chocolate babe

若気の至り



初めて親とその男が対面した。男は必死で親を説得した。言える事全てを言った。しかし親は「無理」の一言。高校生で産んで何の幸せもない、親戚に何と言ったらいいのか、恥ずかしいと言い、泣いていた。

親に私の人生を決められた。親によって私の初めての子供をおろすことになってしまった。手紙を勝手に読んだ。親に対して怒りの感情しかなかった。すぐに中絶の手続きをとり、学校を休み手術をした。当日、男と親が連れていった。中絶費用は親が出すと言っていたが男が出した。もちろん私にはそんな大金はない。高校生だったから。将来の蓄えなんて考えてもない年頃だ。他にも中絶手術を受ける人は3人くらいいた。カップルと一緒に来て泣いていたり、一人で来ていたり、親と来ていたり。

膣を広げる為の薬を入れられ、ベッドでしばらく安静。やがて手術の時間が来て、麻酔をかけられる。すぐに意識はなくなったけど、子宮の中がグルグルしている感覚は伝わった。何分で終わったのかは分からない。しばらくして意識もしっかりしてきて、帰ることになった。男が迎えに来た。

その日は罪悪感でいっぱいだった。初めての子供を見ることもなく終わってしまった。自分達が避妊をしなかったのが第一の原因。でもそれよりも何よりも親を恨んだ。男の子だったのかな、女の子だったのかな。男とは別れることもなく、同棲生活はいつも通り続いた。






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