめた自分がいた。


毎日のように電話で話して最低週3回は会っていたけど、それでも
2ヶ月が経っても、まだコミットメントはくれなかった。

私はなあなあにしてしまうのは絶対に嫌だったので、時々他の男の子ともデートしてる事をちらっと話に出したりして、「あなたとはちゃんと付き合っていないからね」っていう圧力を(笑)かけた。


早く言え~~!

付き合ってくれ、って一言

さっさと言ってくれ!!


デートの期間ってのは正に友達以上、恋人未満の関係。
そんなちゅーとはんぱな関係が続くのは、私はまっぴらで、
早く全てをクリアにしたくてイライラしていた。




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